束とテレビ電話をしてから数日後、IS学園恒例の学年別代表戦が開催された。一夏達2組の代表は鈴だった。最初は一夏になってもらう予定だったが、セシリアとの決闘で一夏の実力は他のクラスより遙かに上のため勝負にならないとのことで除外されたのだ。そして今鈴と一夏は2組が利用するピットにいた。
「へぇ~、これが鈴のISか。」
「そうこれが私のISの甲龍よ。」
一夏は鈴のISの準備を手伝っていた。ふと一夏はあることを提案した。
「そうだ、鈴。もしこの代表選で優勝したら俺が出来る範囲で言うことを一つ聞いてやるよ。」
そう言われた鈴は、しばらく考えた後何かを閃いた
「それだったら部屋に戻ってから言うわ。」
「そうか。そろそろ時間か。鈴。」
一夏は鈴を呼んだ。呼ばれた鈴は振り向くと一夏の顔が目の前にあった。
「な、なに?」
鈴がそう言うと一夏は鈴のおでこをかき上げてキスをした。いわゆるデコチューである。
「な、な、な、な!」
「優勝できる為のおまじないだよ。それじゃ俺は観客席で応援してるから頑張れよ。」
そう言って一夏はピットから出ていった。
鈴side
あ、あ、あの馬鹿!何恥ずかしい事平然としてくるのよ////。とりあえずあいつが言ってた通り優勝目指してやってやろうじゃない!優勝してその、私の願い絶対叶えないと。
鈴sideout
鈴がピットから出るとアリーナにはラファールを纏った3組の代表が既にいた。
「あんたが2組の代表?」
「そうよ。なんか文句でもあんの?」
「別に。ただ例の男性操縦者だったら潰してあげようと思っただけ。」
鈴は潰すという単語に眉をピクッと動かしその理由を聞いてみた。
「潰す?何で潰す必要があるのよ。」
「決まってるじゃない。男のくせして神聖なISに乗るなんてまさに神への冒涜と同じよ。」
鈴は相手が女尊男卑の奴だとは最初から分かっていたがここまでひどいとは思っていなかった。
「あっそ。まぁわたしはどうでもいいけど。」
「なに?あんたまさかあの男に惚れてるとか?マジ受けるんですけど。てかあんな男どこが良いんだか。」
その言葉が出た瞬間、鈴は心の中で
(この女殺してやろうかしら。)
そう思い、グルカナイフを構えた。
『では、試合開始!!』
アラームが鳴ると同時に3組の代表はアサルトライフルで攻撃してきた。
「ほ~らさっさと墜ちなさい!」
そう言って攻撃してくるが殺し屋からいろんなことを学んだ鈴にとっては相手の攻撃はまるで教科書に載っているようなもので簡単に避けれた。
「はぁ~、そんな攻撃当たる訳ないじゃない。本当の攻撃ってのはこうするの!」
そう言って鈴は攻撃を避けながら左手のグルカナイフを投げ、相手のライフルを切り落とした。
「なっ?!ま、まぐれよ。そうに決まってる。」
そう言ってハンドガンを取り出し再び攻撃しようとしたが、今度はクナイが飛んできてハンドガンが弾き飛ばされた。
「本当に遅いわね。」
そう言って鈴は近接攻撃を繰り出し相手を地面に叩き落し、鈴は素早く相手の背後に回り込んだ。
「ぐうっ?!・・まだまd「終わりよ。」え?」
そう言われ背後を見るとグルカナイフを振り下ろそうとしていた鈴が見えた。その目は絶対零度の様で、そして鈴からは殺気が出ていた。
「ま、待って!」
「何?」
「と、取引しない?あたしを勝たしてくれたらフリーパスあげるから。ねぇ、お願い。」
そう言ってきた代表に鈴は
「馬鹿じゃないの?」
そう言ってナイフを振り落とした。もちろんSEは大幅に削れた。けどブザーが鳴っていないため鈴は続けざまにナイフで斬りかかった。
「やめ、やめて!お、お願い!もうやめて!」
鈴の攻撃は止まることなく続いた。そして
『相手側が戦意損失(気絶)のため、勝者2組代表!』
「「「「わぁぁぁーーーー!」」」」
大きな歓声が巻き起こり鈴はピットへと戻った。
~数分後~
4組の代表は出場出来ないようなので1組と2組との決勝戦となった。アリーナにはすでに鈴とセシリアが立っていた。
「お初にお目にかかります。イギリス代表のセシリア・オルコットですわ。」
「鳳 鈴音。堅苦しい挨拶は良いからさっさと始めましょ。」
そして開始のブザーが鳴り、セシリアは空中に飛び上がった。
「舞いなさい!」
そう言ってセシリアはBT兵器を展開して攻撃を開始した。だがやっぱりBT兵器を動かしているときはその場でジッとしていた。
それに鈴は
(あいつ、戦う気はあるのかしら?あんなところで停止したままでいるなんて。)
そう思いながら鈴はグルカナイフの紐の長さを調節し攻撃を開始した。鈴はグルカナイフを投げ飛ばした。その方向はセシリアがいる場所から若干右の方向だ。そして鈴は紐を引っ張りながら横へと引っ張った。その結果グルカナイフはセシリアにいる方へと向かいそのまま
「へ?きゃあ!」
グルカナイフは命中しセシリアのライフルを潰した。
「まだまだ行くわよ!」
そう言って鈴はクナイをBT兵器へ飛ばし撃破した。
「そ、そんな。ロックオンアラートなんてなかったのに!」
「そんなもの鳴る訳ないじゃない。目測で投げてるんだから。」
そう言われセシリアは驚いた。
「も、目測ですって!そんな訳ありえm「あり得ているじゃない。現に私があんたのBT兵器全部撃ち落としちゃったじゃない。」・・・・。」
そしてセシリアは武装が残りインターセプターしかない。だからセシリアは棄権した。
『1組代表棄権のため、優勝は2組です!おめでとうございます!!!』
そう言われ鈴は2組がいる方に向かってダブルピースをした。
「イェ―――イ!みんな勝ったよーー!」
そして鈴はピットへと戻っていった。セシリアもピットへと戻って行こうとした。その時チラッと自分のクラスの観覧席を見ると全員冷ややかな目でこちらを見ていることが分かり、足早にピットに戻って泣いてしまった。
代表戦終了後、2組の生徒たちはクラスに戻りシルヴィアから優勝賞品の半年間のデザートフリーパスを貰い大いに喜びが溢れた。
「いやー、鈴ちゃんありがとう!」
「これでいっぱい甘いものが食べられるわ!」
みんな感謝の言葉を言いながら食堂へと向かって行った。もちろん一夏と鈴たちも食堂へと向かい、デザートをおいしく食べて寮へと戻った。
一夏side
寮へと戻り部屋に入った俺は鈴にピットで話したお願いを聞くことにした。
「所で鈴、ピットで話していたお願い事を一つ叶える件、俺は何をしたらいいんだ?」
そう聞くと鈴は赤くなってもじもじし始めた。
「そ、その、あの、・・・・私を抱いてほしい////」
・・・・へ?抱いてほしい?
「えっと、鈴それって・・・・。」
「うん。じ、実は一夏がいない時に束お姉ちゃんとテレビ電話した時にね。」
~回想~
「ねえ、束お姉ちゃん。」
『うん?なにかな鈴ちゃん。』
「一夏にその、初めてってあげた?あ、キスじゃないよ。」
そう言われた束はあげたよ。と笑顔で答えた。
『初めは痛かったけど、後からもっといっくんをもっと感じていたいと思い始めてすごく求めてたな~。』
束は赤くなりながらそう答えていた。
「そ、そうなんだ。」(やっぱり最初は痛いんだ。)
『あ、鈴ちゃん。もしいっくんとやるんだったらちゃんとゴムしてやらないとダメだからね。』
「う、うん。わかった。」
そう言って鈴は束にいろんなアドバイスを聞いていたそうだ。
~回想終了~
な、なるほど。束さんから聞いたのね。そして鈴は
「だ、だから一夏。私を抱いてほしいの。」
そう言われ俺は決心して分かった。と言って鈴をそっとベットに押し倒すと
「あっ。ちょ、ちょっと待って一夏。」
そう言って鈴はツインテールを解き、リボンをベット横の机においた。
「なんでリボンを解くんだ?」
「これは一夏と私の大切な思い出の品だからさ。汚れたら嫌じゃん。」
そう言えば、あのリボンは俺が小さい頃にあげたリボンだっけ。まだ持っていてくれるなんて嬉しいな。そう思っていると鈴は手を広げながら
「一夏、来て////」
そう言われ俺はそのまま鈴に覆いかぶさるよう倒れ鈴とキスをした。
「ん。・・・・私初めてなんだからやさしくしなさいよね。」
「わかってる。」
そう言って俺と鈴は夜が更けるまで愛し合った。
一夏sideend
次回予告
代表選後のゴールデンウィーク。待ちに待った4人で買い物。そして楽しい時間を十分に楽しんだ。そしてゴールデンウィーク終了後、1組に転入生が2人も来たらしく、一人が男?でもう1人が軍人とのこと。この二人のせいで一夏はめんどくさいことに巻き込まれるのであった。
次回デートはワクワク、転入生にはイライラ。~もう一度保育園からやり直してこれば。~
感想でブラックラグーンだと時系列的にどのあたりと言うのが多かったので書いておきます。
・ガルシア誘拐事件
小5・一夏ラグーン商会入社
この間に張やバラライカ達と会い、弟分となった。
小6・シェンホアと仕事
小6・吸血鬼事件
中一・偽札
中一・日本ヤクザとの抗争
一夏は小6まで原作には参加していない。中一以降は少しだけ手を貸すくらいのことで大きく原作には関わっていないとしています。因みにシェンホアとの出会いは小6ですが一緒に仕事したのは中二の頃としています。