何故か東京で生活することになった~駆逐艦時雨の都会生活~   作:Firefly1122

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前回のあらすじ!
 時雨たちは長門の車に乗って、公園に着くまで東京の街を観光した。公園で自分たちの帰る方法を探すが、何も見つからなかった。果たして時雨たちが元の世界に帰れる時が来るのだろうか!


大食らいのほっぽちゃん

 僕は頭を抱えていた。何に頭を抱えているのかと言うと、目の前でおいしそうにご飯を食べる北方棲姫にだ。

 

『おかわり!』

「はぁ……わかったよ……」

 

 これでご飯三杯目だ。昨日の夜は肉じゃがを鍋一杯分作った。余るだろうと考えていたけど、そんなことはなかった。ご飯二杯に肉じゃが鍋3分の2をぺろりと食べてしまったのだ。赤城さんもびっくりの大食らいだ。

 

「食材買ってこないと……あとお金もどうにかしないと……」

『はやく~!』

「はいはい」

 

 恐ろしいほどの補給量。深海ってどうなっているんだろう。知りたくもない。お腹いっぱい朝ごはんを食べたほっぽちゃんは、満足気におなかをさすっている。

 

「買い出し行くけど来る?」

『行く!』

 

 食材を買っておかないと今日の夜ごはんはない。近くのスーパーに買いに行く。部屋の鍵を閉め、ほっぽちゃんと手を繋いで階段を降りる。駐車場にはいつも通り道を掃いているおばあちゃんがいた。

 

「おはよう。おばあちゃん」

「おはよう時雨ちゃん。おや?そっちの子は誰だい?」

 

 昨日の夜は遅すぎたためおばあちゃんの家に訪ねるようなことはしなかった。電気も消えてたし。だからおばあちゃんとほっぽちゃんが会うのは初めてだ。

 

「名前は北方棲姫……僕と同じように公園で倒れてたらしいんだ。身元もはっきりしないから同じ状況の僕と一緒にいたらいいんじゃないかと……」

「なるほどねぇ。辛いだろうけどあたしで良かったら相談に乗るからね」

『うん!』

 

 ほっぽちゃんは屈託のない笑顔で返事する。それにつられておばあちゃんも僕も笑顔になった。

 

「それじゃあ買い出しに行ってくるね」

「はいよ。気を付けて行ってきなよ」

 

 おばあちゃんは手を振って送り出してくれた。ぼくたちもおばあちゃんに手を振りながらスーパーに向かって歩き出す。

 

『今日の夜ごはんはなんだ?』

「はやいね。さっき食べたばっかりだよ?」

 

 僕は苦笑しながら献立を考える。無難にカレーライスでいいかな。ほっぽちゃんにそのことを伝えると、喜んでくれた。深海にもカレーライスってあるのかな……。

 

 スーパーではお肉、カレールー、ご飯、ジャガイモ、ニンジン……カレーライスの材料だけかごに入れていく。お菓子コーナーの横を通ったとき、見覚えのある顔を見つける。

 

「あ、那智君」

「あ?ああ、時雨か……うん?その子は誰だ?」

「ぼくの親戚の子だよ。那智君は何してるの?」

 

 ふと那智君が見ている棚を見る。……魔法少女のウエハース?おいしいのかな。ぼくが棚を見ているのに気付いた那智君は少し慌てた。

 

「ち、違うぞ。妹が魔法少女好きなんだよ」

「へぇ……何が違うのかわからないけど、妹想いなんだね」

『それおいしいのか?』

 

 ほっぽちゃんが那智君に聞く。

 

「え?あ、ああ……うまいんじゃないか?俺は食べたことないけど」

『そうなのか。時雨!私食べたい!』

「ダメだよ。ただでさえ食費がすごいんだから……節約しないと」

 

 ほっぽちゃんは顔を膨らませて拗ねていた。

 

「お前そんなに食うのか?」

「いや、ぼくじゃなくてほっぽちゃんの方がよく食べる」

『わたしはそんなに食べないぞ』

 

 深海棲艦の中でそんなに食べないってことだろう。それでもあの量はとんでもない。

 

「ほら、そんなに食べないって言ってるぞ」

 

 事情を知らない那智君は、人間の中でそんなに食べないって言ってると思っているようだ。

 

「あ、うん。そうだね。うん」

 

 ぼくは説明が面倒くさくなった。那智君だし、いいかな。ぼくたちは那智君と別れ、会計を済ませる。外に出ると、夏海とばったり会った。

 

「あ、時雨ちゃん。こんなところで会うなんて奇遇だね」

「そうだね。夏海ちゃんは何してるの?」

「ちょっと散歩。その子は?」

 

 夏海はラフな感じで明るい水色のボーダーにこれまたかわいらしい水色の地に白い花柄のミニスカートだ。

 

「この子は北方棲姫。ぼくの親戚の子だよ」

「珍しい名前だね。わたしは夏海、よろしくね。棲姫ちゃん」

『よろしく』

 

 ほっぽちゃんは片手をあげ、手のひらを見せるように前に差し出す。夏海ちゃんはそんなほっぽちゃんを見て微笑む。それから僕たちは他愛のない話をして別れた。おかげで時間を潰すことができた。時刻はヒトヨンマルマル。お昼をちょっとすぎたころ。部屋にはなんて時間を潰せるものはない。ぼくたちは昼寝をすることにした。

 

 次に目を覚ますと、時刻はヒトキュウマルマルを指していた。もう夜ごはんの時間だ。ほっぽちゃんはまだ寝ている。今のうちにカレーライス作っておこう。ぼくは台所に立ち、カレーライスを作る。そうこうしているうちにほっぽちゃんも起き、一緒にカレーライスを食べて、お風呂に入って、夜の番組を楽しんだ。明日は学校の為、眠くないが無理やりに眠ることにした。ほっぽちゃんは番組をずっと見ていた。




イベント完走~掘り作業大変~Firefly1122です。
 他の方の小説を読んで、見よう見まねで書き方を真似してみました。たぶんいろいろ間違えてると思うw

 艦これイベントでは占守ちゃんをドロップして、超愛でてます。

 この話で大食らいの様子を書いていますが、実際どうなんでしょうかね。空母や重巡を普通に大破させてくるあたり、すごい資源食うんだろうな~と勝手に想像していますw

 最後に閲覧ありがとうございました。次回も見てくださる方は気長にお待ちください。

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