武装部が設立され数日が経ち、一夏達は部活に精を出したり簪のISの開発を手伝ったりと色々と忙しい日々を過ごしたがそれでも充実した日々を過ごしていた。そんなある日の朝、学園祭の説明があるとのことで全学年が体育館に集められた。
「ではこれより学園祭の説明会を始めさせていただきます。まずは学園長からのお話です。」
そして学園祭の説明が始まる。学園長からの説明から始まり、次に風紀委員会からの説明、そして最後に生徒会会長から最後の説明で終わりのところまできた。
「では最後に当学園の生徒会長、更識楯無会長からの説明で終わりとさせていただきます。では会長お願いします。」
そう言われ学園の生徒会長、更識楯無は壇上へと上がる。
「あれが簪さんのお姉さんか。」
「見た目からして裏で色々してそうな感じね。」
一夏と鈴は見た目からどういった人物か観察していると楯無の説明が始まった。
「皆さん、おはようございます。私が当学園の生徒会長、更識楯無です。ではこれより生徒会から重大発表を行います。」
生徒会長からのいきなりの重大発表と言う単語に体育館内は騒然となる。
「はいはい、みんな静かに。それではスクリーンをご覧ください。」
そう言われ全員スクリーンを見た瞬間
「「?!」」
そこには『天ノ川一夏 特別講座』と書かれていた。
「今回の学園祭では一番楽しかった出し物を投票で決めて、一番になった出し物にはスクリーンに書かれている通り天ノ川一夏君直々に武器の特性や護身術について教えてもらえる権利を得とく出来るわ!」
そう叫ぶと館内は大きく騒ぐ。
「よっしゃーーー!皆優勝目指してやるわよ!」
「こっちも負けられないわよ!」
多くの生徒たちは優勝目指している中、一夏と鈴はと言うと
「ちょっと一夏、本当なの?」
「いや俺はそんな話聞いてないぞ。」
一夏と鈴が混乱していると突然銃声が鳴り響き、プロジェクターが壊される。突然の銃声に館内が静まり、銃声がした方を見るとそこには派手な色で染められたM98Bを持った束がいた。
束はコッキングレバーを引き、弾を排莢して次の弾を送りそのまま壇上へと向かう。その時束がシルヴィアの横を通り過ぎようとした時シルヴィアから
「口はいいけど、手は出しちゃだめよ。」
そう言われ束は首を小さく縦に振ってから壇上へと上がる。
「な、何か用でしょうか篠ノ之先生?」
楯無は今度は自分が撃たれるのではと思いいつでもISを展開できるようにしていると束は笑顔だが目は笑っていない状態で話しかける。
「君、私を怒らせる天才か何かかな?」
そう言われ楯無はへ?となる。
「いっくんは今回のこれについて何一つ知らされていないし、許可した覚えもないらしいんだけど。」
「えっと、寮のお部屋で許可の方をお願いしました。」
「部屋にね~。けど君が束さん達の部屋に来た覚えが一回も無いんだけどそれってどういうことなのかな~?」
そう言われた瞬間、楯無は驚く。まさか目の前にいる人物は一夏と鈴と同じ部屋に住んでいるとは知らなかったからだ。
「そ、それは篠ノ之先生がいなかったからで。」
「あそこの部屋、監視カメラが仕掛けてあるんだけど私がいない時に君が訪ねている様子もないんだけどどういう事かな?」
漸く出した逃げ道も束に潰され、すでに八方塞がりの状態になる楯無。
「今すぐ、このふざけた発表を無しにするなら束さんは今回のこと水に流してあげる。けどもし無しにしなかったら。」
そう言って束はポケットから四角い箱にスイッチがつけられている物を取り出す。
「そ、それは?」
楯無は恐る恐る聞くと束は笑顔で答える。
「これはね~、一部のISを除いた世界中のISを停止させるボタンだよ。」
そう言われた瞬間館内に衝撃が走る。今束の手元にあるボタンがもし押されれば世界中は混乱に陥るからだ。
「な、何をされるのか分かってるのですか?!」
「分かってるよ~、けどいっくんの意思を無視してこんなことをするなら束さんも非情になるもんね。」
そう言われ楯無は自分の計画と世界の治安かと言うともはや答えは1つとしか言いようがなかった。
「わ、分かりました!この講座は無しとします!ですからそのスイッチを押さないでください!」
楯無はそう叫ぶと束は
「分かればいいんだよ~。」
そう言ってスイッチをポケットに戻す。そして壇上から降りる。
「で、では生徒会からは以上です。」
そう言って壇上から降りていく楯無。その足はふらついており、もう一人の生徒会役員に肩を貸されながら歩いていく。
「ではこれにて学園祭説明会を終わります。」
そう司会の人が言うとぞろぞろと体育館から出て行く人達。そして一夏達も体育館から出て行き教室へと向かう。その途中で簪から姉の暴走を謝罪されるが簪が悪いわけではないからと言って教室へと戻らせる。
そして2組ではクラスの出し物について案が多く出される。多くはカフェなどでどれにするか悩んでいると束がある提案をする。
「だったら中華喫茶でもどうかな?このクラスには鈴ちゃんと言うリーダー、さらに我がクラスの切り札いっくんもいるし。」
そう言うとクラスはその案で行こうと賛成し、2組は中華喫茶をすることになった。
そして放課後、一夏達は部室である射撃場へと向かう前に簪が借りているメンテナンスルームへと向かう。
「あ、天ノ川君。それに鈴さん。」
そう言って簪は手を止め一夏達に挨拶をする。
「こんにちは、簪。どう進んでる?」
「うん。あとはこれをインストールすれば完成する。」
そう言って空間キーボードのエンターを押すとインストール中と表示し、そしてインストール完了と表示される。
「で、出来た!」
そう言って勢いよく簪は立ち上がる。
「おめでとう簪!」
「おめでとう。」
一夏達はそう言って拍手しながら完成を祝う。
「そ、そんな天ノ川君たちのお陰だよ。足りない部品も天ノ川君の知り合いの人から回してくれたり、色々手を貸してくれたおかげだよ。」
不足していたパーツは簪の機体には特に重要な部分の物で、日本のなかではもう手に入りにくい物だったのだ。それで一夏はバラライカに電話をし不足しているパーツを伝えると直ぐに探してみると伝え3日後に見つけ出しブーゲンビリア貿易を使って一夏達にパーツを届けてもらったのだ。
「それじゃあ部室に行って束さんに確認してもらってそれから打ち上げと行こうか。」
そう一夏が言うと簪は首を傾げる。
「どうして篠ノ之先生に見てもらうの?」
「こういうのは最初自分やISについてあまり知識が乏しい人が見ても完璧にできていると思うけど、思わぬ落とし穴があったりするかもしれないからな。それだったらISに詳しい人に見てもらって本当に大丈夫か判断してもらった方が安心するだろ。」
「確かにそうだね。うん、篠ノ之先生に見てもらう。」
そう言って簪は完成したのが嬉しかったのか速足で出て行き、その後を一夏達も追いかける。そして部室に着くとすでにセシリア達は部活動をしていた。
「あれ、束さんは?」
「まだこちらには来てはおりませんわよ。」
そう言ってセシリアは鈴に近接戦闘について教えてもらいに行く。一夏はそれだったら暫く待つかと思い拡張領域に入れているM4CQB-Rをいじる。
簪はその光景を見ながら銃について一夏に質問をしたりする。そして暫くすると束とクロエがやってくる。一夏は束達の様子がおかしいことに直ぐに気が付き話を聞く。
「束さん、何かあったんですか?」
そう聞くと束とクロエはさっきあったことを話す。
「さっき職員室から出て行こうとしたらあの
「実はモップが勝負しろと強迫してきて追い払うのに手間取りました。」
「なるほど。」
そう喋っているとエレベーターからシルヴィアが降りてくる。
「あ、いたいた。篠ノ之先生さっきのことで報告があるの。」
「なにシーちゃん?まさか学園長の奴が顧問を変わるようにって言ってきたの?」
「違うわ。顧問はそのままでいいって。それと今日の朝の行為はちょっとやりすぎだから1ヵ月の減俸だそうよ。」
そう言われ束はふぅ~んと言って興味なく言う。
「それとクロエちゃん。さっき箒さんが貴女と決闘をするから道場の貸し出しを申請してきたんだけど受けたの?」
そう言われた瞬間クロエははい?と言って首を傾げる。
「私は受けた覚えはないです。まったく傍迷惑にも程があります。」
そう言ってプリプリと怒っていた。
「だったら申請は取り下げておくわね。」
そう言ってシルヴィアが出て行こうとした時一夏がそれを止める。
「待ってくださいシルヴィア先生。クーちゃん、あいつの挑戦受けてやれ。」
そう言われクロエは驚く。
「ど、どうしてですかお父様?」
「なに簡単なことだ。あいつを完膚なきまで叩き潰せるチャンスが来たと思えばいいんだよ。」
そう言うとクロエは普段見せない黒い笑顔で一夏を見る。
「つまり容赦なく潰してもいいんですね、お父様。」
「あぁ、情け容赦はいらない。存分に叩き潰してやれ。」
そしてクロエはシルヴィアに勝負を受けることを伝える。その代わり自分はISのハイパーセンサーを使う事を伝えておいてほしいと伝える。
シルヴィアは似た親子ねと思いながら道場の申請を通す準備をしに行く。
次回予告
箒の一方的な挑戦を受けることにしたクロエ。そして道場でクロエは剣道着を着て箒と勝負をする。そして片腕しかない箒にとっては不利しかなく直ぐに勝負がつく。そしてクロエが出て行こうとすると箒が襲い掛かってくる。が一夏がそれを阻止する。そして箒がとんでもないことをしていることを剣道部の部長に言う。その頃生徒会室にいる楯無はロシアのIS委員会からお説教を受けていた。
次回愚行を重ねる愚妹~人を殺そうとするなんて本当に最低な人~