アキバ神拳伝承者の異世界譚(ハイスクールDxD+A)   作:グリムリッパー02

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元々書いてた話を急遽番外編に回したので遅れました。
番外編は明日本編とともにだします。


大きいお友達はだいたい友達。

「契約ですか?」

 

 

放課後、いつものように集まったオカルト研究部の部室にイッセーの声が響いた。

 

 

「えぇ、悪魔は人間と契約して対価を貰うものなの。昔は魔法陣を書いたりしてそれに悪魔が答えていたのだけれど、今はもうご丁寧に魔法陣を書く人間はいない。そこで私たちはチラシを配って望みのある人間が悪魔を簡単に呼びさせるようにしたの」

 

 

そう言って部長さんは魔法陣の書かれたチラシを出す。

ここ最近、イッセーはあのチラシを配る仕事をしていた。

最初は少しげんなりとしていたが、やっているうちにそういった表情も見せなくなっていった。

変態だけど根は真面目なんだろう。変態だけど。

 

 

「小猫に予約契約が二件入ってしまったの。両方行くのは難しいから、片方はあなたに任せるわ」

 

「は、はい!俺、頑張ります!!」

 

「ふふふ、いい返事ね。イッセーはいい子だわ」

 

 

そう言ってイッセーを抱きしめ頭を撫でる。

当のイッセーは鼻の下を伸ばしきっていた。

 

 

「ホント、イッセーはいい子なのだけれど………」

 

 

そう言い、呆れた目で見つめる。その先は……

 

 

「(  ゚∀゚)ハァーハッハッハッハ!! 誰か俺の速さに追いつけるものはいないのか…!!」

 

「くっ…流石だねナナシくん。だけどその1位、僕が貰う 「……えい」 っ小猫ちゃん!?その赤甲羅はナナシくんに打つものじゃ…!」

 

「あらあら、でもごめんなさい。雷もいきますわよ」

 

「あ、あはは。まいったな…はぁ」

 

 

「…何をしてるのかしら」

 

「何をって決まってるだろ!マリ〇カートだ」

 

 

そう言って手持ちの画面を見せる。

まぁはい。俺たちですよね。

だって暇だったんだもん。

 

 

「やりますか?」

 

「やらないわよ!」

 

 

ありゃりゃ、拒否されちった。

あ、因みに今やってるのは3d〇のやつで、小猫以外の他のメンバーの3d〇は俺の物だ。

複数持ちは何かと便利だよな。ポ〇モンの交換とか

 

 

「まぁこれがファイナルラップだから小猫の仕事までは間に合ッ…!この先を読んだ緑甲羅の狙撃…まさか!」

 

「ふふふ、よそ見してる暇などありませんよ。ナナシくん」

 

「やっぱり姫島先輩か。アンタならここまで来ると思ってたぜ」

 

「ふふふ、逃がしませんわよ」

 

「だがこのまま振り切らせてもらうぜ!気づいているか?俺はこのレースが始まってから1度もアイテムを使っていないっ!!」

 

 

その瞬間、俺の機体は一瞬にして速度をあげる。

姫島先輩との距離がどんどん離れていく。

 

 

「アッハッハッハッハッ!!一位は貰ったァ!」

 

「あらあら…………逃がさないと言いましたわよね?」

 

「なにっ!?」

 

 

離れていた距離が、見る見るうちに縮まっていく。

まさか!

 

 

「私もキノコを持っていたんですわ。気づきませんでした?」

 

「くっ、やりやがるぜ」

 

 

そうしてコースは最終カーブを曲がる。

後はゴールに向けての直線のみ。

技量と技量。己の腕をかけたラストスパートだ。

 

 

「うぉぉぉおおおおおおお!!」

 

「はぁぁぁあああああああ!!」

 

 

両者スピードば互角。僅かな差で俺がリードしている。

この勝負、負けられない。

 

 

「勝つのは、俺だ!」

 

「……いいえ私です」

 

 

姫島先輩以外の声に、ふとマップを覗く。

だが気づいた時にはもう遅い。

俺の上には羽の生えた青甲羅。名をトゲゾー。

一位を殺すためだけに作られた最強の下克上アイテム。

 

 

「しまっ…!」

 

 

姫島先輩が慌ててハンドルを切るが、もう遅い。

 

どぉぉぉぉおおおん…

 

爆発音と共にドーム状の青い炎が巻き起こる。

 

 

「……最後まで手は取っておくべきです」

 

 

その声の主は…小猫!!

まさか3位になるまで青甲羅を抱えているとは……

だが、まだ甘い。

 

 

「っらぁぁあ!!」

 

「青甲羅を躱したした…!?」

 

「ふっふっふ、誰もキノコが一つなんて言ってないだろ?」

 

 

そうしてそのままゴール。

1位は俺。2位が小猫。3位は姫島先輩。木場は一つ遅れて5位だった。

木場は大人しがったがあんまりゲームはやらないのかな?

 

 

「……終わったかしら?」

 

 

おっと、忘れてた。

部長さんは青筋を立てて腕組みしてらっしゃる。イッセーはその後でアワアワしていた。

おぉう、オーラが凄い。なんか迸ってる

 

 

「まったく、やるなとは言わないけど次に契約者が待ってるのよ?朱乃も、何熱くなってるのよ」

 

「うふふ、ごめんなさい。ナナシくんがあんまり強いものですから、つい」

 

 

頬に手を当て微笑む姫島先輩。しかし、ホントに強かった。頭数が足りなかったから誘ったのだが、ありゃ普段から結構やり込んでるな。

 

 

「はぁ……まぁいいわ。結果的に時間には間に合ったわけだし。ところでナナシ、このあと時間は空いてるかしら?」

 

「ん?このあとは特に予定は無いが?」

 

 

そう告げると「そう」とニコニコ笑う部長さん。

なんだろう、背筋に薄ら寒いものを感じるのだが、気のせいだよな?

そんな俺の肩を、部長はガッシリっとつかむ。

 

 

「ナナシ。貴方には小猫についていって契約をとってきて貰うわ。拒否権はないわよ?」

 

 

そう言って誰もが見惚れる絶世のスマイルで死刑宣告されたでござる。

 

orz……!

 

 

 

〜〇✖□△〜

 

 

「んで、なんで俺は自転車を漕いでるんでしょうかね?」

 

 

もう普通の人なら家に帰って晩御飯を食べ終わり、そろそろ寝るかと風呂に入っているであろう時間、俺は小猫荷台にのせ自転車を漕いでいた。

 

 

「…転送用の魔法陣は眷属しか使えないので、しょうがないですね」

 

 

そう言う小猫さんは随分楽そうですね。

まぁ女の子に漕がせたりしないけども。

 

 

「…つきました」

 

 

お、もうか。

見たところフツーのアパートって感じだ。

悪魔を呼び出すって聞いたからもっとそれらしい洋館とかだと思ったんだがな。

 

自転車を止めて階段を上っていく。どうでもいいけど玄関から現れる悪魔ってどうなんだろう。

 

そんなこと思っていたらもう契約者の部屋の前に着いた。

小猫チャイムを押す。ぴんぽーん。

 

 

「…こんばんは。悪魔グレモリーの使いの者です」

 

『ん?今日は魔法陣の中からじゃないのかい?』

 

「…今日は少し事情がありまして」

 

『まぁいいよ。こうして小猫ちゃんが来てくれるならなんでも構わないさ。今開けるね』

 

 

スピーカーから聞こえてきた声は男の声。

どうやら小猫の常連さんみたいだ。

少し待っているとガチャという音とともに扉が開く。

 

 

「いやぁ、待ってたよ。今日は着てもらいた」ガチャカチ

 

 

閉まった。ついでに鍵も。

 

 

「「………………」」

 

 

おい、これどうすんだよ。

どうしたらいいの?え?俺のせい?

 

 

ぴんぽーん

 

「…こんばんは。悪魔グレモリーの使いの者です」

 

 

おぉう、そこからやり直すのか。何気に強い心臓してるよな。

 

 

『ちょ、誰だいそこの男!!僕は小猫ちゃんを呼んだんであって野郎を呼んだつもりは無いぞ!』

 

「…協力者です。今日は見学に来ました」

 

『きょ、協力者?見学ぅ?』

 

「はい。森沢さんとの契約状況を見てもらうのが1番と思ったので」

 

 

お、うまい。さり気なく持ち上げた。

 

…………ガチャ

 

 

「……ほんとかい?」

 

「はい。本当です」

 

「そ、そうか!!いやぁまさかそこまで悪魔さん達に思われてるとは思わなかった。ハッハッハ。

キミもよく見ておくといいよ!」

 

「はい。ありがとうございます。森沢さん」

 

「うんうん!それじゃ中に入ってくれ。お茶も用意しよう」

 

「ありがとうございます。失礼します」

 

「…失礼します」

 

 

そう言って中に入る。森沢さん、チョロい。

 

 

 

 

 

 

中に入って俺は唖然とした。

何故かって?見ただけでこの部屋が戦士の部屋だってことがわかったからさ。

壁に貼られたポスター。

ガラスケースの中に陳列されたフィギュア達。

本棚に並べてある漫画、DVD達。

その他にも、部屋の隅済みにグッズが目立つ。

しかもそのどれもが、ただのグッズではない。

これらは全て彼の魂の結晶だ。

彼が生涯をかけて集めた宝物。

年代の違いや保存状態の良さから、彼がこれらの為にどれだけ費やしてきたかがわかる。

 

 

「君は……泣いているのかい?この部屋を見て」

 

 

気づけば俺は泣いていた。

久しぶりに見たんだ、同士を。

この世界に来て、久しく感じていなかったこの感じ。

同じものを追い求め、時には奪い合い、時には譲り合い。笑い、泣き、叫ぶ。そんな熱の篭った人間が作りだした理想郷。

探求者(オタク)の魂の結晶を。

 

 

「森沢さんッ!!俺は感動した!アンタは本物の、戦士だ」

 

「〜〜ッ!!君は、分かってくれるのかい?この部屋の素晴らしさが」

 

「あぁ!わかる。わかるよ!この部屋は、アンタの理想郷だ!アンタの夢と希望と人生の詰まった、最高の理想郷だ!!」

 

 

俺の言葉に、森沢さんの頬を涙が走る。

分かるに決まっている。

俺だってそうだからだ。

フィギュアを求めて人外に改造されちまうような大馬鹿野郎だ。

でも、大馬鹿野郎だからこそ、この部屋の素晴らしさを理解してやれる。

俺たちは、気づけば握手していた。

涙を流しながら、それでも固い握手を。

言葉はいらない。

お互いの趣味(人生)を理解し合ったのなら、

 

それはもう、仲間だ。

 

 

「君に会えてよかった。さっきはすまなかった、ぞんざいに扱ってしまって」

 

「いや、気にしなくていい。俺達はもう、仲間だからな」

 

 

そう言って笑い合う、そんな些細なこと水に流すさ。

俺たちの友情はそんなことでは壊れたりしない。

 

 

「……そろそろいいですか?」

 

 

と、その声に振り向けば…白い目でこちらを見る小猫の姿。

あっ…やっちまった。

今日は小猫の付き添い出来てるんだった。

俺ばかり盛り上がってしまった。

 

 

「ごめんな、小猫。もう大丈夫だ」

 

「そうですか、それじゃあ森沢さん。今回の依頼内容を教えてください」

 

「あ、あぁ、そうだね。今回の依頼内容は……これさ!!」

 

 

そうして取り出したのは…制服。

でもただの制服じゃない。

長〇有希のコスプレ制服だ。

 

 

「森沢さん。あったって人はっ!」

 

「君も長〇派だろ?見ていればわかる。小猫ちゃんは雰囲気も似ている。

彼女がこの服を着ている姿が見たくないかい?」

 

「超見たいです!!」

 

 

行き良いよく首を縦に振る。

物静かで無表情な小猫には長〇の制服が良く似合うことだろう。

本人もめちゃくちゃ美少女だし、そこらのレイヤーの引けを取らない筈だ。

 

 

「………はぁ、」

 

 

盛り上がる俺達をよそにため息をつく小猫。ごめんね!でも許してヒヤシンス。

 

 

それから俺たちは小猫の長〇コスを鑑賞し、更には俺が新しくコスを取り出し、満更でも無くなってきた小猫の撮影会をしたり、アニメ鑑賞会なんかを開いたりした。

 

 

 

あ、因みに契約はちゃんと成功した。

それと、個人的にまた遊びに来いと言われた。

今度は彼を俺の部屋に招待するのも悪くない。

 




ナナシくん。
携帯ゲーム機は常に鞄に持ち歩いてる系主人公。
据え置きでの対戦でも、人数分のテレビとゲーム機を用意する筋金入りのゲーマー。
因みにまだ本気を出していない。

今回は森沢さんという同士を見つけた。やったねナナシくん。同士が増えるよ!


小猫ちゃん。
ゲームとかは人並みにやる系ヒロイン。
ナナシくんとの共同生活から、よく対戦しているため最近はメキメキと実力を伸ばしている。
ナナシくんと一緒にアニメを見たり、マンガを借りたりしているので最近はオタクの道に片足を突っ込みつつある。


姫島先輩。
実はゲームとかよくやる系女子。
ドSな性格から対戦ゲームでは鬼と化す。


木場くん。
不憫。



森沢さん。
戦士。ナナシくんの新しい同士。
原作ではイッセーが彼のところに行ったけど、どうしてもナナシくんと合わせたかった。許してヒヤシンス。


イッセーくん。
契約初日だと張り切った彼。
魔法陣のが使えないなどトラブルもあったけれどそれにめげずに向かった先はとあるマンション。
意気揚々とインターホンを押す。
「悪魔グレモリーの使いの者ですが、呼び出された方のお宅で間違いないでしょうか?」
「はーい。いま開けるにょ」

その後、彼の姿を見た者はいない

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