お前のような踏み台がいるか!(白目) 作:ジャック・ザ・リッパー
リメイク版で書いてるし、こっちの続きはないと思います。
踏み台君、今回で多分もう書かないと思いますのでご了承ください。
メリー!踏み台転生者の伊織朱音ですよ。
唯今、こたつに入りながらミカンを食べています。やっぱり、こたつは最高だ。正直、クリスマスツリー作ったり、ケーキ食べたりするよりも、こたつでゆったり過ごす方が最高だな。
『ピンポーン』
我が家のチャイムが鳴った。こたつから出るのは嫌なので、無視しておこう。居留守決定だな。
『ピンポーンピンポーン』
俺は居ません。だから、早く帰って下さいな。
『ピンポーンピンポーンピピピピピピピピピピピピピンポーン』
ブチッ。
連続で鳴らされたチャイムに、俺はブチキレた。こたつから出て、玄関のドアを開けて俺は怒鳴る。
「五月蝿いな!居留守使ってるんだから、早く帰れよ!」
「メメメメリークリスマスススス、アカちゃんんん。」
そこにいたのは、ミニスカサンタさんのコスプレをしたフェイトそんが、雪まみれに成りながら顔を真っ青にしてガクガク震えた状態で立っていた。言葉も震えている。
「......お前、何してるんだ?」
「ア、アカちゃんに、サササンタさんの服を着たから、見せたくててて。」
「嫌、何でその格好で来てるのさ!?コートを着るとか、こっちに来てから着替えるとか出来ただろ!?それよりも、魔法の転移で家の中に入れるだろ!」
「......忘れてた。」
「もういい!中に入って風呂に入れ!」
俺は、フェイトそんの腕をつかんで家に引きずり込んで風呂場に連れていく。
「ほら!さっさと脱いで風呂場に入れ!」
「......アカちゃんが脱がして。」
「ファ!?」
フェイトそんは、突然おかしな事を言い出した。
「......寒くて、手が開かない。それと、なんだかとっても眠いんだ。」
アカン。フェイトそん、死にかけてる。(白目)
仕方がないので、フェイトそんの服を脱がす。何だろう、この羞恥プレイは?(白目)できる限り見ないようにして、フェイトそんを風呂に突っ込んだ。
『み、ミギャァァァ!』
「フェイト!?何だその叫び声は!?」
『ひ、冷えきった身体で熱いお湯に入ったから、温度差で体が痛い!動けない!』
その後、俺は急いでフェイトそんを湯船から救出して、全身濡れたのでそのままフェイトそんを洗いながら一緒に風呂に入った。
何故だろう。こういうお風呂イベントって、普通ならドキドキする筈なのに、今じゃフェイトそんの裸を見ても何とも思えないって、男として結構不味い気がする。だが、フェイトそんの体を洗う時に、少し柔らかい部分に触れると恥ずかしいと思えて少し安心した。
俺がフェイトそんの髪を乾かしている時に、フェイトそんが質問をして来た。
「アカちゃんは、クリスマスのお祝いはしないの?」
「ああ、今日は父さんや母さんも仕事でいないし、なのはは家で手伝い、アリサとすずかはパーティー、イリヤは美遊と祝ってる。一人で居るなら、こたつでミカン食べながらゴロゴロしていたい。」
フェイトそんの髪を乾かし終えると、俺はそのままこたつに入る。フェイトそんも、何故か俺の背中から抱き付くようにこたつに入った。
「今日は、アカちゃんの家に泊まるね。」
「嫌、家に帰れよ。プレシアが待ってるだろ?」
「お母さんには、泊まるって念話で連絡したから、このまま帰っても家に入れないよ。」
「......はぁ。なら、離れろ。何故くっ付いてくるんだ?」
「寂しいと思って。」
「別に寂しくないから、離れてくれ。背中に当たってるから。」
「えっと、確かこういう時は、あててんのよ?だっけ?」
「自分で言っておいて分からないのかよ。」
俺は呆れている中、フェイトそんはニコニコしながら強く抱き締めてくる。俺は、抱き締めてくるフェイトそんの体温を感じながらゆっくりと眠りについた。
身体が水分を求めて目が覚めると、目の前数センチの場所にフェイトの顔があった。白い肌に長い睫毛、後少し顔を近づければ目の前にある桜色の唇と触れ合いそうだ。その時、フェイトが俺の吐息で目を覚ましたのか、ゆっくりと薄目を開ける。フェイトは優しく微笑を浮かべて、近付いてきた。俺の意識は完全に覚醒し、急いで首を曲げた。そして、そのままフェイトの唇は俺の頬に触れた。唇が離れると、フェイトは、むーと唸った。
「どうして避けるの?」
「お前が近付いてきたからだよ。」
フェイトに目を向けると、こたつ布団の端をつかんで目の位置まで顔を隠して少し不安そうな声を出して俺を見ていた。
「アカちゃんは、朱音は、私とちゅうするのは、嫌?」
「馬鹿なことを言うな。さっさと起きて飯食って寝るぞ。」
その後は、母さんが作っていた夕飯を食べて眠った。勿論隣にはフェイトがくっついていた。
しかし、やはりこたつで寝たせいか、夜中に目が覚めてしまった。隣のフェイトは、あれだけ寝ていたのにぐっすりと眠っていた。
「キスするのは嫌?、か。」
夕食前に、フェイトがしてきた質問を思い出した。隣で寝ているフェイトの顔を見る。眠ったフェイトの顔はとても可愛く、髪からはいい匂いがした。
俺はフェイトの顔が、いとおしく感じた。そのまま無意識のうちにフェイトの唇に自分の唇を近付けてしまった。気が付くと、あの時と同じ数センチの所で止まった。
「......無いな。」
俺はそのまま、フェイトから顔を離した。俺にとって、フェイトは恋人ではない。どちらかというと、友達か娘のような感じだ。フェイトを見ていると、ドキドキというよりは心がほんわかする。
「メリークリスマス、フェイト。」
俺は、フェイトの頬にキスをした。フェイトは、キスをしたがっていたようだったので、このキスは俺からのクリスマスプレゼントだ。
俺は、考えていたことがスッキリしたので、そのまま二度寝した。
「......むきゅう。」
踏み台君は知らない。
実はあの時、フェイトは目が覚めていてキスをされたことで恥ずかしくなり、赤くなって気絶していたという事を。