お前のような踏み台がいるか!(白目)   作:ジャック・ザ・リッパー

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第十二台

俺の名前は、伊織朱音。踏み台転生者をめざし、日々女の子に嫌われる行動を取る天才だ。

只今、夜の町をフェイトと美遊と一緒に探索しています。移動方法?お姫様抱っこされてますが何か?何故、一般人の俺が一緒に行動しているのかと言うと―、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約一時間前

 

「アカちゃん、一緒に夜の町を探索しに行かない?」

 

「何だよ、唐突にそんなこと言い出して。それと、アカちゃんやめろ。」

 

それは夕飯を食べている時、フェイトそんが唐突に提案してきたのだ。今日は母が残業で、この場には俺を入れて3人しかいない。フェイトそんは、ご飯を飲み込むと続きを話し出した。

 

「うん、最近ジュエルシードを探してるんだけど、アカちゃんに貰った一個しか見つからないから人手がほしいんだ。」

 

その考えはわかる。ジュエルシードは、暴走すると大変なことになる。原作通りに上手く事が運べば良いのだが、今この場にいるフェイトそん(ポンコツ)は頼りないし、オリ主君と言うイレギュラーな存在に、イリヤの無くしたクラスカードと事件の火種が多すぎて、かなりヤバイ。ヤバさだけなら、泊まりに行った温泉にコ○ン君がいるくらいヤバイ。

そう考えると、フェイトそんの考えには納得だが、

 

「なるほど。で、本音は?」

 

「アカちゃんには、夜の探索の為に夜食を用意してもらいたい。出来れば肉みたいなガッツリ系で!」

 

「だろうと思ったよ、この腹ペコアホの子が!」

 

何が夜食を用意してもらいたい(キリッ)だ。

もうちょっと原作の可愛くてイケメンなフェイトちゃんしてくれよ。今のフェイトそん、雷刃さんよりアホ丸出しすぎるぞ。

 

「なら、ジュエルシードの捜索のついでにクラスカードの捜索もした方がいいと思います。」

 

さっきまで沈黙を保っていた美遊からも、案が出された。多数決の結果、2対1で着いていくことになったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在

 

「でも、こんなにすぐに見つかるとは思わなかったぞ。しかも探索開始5分でとか。」

 

俺は、離れた場所で空飛ぶ虎と戦闘中のフェイト達を見ていた。やっぱり、魔法少女の戦闘は凄いわ。光がビュンビュン飛び回って最早訳がわからなくなってるもん。それにしても、戦闘している時だけはフェイトそんがイケメンなフェイトになるんだな。あっ、虎がバインドされた。そこに美遊がランサーをインストールしてゲイ・ボルクというコンビネーション。いやぁ、凄い戦いだった。でも、本当に俺いらない子だったな、何で連れてこられたんだろう?

 

「お疲れさん、実戦はどんな感じだ?」

 

俺は、地上に降りた二人に声をかけて近付いていくと、回避スキルが二人のいる場所から危険を察知した。

 

「二人とも、その場から逃げろ!」

 

フェイト達は、何故そんな言葉をかけたか分からずに呆然としていた。俺はすぐに走り出し、二人の体を突飛ばした。次の瞬間、バリアジャケット等着けていない生身の俺の体に赤い色の魔力砲が直撃した。

 

「ぐがあぁぁぁぁ!!」

 

俺の体は吹き飛び、地面に何度も叩きつけられた。フェイト達は、直ぐに俺の近くにやって来た。フェイトが傷だらけの俺の上半身を持ち上げると、目の前には戦闘体勢の美遊と空から舞い降りるオリ主君こと、赤井烈斗が剣を構えていた。

 

「チッ、ジュエルシードを封印して油断している所を狙ったが、踏み台に当てられたんだ。まぁ、良しとしておこう。」

 

オリ主君がそう言うと、左手を挙げる。次の瞬間、彼の背後から黄金の波紋が空中に浮かんだ。そして、俺を睨み付けながらオリ主君は言った。

 

「おい踏み台、早く彼女達にかけた洗脳を解け、今なら見逃してやる。断るなら、お前にはここで終わってもらう。お前みたいな踏み台が手に入れる危険性のあったこの能力、王の財宝の力でな。」

 

オリ主君、何で君が踏み台装備してらっしゃるの(白目)。


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