アキバ神拳伝承者の異世界譚(ハイスクールDxD+A)   作:グリムリッパー02

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ストリップアクションするときはね、誰にも邪魔されず、自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ。

イッセー side

 

既に外は暗く、街灯の光が道を照らす時間となっている。

俺とナナシ。木場、小猫ちゃんの四人は教会が見える位置で様子を伺っていた。

全身を悪寒が走る。木場に聞くと、間違いなく堕天使はここにいるらしい。

堕天使がいるなら、アーシアもいる。

早くしないと、奴らに何されるか分かったものじゃない。急がないと…

 

 

「焦っても仕方ないよ。これ、図面だよ。まぁ敵地に乗り込む時のセオリーだよね」

 

 

にこやかに笑うイケメン。

いつもならその細やかなフォローにもイラッとするところだが、今はこれほどありがたいものは無い。

 

 

「さて、それじゃあ行くか「待ってください」ぶべら!」

 

 

踏み出した瞬間に小猫ちゃんに捕まれ顔面を強打する。痛ったーーッ!!

 

 

「ちょ、なにするの小猫ちゃん!危うく俺敵陣地入る前にゲームオーバーになるところだったよ!?」

 

「…その割には元気だね」

 

 

うるせぇ!めっちゃ痛いわ!

当の小猫ちゃんは流石にあそこまで盛大にコケるとは思っていなかったのか、申し訳なさそうな顔をする。

うっ…!これがナナシが言っていた『可愛いから許しちゃう』ってやつか。

めっちゃ可愛い。

 

 

「いえ、その……

 

 

 

 

 

ナナシ先輩がいないんですけど?」

 

 

 

は???

 

 

 

あたりを見回しても、ナナシの姿はどこにもなかった。

 

 

 

 

 

リアスside

 

 

「はぁっ!」

 

 

撃ち出した滅びの魔力で敵の光の槍を消滅させていく。

もう既にな何度も繰り返した光景。

……少々敵を侮っていたようね。

 

 

「くっ、厄介だな。グレモリーの娘というのは」

 

「でもでも、このままいけば割と楽にいけそうっすよ?」

 

「そうだな。このまま数で押し切れば、勝てる」

 

 

そう言って先程よりも多くの光の槍を投げつける。

この三人、戦いなれている。

一人一人は下級堕天使程度の力しかないもののコンビネーションが良く、こちらに反撃の隙を作らせない。

光は当たれば致命傷。迂闊に魔力を貯めることも出来ずジリ貧になっていく。

このままじゃちょっと辛いわね。

朱乃には結界に集中してもらってるし、どうしようかしら。

 

 

「辛そうだな。手を貸すぜ?」

 

 

後方、林の奥から聞こえない筈の声が聞こえる。

嘘っ、なんでここに…

 

 

「ナナシ!どうしてここに…………は?」

 

 

後ろを振り返り、そして止まる。

敵もあまりの事態に止まっていた。

だって、だってしょうがないじゃない。

あれは………

 

 

「さぁて、ボッコボコにしてやんよ!!」

 

 

ーーーーそう言うナナシの右腕には、立派な長ネギが握られていた。

 

 

 

 

 

「「「「「「なにそれ!?!?」」」」」」

 

 

 

 

 

その場にいた全員がツッコミを入れたのは、しょうがないと思うのよ。

 

 

 

〜〇✕△□〜

 

 

ナナシside

 

 

皆で教会へやってきた後、微かな音を感じて部長さん達がいる方へやってきた。

は、いいのだが、なにそれとは失礼だな。

 

 

「なんだ部長。長ネギを知らないのか?」

 

「知ってるわよ!知ってるから聞いてるんでしょ!?なんでそんなもの持ってきたのよ」

 

「なんでって、武器に決まってるだろ?」

 

「………………」

 

 

こめかみに手を当てる部長さん。

おい、その「こいつもうダメだ。早く何とかしないと」みたいな表情はやめてもらおうじゃないか。

 

 

「フハハハハッ!これは傑作だ!グレモリーの娘はピエロも飼っていたか」

 

 

笑い声が響く。

空には黒い翼をもった人間、堕天使が三人。

それぞれ腹を抱えて笑っていた。

 

 

「フフフフ、いや、もしかしたら私達を油断させる罠かもしれんぞ。フフフ」

 

「アハハハハ!やめてぇ、お腹痛いぃ!ってかアンタ!この前の変態じゃないッスか!」

 

 

あ、確かミッテルトちゃんだっけか。

……ふむ、今日は黒のレースか。中々大胆な。

 

 

「み、見てんじゃねぇッスよ!」

 

「ッ!ナナシ、避けなさい!」

 

 

二度目のご対面がよほど恥ずかしかったのか、サイリウム改め光の槍を投げてくるミッテルト。

この前とはちがって威力も高そうだなぁ。

 

………まぁ、

 

 

「ほいっと」

 

 

パシィンッ!!

 

 

「なっ!アタシの光の槍が…」

 

「………嘘」

 

 

当たらなければければどうということはない。

 

飛来してきた光の槍をネギの真芯で捉え、文字通り霧散させる。

もちろんネギには傷一つついてない。

敵の顔が驚愕に包まれる。どうやらあいつらはネギに含まれるβカロテンの量を知らないらしい。

 

 

「さて、それじゃ次は俺からいくぜ!!」

 

 

 

瞬間、俺の身体は一気にトップスピードに跳ね上がる。狙うはシルクハットの男。

 

 

「まずはお前からだァ!」

 

「なっ!?」

 

 

飛んでいる奴らのところまで跳び上がりその脳天めがけてネギを振り下ろす。

べキャリと音を立ててシルクハットは鼻血を出しながら墜落した。

 

まずは1人。

 

 

「ドーナシーク!! きさまァ、よくも!!」

 

 

仲間がやられたことに激昂し、手に二本の槍を携え突貫してくる。

俺の着地を狙ったいい起き攻めだが、些か遅い。

俺はネギを構え、それを最小限の動きで躱す。

 

 

「くっ、ならばこれならどうだ!」

 

流れるような二撃目。だがこれも躱す。

 

三撃目、躱す。

 

右。右。左。前。下段。左。小ジャンプ。サイドステップ。バックステッポゥ。

 

嵐のような連撃を尽く躱す。甘い甘い!!

 

 

「ちょこまかと!?」

 

「無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄ァ!」

 

 

回避と同時にカウンターをかます。

跳ね上げられた身体は宙を舞う。

 

 

「しまっ…!?」

 

「オラァ!!」

 

 

すかさず腹に一撃。逃がすかぁ!

相手を地面に落とさないよう、さらに攻撃を重ねる。フハハッ!ずっと!オレの!ターン!

 

 

「ぐっ、ぼっ、ぐべっ、くさっ!?」

 

 

殴る度に長ネギの香りが辺りに充満する。

これこそが俺と妹との共同作業によって完成した神の長ネギだ。

魔改造によって攻撃力と臭いを増大させてたコイツは殴る度に鼻にもダメージを追加し、さらに匂いが染みることで涙で前も録に見えなくさせる。

まさに最強の長ネギなのだ。

 

 

「カラワーナを離せ!」

 

「これでも喰らえ!」

 

 

ミッテルトちゃんとドーナシーク?が両手に光の槍を創り出し投げつける。

その工程を何度も繰り返し、大量の光の槍に襲い来る。

 

 

「ナナシ!!」

 

「ハッ!しゃらくせぇ!!」

 

 

長ネギを振り回し、それら全てを撃ち落とす。

落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす打ち返す打ち返す落とす落とす落とす落とす落とす落とす落とす打ち返す落とす打ち返す落とす。

 

時には打ち返し、光の槍と光の槍で相殺。

 

 

「これでも、喰らっとけ!」

 

 

そして最後の1本を奴ら目掛けて打ち返す。

まさかあの数を捌けるとは思っていなかったのか、反応が遅れた堕天使はその爆発に飲み込まれた。

 

 

「くっ、なんて強さ…」

 

「もう、無理なのか…」

 

 

膝をつく堕天使たち。しかし1人だけ、まだ立ち上がる者がいた。

ミッテルトだ。

 

 

「まだ…ウチは負けねぇッス…」

 

 

ボロボロの身体を引き摺りながら、それでも尚、諦めない心がその目には宿っていた。

 

 

「ウチは…レイナーレ姉様の為にも負けるわけにはいかないんス。ここで任されたんッスから…グレモリーの娘とそのクイーンを止めろって、任されたんスから。

あの人からすれば、ただ部下に命じただけかもしれないッス。けど、ウチを拾ってくれたレイナーレ姉様の為にも、負けるわけにはいかないんスよ!!!!」

 

 

ミッテルトは吼える。誰でもない、自分自身に向かって。

ボロボロの脚に力を入れ、槍を支えにしながらも立ち上がる。

その姿は敵であるが感嘆させられた。

 

俺はネギを捨てる。

 

 

「!?、どういうつもりッスか?!まだ終わってねぇッスよ!」

 

「あぁ、わかっている。お前のその戦意を評して、我がアキバ神拳の奥義で葬ろう」

 

 

ミッテルトの覚悟は分かった。

ならば俺も本気で迎え撃つ。

それが、古今東西あらゆるアニメゲームにおいて打ち砕くものの務めだ。

構えをとる。

しばしの静寂。

緊張からか、ミッテルトの額に汗が滲む。

 

そうして、汗が地面に落ちた瞬間!

 

 

「ハァッ!」

 

 

ミッテルトが動いた。

獣のように両腕の槍を構え、噛みつかんと突貫する。

だが、遅い!

 

 

「フッ!」

 

「なっ!?」

 

 

一息で懐に入る。見せてやろう。アキバ神拳、その奥義を!!

 

 

「アキバ神拳奥義『早着替えテクニック集』!!」

 

 

俺は懐に入った勢いを殺さず回転し、ミッテルトの服に手をかける。

そして………

 

 

スッポーン!!

 

 

 

「……………ひぇ!?」

 

 

服を脱がした。

突然自分の服が脱げたことに狼狽し、顔を紅く染めるミッテルト。パンツとお揃いの黒いブラが顔を出している。

だが、これで終わりじゃないぞ!

 

回転したまま次に狙うのは足。

脱がした反動を利用し、さらに加速して足払いを食らわせる。

きゃっと可愛い悲鳴と共に宙に浮くミッテルト。

 

スポポーン!!

 

すかさず今度ばスカートを剥ぎ取る。

 

 

「きゃーー!?!?」

 

「ラストォ!」

 

 

未だ空中に浮いたままのミッテルト。その頭のヘッドドレスに手を伸ばす。

俺としては敢えてヘッドドレスは残しておく派

なのだが、勝負とは時として非常なのだ。許せ、ミッテルト。

 

スポポポーン!!

 

最後のヘッドドレスを奪いさり、ミッテルトは地面に倒れふした。

 

 

 

「…貴様の服、確かに頂いた」

 

 

 

倒れたミッテルトに動く気配はない。

どうやら俺のアキバ神拳は堕天使にも通用するらしい。

 

 

「…あなた、意外と容赦ないのね」

 

「あらあら、いたいけな少女の服を剥ぐだなんて、酷いですわ」

 

 

一息ついたところで、部長さんと朱乃先輩に声をかけられる。

部長さんは呆れながら、朱乃先輩は言葉の割には微笑みながら俺のところまで歩いてきた。

って、別に俺はやましい気持ちがあったわけじゃないんですが…………。

目の保養にはなってるけれど。

 

 

「さて、後は…」

 

「あそこの2人だけですわね」

 

 

部長さん達の目は残りの堕天使2人に向けられる。

依然、敵意は消えてないがその身体はもうボロボロで戦える状況ではない。

 

俺は一歩前に踏み出す。

 

 

「「ひっ!!」」

 

 

……いや、俺だって元人間だからね?心はまだ人間だからね?

そんな怯えた顔で後ずさりされると結構傷つくんだけど…。

ってかさっきまでの威勢のいい目はどこいったよ!そんなウルウルさせやがって。

特におっさん!アンタのそんな顔需要ねぇよ!

 

 

「…ま、最後まであなたに任せるわ」

 

「了解」

 

 

まぁ、勝負って残酷なものだから。

ジリジリと躙り寄れば、その分後ろに下がる堕天使達。

なんだろう、ここまで怖がられるともう逆にそそるものがあるよね。

 

 

「大丈夫。痛くしないから」

 

「「い、いやぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!」」

 

 

その夜、駒王町には若い女とおっさんの叫び声が響いたと言う。




ナナシくん。
アキバ神拳伝承者。今日も愛刀のネギを片手に悪を断つ。
今回なぜか悪者っぽくなった子。
「武器」
長ネギ
「ストリップアクション」
早着替えテクニック集

イッセーくん。
本編主人公。この裏ではちゃんと本編通りのかっこいい活躍してるんだからね!


ドーナシーク
需要ない。

カラワーナ
3人の中で一番強い設定。

ミッテルトちゃん
今回の主人公。
皆がミッテルトちゃんを(メイン)ヒロインにしろって言うんだもん!!俺は悪くねぇ!!

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