ちょっと会話に変なところ見つけたのと
地の文、編集しました。
side遠坂
はぁ、ちゃんと送れたかしら?
まあ後はあの手紙を送ってきたやつにしかわからないから、なんとも言えないんだけど。
とりあえず肉体の方も平行世界に転移したときに合わせてちゃんとアーチャーが受肉できるように、燈子に頼んだわけだし大丈夫よね。
にしてもアーチャーのやつもあの身体になったら驚くわよね♪
ザマァみなさい。
あのスカした顔がどんなことになるか見れないのが残念だけど…
…ここまでお膳立てしてあげたんだから絶対幸せになりなさいよ、アーチャー…
あ、アーチャーにここの世界には転移しないって言ってなかったわ…
ま、まあこれもあいつへの仕返しよね。
それにあいつもなんだかんだ器もデカイしで許してくれそうよね。
胸も大きくなったことだしね!
…上手くないしスゴく腹が立ったわ…
なんで今まで努力もしてなかったやつがあんな胸デカイのよ!
ふざけんじゃないわよ!
…呪われろ
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(何故かわからないが寒気がしたぞ………いや、それはは置いておくとしても……凛に召喚される度に私は上空から落とされる運命なのか…)
彼は落下しながらも、周りを一度観察する。
眼前には見たことの無いような景色。
視線の先に広がる地平線は、世界の果てのような断崖絶壁。
眼下に見える、縮尺を見間違うほど巨大な都市。
彼の前に広がるのは見たこともない異世界だった。
(…どこだ?ここ。私はこんな場所、というかこんな"世界"知らないぞ。…まさか、凛のうっかりで別の世界に飛ばされたのではあるまいな)
ーーーーー凛ならありそうで恐い
そう独りごちた。
(というか私は今"受肉"しているんだったな。………かなりの速度で落下しているが大丈夫なのか?)
彼の落ちる速度は空気抵抗があるとは言え、かなり速い。普通の人間が地面に当たれば、地面に血の花ができるだろう。
しかし、彼は英雄である。こんなことでは揺るがない。
まあなんとかなるか、そう呟きながら腕を組もうとすると
ーーーーームニュンーーーーー
妙に柔らかい感触が腕に当たった。
「………は?」
余りの事態に、一度思考を停止させる。
もう一度確かめるように、しかし恐れながらも、手を胸に持っていき。
モミッ
…………………
モミ…モミモミモミモミ……
柔らか…ハッ(゜ロ゜;
「これは!」
なんという胸筋!!
(いや、胸筋ないがね。嘘ついた。
ヤバいな、なにがヤバいってキャラ崩壊してるのがヤバいんだ。作者も私が戸惑うとどーなるかわからないところがヤバいんだ。
メタ発言するんじゃないって?
固いこと言うなよ他の外伝なら大量にメタ発言してるだろう?
私は見たことないがな
ハッ、私は何を!
…と、とりあえず。)
「同調・開始《トレース・オン》」
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(…ふむ、見事に女性になってるな。
魔術回路がなんか増えてるとか、とか。どーでもいいぐらいになってるな。)
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「おのれぇ、りぃぃぃぃィィィィイイィィィィイイイイイインンンン!!!!」
あまりの現象に戸惑いを隠せず、落下地点に用意された多くの薄い膜が重なってできたクッションにすら気付かない。そのまま速度が減少していく。
"バシャン!"という音と共に、湖の水面に五つの小さな水柱が立っていた。
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柱を作った四人の少年少女達。彼らは近くの陸に上がり各々が言いたいことを言っていた。
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」
美しい黒髪に赤いリボンを左右に付けた、どこか気品があるが気の強そうな美少女が言う。
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場で即ゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」
対して、ヘッドホンを付けた金髪に学ランのイケメンが発言した。
また、もう一人の少女。ボブカットの茶髪にスレンダーでどこか大人しそうな、可憐な女の子。彼女は一緒に落ちてきた猫を助けていた。
「…………大丈夫?」
『じ、じぬがぼおぼた………!』
少女は無事を確認してほっとする。
そんなやり取りを他所に、先程の少女と少年が話のやり取りを続けた。
「……いえ。石の中に呼び出されては動けないでしょう?」
「俺は問題ない」
「そう。身勝手ね」
二人の男女は互いに鼻を鳴らして、服の端を絞る。
その後ろに続くように、先ほどの三毛猫を抱いた少女が陸に上がり、同じように服を絞っている。
そんな状況の中、エミヤはと言うと。
(ふむ、これが今の私か…………巨乳だぁ………)
水面に反射した自分の身体を見て、悲しんでいた。
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服を絞る作業が終わると、各自で回りを確認し始めた。
「此処……どこだろう?」
「さぁな。まぁ世界の果てっぽいのが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねぇか?……まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」
「そうだけど、まずは“オマエ”って呼び方を訂正して。ーーー私は久遠飛鳥よ。以後は気をつけて。それで、そこの猫を抱きかかえている貴女は?」
「……春日部耀。以下同文」
「そう。よろしく春日部さん。次に、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」
「高圧的な自己紹介をありがとうよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶暴で快楽主義者と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」
「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」
「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」
「お願いしとくわ。最後に……というか、貴女もそろそろ水から上がれば?」
煌めく銀髪を左右から前に少し垂らし、後ろを三つ編みでまとめた美しい女性は顔をあげた。
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(ふむ、だいぶ混乱したが状況は把握した。奥で話してる彼女らと、手紙の内容曰くここは別世界のようだな。
宛先が凛と言うことは、彼女に送ろうとした手紙を凛がすっぽかして私に渡したということか………なるほど、"あちらの世界"には未熟者もいるわけだからな。英霊の状態ならともかく、受肉してる状態では世界の修正を受けるかもしれないからな。正しい判断だろう。)
アーチャーは状況を整理する。
(ただ、凛め。この身体はやつのうっかりではなく確信犯だな………赤い悪魔を怒らすと骨の髄までしゃぶられる、と言うことなのか…………言葉だけ聞くと完全に妖怪だな)
『ンだとこらぁぁぁ!』
ビクン
(また、寒気が…お、恐ろしい……何故かはわからないがとてつもなく恐ろしい……。
ま、まあとりあえず、だ。遠坂 凛として呼ばれたならそう名乗らなければいけないだろうが…………そうだな、エミヤ・リン・トオサカとでも名乗っておけば良かろう。すでに外見も違うんだ。誤差の範囲だろう)
そう考えていると、エミヤは、陸に上がっていた面々の一人に呼ばれた。