何故か東京で生活することになった~駆逐艦時雨の都会生活~ 作:Firefly1122
放課後のショッピングの帰り、最近できたというカフェに行った。そこでは戦艦オタクだという店長との会話が楽しめるという場所で、戦艦オタクにかなり評判がいい。時雨も少しなからず興味を持った。果たして美也が選んだ服は時雨に似合うのか!
次の日、土曜日の為学校は休みだ。ぼくはとても暇をしていた。
「何しようかな……」
特に用事もなく、暇を潰すための物もなかった。朝からおばあちゃんのところに行ったけど、今日は息子さんの家に用事があるそうだ。
ぼくは真っ白な天井を眺め、この一週間を思い返す。
学校は楽しかった。友達もできたし、昨日の買い物も楽しかった。
そこでふといい暇つぶしを思いついた。
「長門カフェに行こうかな」
昨日行ったカフェのマスターがどんな人かが気になった。長門カフェと言う名前だから長門さんがカフェやってるのかなと思った時期がぼくにもあった。たぶん戦艦の名前を使っただけだろう。いや、実際はなんとなく引き付けられる魅力があのカフェにはあった。それが気になったのだ。
「よし、行こう」
ヒトヒトマルマル、ぼくはカフェの前に来た。あまり人はいない。ぼくはカフェの中に入る。
「いらっしゃいませ」
相変わらずここの雰囲気になじむメイド服を着た店員さんが元気に挨拶をする。
「お一人様でしょうか」
「はい」
「お好きな席へどうぞ」
ぼくは迷わずカウンターに向かった。
「いらっしゃい」
「え?な、長門さん?」
カウンターでコップを磨いている店長らしい人は、ぼくのよく知っている長門さんだった。
「ん?君は……誰だい?」
ぼくは一瞬戸惑って考えた。よく考えて見れば、ここの世界に長門さんがいるわけない。ぼくは一種のバグと呼ばれるもののせいでここに来たのだから。
「あ、すみません。ぼくの知っている人によく似てたので……」
よく見てみると、その人は髪は長いけど、男だし、目元に大きなほくろがある。長門さんにはほくろはない。
「人違いかい。いきなり名前呼ばれたからびっくりしたよ」
「え?もしかしてこの店の名前って……」
「うん。わたしの名前さ。あと戦艦長門の意味も込めてるよ」
「そうなんですか。長門さんはどうしてカフェを?」
「わたしの小さいころに通ってたカフェがあってね、そのカフェでマスターと話をするのが楽しかったんだ。そしてわたしもいろんな人と話をしたいと思ってカフェを始めたんだ。いまではチャットとか掲示板とかネットで会話することがたやすいみたいだけど」
長門さんは昔を懐かしむような目をして語った。と不意にぼくの方をみて問いかける。
「君のその姿……かんこれの時雨かい?」
ぼくは悩んだ。どう答えようかと。はいその通りですと言うのも考え物だし、コスプレですと言うのもなんとなく恥ずかしい。違いますというのもなんか違うし、おそらくこの服を売っているところなんてそうそういないだろうから、すぐにばれる。そこで僕が考えた答えは、
「はい」
「そうか。艦これしてるってことは戦艦にもなかなか詳しかったりするのかい?」
「いえ。ぼくは時雨です。艦これしているならおそらく知っているでしょう。突然艦これから消えた駆逐艦時雨を」
長門さんは何を言っているかわからないという顔をしていた。
やっぱりこの回答はダメだったかな。ぼくはそう思った。しかし、長門さんから意外な言葉が漏れた。
「現実世界に来てしまった。そういうことかい?」
ぼくは驚き、長門さんを見た。
「いや実はな、君のような状況の子に会ってな」
「ぼくのような状況の子?」
ついておいでとマスターは僕をカウンターの裏に招き入れる。
恐らく事務室であろう場所に来ると、一人の少女が座っていた。
お仕事始めました。Firefly1122です。
仕事を始めて投稿速度が遅く(今までも遅かったじゃねぇかとか言わないでくださいねw)なります。いよいよ時雨と同じ状況下に置かれた少女との出会いです。果たしてどんな展開になるのか!
最後に閲覧ありがとうございます。次回も見てくださる方は気長にお待ちください。