問題児に紅茶、淹れてみました(休載)   作:ヘイ!タクシー!

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ここの世界でのエミヤってかなりチートですよね。
解析し放題、投影し放題。
まあ、星霊とかふざけた存在がこの世界には多くいるので正直いうと標準レベルですが。

エミヤとレティシアの会話を考えてる時、どこぞのモニキと羽虫を思い出してしまう。
まあ、巨乳とひんぬー、(吸血)鬼と精霊なんで、ほぼ正反対と言って良いんですけどね。



13話 マジ投影(笑)ッス

部屋に入ると、レティシアも服の中から出てきた。

「さて、黒ウサギ達が出てくるまで、まだ時間があるだろう。先に君の剣を見せてもらえないか?」

そう言ってさっきの話を覚えていたレティシアは、目を輝かせていた。

彼女はかなり武器マニアである。今は名のある武器を所持していないが、昔は多くの武器を手にしていのだ。

 

「そういえばそういう約束をしていたね。少し待ってほしい。」

 

そう言ってエミヤは彼女に聞こえない声で魔術名を告げる。手の中で練られた魔力が形となり、剣の姿を表す。その剣を部屋の中に置いてあった、丸い机の上においた。

その内装された神秘と迫力を前に興味深そうに観察するレティシア。

 

「『絶世の名剣(デュランダル)』だ。と言っても贋作だが」

「これがかの名剣か!……ん、贋作?コレがか?……この存在感、それに……神格が付与されてるだと!?」

「なに?……ああ、この剣は"絶対に折れない剣" "必ず刃こぼれしない剣"の概念が込められているからね。それかもしれない。」

「な、なるほど……」

 

そう言ってまたしげしげと観察するレティシア。

 

「まあ、私の世界ではこの贋作に、ここまでの性能は無かったのだがね。」

(……箱庭に来てから魔術の負担もかなり減った。やはりこの世界が神秘を肯定する世界だからか…。まあ、私としては嬉しい誤算なんだが。)

 

「なるほどなるほど。これがお前の切り札の一つと言うわけだな。確かにこれほどの名剣をいくつか所持しているのであれば"ノーネーム"としてもかなりの戦力になる。」

 

うんうんとレティシアが頷いていると、

 

「いや、これが特別大事という訳ではない。確かに切り札の一つであるが……君は剣に興味があるみたいだったからね。親しみを込めてこの剣は渡そうと思ってだしたのだ。」

 

エミヤの処世術その1

上下関係のある組織に引っ越しした際、目上の者には消費しない物や壊れない(概念的に)物を渡すと組織に馴染みやすい。

を実行した。

 

「本当か!?いや、今の私は優れた武器が無いからとても嬉しいのだが……そう言えばお前のギフトは "無限の剣製" だったな…………まて。と言うことは時間をかければ神格の付いた武器が何個も作れるのか!?」

「まあ、時間(魔力の回復時間のみ)をかければ何個か作れるよ。」

「そうか……。なら、これはありがたく受け取ろう。ありがとうエミヤ。……んしょっと。」

 

そう言ってレティシアは小さな両腕で剣を持ち上げ、それをギフトカードにしまう。

その光景を見ていたエミヤは、ついでに他の宝具も投影してギフトカードに保存しようと考えた。

が、

 

(固有結界を出して入れた方が魔力を抑えられる上に、手っ取り早いのではないか?……試してみるか。)

 

そう考えたエミヤは結界の範囲をできるだけ小さく絞り、魔術回路に彼女の人生そのものと言える魔術を発動する。

 

「I am the bone of my sword.」

「ん?何か言ったかエミヤ。」

 

レティシアの質問を無視して、魔力を練りあげ始める。

 

「Steel is my body, and fire is my blood.

 

I have created over a thousand blades.」

 

「おーい。無視するなよ。……なんかお前から霊格の高まりみたいなのを感じるんだが、何か作るのか?」

 

それを無視して更に魔力を高める。エミヤの魔力により、空気が圧迫されて起きた風が部屋のカーテンを揺らす。

 

「Unknown to Death. Nor known to Life.

 

Have withstood pain to create many weapons.

 

Yet, those hands will never hold anything.」

 

部屋の中が魔力で満たされ、濃密な青い魔力がレティシアにも視認できた。

 

「…………えっ、ちょっ、エミヤ何するの?なに?何なの!?え、まってまってまって。怖い!果てしなく怖い!せめて何かするのを説明してくれ!!なんか爆発しそう!なんか爆発しそうぅぅぅ!!!!!!」

魔力が最高潮に達する。

 

「So as I pray,

『UNLIMITED BLADE WORKS.』 」

 

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ビクッ。

「どうしました十六夜さん?」

「なんか……超ビッグイベントを逃した気がする……。」

「……?」

ジンは、突然何かに反応した十六夜に質問してみたが、よく分からない答えが返ってきたので放置することにした。

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エミヤが宣言した瞬間、世界が部屋の中から果てしなく広がる無限の荒野へと変貌する。

広がる視界は砂漠と無限にある墓標のように突き刺さる剣。それが世界の果てまで続き、空は暁に染まり、果てに見える空には巨大な歯車が並んでいる。

周りにある剣は、名のある名剣から始まり、聖剣、魔剣、名刀、妖刀、から果ては聖槍、魔槍、等の槍や、巨大な斧、薙刀、等の剣ではない物もちらほらと確認できる。

 

「…………………………」

「ふむ、固有結界の発動、維持もしやすい。異能者に取ってこれほど良い環境は無いだろうね。しかも、宝具のランクが上がっている。……神秘が上がってるからだろうか。こう改めて見ると、中々に壮観だね。」

 

周りを見回し、エミヤは独りごちる。

急に世界が変わることが慣れているレティシアとは言え、周りにある圧倒的存在感を放つ名剣や名刀が無限に刺さっている光景は見たことがない。

この世界だけで、どんな観賞館をも越える価値がある。観賞一回に対して全財産を投げうつ者もザラに出るだろう。そんな世界が現れたのだから、茫然もするだろう。

 

「さて、さっさと入れるか。まずは投影に一番負担のかかる物から容れてしまおう。」

 

そう言ってエミヤは、『勝利すべき黄金の剣(カリバーン)』や、『永久に遥か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)』など、記録で解析、投影した神造兵器の贋作や、剣ではないためとても投影しにくい『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』や、『突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルク)』を呼び寄せ、ギフトカードに容れていく。

 

「………ハッ!」

近場で威圧を感じて復帰したレティシアはエミヤに近寄る。

「……エミヤ。この世界はなんだ?というか、この武器達が全てお前が造った作品なのか?」

 

「まあ……造ったと言うには語弊が生じるが、概ねその認識でいてくれて構わないよ。ただ私の場合"贋作"だからね。何かを1から造ることはできない。要はランクの下がった模造品を造れると思ってくれてれば良いよ。」

「それでもこの量は破格だぞ……それに、この質。

これは箱庭でもかなりヤバい代物だ。公にすればどのコミュニティからも狙われるだろう。」

 

そう言ってもう一度周りを見回した後、エミヤが入れようとしている宝具を見る。

 

「だろうね。だから、黒ウサギ達に会った時もこの事は黙っていて欲しい。時が来れば私が話す。

……それに、これを見た十六夜達が黙っていないだろう。絶対、何か言ってくるに違いない。」

(例えギフトについて聞かれても嘘を教えよ)

そう考えるエミヤだった。

 

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その後、黙々とエミヤが容れる宝具を観察するレティシアと、宝具を黙ってギフトカードに容れるエミヤの図ができあがる。

 

そろそろ黒ウサギ達が風呂からあがるかな?と思われる時間で結界を切る。

世界が、剣の荒野からエミヤの部屋に切り替わった。

 

「……凄い体験をさせて貰った。これは白夜叉にも黙っておくのか?」

「……まあその方が良いでしょう。今のところノーネームの古参である君一人にしようと思ってる。……黒ウサギはああ見えて何処かぬけてそうだしね。」

「まあ、黒ウサギだからなぁ。」

レティシアは黒ウサギの過去に起こったミスの数々を思い出した。

ゲームを初めて体験させた時、重要な鍵をなくして涙目でオロオロする黒ウサギ(幼)。

初めてのスキーで、意気揚々と滑り出したは良いが、止まり方がわからずオロオロする黒ウサギ(号泣)。

何故か知らないけど、とりあえずオロオロする黒ウサギ(泣)。

その光景が脳裏に浮かびながら、

「そうだなぁ……黒ウサギ(萌)だからなぁ………」

そう呟いた。

 

そんな黒ウサギを思い出していると、部屋の扉が開いた。すぐにエミヤの服の中に飛び込むレティシア。

 

「エミヤさーん。十六夜さんの後になってしまったのですが、お風呂空きましたよー。」

開けたのは黒ウサギだった。

「そうか、なら私も入るとするよ。すまないね、黒ウサギ。」

「いえいえ。全く問題ないので大丈夫ですよ。それと、明日エミヤさんを子供達に紹介したいので覚えておいてください。」

「ああ、わかった。」

「よろしくお願いしますね。それでは、浴場に案内するので付いて来て下さい。」

黒ウサギ達は部屋を出て大浴場に向かった。

 

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オリジナル展開

 

箱庭では、投影した瞬間に神秘が後押しされ、性能があがる。

ただし、二回連続で投影すると、後押しされた神秘がもう一つと等分される。

これは、箱庭にある知名度が決まっているため、数に応じて分割されてしまうから。

ちなみに、『壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)』を行えば神秘が解放される。

 

真名解放は性能が上がった分、使う魔力も多く消費される。

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サウザンドアイズ

 

マイケル「待ってください白夜叉様!これは嵌められたんです!俺は悪くない!」

白夜叉「黙れ。おんしは私の領域で盗みを行ったのだ。認めろ。それにネタは上がっているんだ。小悪魔よ。」

 

『なんだこの《ジョンの》《パンツ》は!?』

マイケル「まてまてまて!え、なに合成してんのコイツ!?つーかなんでジョン!!」

ジョン「僕っ、いつもこの人に下着盗られてて……ぐすっ……怖くてぇっ!」

白夜叉「ほれ、こうして本人の証言と明確な証拠が挙がっているんだ。罪を認めろ。」

マイケル「ちょっ、待ってくださいマジで!!つーかお前はキメェ!」

白夜叉「まだ認めんか。ならこれを東側全てに放送して

マイケル「まてやぁぁぁ!!!つーか誰も信じねーよこんなの!」

 

『《うっひょぉぉぉい!》うばっちまうか!』

マイケル「まって!ほんとまって!!ガチで洒落になりませんから!」

白夜叉「さあ、物理的に死ぬか社会的に死ぬか。どっちにする?」

マイケル「究極の二択!?」

白夜叉「そうかどちらもか……チャレンジーだな。」

マイケル「いや、死ぬのにチャレンジーとかないから!」

白夜叉「では死ね」

マイケル「あああああああああ!!!!!!」

 

 




はい、かつて無いほどに効率の良い(無駄な)固有結界が出ましたね。

ぶっちゃけ、美遊兄の方が詠唱好きなんですが、まあこんな緊張感の欠片もない所で出しても意味無いんで。
アチャ子さんが命を削らないと勝てない戦い時のみに詠唱する感じで使おうかと。あの人エミヤさんに置換されましたしね。

やっぱ最後のは茶番感半端ねーッス

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