アキバ神拳伝承者の異世界譚(ハイスクールDxD+A)   作:グリムリッパー02

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始まりのみ、ちょっとシリアス。
いいか?ここだけだ。


終焉

「ぐああっ……くっ!」

 

「やった……」

 

 ラジオ館、

 アキバを魔骸者と夜咬の為の街にしようとした張本人、輝月 宗牙を俺達はやっとの思いで倒すことが出来た。

 

 目の前には、服を奪われ弱点である日光に晒される宗牙の姿があった。

 

 終わったのだ。

 これで、この街を暗躍していた黒い事件の全てが。

 そう思うと、急に身体の力が抜けていく。

ハハハ、俺としたことが緊張の糸が緩んだかな?

 

 「お疲れ様」

 

 そんな俺に、ご主人様。ーー刻風 雫ーーはいつものように、しかし今まで見たことのない様な晴れやかな表情でニコリと微笑だ。

 俺を助けてくれ、そして、彼女の協力がなければ俺達は最後までアキバを救うことは出来なかっただろう。

 彼女には、返しきれないほどの恩が出来てしまった。

 

 「あぁ、お疲れ様」

 

 そう言って俺達はハイタッチを交わした。

 なんにせよ、これでいつも通りのアキバに戻るんだ。

 そうだ!こんどRinに復活祝いのライブをやってもらおう。

 志遠さんにもセッティングして貰って今までで一番デカいライブを開こう。

 きっとみんな喜んでくれる。

 

 あぁ、楽しそうだ。

 楽しそうだなぁ。

 

 

 俺は最後の力を振り絞って立ち上がる。

 そして、雫を抱き寄せる。

 

 「…え?」

 

 急な事態に反応出来ず、雫の顔に赤みが差す。

 こんな顔も出来るんだな。

 彼女の意外な一面を目の当たりにしつつ、その腕に力を入れる。

 そのせいで彼女がどれだけ華奢な身体なのかが分かってしまった。

 これだけの細い身体に夜咬の運命を背負って長い間頑張ってきた。

 俺にはその苦労は想像もつかない。

 

 

 「じゃあな」

 

 

 そう言い、俺は彼女の身体を窓の外へと投げ飛ばす。

 普通の人なら死んでしまう高さだが、彼女ならかすり傷も負わないだろう。

 下にはRinもいることだしな。

 

 そうして、誰もいなくなったラジオ館の中で俺は独り振り返り、睨みつける。

 この事件の元凶。

 未だ稼働中の魔街発生装置。

 宗牙が倒されれば止まると思っていたこの装置だが、むしろ抑えが効かなくなったようにさっきから膨張し続けている。

 雫は、気づいてなかったみたいだ。

 まぁ気づかれないよう抱き寄せたのだけれど。

 

 

「………。」

 

 

 なんにしても、だ。もうこの装置がどうやったら止まるのか俺には分からない。

 唯一知っているであろう宗牙はもう紫の灰になり、その上にやつの愛刀が突き刺さっている。

 

 俺はもう爆発しそうなその球体を睨めつけ、歩き出す。

 

 アニメは確かに面白い。

 これから先ももっと面白いアニメが出るだろう。

 ゲームだってマンガだってそうだ。

 イベントだって色々あるだろう。

 そうやって思い出されるのは、仲間達との思い出だ。

 一緒にストプリを全話見て、コスプレして、Rinのライブで盛り上がって、ゲームして、そして、一緒にアキバを守った仲間達。

 アニメもゲームもマンガもイベントも、色々な人達との繋がりで出来上がったものだ。

 例えスタッフロールに書いていなくても、そこにはそれを楽しんだ全ての人が繋がっている。

 

 だから言う、『皆でやるから面白いんだ』と。

 

 だとしたら、

 だとしたら。

 ここでそれを終わらせる訳にはいかない。

 

 「最後まで付き合ってもらうぞ」

 

 そう言い、俺は宗牙の剣を引き抜く。

 

 目の前には爆発寸前の機械。

 手には剣を携えて、身体は満身創痍でもボロボロ。

 目だって霞んでるし、立っていられるのがやっとの状態だ。

 ハハハ、これなんてアニメ?

 

 だとしたら、オタク冥利に尽きるというものだろう。

 

 下から雫達の声が聞こえる。

 最後まで振り回してしまった。

 だったら、俺は彼女達に精一杯の気持ちで、最後まで振り切るのが、俺なりの礼儀だろう。

 

 息を目一杯吸い込んで、走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「アキバの街は!!!俺が守る!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日、アキバの街を照らし尽くすような眩い光が天へと登った。




何度も言う。シリアスはここまでだ

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