Fate/kaleid blade   作:サバニア

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キャスターリベンジ戦です。
“キャスター戦”は一つに収まりました。


10話 夜、黒い星

 太陽は地平線の彼方へ沈み、再び夜が訪れた。

 現在時刻、午前0時。

 既に5人は鏡面界へ足を踏み込んでいた。

 だが、昨晩と立ち位置が変わっている。

 今夜、彼らが最初に陣取ったのは新都へ繋がっている橋の下。

 これは昨晩と同じように光弾の雨から曝されることを少しでも和らげようと考慮したからだ。

 

 

 昨晩のキャスター戦は魔術師たちの撤退で幕を下ろした。

 無論、ここに居る誰もがそれで諦めるつもりなど毛頭無い。

 対策を編み出せる者は短い時間で対策を編み出し、作戦を立てる者は作戦を立てて再戦へ備えてきた。

 

「やっぱり、向こうも準備してきたか」

 

「でもそれは想定内でしょ? 今回はきちんと作戦を立ててきた。勝機はあるわ」

 

「美遊、イリヤスフィール。プラン通りに。

 今夜はわたくしたちが勝ちますわよ!」

 

「「了解!」」

 

 魔術師の二人から戦闘開始の号令が飛ぶ。

 イリヤと美遊は正面を向いたまま橋を飛び出して、川沿いの道へ。

 士郎は体を反転させて、二人とは逆――――橋のアーチへ登って行った。

 

「うわ、お兄ちゃんたちの予測通り……魔法陣増えてるよね……?」

 

「昨晩と比べて1.5倍程でしょうか。イリヤさん、攻撃が来る前に飛んでしまいましょう!」

 

 イリヤとルビーが現状を認識して間もなく、『キャスター』は動いた。

 高速で唇を震わせ、呪文を紡ぐ。

 レーザーポインターから赤い光線が奔るのと同じように、上空に犇めき合っている魔法陣からの赤い線がイリヤに集まる。

 もちろん、その後に来るのは――――――

 

「うひゃああっ!」

 

 光弾の雨。

 悲鳴を上げつつも、イリヤは走る速度を上げて迫り来る攻撃を回避していく。

 寸前まで彼女が居た場所に初弾が落ち、続く光弾は彼女の追い掛けるように後ろから迫ってくる。

 

「このままではより豪雨に撃たれますよ! 早く空へ!」

 

 ルビーに言われたイリヤは地面を蹴り、低空から高速で一気に上昇した。

 離陸した地点にも光弾が降り注ぐ。轟音と共に道を砕かれ、瓦礫が飛び散る。

 

 

 イリヤと平行して疾走している美遊も光弾を避けながら空へ上がった。

 けれど、彼女は空を飛んでいる訳ではない。

 空を飛ぶのではなく跳んでいたのだ。(・・・・・・・・・・・・・・・)

 鏡面界に来る前に彼女が自分なりに思考した結果、辿り着いた方法(答え)がこれだ。

 魔力を固めて足場を作り、その上を渡る。

 イリヤが想像力に長けているのと対象的に、美遊は計算力に長けていた。

 二人の飛行方法はそれぞれの長所を生かして得たモノだ。

 

「美遊さんの方も無事に課題をクリア出来たようですね。

 では、そのまま反射平面の上へ!」

 

「分かった!」

 

 彼らは鏡面界へ足を踏み入れる前の作戦会議で役割を決めた。

 イリヤと美遊は魔力指向反射平面と上空に展開された魔法陣の上へ向かうことが優先事項になっている。

 これは自分たちが攻撃を繰り出す点と敵の攻撃の射程から外れる点を考慮してのことだ。

 

「美遊様! 後方から!」

 

「ッ!」

 

 サファイアの警告を聞いた美遊は視界の端で光弾がホーミング弾の如く曲がって追い掛けて来るのを捉えた。

 イリヤと比べて美遊は小回りが効き難い。そこを突いて攻撃。

 

 ――――だが、それを許さない者が居る。

 

 

「振り向くな! そのまま上へ進め!」

 

 聞き慣れた声が響いた。

 続いて何十と空気を切り裂く音と彼女を襲う光弾を撃ち落とした音が響く。その音を発生させたのは矢。

 それらは橋のアーチの上に陣取った士郎が撃ち出した物だ。

 彼は昨晩の双剣に加えて、黒い和弓(・・・・)を装備していた。

 

 

 その後も士郎は矢を射って二人を襲う光弾を撃ち落としていく。

 彼のサポートを受けた少女たちは順調に空を昇り、魔法陣の上にまで辿り着いた。

 

「第一関門クリア。次はお兄さんの仕事ですね。

 お二人は準備を」

 

「ここまでは順調だね」

 

 ルビーとイリヤから一段落の声が漏れる。

 二人の声を聞いた美遊は返事をしなかったが、首肯をして同意を表す。

 

 

 作戦は大きく分けて三段構えだ。

 

 一段目はイリヤと美遊が魔法陣の上に到達して、攻撃の準備をする。

 

 二段目は士郎が『キャスター』へ矢を放ち、魔法陣の上にまで誘導する。

 

 三段目は誘導された『キャスター』をイリヤと美遊が地上に叩き落として、地上に残って居る彼らがそれぞれ一撃を叩き込む。

 

 

 一人が同時に多数の役割をこなせば綻びは生じやすくなる点と空を統べている『キャスター』のアドバンテージをどのように崩すのか……。

 魔術を知る者たちが思案して編み出した役割分担だ。

 

 

「次は俺の番か――――」

 

 士郎は和弓に矢を番える。

 彼はそれと平行して1本の魔術回路につき2本の矢の設計図を走らせる。

 

 

 魔術回路(自身)にイメージを保存する。

 総数54本の矢が彼の中で装填される。

 射手の体が自然の流れに身を任せて―――――

 

工程完了(トレース・オフ)――――」

 

 

 完了と共に開始を宣言する。

 彼の脳裏に映るのは矢が『キャスター』に当たる映像。

 彼にとって弓は射る前から命中している(・・・・・・)

 

 

 番えられた矢が弓から解き放たれる。

 だがそこで動作が止まることはない。右手から矢が去ると即座に自身に装填されている矢が顕現する。

 揺らぐことなく連射。その境地にブレも雑念も存在しない。それをただ繰り返す。

 

 

 イリヤたちへ注意を集中させている『キャスター』へ矢が疾駆する。

 不意の攻撃に遅くして気付き、空を舞って回避行動を取るが、矢は直線だった軌道を曲げて『キャスター』を追尾する。

 予想外の軌道に表情を歪める。何処までも追い掛けて来ると悟ったのか『キャスター』は光弾を撃ち出して、ホーミング弾と化した矢を迎撃する。

 大半の迎撃には成功したものの、3本の矢が『キャスター』の下側から殺到する。

 

 

 常人の反応速度を超えた襲撃。

 しかし、相手は人を超越した存在である英霊だ。

 士郎は命中はする(・・・・・)とは確信しているが、

 仕留めることは出来ない(・・・・・・・・・・・・)とも確信している。

 

 

 想定通り、キャスターは物理障壁を展開して矢を防御する。

 盾と矢がせめぎ合う。

 魔女の強固な守りを矢は突破出来ずにいる。

 

 ―――――しかし、これも作戦通り。

 

「■■■■■!!」

 

『キャスター』は驚愕に見舞われた。

 盾と拮抗していた矢がその身に宿していた“魔力”を炸裂させたからだ。

 爆発によるダメージは無い。

 けれども、爆風に押し上げられて『キャスター』は魔法陣の上まで吹き飛ばされた。

 

「来ました! イリヤさん!」

 

「極大の――――散弾!」

 

 より高度に位置していたイリヤからショットガンと比較にならない程に拡散された魔力弾が下方へ向けて降り注ぐ。

 爆風で押し上げらた為に体勢が安定していないところへの追撃。流石の『キャスター』にも焦りが浮かび上がる。

 

 

 その次の瞬間、『キャスター』が姿を消した。

 ――――空間転移だ。

 

 

 『キャスター』が居た場所へ降り注いだ散弾は空を切る。

 だとしても、今の攻撃は無駄ではない。

 散弾はそのまま地表へ落ちて行くが、その途中に設置されていた魔力指向反射平面の裏側に当たると、そのままの勢いを保って跳ね返って来る。

 

 

 イリヤが攻撃を放ち、無防備な背中を曝したのを必殺の機会と考えたのか『キャスター』は彼女の背後へ転移。

 だが杖を握り攻撃を振るおうとしたタイミングに、跳弾した魔力弾が迫り来る。

 攻撃の動作を中断し、防御魔法を自身の正面に展開して散弾から身を守る。

 

 

 その僅かな一瞬だが、『キャスター』の動きは完全に止めることが出来た。

 広範囲に飛び散る散乱は上空を隈無く埋め尽くしていた。

 これまでの流れはこの状況を作り出す為の布石だ。

 

「弾速最大――――」

 

 美遊はサファイアを前に突き出して、『キャスター』へ狙いを定める。

 魔力を込めてより強固な足場を形成して、足腰を踏ん張る。

 ステッキの頭に魔力が収束していき、

 

狙射(シュート)!」

 

 声と共に蒼い光の息吹は解き放たれた。

 限界まで細くなり、

 限界まで鋭くなり、

 限界まで加速した一撃は『キャスター』へ直撃した。

 

「■■■■■■■■!?」

 

 美遊の一撃までには防御を回すことは出来ずに、『キャスター』は奔流を浴びながら地上へと流されて行く。

 その流れに逆らう『キャスター』へ士郎は疾風の一撃を作り出す。

 

I am the bone of my sword.(我が骨子はその身を研ぐ)

 

 彼の手に携えられるのはレイピアのような細い刃を備えた一本の剣。

 和弓に番えると、よりその身を細め鋭さを増す。

 

「――――“絶世の名剣(デュランダル)”」

 

 飛び出した銀針は白銀の軌跡を描きながら『キャスター』の体を貫通した。

 体に穴が開き、体勢を崩した『キャスター』は蒼い光に流れて地上へ叩き落とされた。

 射抜かれ、その身を天から地に落とされてもなお、『キャスター』からは殺気が薄れていない。

 

 

 口から血を吐いていようが、体に傷が付こうが、致命傷ではない。

 傷を負いながらも立ち上がろうしている『キャスター』へトドメを刺すべく、この時まで橋の下で待機していた魔術師の二人が飛び出す。

 

Zeihen(サイン)――――! 爆炎弾7連――」

Anfang(セット)――――! 轟風弾5連――」

 

 

 ルヴィアからは炎を秘められた宝石が7つ。

 凛からは風が秘められた宝石が5つ。

 計12つの宝石が薄暗い闇の中で煌めきながら放物線を描き、立ち上がろうとしている『キャスター』の頭上から炸裂する。

 

 

「「炎色の荒嵐(ローター・シュトウルム)!!」」

 

 灼熱の炎の風を受けて一層激しくなり、辺り一面を赤色に染め上げる。

 色合いが最も鮮やかになると、凄まじい爆発が起こり、莫大な熱と音が鏡面界に揺らした。

 

「うわー……」

 

「いやー、こう見るとあのお二人の凄まじさが判りますね。

 あっ、イリヤさん。あれだけ張り巡らされていた魔法陣が消えていきます」

 

 先程まで空に在った魔法陣は元々無かったかのように消えていく。

 

「つまり……倒せたってことだよね?」

 

「はい! 我々の勝利ですよー!」

 

 勝利を確信したイリヤとルビーはホッと胸を撫で下ろす。

 この勝利を分かち合う為に凛たちが居る地上へゆっくりと下降して行く。

 

 

 一方の魔術師たちは―――――

 

 『キャスター』に投げ付けた宝石の数について言い争っていた。

 作戦通りに事が上手く進んだにも関わらず、些細なことで拳の応酬を始めようとしていた。

 それを橋から飛び降りて合流した士郎が諌めているが何とか言い争いに止めている感じだ。

 

 

 そんな4人を空中に位置したままの美遊は眺めていた。

 こちらも一息を吐いて一段落していた。

 

「お疲れ様でした、美遊様。見事な活躍でした」

 

「士郎さんたちが作戦を練ってくれたからだよ。

 私はただ作戦通りに動いただけ」

 

「それは過小評価です。確かに策を講じたのは魔術に詳しい士郎様たちですが、それを実行出来たのは美遊様の活躍も有ったからです」

 

「…………」

 

 サファイアの言葉を聞いた美遊は視線を士郎に集中する。

 あの時――――また彼に助けられた(・・・・・・・・・)

 それが彼女にとって嬉しいことであると同時に、悲しいことであった。

 

「降りて来なさい美遊、カードを回収して帰りますわよ!」

 

 ()のことを思い浮かべている最中、ルヴィアから声を掛けられて意識を現実に向け直す。

 

「いきましょう、美遊様」

 

「うん」

 

 それは美遊が短く返事を返した時だった。

 凛とルヴィアの“ファイト”を何とか防ぐことが出来た士郎が、先の攻撃で陥没した地点を覗いて自分たちのミスの確信を得たのと同時――――

 

「ッ! まだ終わりじゃない!」

 

 その言葉の意味は彼からの説明ではなく、河口の方から発生した莫大な魔力を感じ取ったことで、誰もが理解した。

 

 

 全ての視線が一ヶ所に集まる。

 そこには――――昨晩、イリヤたちへ向けられた積層構造で砲台の形を模したが展開されていた。

 しかも――――砲門の数は1つではなく、3つ。

 1つだけでも鏡面界を焦土に帰す威力を誇っているのに、それを3つ。発射された場合の結末は考えるまでもない。

 

「仕留め切れなかった……。

 まずい、自滅覚悟で空間ごと焼き払う気よ!」

 

 凛から悲痛に満ちた叫びが全員の鼓膜を叩く。

 

 即座に動いたのは4人から離れていて――――『キャスター』に最も近い場所に居た美遊。

 彼女はたじろぐことなく、空を蹴って跳んで河口へ急行する。

 

 

 『キャスター』は満身創痍だ。

 もう転移が出来る余力も、発射しようしている魔術以外を行使できる余力も無い。

 たった一撃で決着がつく。

 

「ミユさん!」

「美遊!」

 

 兄妹から叫び声が出る。

 その理由は――――絶望なまでの距離。

 既に砲撃のチャージが開始されている。今からでは美遊がどれだけ速く跳ぼうと間に合わない。

 

 

 その不可能を覆したのは少女の空想(閃き)――――

 

 美遊は自分の背後に突然魔力の塊が発生したのを感じ取って振り向く。

 在ったのはピンク色の巨大な魔力砲。これを射ったのはイリヤ。

 

「ミユさん、乗って(・・・)!」

 

 その言葉が耳に届くと、美遊は反射的に体を動かす。

 自身の魔力を足元に固めて、魔力砲に乗ることに備える。

 魔力砲に足が着くと一気に加速した。

 

「いっけえええええええええええええ!!」

 

 急激な加速によるショックからはカレイド魔法少女の備わっている保護で意識を維持し、そのまま『ランサー』のクラスカードをサファイアの頭に押し当てる。

 刺し穿つ死棘の槍(ゲイボルク)を携えて、朱色の流星と一体化した彼女は『キャスター』を穿ち、風穴を開けた。

 

 

「クラスカード『キャスター』……回収完了です」

 

「今度こそ……だね」

 

 『キャスター』のクラスカードを手にして、やっと今夜の戦いが終わりを迎えたのだと美遊は実感した。

 張り詰められた緊張の糸は切れて、戦闘体勢から解かれる。

 橋の下辺りに居る4人へ視線を向ける。

 

「イリヤスフィール! 美遊に向かって魔力砲を撃つなど! なんて無茶を――――」

 

「痛だだだだ!? だ、だって出来ると思ってえ!」

 

「ま、まぁ、ルヴィアさんの言う通り無茶だとは思うけど……上手くいったからその辺にしてやってくれ。

 家に帰ったら俺がよく言っておくからさ」

 

「……まあシェロが言うのでしたら……」

 

「イリヤ、美遊を迎えに行ってやってくれ。

 流石に今のでクタクタだと思う」

 

「あ、うん」

 

 ルヴィアからのこめかみグリグリ攻撃から解放されたイリヤは美遊の所へ向かって行く。

 地上に居る4人のやり取り見て、サファイアは美遊に話し掛ける。

 

「……先日、美遊様は仰いました。『カード回収は全部私がやる』……と。

 わたしにはあの時の美遊様の真意は解りません。ですが、この勝利はお二人の連携が有ってのモノです。

 残りのカード回収でもお二人の連携が重要になってくるでしょう」

 

「うん……それは解ってる」

 

 美遊はサファイアと会話をしながら地上へ降りて行く。

 

「彼女と私が違うってことも解ってる。立場(・・)だけじゃなくて、考え方も在り方も。

 私には飛行するイメージがどうしても出来なかった。代わり出来たのは、魔力を固めて足場を作ること」

 

「魔力の総合運用で考えれば、とても効率的な飛行法です。

 美遊様の仰る通り、飛行法や発想力をはじめとして、お二人には異なっている点は有りますが、どちらが上ということもありません。

 出会って間もなく、時としてイリヤ様のことを快くないと感じられることもあるでしょう。

 ですが、イリヤ様は信頼に足る方だと……そう思います」

 

 サファイアと会話を終えた美遊はどこか寂しげな表情を浮かべる。

 イリヤの姿を思い浮かべるとその隣にイリヤの兄の姿が常に在るからだ。

 

 

 星の無い夜空を見上げ、一人の少年の姿を思い起こす。

 “ここ”に居る彼は星の海の下で言葉を交わした()ではない。

 どれだけ彼らが似ていようが、それが事実だ。

 その厳しさは幼い彼女には重く押し掛かる。

 

 

 美遊がその感傷に浸っていると、笑みを浮かべているイリヤは彼女の許へ駆けていく。

 

 

 一先ず、今日の感謝を伝えるよう。

 美遊が気持ちを切り替えて、言葉を出そうとした瞬間――――――クレーター付近から発生した爆音が美遊とイリヤの頭を真っ白にした。

 

 

 

 

 

 ×   ×   ×   ×   ×   ×

 

 

 

 

 

 イリヤが美遊の所へ向かって行った後、遠坂たちから疑問の声が漏れた。

 ここに在るクラスカードを回収したのに、何故鏡面界が崩壊の兆しを見せないのか、と。

 

 

 ――――その直後に背筋が凍る感覚に襲われた。

 

(――――! 殺気……!!)

 

 尋常ではない威圧感。俺が鏡面界で対峙した――――――――

『ライダー』とも『キャスター』とも一線を画すそれ。

 

 

 両腰に掛けられた双剣を引き抜いて、背後から殺気を放つ何者かに刃を振るう。

 

(な、セイ――――――)

 

 ”流れ“からセイバーのクラスカードに宿っているのは彼女かもしれない、と予想をしていなかった訳じゃない。

 だけど……やっぱり実際に出会うと驚きを隠せなかった。

 

 

 俺の閃光と彼女の閃光が衝突する。

 だが、俺のは振り向いてからの行動だ。不意の一撃を受け止めきることは出来なかった。

 干将・莫耶が砕ける。繰り出された閃光を逸らすことは出来たけど、それはそのまま大地へ振り落とされた。

 

 

 

 

 

 

 ――――そして訪れたのは魔力爆発。

    その先を考える必要はない。

    この夜、彼らは運命(絶望)に出会った。

 




レアルタヌアのWeapon――――デュランダルを見て、“矢”として鋭さを求めるならこれもありかなと思って入れてみました。
アニメ版UBWのVSアーチャーでは両者、干将・莫耶での戦いだったりで最近見ないなー、とも思ったのもあります。

プリヤのVSキャスターは美遊がイリヤに意識を向け始めるきっかけの回でもあるので、あまり内容は変えませんでした。
士郎が参戦したことにより、すこしは楽にコトが進んだって感じです。

次回はVS黒騎士王に突入。
さて、士郎はどのように戦うのか…………。

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