比企谷八幡は選択する   作:calpass

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第4話目です!
こんな駄文にお気に入り登録してくださった方も見えて
わたくし感激です!本当にありがとうございます!


それではさっそく




一色いろはは本物が欲しい

 

 

「それでも俺は....本物が欲しい...」

 

 

立ち聞きするつもりはなかった。

けれどそれ以上に、奉仕部の関係性に少し興味があったから。

 

 

初めは先輩のことなんて、扱いやすいチョロそうな人だと思っていた。

結衣先輩に対しては頭の軽いムードメーカー。

雪ノ下先輩はただただ怖い人。

その程度に思っていた。

 

 

けど、そうじゃなかった。

先輩は確かに目が死んでいて、猫背でやる気がなさそうで。でも最終的に依頼者を助ける責任感のある人で、気遣いもできて優しい人です。

 

 

結衣先輩も持ち前の明るさと、暴走する2人をまとめる力があったり、時には核心を突く。奉仕部で1番すごい人なんじゃないかってたまに思います。

 

 

雪ノ下先輩は言葉に棘があって確かに怖いですが、その言葉の裏にはちゃんと優しさもあります。

そして誰よりも奉仕部のメンバーを大切に思っています。

 

 

そんな3人の関係が羨ましくて、いつもちょっかい掛けたくなって、それで....あの日。先輩の言葉が私の核心を突きました。

 

 

私も、本物が欲しい。

 

 

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「じゃ〜あ〜、先輩、今度の土曜日デートして下さい♡」

 

 

「「「え!?」」」

 

 

「一色さん、正気かしら?」

 

 

「そうだよ!いろはちゃん。相手は...その.....ヒッキーだよ?」

 

 

「おい、お前ら。人をなんだと思ってるんだ。それより一色、お前葉山のことが好きなんじゃないのか?」

 

 

「当たり前じゃないですか〜。え、もしかして先輩口説いてますか?去年フラれた可哀想な後輩の弱みに付け込んで今ならイケると思ってるかもしれませんが段階踏んでからじゃないと無理です。ごめんなさい。」

 

 

本当に俺何回こいつにフラれるんだよ。通算何回目だよ。1ダースくらいはフラれてるよ。

 

 

「お前のその俺を振るネタもう飽きたわ。それと別に口説いてないから。」

 

 

「え〜、そんなこと言って照れてるんじゃないんですか?先輩。」

 

 

「はいはい、あざといあざとい。」

 

 

「またあざといって言った!!」

 

 

「カップルごっこなら、他所でやって欲しいのだけれど。」

 

 

「ふぇっ!?先輩と....カップル...」ぼそぼそ

 

 

「いやいや、何でこいつと付き合ってることになってるんだよ。さっきの応酬聞いてなかったのかお前?俺告ってもないのにフラれたんだぞ?それに一色が好きなのは葉山だ。分かったか?」

 

 

「あはははは....ヒッキーって本当に鈍感...」

 

 

「いやいや俺超鋭いし。全校生徒からの嫌われ者ってことくらい分かってるし。廊下を歩けばヒソヒソ噂されてること気付いてるくらい鋭いし。」

 

 

「ものすごいネガティヴな発想だ!」

 

 

「はあ、由比ヶ浜さん。この男に何を言っても無駄よ。もう分かってるでしょ?」

 

 

「そうだね。ヒッキーだもんね。」

 

 

「おい、何だよ人をあんまり遠ざけるな。さすがにお前らに遠ざけられると泣くぞ。」

 

 

「え!?ヒッキー....」

 

 

「あの比企谷くんが....天変地異の前触れかしら....」

 

 

「おい、人を大災害みたいな扱いすんな。それよりも一色、お前も少しは否定しろよ。曲がりにもお前葉山のことが好きなんだろ?俺の彼女とか不名誉すぎて末代まで笑われるぞ。」

 

 

「ふぇ!?そ、そそそそうですね。私が好きなのは葉山先輩ですよ!!勘違いしないで下さいよ〜、私が先輩のこと好きになる訳ないじゃないですか〜。」

 

 

(その割には物凄く動揺してるんだけどね、いろはちゃん。あはは....)

 

 

「ほらな?だから言っただろ雪ノ下。一色には俺に対する恋愛感情なんて皆無だ。はい論破。」

 

 

「この男の性格が直ることは、来世でもあり得ないようね。そういうことにしておくわ。これ以上の争いは不毛よ。」

 

 

「ゆきのん。うもうって何?」

 

 

「いや、不毛な。それ温かい布団だから。」

 

 

こんな奉仕部の日常が私には羨ましくて羨ましくて仕方ない。本音を包み隠さず、自分の素を出せるそんな相手がいるこの空間に私は嫉妬した。

 

 

だからこそ、私も踏み込んでみます。

きっと結衣先輩も、雪ノ下先輩も、先輩のことが好きなはずです。ですがいくらお2人でも先輩は誰にも渡しません。

後輩だからこそできる。最高の甘え方をお2人にお見せしましょう。

 

 

「ところで先輩、デートどこに行きますか?」

 

 

「え、あれ本気だったの?俺とじゃなくて葉山と行けよ。」

 

 

「先輩はあくまで練習相手です。そ・れ・に、私を生徒会長にしたんですし、きちんと責任取って下さい。」

 

 

「はあ、分かったよ。またメールで確認するから、一先ずそれでいいか?」

 

 

「はい!よろしくで〜す☆」

 

 

「ヒッキーのバカ....。そういえば、ゆきのん。部活って春休みどうするの?」

 

 

「そういえばそうね。全く決めてなかったわね。」

 

 

「なしでいいんじゃないか?というか春休みくらい家でゆっくりしたい。」

 

 

「そうね、比企谷くんの言う通りね。私から平塚先生に伝えておry」

 

 

ガララッ

 

 

「入るぞー」

 

 

雪ノ下との会話の最中何者かが奉仕部へ入ってきた。噂をすればなんとやら、平塚先生である。

 

 

「平塚先生、ですから入室の際にはノックを。」

 

 

「いやーすまんなあ。それよりもみんな揃ってるな。奉仕部の春休みについてだ。」

 

 

「いや、それならさっき雪ノ下と春休みは活動しないという結論に至ったのですが....」

 

 

「比企谷、この部活の顧問は誰だか分かっているのか?」

 

 

「平塚先生ですが.....職権乱用ですか?」

 

 

「何を言っている。そんなこと私はしない。そういえば夏休みは臨海学校のボランティアへ行ったな。ということで春休みは花見だ。ボランティアとしてではなく、部の親睦を深めるという意味でだ。」

 

 

「えっとー、私は部外者なので....」

 

 

おい逃げるないろはす。花見と聞いて平塚先生が呑んだ勢いで暴走する所まで想像しただろ。お前の思っていることは分かる。だがな、平塚先生がそんなこと許してくれる訳ないだろ。

 

 

「いーや、一色。最近君もこの奉仕部に入り浸っているらしいじゃないか?特別に参加を認めようじゃないか。」

 

 

ほらな。

 

 

「そうね、一色さんも奉仕部の一員と言っても過言じゃないわ。部長の私からも認めるわ。」

 

 

ちょっと雪ノ下さん。悪い顔してますよ。一色さん泣きそうな顔しちゃってるんで、あまりイジメないで下さいね?

 

 

こうして波乱に満ちた花見が幕を開けることとなった。

 

 






無事に第4話も終わりました!
ありがとうございます!!

次回はお花見の前にいろはすとデート会でも挟もうかと思います!
お花見はその次ですかね?まあ気分です!


次回も頑張ります!!


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