何故か東京で生活することになった~駆逐艦時雨の都会生活~ 作:Firefly1122
少し前に約束したショッピングに来た時雨たち。美也の勝手な判断で時雨の私服が決まる。そして暇になった彼女たちは新しくできたというカフェに行くことになったのだった。
しばらく歩くと、目的の新しいカフェに着いた。お店の看板には長門カフェと書いてある。
「小さい店だねぇ。評判はどうなのぉ?美也ちゃん」
「そこそこいいよ。この店に来た人の声では、『雰囲気はいい感じ。なかなか落ち着ける。軍艦オタクなら一度は来てみるといい。マスターがなかなか話しわかる。』ってあたりかな」
「軍艦オタクって……どうなの?」
「まあまあ、雰囲気はいいらしいから入ってみるだけ入ってみようよ!」
「そうだね」
少し警戒しながら、店の中に入る。
中は全体的に和風な感じを出し、かなりゆったりとした曲が流れていて、かなり落ち着ける。
「いい感じだね。どこか空いてる?」
「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」
お店の雰囲気を壊さないようにかつ、めいどと呼ばれるものにそった服装を着たお姉さんが接客をする。
「4人です」
「こちらにどうぞ」
お店の一番窓際のテーブル席に案内された。
「何かございましたらこのボタンを押してお呼びください」
「あのぉ~さっそく質問いいですかぁ?」
亜紀が尋ねる。
「はい。どうぞ」
「インターネットの評判で、軍艦オタクならここに来るべきって書いてあったんですがぁ、それってどういうことですかぁ?」
「それはですね、うちの店長が物凄い軍艦オタクなんです。同じ趣味のお客様と話があうということで評判なんですよ」
苦笑しながら質問に答える。
「そうなんですかぁ。ありがとうございます」
「いえいえ。またご質問がございましたら気軽にどうぞ」
「はい」
ぼくは、軍艦という言葉に少しなからず反応した。ぼくも軍艦の一つだから。今度一人でここに来ようかな。
「それじゃあ何を頼もうか」
美也はメニューを広げ、飲み物、食べ物を選ぶ。
「モンブランにキリマンジャロ、モカ、それからカフェオレとかアイスクリームもあるね。案外普通のカフェだ」
「そうなんだ」
「時雨ちゃんカフェ初めて?」
「うん」
「そっか。じゃあおすすめ教えてあげるね!」
ぼくたちは、コーヒーやカフェオレ、アイスを食べたり飲んだりしながら、他愛もない話をしていた。最近の学校の様子やら流行っている芸能人、昨日あったテレビの話などなど。そんなこんなしてあたりが暗くなってきた。
「そろそろ帰ろうか。ここが結構落ち着けるからついつい長居しちゃったね」
「うん。また来ようね」
料金を払い、お店を出ようとしたら、入り口の壁に掛けられた戦艦長門の写真が目に留まる。そして、不思議ななつかしさに襲われた。
「どうしたの?時雨ちゃん」
「あ、ううん。何でもない」
「それじゃあ帰ろうか」
ぼくたちはそれぞれの家の方向に向かって歩みを進めた。
家に帰る前におばあちゃんの家に寄る。
「おばあちゃんただいま」
「おかえり。今日は遅かったね」
「うん。友達とみんなでお買い物に行ってきたんだ」
「そうかい。いい買い物できた?」
「うん」
おばあちゃんと話すのは楽しい。自分が自分でいられるような感じになる。それは自分が作り物の存在だということを忘れられるということだ。今日の出来事、明日の予定を話す。そして適当な時間に家に帰る。それが日課になりつつあった。
やりたいゲームがたくさんのFirefly1122です。
カフェに行ったことあるような感じで書いてますが、作者の私は一度も行ったことありません。完全に想像の話ですw
時雨ちゃんの核心に迫る話はおいおいとしていこうと思います。
最後に閲覧ありがとうございました。次回も見てくださる方は気長にお待ちください。