比企谷八幡、提督に着任する!?   作:しーや(厨二全開)

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今のところ2、3日に1回投稿出来ればいいかなぁって思ってます!


彼にとって人生とは常に真っ黒である

 

人間関係を表現するならば絵具という言葉が1番しっくりくると俺は思っている。そこ、人間関係構築した事ないだろとか言わない!元々あった色に新しい色を付け加えるとその色は浮くだろ?そして時間が経てばその色は馴染み別の色になる。その過程を経て、その輪に馴染めるのだ。まぁ結局最後には真っ黒になるんだけどな、それが人付き合いってヤツだ。そして今日、この真っ黒な鎮守府に新しい色が来る。

 

大淀「そろそろ時間なので行きますよ。」

 

八幡「はぁ…。憂鬱だ。大淀だけでいいじゃん。」

 

って、もう行っちゃってるし。後で怖いからちゃんと行くんだけどさ。

 

吹雪「あ、おはようございます!今日は早いんですね?」

 

八幡「残念な事に早朝出勤だ。」

 

吹雪「新しい艦娘が来るんですよね…?」

 

八幡「ん?あぁ。そうらしい。」

 

吹雪「どんな子なんですか?」

 

八幡「さぁな。資料で見た程度だから分からん。ま、仲良くしてやってくれ。」

 

吹雪「分かりました。じゃあ私はランニングに行ってきますね!」

 

八幡「あいよ。」

 

毎日頑張るもんだ。走るだなんて苦行俺には無理だ。

 

 

 

 

 

 

 

大淀「やっと来ましたか。」

 

八幡「時間前だから許してくれ。」

 

大淀「0800に到着予定だそうです。」

 

八幡「後10分ちょいってところか。」

 

今日もいい天気だなぁ…。こういう日はベストプレイスでゆっくりしたいものだ。

 

大淀「提督。新しい子は…その、」

 

八幡「どうした?」

 

大淀「その、ブラック鎮守府出身なんですよね…。」

 

八幡「あぁ、そうらしい。何があったとか、何をされたとかは分からんがな。」

 

大淀「そう、ですか。また大変になりそうですね。」

 

何がとは言わない。全くもって、憂鬱だ。

 

 

八幡「来たみたいだな。」

 

黒塗りの車が見える。車種なんてものは聞くなよ?俺にそんな知識はない。

 

停車し、運転手が敬礼で挨拶をしてきたので敬礼で返す。後部座席から一人の少女が降りてくる。

 

??「初めまして。ドイツ海軍所属潜水艦U-511です。ユーとお呼びください。なんなりとご命令を。」

 

大淀「ご丁寧にありがとうございます。私は大淀と申します。執務や指示系統などを担当しておりますので、分からないことがありましたらなんでも聞いてください。」

 

U-511「よろしくお願いします。」

 

八幡「ここの提督だ。よろしくな。」

 

U-511「アドミラル。よろしくお願いします。」

 

アドミラル?提督って意味だったか…。ドイツ語少し頭に入れといて良かったな。

 

役目を終えた運転手は、そそくさと帰っていく。

 

大淀「さ、中に入りましょう。皆さんに挨拶しませんと。」

 

こくっと頷くU-511。そのまま大淀の後ろを着いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

大淀「それではユーさん。此処で待っていてくださいね。今から朝礼をしますので提督が合図をしたら行ってください。」

 

U-511「はい。」

 

 

八幡「朝から悪いが今日は話がある。まぁ、全員知っているだろうが新しい艦娘が来た。仲良くしてやってくれ。」

 

目で合図を送ると、小さく頷き前に出てくる。

 

 

U-511「えっと、初めまして。……」

 

俺らと同じ自己紹介をして特技や趣味を少し言い、よろしくお願いしますで締める。うん、俺よりしっかりした自己紹介だな。

 

八幡「空いてる席に座っていいぞ。」

 

U-511「分かりました。」

 

八幡「そんじゃいただきます。」

 

「「いただきまーす!」」

 

 

 

 

 

大淀「思ったより、大丈夫そうですね。」

 

八幡「…そう見えるか。」

 

大淀「え?」

 

八幡「いや、気にしないでくれ。」

 

あれは酷い…。普通に話してはいるが、だからこそ分かりやすい。あれは見限ってる目だ。俺と同じ、何も期待していない目。期待した所で何も変わらないって分かってる目だ。そして何より、何があっても仕方がないと割り切れるように、強固な鉄仮面を着けている。本人の性格があいあまって違和感が無いように見えるのがタチが悪い。

 

大淀「ユーさんのスケジュールはどうしますか?」

 

八幡「初日だしな。オリエンテーションを兼ねて軽く演習でもしてみるか?もしくは親睦会的なものを開いても構わないぞ。」

 

大淀「そうですね…。本日のスケジュールだと、両方は厳しそうです。」

 

八幡「なら親睦会を優先させるか。俺が間宮さんと鳳翔さんにお願いしとくから、他のヤツらにやるって事を伝えといてくれ。」

 

大淀「了解です…。何故か分からないのですが、真面目に指示を出してると気持ち悪いですね。」

 

理不尽だと訴えたい。

 

 

 

 

 

 

 

八幡「今、いいっすか?」

 

鳳翔「あら?提督さん。どうかなさいましたか?」

 

八幡「今日来た新しい艦娘の為に親睦会的なものを開いてやりたいんだが…。」

 

鳳翔「まぁ!提督さんからそんな言葉が出るなんて、意外です。」

 

八幡「…まぁ、思う所がありまして。」

 

正直今回の親睦会の狙いは仲良くなるためって事じゃない。

 

鳳翔「分かりました。時間はまだまだあるので大丈夫だと思いますが、何人か手伝いをしてもらったもよろしいですか?」

 

八幡「はい。鳳翔さんと間宮さんで細かい所は決めて構いません。もちろん人手が足りなくなったら俺も手伝いますから。」

 

鳳翔「自分から手伝うだなんて…明日は雨かしら?」

 

人がやる気になったらこれだもんなぁ…。まあでも意外に思われるのは仕方ないか。

 

 

大淀「あの、提督…。」

 

八幡「どうした?」

 

大淀「ユーさんが、親睦会はしなくていいと…。」

 

なるほど。そういう反応か。

 

U-511「アドミラル。そういうのは要らないので出撃をさせてください。」

 

八幡「潜水艦には物資の調達を頼んでいるが、生憎今はすぐに必要ってわけじゃない。つまりは出撃はしなくていいんだ。」

 

U-511「ですが、」

 

八幡「せめて一緒に出撃するヤツらとはコミニュケーションはとっておけ。」

 

U-511「そうですか。ならコミニュケーションを取りますので出撃を。」

 

話にならん。が、今どうこうできる問題じゃないのも事実…。仕方ないか。

 

八幡「はぁ…。わかった。元々1400に出撃予定だったからな、行っていいぞ。」

 

U-511「ダンケ。」

 

そう言って潜水艦達がいる所に行ってしまった。

 

大淀「いいのですか?」

 

八幡「いいわけねーだろ。けどなぁ、今すぐ何か出来るわけじゃない。鳳翔さん、すいません。さっきの話は無しで。」

 

鳳翔「かしこまりました。」

 

さてさて、本当にどうしたもんかね。何色が来るかと思ったら最初っから真っ黒な子が来てしまったよ。ここに来てから黒い事ばっかりで嫌になるぜ。

 

 




ちなみに作者は艦娘をプレイした事が無いことをここでカミングアウトします。

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