お前のような踏み台がいるか!(白目) 作:ジャック・ザ・リッパー
まぁ、お気に入りが増えたら、今日中に頑張って思い出す。
俺の名前は、伊織朱音!
踏み台転生者だ!フェイトそんに似ている(あれをフェイトちゃんだと思いたくない)女の子を拾ってから一ヶ月後、昨日の夜に可笑しな夢を見た。
変なモヤモヤに男の子が「貴様のような奴はいちゃいけないんだ!消えろ!ここからいなくなれ!」と言いながら突っ込んでいく夢を見た。多分、あれがユーノだったのだろう。
もう原作の始まりか、オリ主君のモテモテ物語の始まりの日でもあるんだよな。正直言うと、原作の戦闘シーンを見てみたかった。
ん?何で見に行かないのか?
それは当然危ないし、俺がデバイスなんて持ってないからに決まっているだろう。嫌、もしかしたらあるかもしれないと思って探したが、あるのは代々我が家に受け継がれてきた『箱』だけである。
この『箱』は、何故か開く場所がなく、壊れないのだ。燃やしても、凍らしても、電気を浴びせても、濡らしても、強い衝撃を与えても、変化はない。魔力を流し込んでみたが、全く変化はない。
一応、『箱』は肌身離さず持ち歩いてはいるが、使いどころがわからないので場所を取るお守り扱いである。
「アカちゃん、醤油とって」
「フェイトそん、アカちゃんはやめろ」
現在、俺は母さんとフェイトそんと朝食をとっている。ホントにこいつ、毎日三食欠かさずに来ている。それどころか、一週間がたつと俺の部屋に住み着きだした。
フェイトそん、もうちょっと遠慮を覚えてください。母さんに言われて一緒のベットで寝たり、お風呂入ったりするが、第二次成長期が来ているのか若干成長している体が眼の毒です。只でさえ見た目は魅力的な女の子なんだから、男の子への羞恥心を持ってください。
学校に向かいながら、原作のフェイトちゃんがあんなバリアジャケットを着ている理由がわかった気がした俺であった。
学校では、将来についての授業があった。
何になりたいのか、何がしたいのかを考えて一ヶ月後の授業で発表しなければならないようだ。
めんどくさいと思いながら、お昼休みになのは達を昼食に誘う。
「嫁達よ、飯食おうぜ。」
「ちょっと待って、今準備するから」
なのは達はそう言って、弁当を複数取り出した。
最近になってからはあーんはしなくなったが、お弁当を用意してもらえる仲になった。俺は皆から弁当をもらう。小さな弁当だが、複数人が用意すればかなりの量になる。
「うん、うまい。みんな(オリ主君の)良いお嫁さんになれるぞ。」
なのは達は、俺の感想に満足したようだ。
会話の話題は、今日の授業であった将来についてだ。アリサは親の会社を継ぐこと、すずかは機械系の職に就きたいそうだ。なのはは、まだ先のことだといっていたが、イリヤは何となくだが医者になってみたいそうだ。
俺としては、「皆お嫁さんになりたいと言うと思った」が、全員に「えっ?もう私達、朱音君のお嫁さんだよ?」と見事にカウンターを貰った。
オリ主君、早く彼女達を惚れさせてくれ。このままだと、誠死ねみたいな展開になる。
学校の帰り道、俺はなのは達とともに行動していなかった。多分、なのは達がユーノを拾うシーンなのだろうが、俺の家の方向がなのは達と逆なのだ。
しかし、収穫があった。ジュエルシードらしきものを拾った。後でフェイトそんに見せてあげよう。
家に帰ると、フェイトそんがお菓子を食べていた。それ、俺のなんだけど。そんなことは知らないフェイトそんが俺に訪ねてくる。
「アカちゃん、おかわりください」
「アカちゃんやめろ。それとフェイトそん、そのお菓子は俺のだったんだけど?」
「そうなんですか?そんなことより、早くおかわりください。」
こいつ、殴ってやろうかな?
人様の飯を食べて、眉ひとつ動かさずにおかわりを要求してきた。食い意地張りすぎだバカ。仕方ない、ジュエルシードでも見せてみよう。
「フェイトそん、これを見てどう思う?」
「凄く......ジュエルシードです。じゃなくて、何でジュエルシード持ってるの!?私、一日中探したのに見つからなかったのに。」
「ああ、落ちてた。欲しかったら、何か良い物を寄越せ。デバイスとか」
「デバイスは無理かな?なら、私も今日拾ったものを交換する。」
「おいおい、ジュエルシードを拾ったもので交換?バカも休み休みi」
フェイトそんが俺に見せたのは、弓矢を構える人が書かれたカードだった。どこかで見たことあるような......これ、よく見たらクラスカードやん。(白目)
もしかして、リリなののジュエルシード事件にプリヤのカード回収事件が混ざってきたのか?
俺は、もしかしたらの可能性に胃を痛ませた。