問題児に紅茶、淹れてみました(休載)   作:ヘイ!タクシー!

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なんだろ。レティシアのセリフ書いてるとき、エミヤが浮かんでくる。

……やっぱり話数書いた方が良いですかね。私は誤字多いんで……


15話 王道ロリ吸血姫

「エミヤさぁん……きもちいいですぅ……」

 

「ふふっ、可愛いね黒ウサギ。」

 

「えへへ……ふにゅ……うぅぅ………」

 

(白夜叉の時も思ったが、何か手慣れているな……)

 

 撫でる度に耳がピクピク動いて止められないエミヤと、テクニシャンな撫で方に、もっともっととばかり額をエミヤの胸に擦り付けてせがむ黒ウサギ(欲)。

 そんな黒ウサギが愛しいと撫でる、無限ループが続いている。

 百合百合しいカップルを暫く観察していた十六夜は話を戻しにかかる。

 

「そんでお姫様。さっきの英雄云々に心当たりでもあんのか?」

 

「……む?……ああ、そうだね。私は末端とは言え英雄と呼ばれる存在だったのでな。その力の気配とはそれだと思うよ。」

 

「え、お姫様英雄だったのか?……んー……でもなぁー。エミヤもトオサカも聞いたことないぞ?」

 

「まあ、どちらかというと反英雄に近いかもしれないね。最後は悪の首謀者にされたし。」

 

「へえ、面白いことになってんのな。まあ、俺も子供の頃は色々やんちゃしたしなぁ。」

 

「それか、私の方が後に生まれた可能性もあるよ。私も制服を着て高校に行っていたしね」

 

「マジか。学校行くついでに英雄やって最後は悪役とか、どこのラスボスだよ。」

 

 そんな話をしていると、森の奥から獣の咆哮がここまで聞こえてきた。その声を聞いて黒ウサギもナデナデから復帰する。

 

「今の叫びは…」

 

「ああ、今のは十中八九、虎のギフトを使った春日部だな」

 

「いや、まって十六夜。飛鳥に命令されたジンという可能性もある」

 

「なんでここでボケに走るんですお二方様!!というかエミヤさんがここでボケるなんて!?」

 

「ごめんね黒ウサギ。君の反応が可愛くてついボケてしまったの」

 

「……うぅうぅ……。そんな言い方はズルいですエミヤさん。」

 

「ハイソコ。百合に走るな。」

 

 また、変な空間が出来そうになった所でツッコミを入れる十六夜だった。

まあ確かに不謹慎だと思ったのだろう。エミヤは真面目に戻ると、その鋭い目で森の中に目を向けた。

 

「……どうやら耀は怪我を負ってしまったみたい…。しかもかなり深傷だよ。早くしないと不味いかもしれない。」

 

「お三方様、頑張って!!」

 

「お嬢様達はかなり手こずってるみたいだな。勝てそうか?」

 

「……今、飛鳥がギフトを使ってガルドを誘導した。……どうやら無事勝てたみたい。急ごう。」

 

 そう言ってエミヤ達は森の中へと駆け出した。

 

 ____________________

 

 ゲームが無事終わり、耀も黒ウサギが抱えて、コレまでに見たこともないもないスピードでコミュニティに戻っていった。

 

 その後。十六夜が考えていた、対魔王コミュニティとしてガルドに支配されていたコミュニティに名乗り、彼らの旗と誇りを一つ一つのコミュニティに返却した。そのリーダーであるジンの名を売り込んで、だ。

 

 十六夜の大まかな作戦はこうであった。

 名前と旗のない"ノーネーム"を、ジンの名前で対魔王コミュニティとして売り込み、対魔王の意を掲げるコミュニティと連携して登り詰めよう。と言った作戦である。

 

 今のノーネームに圧倒的に足りないのは人材と、横の繋がりだ。経済面などは十六夜達がゲームに参加すれば何とかなる。ただ、これはどんな魔王相手にも依頼を受けて戦うと宣言しているので、かなり博打の賭けであった。

 

(そこが十六夜らしいけど、中々良い作戦でもある。実際上に上がるなら、ある程度の実績と知名度が必要だ。まあ穴はかなりあるけど、そこを補強していくのが私達の役割だろうし。)

 

 後ろで十六夜達を見て分析していたエミヤ。

 帰る道中

 

「レティシアはこの結果で満足したの?」

 

「……なんとも言えないな。本来なら、ゆっくり育てていけば戦力になるのは間違いないだろう。だが……」

 

「まあ、そこは君や黒ウサギが支えていけば良いだろう?険しい道のりだが可能性はある。」

 

そう言われてレティシアは暗い表情が一層濃くなった。

 

「……エミヤ。私はノーネームに帰れない。前にも言ったが私は所有物。こうして匿ってくれるのは嬉しいが、帰らないと行けない」

 

「…………何とかならないの?」

 

「私を所有しているコミュニティ"ペルセウス"が"サウザンドアイズ"主祭の下、ギフトゲームで私を商品に出そうとしたのだが……高く私を買う、買い手が見つかってな。中止になりそうなんだ 」

 

「それは………いいの?サウザンドアイズはかなり大手のコミュニティなんでしょ?」

 

「ああ、奴等はこの買い手から多くのギフトを買い取って"サウザンドアイズ"傘下から抜けるつもりだろうな」

 

「……どうにもならないの?」

 

「コレに関してはどうにもならないな。」

 

「そう……1日だけど、君とは布団を共にした仲だったから……とても悲しいよ。」

 

「そう言ってくれると私も嬉しいよ。」

 

 その後、二人はノーネームに帰るまで無言を貫いていた。

 ____________________

 

 帰ったあと、耀の無事を確認してから、飛鳥は一度部屋に、ジンは子供達の状況を観察しに、他二人は黒ウサギと合流してから談話室に向かった。

 その後、十六夜がジンに頼まれていた、レティシアが景品にされたゲームが中止になる事を黒ウサギから聞き、つまんなそうにしていた。

 

「そう言えばその元魔王だった仲間はどんな奴なんだ?」

 

「そうですね……一言で言えば、スーパープラチナブロンドの超美人さんです。指を通すととても肌触りが良くって……湯あみの時は星の光でとても幻想的に映えるんですよ。それに、黒ウサギの事をとても可愛がってくれた先輩なので一度お会いしたかったです……。」

 

 黒ウサギがそう呟くと、

 

「可愛いこと言ってくれるじゃないか黒ウサギ。」

 

 バッと声の聞こえた方向に振り向く2人。

 振り向いた先にはソファーに座ってくつろいでいるエミヤがいた。

 

「今……レティシア様の声が……」

 

「いい加減私の後ろに隠れてないで出てきたらどうだい?レティシア」

 

 そうネタばらしすると、ソファーに座っているエミヤの後ろから、大きさが戻っていたレティシアが出てくる。

 

「久しぶりだ黒ウサギにジン。まあ、さっきからずっと傍にいたので私的には違うがな。」

 

「……レティシア様。いつからエミヤさんの後ろに……?というか、いるなら言ってください!!」

 

 あまりの事態についていけない黒ウサギだったが嬉しさの方が勝りレティシアの下に近づく。そして企みが成功したと嬉しそうに笑うレティシア。それらを横目で見ながら、エミヤが彼女達に説明した。

 

「故あって、白夜叉のところで会った時に友達になったの。それからずっと一緒にいたよ」

 

「ふーん…この金髪ロリが黒ウサギの言っていた元魔王様でお姫様の親友って奴か。……評判通りの美少女だな」

 

十六夜が興味深そうにレティシアを観察する。視線を受けたレティシアは十六夜に気付き、彼に目を向けた。

 

「君が十六夜か。白夜叉に聞いたよ。なんでも、神格持ち相手にギフトで勝ったそうじゃないか。」

 

「あれくらい大した事じゃない。……それにしても…」

 

「どうしたの十六夜?」

 

「いや、こうしてお姫様と並んでるところを見ると凄い目の保養になるなぁと。」

 

「お二方様とも凄い綺麗ですもんね。私じゃ敵わないです。」

 

「何を言う黒ウサギ。君はとても綺麗で可愛いんだから自信を持てば良いよ。ねえレティシア?」

 

「そうだな。黒ウサギは愛らしくて可愛いが、自分に自信が無いのが珠に傷だ。」

 

そう言って黒ウサギを撫でる二人。それ黙って受けるも、黒ウサギは半ば確信した考えでレティシアに聞く。

 

「あの鬼化した森はレティシア様がギフトを与えたのですね?」

 

「ああそうだ」

 

 そこに十六夜も混ざる。

 

「へえ、 あれはレティシアのギフトなのか?」

 

「そうだ。私は純血の吸血鬼なのでね。」

 

「なるほど。金髪吸血鬼のお姫様か……。だから美人設定なんだな。」

 

「は?」

 

「え?」

 

「……十六夜。気持ちはわかるけどそれはダメだよ…」

 

「ヤハハ。悪いな」

 

 そう言って全く悪びれる態度を見せずに謝り、十六夜話を続ける。

 

「んで?お嬢様たちを試した元魔王様はどう思ったんだ?」

 

「……ガルドは当て馬にすらならなかったからな、判断に困る。私は君達に何て言葉をかければ良いのか」

 

「違うね。」

 

 十六夜はどこか軽薄な表情でレティシアの言葉を否定した。

 

「アンタは古巣へ言葉をかけたくて来たんじゃない。仲間が今後、自立した組織としてやっていける姿を見たかったんだろ」

 

「………そうかもしれないな。解散を勧めるにしても、ジンの名前が知れ渡った今では意味が無い。だが仲間の将来を託すには不安が多すぎる」

 

「その不安。払う方法が一つだけあるぜ」

 

 そう言って、十六夜は不敵に笑った。

 

 ____________________

 

 その後、十六夜と"エミヤ"が屋敷の外で対面していた。

 レティシアと黒ウサギは少し離れた位置からそれを見守る。

 

 

 こうなった経緯は、十六夜がレティシアに勝負を吹っ掛け、彼女が応じようとするが、

 

『まって、レティシア。その勝負を私に譲ってくれない?それに君は"本来の力"を取り戻して無い様に見える。』

 

『気づいていたか……』

 

『あん?どう言うことだ?』

 

『……レティシア様。ギフトカードを少し拝見させてもらいます』

 

 そう言って黒ウサギがレティシアのギフトカードをくすねた。

 

『あ、こら!』

 

『……やっぱり、ギフトがほとんど残ってません。"純潔の吸血姫(ロード・オブ・ヴァンパイア)"と、"絶世の剣"それ以外は一般的な武器がある程度……どうしてこんなことに?』

 

『……その話は後でする。今は十六夜達の勝負を見よう。それに個人的にはエミヤの実力はとても興味があるからな。』

 

『俺以上に注目されるのは釈だが、確かに俺も興味あるな。やろうぜお姫様』

 

 と言うことだ。

 

 

「さて、勝負の内容を確認するぞ。双方が共に一撃ずつ打ち合い、それを完璧に受け止めた方が勝者とする。」

 

レティシアは二人の間に入りルールの内容を確認した。

 

「お先にどうぞ、十六夜。」

 

「では、お言葉に甘えて。………お姫様、何か使わない剣持ってないか?」

 

「どれくらいのものがほしいの?」

 

「そうだな。個人的にはあの大剣がいい。」

 

 そう言って十六夜はノーネーム門前に突き刺したあの剣を思い出す。

 

「わかった。」

 

 エミヤはギフトカードに入れていた剣を取りだし、十六夜に投げる。

 これで場は整った。

 

「んじゃあお姫様。ーーーー死ぬなよ。」

 

 そう十六夜が宣言すると跳躍し、持っている大剣振りかぶった。そして大剣はエミヤに向かって第三宇宙速度の速さで放たれる。

 

「っ!!!」

 

 それを瞬時に理解したエミヤは、一瞬でギフトカードから"アイアスの盾"を1枚取り出し、自分の身を守る。

 どんなに速度があるとは言え、片や少し神秘が内蔵された大剣。片や、1枚とは言え概念的に"投擲物に対して無敵の守り"を誇る盾だ。

 瞬間、『ドコォォン!!』という凄まじい音が辺りを響かせた。インパクトを防いだ盾はびくともせず、剣は跳ね返され地面に突き刺さっていた。

 

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 箱庭における投影の説明2

 

 箱庭で投影された宝具は、増えた神秘と知名度の補正が馴染むのに時間がかかるが、馴染めばそのまま内蔵されるため、再びの投影でお互いを干渉することはなくなる。

 馴染むのにかかる時間は宝具のランクによって決まる。

 神造兵装並の宝具は神秘の量+名前も有名なため時間がかかるが、干将・莫耶などランクの低い+知名度が殆どない宝具は速攻で馴染む。

 

 

 

 




今になって鶴翼三連を思い出した。
前々から投影の条件は入れようとしていたんですが干将・莫耶を思い出して今入れました。
ちなみに箱庭は大量に神秘があるのでその武器のための神秘は補充早いんですが、知名度がゆっくり回復するので時間かかるのです。

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