クラス代表戦から数日後、一夏と鈴は今学園近くのショッピングモール『レゾナンス』に来ている。理由は以前束たちと一緒に買い物へ行こうと約束したからである。
「待ち合わせ場所はここでいいんだよな、鈴。」
「うん。間違いないわよ。あ、あれじゃない?」
そう鈴に言われ一夏は指された方をみるといつもの機械のうさ耳が無く、長い髪の毛を後ろで束ねており、普段のアリスの服ではなく大人のお姉さんみたいな服を着て眼鏡をかけた束といつもの白い服と青色のスカートをはいたクロエが手を繋ぎながらこちらに歩いてきた。
「お待たせ~。いや~、クーちゃんにどんな服がいいか一緒に考えていたら遅くなっちゃた。ごめんね~。」
「まったくです。お母様、今度からは自分で見繕ってくださいね。そうじゃないとお父様との買い物できる時間が無くなってしまうので。」
軽い感じで謝罪している束にクロエははぁ~とため息を吐きながら次はないと言わんばかりに咎める。一夏と鈴は苦笑いで2人を見ていた。
「そ、それじゃあ、2人も来たし行くか?」
「そ、そうね。ウサギのお姉ちゃん、クロエそろそろ行きましょ?」
「はい鈴お母様。」
「は~い。」
そして4人はレゾナンスに入っていき、ショッピングモールを見て回ると服屋の近くに行くと
「あ、お父様。クロエは新しい服が欲しいです。」
「うん?服か。そう言えばクロエはそんなに服を持っていなかったっけ。」
「はい。これと同じような服があと3着くらいあるのですが、ほとんどがよれよれになってきましたのでそろそろ新しい服などが欲しいのです。」
「そうか。よしそれじゃあまずはクーちゃんの服を買いに行こうか。」
「そうね。クロエに似合いそうな服とついでにウサギのお姉ちゃんの服も買いましょ。」
「へ?私も?」
鈴にクロエのついでに束の分も買おうと言われ、束はその訳が分からずにいる。
「さっきクロエから聞いたらお姉ちゃんのタンスの中にはアリス服がほとんど占めていたって聞いたからね。」
「うっ!べ、別にいいんじゃないのかな?ウサギさんはアリス服だけで「俺は新しい服を着たウサギのお姉ちゃんを見てみたいな~。」よ~し、見に行こう~!買いに行こう~!」
最初は渋っていたが束だが一夏に言われた瞬間にコロッと変わり、クロエと共に服屋に入って行った。鈴と一夏は計画通りと顔を変えながら2人に続いて入店し、2人に似合いそうな服を探し始める。
服屋に入った4人はそれぞれ見繕いをして一夏と鈴は束とクロエに似合いそうな服を渡し、束とクロエは試着室に入っていく。
「着替えましたか~?」
一夏がそう聞くと束とクロエは着替えましたと言って試着室のカーテンを開ける。
「どうよ~いっくん、かわいい?」
「どうでしょうかお父様?」
束の格好はさっき着ていた服とは違い、肩が出たトップスにデニムスカートで、クロエは白と黒でおりなった服を着ている。
「うん、二人ともかわいいですよ。」
「確かに普段とは違う服装だから新鮮に見えるわね。」
「そ、そう?よ~しそれじゃあこれを買おう。」
「わたしもこれを買います。」
そう言って二人はいくつかの服を入れたかごを持ってレジに向かい、一夏達もその後に続く。買い終えた4人は昼食をとり、その後近くのアクセサリーショップに足を運んだ。
「へぇ~、結構きれいなアクセサリーがあるわね。」
「そうだな。お、これ可愛くないか?」
そう言って一夏が鈴に見せたのはネックレスだった。しかも同じような物が3つ有った。
「確かに可愛いじゃない。」
そう鈴が言うと一夏はその3つのネックレスを持ってレジへと向かう。
「もしかして買うの?」
「あぁ、3人同じようなものを持っていた方がなんだか絆みたいなもので繋がっている。そう思えるものが欲しかったからな。」
そう言って一夏はレジで会計を済ませて、一つを鈴に渡した。
「ありがとうね一夏。」
そして一夏と鈴は束たちと合流して束にもネックレスをプレゼントし、クロエには一緒に買ったシュシュをプレゼントした。
そして時刻が5時頃を回り始めた頃、一夏と鈴は門限もあって帰ることに。
「楽しい時間ってあっという間に過ぎるって言うけど本当だったな。」
「そうね。ウサギのお姉ちゃん、クロエ楽しかった?」
「うん。久しぶりに羽を伸ばせたから良い一日だったよ。」
「はい。また家族一緒に買い物に行きたいです。」
「そうだな。また4人で買い物に行こうな。買い物だけじゃなくどこかの遊園地とかにも行こうな。」
「はいお父様!」
クロエの返事に3人は微笑んでいると束が何かを思い出したのか一つのUSBメモリーを一夏に手渡す。
「これは?」
「ベアちゃんの追加の拡張機能が入ったUSBだよ。」
「拡張機能?具体的にどんな機能が入っているんですか?」
「それはベアちゃんに聞いてみて。それじゃあそろそろ帰るね。」
「お父様、鈴お母様。短い時間でしたが楽しかったです。」
「私もよクロエ。次の休みの時も同じようにみんなと何処かに行きましょうね。」
「はい!」
そして束とクロエは一夏の家へと帰り、鈴と一夏も学園へと戻った。
束たちとのデートから数日が経ち、学園にはあるニュースが飛んできた。
「転入生?しかも2人もか?」
「そうなのよ、驚きだよね。」
一夏は仲良くなったクラスメートたちと話していると転入生が2人来ることに驚く。
「しかも片方は男の子って言う噂なんだよ。」
「へぇ~。」(男?今になって見つかるっておかしいだろ。)
一夏はそう思いながらクラスメイトと喋っているとチャイムが鳴りそれぞれ席に着き始めた。
「はぁ~い皆さんおはようございます。たぶんみんな知っていると思うけど隣の1組に転入生が入ってきたらしいわ。しかも片方は男子のようです。」
「「「「本当ですか!!」」」」
「えぇ本当よ。どんな生徒かは次の合同実習で見なさい。それじゃあSHRはこれにて終了。みんな次の実習には遅れないようにね。」
そう言ってシルヴィアはクラスから出て行き、一夏も着替えにクラスを後にした。
一夏side
更衣室で着替え終えアリーナに行こうとしたとき、
「あ、君が天ノ川君だね。」
そう後ろから声を掛けられて振り向くと金髪の男装した奴がいた。こいつが例の転入生か。
「あぁそうだがお前は?」
「僕はシャルル・デュノアって言うんだ。よろしくね。」
そう言って手を出してきたので俺も手を握り返したが
(細いな。)
こいつ女だろ。男にしちゃ細すぎるし、なにより作り笑いが雑。
「じゃあ俺は先に行く。」
おれはそう言ってアリーナに出て行った。
[ベアトリクス、あいつのこと調べてほしいって束さんにメールしておいてくれ。]
[了解よ。]
[そう言えばこの前束さんから貰った拡張機能ってまだ使えないのか?]
[インストールとその構築にまだ時間がかかるのよ。あと2週間くらいすればお披露目出来るわ。]
[楽しみにしておくか。]
そう言っているとアリーナに到着した。すでに何人かはアリーナにいてお喋りをしていた。
「い~ちかっ。」
そう呼ばれながら首に手を回しながら抱き付かれた。こんなことをするのは一人しかいない。
「おい、鈴。もうすぐ授業が始まるんだぞ。」
「別にいいじゃない。まだ休み時間なんだし。」
まぁ確かにそうだが。
「おい。」
「あぁ?」
なんか呼ばれたんだが誰だこいつ?
「お前織斑一夏か?」
「織斑?俺の名字は天ノ川だチビ。」
「チッ!貴様!」
そう言って俺に殴りかかろうとしたがその前に俺がその拳を掴んだ。
「くっ!離せ!」
「分かった離すぞ。」
俺はそう言って離すとチビはそのまま後ろに尻もちをついた。
「この!「何をしているボーデヴィッヒ!」き、教官。」
そう言ってチビは糞姉貴に敬礼をしていた。こいつ糞姉貴の関係者か。
「で、何をしていたんだ。」
「こ、こいつがいきなりチビと言ってきたので・・・その・・・。」
「お前が名前を言わなかったからとりあえず見た目からチビと呼んだんだ。」
「はぁ~、問題ごとを起こすな天ノ川。」
だったらお前がちゃんと手綱を引いておけよ。
「さっさと列に並べ。もうチャイムは鳴っている。」
そう言われ俺と鈴は列に並びに行こうとしたら
「憶えておけ!この屈辱必ず果たす!」
そう言ってチビは自分のクラスの列に加わりに行った。
「何だったのあの銀髪?」
「さぁな。とりあえずほっとけ。」
そう言って俺と鈴は列に並んだ。
一夏side end
次回予告
合同実習で鈴とセシリアが山田先生と模擬戦をし、その後専用機持ちごとに訓練が始まった。
一夏は放課後鈴と訓練をしようとアリーナに向かうと金髪男子?ことシャルルと会い、鈴と共に訓練をすることになった。すると銀髪のチビがいきなり乱入。
次回合同実習そして訓練~さっさと引込めWicht(チビ)~