..何故こうなった。
加賀「私は自分の意志で秘書艦になることを選びました。貴方にとやかく言われる筋合いはありません」
翔鶴「ダメです!加賀さんは前の提督に何されたか覚えてないんですか!?せめて私と変わってください!」
確かに翔鶴は加賀を説得して秘書艦を辞めさせるとは言っていた。でもわざわざ..
八幡「俺の部屋でやらなくてもいいだろ..」
加賀「お言葉ですが提督。ここは貴方の部屋ではなく執務室です」
いや、執務室って提督の部屋ですよね?むしろ最近ここで寝てるし。なぜなら自室がなんかイカ臭いから
八幡「だからってお前らの部屋でもないからね?」
翔鶴「提督は黙っててください!」
八幡「はい..」
もう..好きにしてくれ。話が終わるまで外にいよ
八幡「はぁ..外はどうしてこんなにも平和なのだろうか」
ベストプレイスでマッ缶を片手に空を見上げる八幡
八幡「着任してから色々あったなぁ..」
前任のしてきた事を俺にまで擦り付けられ、挙句の果てには陰口の嵐。陰口はいいよな〜、一方的に何でも言えるから。言われてる張本人がそれを聞いて言い返すと、「なに?聞いてたの?キモ〜」とか言われるんだよ?そのくせ聞こえるように言ってくるんだから尚更タチが悪い。
八幡「まだ問題は沢山あるが..。解決するのは面倒臭いなぁ」
腹ただしいのはいくつも..というか殆どだけど、あいつらの中で自然消滅してくれるのが1番ありがたい
長門「貴様..なにをしてる」
八幡「ちょっ..怖い!怖いから!」
目つきヤバすぎだろ!ボッチはデリケートって習わなかったの!?物理的にじゃないよ?精神的にってことだからね!?
八幡「まあちょっと加賀と翔鶴がな」
長門「なるほどな。翔鶴は加賀のことを慕っているんだろう。大目に見てやってくれ」
八幡「別に怒ってるとかじゃない。ただ..見ててなんというか、こう..ムズムズするんだよな」
長門「ほう。つまり?」
八幡「具体的には何とも言えないんだが..ここの奴らのあんなふうに何でも遠慮なく言い合える所をみてるとな」
馴れ合いとはまた違う何か..。俺にはそれが分からない。いや分かりたくないんだろうな。自分は1人で歩んできたから、それを分かってしまったら、受け入れてしまったら自分が今までの生き方を否定する事になるから。
長門「なるほど..つまり貴様は羨ましいわけだ」
八幡「は?そんなわけないだろ。昔はそんな時期もあった。けど今は違う。それに羨ましかったら友達の1人や2人とっくに出来てるっつーの。それに1人の方が気を遣わなくていいし、楽だ」
そう、昔はそんな友達が欲しかった時期もあった。入学初日の自己紹介。きっと俺にだって友達が出来るはずと、そう期待したがそこで噛んでしまい、次の日からのあだ名は噛みタニ。どうやら俺の名字をヒキタニだと思ったらしい。進級してもボッチの毎日。それから俺は期待するのをやめた。
長門「だがな..1人だけじゃ解決できない問題だってあるだろ」
八幡「それは違う。そう思うやつは大抵自分ができる限りの事をしていない怠惰なやつだ。きっとあの人が、きっとあの子が、そう思うから自分1人じゃ何も出来なくなる。要は自分に甘いってこだな」
まあ自分に甘くすることに関しては同感だがな。ま、方向性は違うけど
長門「ほう。ならば貴様は皆で協力して何かをする事は悪い事だと。怠惰な事だと言うんだな?そうなると、私達が班を編成し、協力して遠征などする事を侮辱することになるが?」
八幡「あー..言い方が悪かったか。別に俺は協力して何かをする事を悪い事だなんて思ってるわけじゃない。むしろ効率的で、かかる時間も短いからな、いいことずくめだ。でもな、だからといって1人で頑張る事が悪いことってわけじゃないだろ?」
長門「まあ確かにな。ここの艦娘達も1人で抱え込んでる者も沢山いる。しかしそれでは解決できないだろう。それはどうする?」
解決、か。長門..お前はいい奴だな。いつも周りを見てて、気にして、でもお前は考え方が甘すぎる。でもきっと長門の考え方や、やり方が正しいんだろう。けど、俺は長門じゃない。俺は俺だ
八幡「確かに..前任の提督が残した傷は深い。未だに塞ぎ込んでる艦娘もいることも知ってる。でもな、解決するのは俺達じゃない。そいつ自身だろ」
長門「流石にそれは無責任すぎるんじゃないか?」
意外と冷静だな。怒ってくるかと思ったが..。いや別に怒って欲しいとかじゃないよ!?
八幡「いやいや、俺が何か考えて実行に移したところでお前らが感じるのは嫌悪感だけだろ?むしろ放置してやってる事に感謝すらしてほしいくらいだ」
長門「一理あるな。が、艦娘達のメンタルケアも提督の仕事の一つだ。そのうちでいい、貴様の事を皆にもっと教えてやってくれ」
八幡「俺からじゃなくてもいいだろ」
長門「いや、ダメだ」
なんでそこまでするんだろうか..。俺には理解できない。
長門「理解できないって顔をしてるぞ?」
八幡「表情を読みとるな」
恥ずかしいからやめてください。
長門「私はな..皆の本物の笑顔が欲しいんだ..。引きつった偽物なんかじゃない、心から笑った笑顔が見たい。そしてそんな笑顔が見れるのが当然な鎮守府にしたいんだ。..ダメか?」
本物か..。そんなの簡単に壊れると分かって言ってるんだろうか。いや分かって言ってるんだろうな。それでもこいつは欲しいって言っている。..俺はどうだ?
八幡「...そうだな。確かに俺はお前らが本心から笑った顔を見た事がない。というか見れる機会なんて無いと思ってる」
長門「貴様は自分のことを過小評価しすぎだ」
八幡「お前は俺の事を過大評価しすぎなんじゃね?」
長門「ふっ..そうなのかもな」
八幡「でも、見れるって言うならちょっと見てみたいかもな。その、本物の笑顔ってやつを」
いつの間にか..いや最初からだったのかもしれない。ちょっとだけ艦娘達の遠慮の無く言い合える関係が、いいな。なんて思うようになってた。そこに混ざりたいってわけじゃないけど。見てる分には..良いと思う
長門「..そうか。私は今確信した」
八幡「なにが?」
長門「貴様が..提督で良かった」
八幡「そ、そうか..」
何この雰囲気..ムズ痒い!!
長門「それで..提督はどうしたら皆は心を開くと思う?」
八幡「やっぱり....マッ缶を飲んでもらって好みを共有し、話を広げていくっていうのは..」
長門「..提督に聞いたのが間違いだったようだ」
八幡「おいおい!マッ缶を舐めてもらっちゃこまる!!」
長門「なら1本いただくとしよう。あとメンタルケアの事だが、会話する程度でいい、そのうち頼む」
八幡「お、おう」
会話だけでもハードル高いんですが、その場合はどうすればよろしいんでしょうかね?
八幡「って、もういないし。さてと、あの2人もそろそろ話がついてんだろ。..戻るか」
というか話す以前に俺に対する扱いをどうにかしないとダメだろ..
そう考えて執務室に戻る八幡であった。
八幡「んで..なんでこうなる?」
翔鶴「秘書艦の補佐という形で私が加賀さんのお手伝いをすることになりました。問題はないですよね?」
加賀「すみません提督。意外と頑固でした」
八幡「あぁ..そうですか」
もう好きにして..
なぜ投稿が遅れたって?
そんな野暮なこと聞くなよ..。聞かなくても分かるだろ?
やっぱり何でもないですごめんなさい笑