ドクターバイバイ・・・。とか、
土方さん( ゚д゚)ホスィ…とか、
ラオシャンロンおもしろ。とか、
ラスボスマジかよ。とか色々ありましたが、
遅くなってすいませんでした。
ステンノから敵連合の首都の位置を教えてもらった後、俺たちは再びネロの操船により体調をくずした兵士たちやマスターと共に陸に戻ってきた。
マスターが小声で「二度と船になんて乗らない・・・」と呟いていたが次の特異点の移動手段を聞いたらなんて言うだろうか?
流石にあちらの方が安定した船旅だと思うが。
「では皆の者!これより我らが首都、ローマへと帰還する!!ガリア遠征から続く長旅で疲れもあるだろうが、それならば尚の事休息が必要である。
首都に戻れば次の出陣こそが最後の
「「「「「「はい!!」」」」」」
確かに兵士達にも疲れが見えるな。少数精鋭の部隊だから行軍に支障は無いだろうが・・・帰路にはレオニダス一世がいる。
彼の宝具は低級とはいえ、サーヴァントたちの連続召喚だ。必然、兵士達も戦う必要が出てくるだろう。無論笛による強化はかけるが・・・兵士たちのためにもここは一気に倒してしまいたいな。
『沖田、前に渡した薬だ。帰りも何があるか分からんから一応持っとけ』
「あ、はい、ありがとうございます。・・・ってあれ?1本だけですか?前は何本も倒れるまで飲みましたが・・・。
血以外を吐きそうになったのは久しぶりでしたよ・・・?」
『その節は正直すまんかった。
でだな、あんなに多いと沖田も辛いだろうし、材料も勿体無いと思ったからな。全部を少しずつ混ぜて1本にギュッ!と凝縮してみたんだよ。どの程度効果が変わるか分からんが、まぁ仕方ない。
ちなみに味の保証も無い。』
「今さらっと恐ろしい事を言いましたね・・・」
入ってるのは飲めるものだけだからきっと死にはしないだろう。もう死んでるけど。
そして周囲の警戒をしていたロマニから通信が入った。
『君たち、前方にサーヴァント反応だ!
気を付けてくれ・・・って、えぇ!?』
「どうしたんですかドクター!?」
『それが、サーヴァント反応は約
だがほぼ全て反応は微弱なもので、確かな反応があるのは一騎だけ・・・これは・・・?』
言ってやるのもいいが、千里眼を持つエミヤがすでに戦闘態勢に入っているということはもうすぐそこまで来ているという事だろう。俺も笛を構えとくか。
そして、その集団が目に入ってくる。
「来ましたか、ローマ帝国第五代皇帝ネロ・クラウディウス。貴女は我が拠点へ足を踏み入れた。
即ち、これより私は拠点防衛を開始します。
進軍する敵の全てを打ち砕く。攻撃よりもなお勇ましく、防御よりも遥かに硬く・・・これぞ我がスパルタの拠点防衛術、その身をもって味わうと良いでしょう!」
「スパルタと言いましたね。では貴方は・・・」
狩猟笛の旋律で自軍の強化をしながら声をかける。
『気ぃ引き締めろよ、敵はランサー・レオニダス一世。かつて、テルモピュライの戦いで200万以上とも言われた敵軍を相手にたった三百人で互角以上の戦いをしたと言われる「炎門の守護者」だ。
その部下たちも含め守り、持久戦に特化したサーヴァントだ。皇帝陛下に兵士たちは疲れがあるなら無理せず引けよ?隙を見せればそこを突いてくるからな』
「ふむ、通常の弓矢ではあの盾は貫けんか。宝具級のものを投影すれば吹き飛ばせるだろうが・・・あの数をまとめて倒すのは難しいな。魔力も無限じゃない。ここは私も切り込もう」
「沖田は・・・もう突っ込んでるね。縮地を駆使して背後から斬りかかってるよ・・・。」
「しかし敵も円陣を組むことで背後からの奇襲にも対応しているようですね。
私達も行きましょう!指示をお願いしますマスター!」
アイクのやつは・・・お、あっちか。成程、アイクが地中から飛び出して攻撃を仕掛け、それで守りが崩れた所を沖田が止めをさしてるな。なかなかいいコンビじゃないか。
よし、それじゃあ俺も行くか!まずはすぐそこにいる兵士から・・・!
オラァッ!
「ぐあぁっ!」
うーん、盾越しだからか飛距離は縮んだがダメージ的には問題なさそうだな。このままどんどんいくか!
「あの琴(?)は1人では受けるな!必ず3人以上で受け止めろー!
怯むな、スパルタの守りを見せてやれぇぇ!!」
「「「スパルタァァ!!」」」
その叫び声は返事なのだろうか?
って受け止めた!?うおぉ!?
受け止めた上、槍で反撃してくるか。低級とはいえサーヴァントの持つ武器での攻撃を受けたらダメージがありそうだ。多少なら回復薬でどうにかなるとはいえ人間はモンスター以上にスキが無いので回復もしずらい。
たった1度の攻撃で学習して即座に対応してくるとは・・・これだから人間相手は難しい。やはりモンスターの方が気が楽だな。
仕方ない、
さぁ!スタイリッシュにいこうか!
ネロと協力し、レオニダス一世を相手していたマスターとマシュ。
流石のレオニダス一世もだだっ広い平原で2人の英霊級の者を相手にするのは厳しいのか徐々に押されてきていたが、焦っているのは攻めている3人の方だった。
サーヴァントたちやそれに準ずるネロは問題無いが、それ以外の一般ローマ兵たちが明らかに劣勢だったのだ。
やはり遠征後の行軍に続き海路を往復した後戦闘をするには疲れていたのだろう。
4割程はネロの操船が原因だと思われるが。
ともかくこのレオニダス一世を倒せば彼によって召喚された戦士達も消えるはずだと攻撃を繰り返すが、やはり守りが硬い。
エミヤは確実に1人ずつ倒してるがその分時間もかかる。沖田とアイクも徐々に敵兵が慣れてきたのか、再び攻めあぐねている。
やはり魔力切れも覚悟してエミヤの
いったい何処から?と視線を巡らすと・・・そこには(案の定)
『粉砕!玉砕!大喝采ィィ!!
そうだ!どんなに守りが固かろうと、どんなに甲殻が硬かろうと、爆発の前には無駄無駄無駄ぁ!
皆等しく吹き飛ぶがいい!!』
ハンターは先程までと装備が変わっており、二本の大きな角の様なものがついた顔全体を覆う頭装備と重厚な、海の神をイメージさせるかのような白い装備に身を包んでいた。
そしてその手に持つものも狩猟笛ではなくどうやら山刀のような物に変わっていたのだが・・・
なんとその山刀はハンターが振るう度に
そう、この爆発音はやけにスタイリッシュな動きで敵を盾ごと吹き飛ばしているハンターの刀から鳴り響く音だったのだ。
爆破属性。
MH3Gで登場した属性。その名の通り爆発によって相手に追加ダメージを与える属性。
モンスターが使うものとハンターが使うものでは少し違っているため、話すと長くなるのでここではハンターの使う爆破属性について軽く説明する。
武器でモンスターを攻撃するほどに爆破属性値が溜まり、モンスター毎に異なる蓄積値の値を超えると最後に攻撃した部位が爆発する。そのダメージは作品やモンスターによってまちまちであり、だいたい大タル爆弾1個分から、最大で大タル爆弾G3個分以上のダメージを出す場合もある。
また、毒同様全体防御率を無視できる。
さらに例えリーチの短い片手剣や双剣で目の前が爆発してもこれまたハンターにダメージは一切無い。とうとうハンターは粘菌まで制御するようになったか。そのまま例の菌糸類も制御出来ないものか。
矢切り。
武器種、「弓」の接近攻撃手段。横払い→袈裟懸けの二段攻撃で二撃目の方が威力が高い。
だが切れ味は黄色程度しかなく、スキも大きい上にダメージも少ないので小型モンスターの掃討程度にしか使えないだろう。
本来は名前の通り矢を使って斬るのだが
そのため「新ジャンル」や「スタイリッシュ矢切りアクション」等と呼ばれる始末。
さらに
小型とはいえ、成人男性と同程度の大きさを持つモンスターを刀の一閃で爆殺する様はまさにスタイリッシュ。
ゲームを間違えてないだろうか?
ハンターは刀を振っている手とは逆の手に一応主体である弓(?)を持っているのだがその光景に目がいってしまいマスター達は気付いていないらしい。
「うわぁ・・・なんかもう、うわぁ・・・」
「マスター、見てはいけません!こちらの戦いに集中してください!」
「また面白そうな物をだしているな!まったく、ハンターは余を飽きさせん。やはりなにか一つくらい譲ってはくれぬだろうか?」
普段の暴君ネロならば否が応でも徴収と言って手に入れただろうが今は戦時中。それも自分の帝国のために戦ってくれる客将から巻き上げるような事はしないようだ。
そうこうしてるうちにレオニダス一世の召喚した戦士達も百人以下にまで減り、遂に決着がつく。
「今です!」
「任せよ!はあっ!」
「ぐっ・・・!やはり、守るもの無き戦いでは・・・」
そう言って消えたレオニダス一世。彼が消えた事によって残っていた戦士達も消えていく。
「ふぅ。こちら側の戦死者はいないか?次の戦いに備え、今は兵士1人でもおしい。怪我のある物は早急に手当てせよ!」
「皆もお疲れ様。ケガとかしてない?」
「怪我は無いですが、なんと言いますか張っていた力が抜けたというか、虚脱感がありますね。あの薬の効果だと思いますが・・・1戦終わると効果が切れるのでしょうか?」
『ちゃんと効果はあったか。いやーよかったよかった』
(あの爆発した刀については質問してもいいのでしょうか?)ボソボソ
(やめておきたまえ。どうせ聞いても我々の理解の及ばないことなのだろう)ボソボソ
「それにしても集団戦は慣れてましたが盾を持たれるとあんなに戦いにくいんですねー。
生前にはつけてたとしても籠手くらいのものでしたし。それも土方さんや私は斬っちゃってましたし」
それは腕ごとという事だろうか?と誰もが思ったがあえて聞く者はいない。自分から地雷を踏み抜くのは馬鹿のすることなのだ。
ちなみに薬の量が減ったからか、沖田がバーサーカーソウルを発動しなくなったのでひっそりと安心しているマスターであった。
戦闘が終わってすぐに移動というわけにもいかず、一行はその場で一先ず休憩をとっていた。
再出発は大体30分後として各々休んでいたのだが・・・ここで凶報が届く。
『大変だ君たち!そこにもの凄いスピードで
あと五分程でそこに着いてしまう!早く逃げるんだ!』
「え・・・?」
真っ先にそれを理解して行動をおこしたのはこのような事態を想定していたハンター。
だがそれでもよりにもよって戦闘後で兵士達が疲れているこのタイミングで来るか、と内心舌打ちしながら音量を最大にした腕輪で知らせる。
『お前ら全員走れぇー!荷物も武器も全て捨てろ、今ここに竜が迫っている!怪我人から馬に乗せて退避させるんだ!
死にたくなけりゃ走れ!』
何を言っているのか理解出来なかったのか、しばらく呆然としていた兵士達だったがすぐに慌ただしく走り出す事になる。
「いや・・・どうやらもう手遅れのようだぞハンター」
グルアァアァァアァァ!!!
もはやローマ兵たちにも見える所まで来ていたのだ。
青空に浮かぶ赤い甲殻に、空を抱くかのように巨大な翼。人間の顔よりも大きいであろう鋭い爪が翼や足から生えている。そしてまるで樹木のように太く、触れただけで串刺しになりそうな棘だらけの尻尾。
その目は明らかにこちらを捉えており、一直線に向かってくる。
戦場に、「咆哮」が響く
ハンターの使った弓。わかる人には分かりますよね。