アキバ神拳伝承者の異世界譚(ハイスクールDxD+A) 作:グリムリッパー02
夕日が山の裏へと沈んでいく。
空は赤く紅く朱く染まっていき、やがて黒へと変わるだろう、そんな幻想的な風景を、俺は高度1000mから落下しながら見ていた。
え?なんで?こんなことになってるかって?
それはね……
「知らねぇよ!!」
知らねぇよーーーー
らねぇよーーーー
ねぇよーーー
よーーー
叫んでみても声が山彦のように響くだけ。
あ、地面が見えてきたやだ怖い。
『あーもしもし聞こえるかね二等兵』
「この声は、アキバ神様!?っかおいコラこの状況なんだこれ!!」
『いやぁメンゴメンゴ。ちょっと間違えちゃった(´>ω∂`)』
「死に晒せこのアホンダラァ!!」
うごっ、酸素薄いのに叫びすぎて気持ち悪くなってきた。
『まぁ目的地にはちゃんとつくし、死なないよう直前で失速させるからさ。
それまで楽しんで!じゃ!!』
そう言って、彼女の声は聞こえなくなった。
まぁそういうことなら悲観的にもなってられない。少し楽しんでみよう。
わーい。
「やっぱ無理だぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ」
ザッパーーーーーン!!
「うごっ、げほっ、飲み込んだ、うぉえ!!」
水を飲み込んだせいで盛大に噦く。
鼻に水が入ってめっちゃ痛い。これ地味に痛いんだよな。
まぁ、身体がバラバラにならなかったってことは、失速とやらは上手くいってたんだろう。
今頃ドヤ顔してるんだろうな。あー、殴り飛ばしたい。
にしてもここどこだ?水辺っつってもメチャクチャ浅いし。つかこれコンクリじゃね?失速しても死ぬだ………ろ?
「……………」
「……………」
なんか、目が合った。
目の前には黒い羽を持つちょっとクールっぽい美少女。
なにより清楚な黒髪と、その身にまとっているドスケベな超露出ボンテージがかなりのギャップ萌を生んでいた。
ここはどうやら公園らしく、俺は噴水に墜落したらしい。
公園、翼、ボンデージが生み出す結論。
それは…
「あ、すいません。なんか撮影会の邪魔しちゃって。すぐカメラとってきますんで」
つまるところレイヤーさんの撮影会だったんだろう。納得だ。
いやぁ、異世界でもレイヤーさんは熱心なんだな。なんだかアキバ民として胸が暖かい気持ちになる。
と、こうして入られない。こんなレベルの高いレイヤーさんなんてそうそういないんだ!
早くカメラをとりに行かなくてわ!!
「………たな…」
「ん?」
いま、なんか言いました?
「貴様見たなぁぁぁあ!!!生かしてはおけん!!」
「えええええええ!?!?!?」
ちょ、激おこじゃないですか!?
いや、許可とか会員限定なら謝りますって!
って、なんかあの人浮いてない?手とかバチバチいってない?
って、なにあの棒。長いサイリウム??
「死ねぇ!」
「よっ、」
「!?、馬鹿な!人間が私の槍を躱しただと?!」
なんかよく分からんが、めちゃめちゃ驚かれてる。
いや、あんたサイリウム投げつけちゃいかんでしょ。
「ならば、これならどうだ!!」
と、今度は二本の腕をバチバチさせ、そのまま投げつける。
さっきのサイリウムが二本に増えていた。
「だから投げちゃダメだってば!!」
俺はそれを難なく掴む。
「なっ?!」
レイヤーさんは( ゚д゚)みたいな顔してるが…まったく、オタクとしての境地がなってない。
周りに迷惑をかけずに楽しむのが立派なオタクだろうが。
そんだけレベル高いのに、お兄さん悲しいよ!
「チッ、どうやらただの人間ではないようね」
「いやまぁ、ただの
「まぁいいわ。あなたは力をつけてから存分にやってあげる」
「聞けよ」
「それまで、今回のことは貸しにしておいてあげるわ」
「聞けって」
そう言ってレイヤーさんは空の彼方へ消えていった。
どうやらこの世界のレイヤーさんの技術は空も飛べるらしい。
あ、あといつの間にか掴んだサイリウムが消えていた。
サンリウムもなにか俺の時代とは違った技術力で作られてるらしい。
「まぁいいか。帰ろ」
とりあえず公園を後にする。
なんか色々と疲れた…早く飯食って寝たい。
そうして俺の異世界1日目は幕を閉じたのだった。ちゃんちゃん。
「あれ?俺の家ってどこ?」
多分。
???side
「ふふふ、まさかこの子に続いてもう1人、面白い子を見つけるなんて、ついてるわね」
to be continued?
主人公。
まだ名はない。決まってない。次あたりには出る。
レイヤーさん。
黒い翼とどスケベボンテージに身を包んだ本格派なレイヤーさん。
しかし、マナーは悪い。
???
いったい何グレモリーなのだろうか。