お前のような踏み台がいるか!(白目)   作:ジャック・ザ・リッパー

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読者に欲しがりさんがいたので、続きを書いてみることにした。久し振りの踏み台君の投稿なのでこれ以上続くかは未定。


第二十台

こんにちは、未来の世界に飛ばされた踏み台転生者の伊織朱音です。

お昼過ぎになり、図書館から出てノーヴェから貰ったお金で何か食べようと思い外に出ると、少し離れたところで俺より少し年上の女の子が暗い顔をしてベンチに座っていた。

 

さて、俺は女の子に話しかけるべきなのだろうか?普通なら無視する筈なのに、何故か俺はその女の子に惹かれていた。訳がわからないが、俺はその女の子に話しかけることにした。

 

「そんな暗い顔をして、どうしたんですか?」

 

「へ?」

 

俺が話しかけると、その女の子は顔を上げた。

その女の子は金髪で、俺と同じ翡翠と紅玉のオッドアイを持っていた。俺は驚いてすぐに言葉がでなかったが、続けて話しかける。

 

「何か落ち込んでるように見えたので、どうしたのかなって?」

 

「関係無いので、ほっといてください。」

 

「......何かショックなことがあったんですね。僕に話を聞かせてもらえませんか?話せば少し楽になるかもしれないですし。」

 

うわっ、俺僕とか言っちゃったよ。キャラに合わないことはするべきじゃないね。さぶイボがすごいわ。俺は女の子のとなりに座り暫くして、女の子は話始めた。

 

「私は今、ストライクアーツっていう格闘技をしてるんだけど、今日対戦した強い人に『遊び程度なら強いと思います』って言われちゃったんだ。私は、これでも本気で頑張ってきたけど、そう言われたのが少しショックで...。」

 

「そっか、相手はどんな人なの?どういう風に強いの?」

 

「私よりもとっても強くて、力もあって一撃でやられちゃった。」

 

「ふむふむ。なら、お姉ちゃんはどんな風に強いの?」

 

「私は、強くなんかないよ。昔から弱虫で、力も弱かったんだ。でも、ストライクアーツを始めてから少しずつ強くなってるって思ってたけど、まだまだ弱いままだよ。」

 

「成る程。お姉ちゃん、少し僕と遊ばない?」

 

「へ?」

 

俺は、ベンチから立ち上がる。

 

「ルールは簡単、制限時間は3分!そのうち二分は僕からは攻撃しない。お姉ちゃんは、僕に一撃でもまともに攻撃を当てられたら勝ち!簡単でしょ?」

 

「で、でも、君みたいに小さい子にそんなこと「あれれ?もしかして年下の格闘技もしてない子供相手に勝てないんですか?ふふふ、笑えますね!」いいよ、本気で行くよ。」

 

煽り態勢低いなぁ。でも、今はあの落ち込んだ顔じゃなく真剣な顔になっている。では、開始の合図をしようかな?

 

「それじゃ、3、2、1、スタート!」

 

女の子は、スタートの合図でこちらに向かって駆け寄ってくる。遅めのパンチが来たので、普通に受け止める。

 

「......もしかして、その程度の力が本気ですか?」

 

その一言を聞いた女の子は、次は早いパンチをしてきた。俺は攻撃をいなす。続けて素早い攻撃が連続で来るがいなす。女の子は本気になったのか、蹴りも放ってくる。だが、俺は避けることはしない。すべての攻撃を両腕だけでいなしていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「2分経過、次は攻めていくよ。」

 

「なっ!?」

 

少女は、自分は防御を捨てて全力で殴っている筈なのに、相手はこれから攻めるという宣言を聞いて驚愕した。その時、頬を触られた感触がした。

 

「はい、一撃。」

 

見えなかった。嫌、見えていたが攻撃と判断していなかったが正しい。次々と、早いが攻撃と言えないような触る程の力によるタッチが身体に感じられる。頬、こめかみ、喉、腹、脚、脇腹。順番に触られる感触を味わいながら、私は必死に攻める。

 

「はい、60撃。3分だよ、お疲れ様。」

 

悔しかった。本気で一撃を入れようとしたのに、残り1分には片手だけでいなされていた。少女は、悔しさのあまり泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、残念賞。」

 

「......ありがとう。」

 

俺はその後、近くのお店にあるクレープ屋台からクレープを買って女の子に渡した。まさか、勝負に負けた男の子のように泣き出すとは思わなかった。一応、甘いもので落ち着かせているが、やっぱり女の子の涙には勝てないなぁ。

 

「......どうしたら、どうしたらそんな風に強くなれますか?」

 

「僕は強くなんか無いよ。」

 

「......なら、負けた私はどうなるんですか?」

 

「仕方無いよ。あの勝負は、僕が勝てるようなルールにしたんだから。」

 

「へ?」

 

俺は、女の子に説明した。

 

「あの勝負は、君がどういうタイプの戦い方をするのかを見るための勝負なんだよ。分かったことは、君は正面からぶつかるパワーファイターじゃなくて、スピードとテクニックで翻弄するタイプだってこと。」

 

「そこまでわかるんですか?」

 

「うん、触った感触的に、カウンターが得意なタイプなのが分かったよ。話に聞く遊び程度に強いって事と、それなりに頑張ってきたと聞いて、あの筋肉のつき方はカウンターを主体とするタイプなのはわかるよ。」

 

「触っただけでわかるって、出鱈目ですね。でも、何であの勝負が君の勝てるルールなんですか?」

 

「簡単だよ。僕も君と同じカウンターを主体とするタイプだからさ。」

 

あの勝負ほど、出来レースはなかったと思う。スキルによる自動防御、それに任せて相手の動きと筋肉のつき方を調べるように見て触る。これ程勝敗の決まった勝負はなかなかない。

 

すると、女の子は俺に向かって頭を下げる。

 

「お願いします。私に戦い方を教えてください!」

 

「は?」

 

「私の強みは、カウンターしかないんです。でも私の周りには、カウンターを使う人がいないんです。お願いします!私にカウンターの使い方を教えてください!」

 

カウンターの使い方を教える。簡単に言うが、これはスキルによる無意識な行動なのだ。教えろと言われても、俺がカウンターで知ってるのは、ボクシング漫画の宮○君しかしらない。

すると、後ろから声をかけられた。

 

「アカちゃん。時間になっても来ないから探したよ。」

 

「全く、私は体が悪いんだから時間以内に来なさいよ。」

 

振り向くと、フェイトそんとプレシアがいた。どうやら時間が来ても来ないので探しに来たらしい。

 

「ヴィヴィオ、近くまで来たから迎えに......えっ?」

 

俺はまた振り向く。そこには金髪でナイスバディーな美人さんがいた。それと、聞き間違いかもしれないが今さっきヴィヴィオって......。

 

「お、お母さん?」

 

拝啓、過去の母上様。俺の目の前には、大人のフェイトさんが、フェイトさんの前には、プレシアさんが。どうやら今の状況は、新手の修羅場のようです。(白目)




踏み台君久しぶりに書くから、調子でない。
続きがあったとしても、ゆっくり書いていい?

感想よろしく。

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