ブラックワンサマー   作:のんびり日和

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本編のネタが無くなったので、感想に書かれていた一夏のロアナプラの日常を上げようと思います。




番外編2

これは一夏がロアナプラに来て暫く経った頃のお話である。

 

~レヴィ、姉御に怒られる~

ある日のお昼頃、一夏はいつもの通りラグーンの事務所でお昼を作っていると扉がノックされる。ロックが扉を開けに行くとそこにいたのはバラライカだった。

 

「はぁ~い、一夏。ご飯食べに来たんだけどいいかしら?」

 

バラライカがそう聞くと一夏は笑顔で答える。

 

「いいよ~。たぶん来るだろうなと思って多めに作っといたし。」

 

そう言って一夏は料理をお皿に盛り机に並べる。皿にはナポリタンが盛られており、もう一つ持ってきた鍋にはポトフだった。

 

「あら、おいしそうじゃない。」

 

「えへへへへ。あ、レヴィお姉ちゃんまだ起きてないと思うから呼んでくるね。」

 

そう言って一夏はレヴィを起こしに部屋を出る。入れ違いでベニーが入ってくる。

 

「あれ、一夏はどこに向かったんだい?」

 

「一夏はレヴィを起こしに行ったけど。」

 

そうロックが言うとベニーはやばいと言った顔になる。

 

「まずいよ、昨日レヴィの奴夜更けまで酒飲んでたから『バァーン』?!」

 

そうベニーが言い終える前に銃声がこだます。部屋にいた全員急いでレヴィの部屋へと向かおうと部屋を飛び出すとレヴィの部屋から一夏が泣きながら出てくる。そしてロック達に気が付くと走り出してバラライカに泣きながら抱き着く。

 

「うわぁ~~~ん!レヴィお姉ちゃんがいきなり撃ってきた~~~!」

 

一夏が大泣きしながらロック達に言うと、バラライカは一夏を慰める。

 

「そうだったの、怖かったわよね。もう大丈夫だからほら泣き止むの。」

 

そう言ってやさしく一夏の頭を撫でながら慰める。そして暫くして泣き止んだ一夏をロックとベニーに任せ、バラライカはレヴィの部屋へと向かう。その姿は普段一夏の前では出さないようにしている冷酷な表情だった。バラライカが部屋に入ると頭を抑えているレヴィがベッドの上にいた。

 

「うぅ~、なんか睡眠を邪魔してきた奴がいたけど誰だったんだ?」

 

そう言っていると急に頭を掴まれ目の前にバラライカの顔が映る。

 

「あ、姉御?なんでここにいるんだ?し、しかも殺気まで出して。」

 

そうレヴィが聞くとバラライカは睨みながらその訳を言う。

 

「理由は簡単。一夏のご飯を食べにここに来た。殺気を出している理由は一夏がお前を起こしに行ったらお前が寝ぼけて銃を一夏に向けて発射した。これだけ言えばわかるな?」

 

バラライカにそう言われたレヴィは顔を真っ青にしながら謝ろうとしたが時すでに遅し。

 

 

「酒を飲んで銃を握ったまま寝るな―――――――!!!!」

 

「す、すいませんでしたーー!!!」

 

そして部屋から出てきたレヴィの頭にはデカいたんこぶが複数も出来ており、金輪際部屋で酒を飲むときは銃からマガジンを抜くのと握らないようにするようバラライカに言われ、破ったらまたゲンコツをお見舞いすると言われたそうだ。因みにレヴィは一夏にちゃんと謝ったおかげで許してもらえたとか。

 

 

~一夏のロアナプラでの初めての御使い~

ある日、事務所で使っている用品と食材を買いに一夏は市場と雑貨屋へと向かう。その背後には黒スーツを着た男たち数人がいた。何故この男たちが一夏を尾行しているのかと言うと話は数十分前まで遡る。

 

=数十分前、ラグーン事務所=

「あ、ボードの油性ペンのインクが無くなったな。」

 

ボードに今週の仕事などをボードに書いていたロックがそう言っているとキッチンから一夏が出てくる。

 

「どうしたのロックお兄ちゃん?」

 

「あぁ、一夏か。実はボードのペンのインクが無くなってね。新しいのもどうやら無いみたいなんだ。どうしようかな。紙で書こうにもメモ用紙もないし。」

 

そうボヤいていると一夏がある提案をする。

 

「それだったら僕が買ってこようか?」

 

「え?けど一夏にはまだ早いし、危ない「けどこの後みんな仕事で事務所いないじゃん。それに食材も無いし今晩夕飯なしになるよ。」偶にはみんなで外食も「あたいは断固反対だ!」れ、レヴィ?!」

 

一夏と話していると突然レヴィが割り込んでくる。

 

「ぜってぇー今日は一夏の料理を食おうと決めてたんだぞ。ここの所忙しすぎて夕飯が食えなかったのに今日も食えないとか絶対に嫌だ!」

 

「だけどレヴィ、一夏一人に買い物をさせるのは流石に危ないんじゃないか?」

 

「一夏はこの島でも権力がある奴らから可愛がられてるんだぞ。下手に手を出す奴なんていねぇよ。」

 

レヴィの正論にロックはため息を吐く。

 

「分かったよ。それじゃ一夏頼めるかい?」

 

「分かった。」

 

「今日の夕飯楽しみにしておくからうんとうまいやつ頼むぞ!」

 

「はぁ~い。」

 

そう言って一夏は財布と買い物袋を持って出かける。一夏が出て数分後、仕事の依頼に来た張がやってくる。

 

「よぉ~ラグーンの諸君。元気にしてるか?」

 

「まぁそこそこにな。」

 

ダッチとの挨拶を軽く済んだ張は仕事の依頼を伝える。そしてふと一夏がいないことに気が付く。

 

「うん?そう言えば一夏はどこ行ったんだ?」

 

「あぁ一夏は今、買い物に行ってるぞ。」

 

ダッチがそう言うと張は咥えていた煙草を落とす。そしてダッチに迫る。

 

「か、買い物だと?!まさか一人で行かせたのか?」

 

「あ、あぁ。一夏は張の旦那やバラライカのお気に入りだから誰も手は出さないだろってさっきレヴィとロックからそう聞いたが。」

 

そうダッチが言うと張は何処かに電話をする。

 

「もしもし俺だ。何人か部下を引き連れて一夏を陰から守るんだ。もし一夏に危害を加えようとした奴らがいたら即刻排除しろ。いいな?」

 

そう言って張は電話を切る。ダッチは張のブラコンぶりに流石に呆れる。

 

「張の旦那、流石にやりすぎじゃないか?」

 

「何を言うんだダッチ!もし流れの奴に一夏が危害を加えられて死んだらどうする気だ!」

 

そう言って張はあぁ心配だぁ~と部屋を右往左往とする。

 

そして時間は冒頭に戻り、後ろから付いてくる黒服たち(張の部下)に気づくことなく一夏は先に雑貨屋へと向かう。そして目的の雑貨屋へと着きメモ用紙と油性ペンを買って出てくる。

 

「目標、目的の物を買って出てきました。このまま尾行を続ける。」

 

『了解した。そのまま尾行を続けr『非常事態発生!』どうした?!』

 

『目標から100m先に見慣れない男二人を確認!恐らく流れだと思われる。』

 

『了解した。奴らの目的が分かり次第速やかに排除しろ。』

 

そして黒服の一人が男たちの動向を確認していると男の一人がナイフを持ち一夏に近付こうとしたことが分かり素早く男の一人を路地裏に引きずり込み排除する。仲間が一人消えたことに動揺していると背後から口を押えられもう1人も路地裏へと消えていく。

 

『流れの男たちの排除完了。引き続き警戒に当たる。』

 

『了解した。』

 

そして一夏の買い物が終わるまで男たちは一時も一夏から目を外さずにいたおかげか無事に一夏の買い物は終わり事務所へと帰ってくる。一夏が事務所へと入ると張がまだいた。

 

「あれ、張お兄ちゃん仕事の依頼?」

 

「おう、今依頼を申し終えたところだ。それじゃあダッチ頼んだぞ。」

 

そう言って張は立ち上がる。

 

「ばいばい、張お兄ちゃん。」

 

「おう、またな。」

 

そう言って張は事務所を後にする。そして一夏は買ってきた用品をそれぞれ必要な場所に置き、食材を持ってキッチンへと向かう。それを見ていたダッチは取り合えず今日張の部下が尾行していたことは内緒にしておくかと思いながら手に持っていたビールを飲む。

こうして一夏の初めてのロアナプラでのお使いは終わった。




次回は本編上げられるように頑張ります。

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