XYサトシinアローラ物語   作:トマト嫌い8マン

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オリジナルストーリー、というかアローラでのイベントです

学校ならではのイベントを活用させていただいています


学校行事編
突然の行事


「アローラ!みんな揃ってるな?突然だが来週から、お前たちには修学旅行に行ってもらうぞ~」

 

 

ある日のホームルーム、ククイ博士がオーキド校長と一緒に教室に入ってきたかと思うと、いきなりトンデモ発言がされたのだ。

 

 

「「「「「「修学旅行?」」」」」ですか?」

 

 

一般的な学校行事としては有名なもの、そう、修学旅行である。学校の仲間たちと一緒に数日間の間、普段はいかないような場所で、学びながら一緒に過ごす、そんな楽しいイベントである。しかしながら、一週間後とは本当に突然である。

 

 

「そうだ。ここから先はオーキド校長に説明してもらうとしよう」

「オッホン。実はの、君たちがかなり優秀な生徒ということもあり、もっとポケモンたちと触れ合える機会をつくれないものかと悩んでのぉ。それをちっとばかり相談したら、ならばこっちに来るのはどうかと言っておったのでな。せっかくの機会、ここはぜひ君たちに言ってもらおうと思ったんじゃヨーギラス」

 

 

なんだか、全然説明になっていない説明だった。わかったことは誰かに招待してもらったということくらいだろうか。とりあえずどこへ行くのか、そして誰が招待したのかを聞くべく、マオが手を上げた。

 

 

「校長先生、その招待してくれた方って、どなたですか」

「ふっふっふ、聞いて驚くでないぞ~。わしのいとこ、ユキナリじゃ」

「えっ、オーキド博士が!?」

 

 

突然出た名前に驚くサトシ。招待しているのが自分の地元、昔からお世話になっている世界的にも有名なポケモン博士、オーキド博士ときたものだから仕方もないだろう。

 

 

「って、ことはもしかして」

「そうじゃ!今回の修学旅行、君たちにはカントー地方へ向かってもらうのダグトリオ!」

 

 

サトシにとっての一時的な里帰りが決まった瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

「そういうわけで、一週間だけそっちに戻ることになったんだ」

『まぁそうなの?それじゃあ新しいお友達も一緒ってことね?うちには寄れるの?』

「うん。ククイ博士に聞いたら、せっかくだからってさ」

『そう。博士に感謝しないとね。私もちゃんと準備しておかなきゃ』

 

 

放課後、サトシは修学旅行のことをカントーにいる母親に報告していた。久しぶりに見る息子がこの短時間で少し成長しているのを、画面越しでも母は感じた。体が大きくなったわけではない。ただ、どこか大人びた雰囲気が見えたのだ。

 

 

「それじゃあ、また来週!」

『ええ。気を付けてね』

 

 

電話を切ったサトシは修学旅行のことを考え、少しばかり心が躍った。せっかくだから研究所にいるみんなにも会いに行こう。そしてみんなにも紹介して、一緒に遊べたら。そんなことを考えていた。

 

 

 

 

 

 

結果的にそれが、彼らに大きな衝撃を与えるとはつゆほど思っていなかった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

それから一週間後、アローラ地方からほぼ真反対、昼夜が完全に逆転しているこの地方。カントー地方に、サトシたちは無事に到着していた。

 

 

「へぇ~ここがカントー地方?なんだか気持ちい~!」

「海も綺麗だった」

「自然が多いな。ポケモンたちには住みやすそうだ」

 

 

修学旅行中、彼らは基本オーキド博士の所有している研究員がたびたび使用している宿舎に止まることになっている。ホテルほど設備がいいわけではないが、研究所とも近く、自然に囲まれたその建物は、ポケモンたちと触れ合うという目的にはもってこいの施設なのだ。今回の修学旅行に来たのはサトシ、カキ、マーマネ、リーリエ、マオ、スイレン、そして引率としてククイ博士の合計7人。先生が一人部屋で、サトシたちは三人ずつ部屋を使うことになった。

 

 

「よしっ、じゃあ荷物を置いたら1時間ほど休憩だ。そのあと、オーキド博士の研究所に行くぞ」

「「「「「は~い!」」」」」「はい」

 

 

 

 

こちら男子部屋。荷物を降ろしてすぐ、マーマネは用意されていたベッドの上に沈み込んだ。

 

 

「ふへぇ~疲れた。まさか途中からずっと歩くことになるなんて・・・」

「あはは、まぁマサラタウンの近くは本当に自然豊かだけど、そのおかげで交通手段は全然ないからな~」

「こっちだと、ライドポケモンっていう習慣もないみたいだな。それに、ポケモンもボールに入れない人も多いな」

「アローラ地方とは違うけど、ポケモンと人間が共存できるようにって、みんなで頑張ってるんだ」

「そうか・・・いい町だな」

「まぁ、ポケモンには優しい場所ではあるよね」

「へへっ、ありがとう。今度研究所にいる俺の仲間たちにも紹介するな」

「あぁ。お前がどんな旅をしてきたのか、気になるしな」

「僕も」

 

 

 

 

 

 

一方女子部屋。こちらはそれぞれ荷物を整理し終わり、既におしゃべりタイムに突入していた。

 

 

「でもほんとにいいところだね。空気がおいし~」

「うん。アシマリも、アママイコもすっごく元気そう」

「アローラ地方も自然が多いことで有名ですが、向こうのあったかい気候と違って、生命の息吹を感じられるような、落ち着いた空気ですね」

「うんうん。でも、リーリエ大丈夫?野生のポケモンもいっぱいいるらしいし、無理とかしてない?」

「大丈夫です。確かにまだポケモンに触れる自信はありませんが、少しずつでもいいので慣れていきたいんです。だから、この修学旅行でも、レベルアップです!」

 

 

気合を入れるように両手をぐっと握りしめるリーリエ。気合の入っているその様子にマオとスイレンは顔を見合わせて笑う。前まではここで少しむきになって反論していたリーリエ。それが今ではどうだろう。頑張ろうという気持ちが伝わってくる。本気で変わりたいのだと、進みたいのだと思っているのがわかる。誰の影響を受けたのかは、言うまでもない。自分たちだって変わったのだから。

 

 

「そっか。あたしたちも応援してるからね」

「うん。頑張ろう」

「はい。よろしくお願いしますね」

 

 

仲が悪いわけではなかった。でも、彼とかかわるようになってから、もっと仲良くなれた気がする。たがいに微笑みながら、そんなことを思う彼女たちだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「よ~し、着いたぞ。ここがオーキド博士の研究所だ」

 

 

日が少し傾き始めたとき、サトシたちはオーキド研究所についた。それはマサラタウンのはずれ、少し高い丘の上にあった。他の建物と離れて自然のど真ん中に研究所があるのは、預けられているポケモンたちがのびのびと過ごせるように、そしてできる限り元の生活と同じような環境にいられるようにと考えられた結果である。つまり、この一帯の土地はすべてがこの研究所、ひいてはオーキド博士の所有物ということになる。

 

 

「先生のとは大違いだね」

 

 

とぼそっとつぶやいたマーマネに、ククイ博士は苦笑するしかなかった。

 

 

 

 

 

 

「ようこそ、ポケモンスクールの諸君。わたしがここの研究所の持ち主で、ポケモン研究家のオーキド・ユキナリだ」

「初めまして、オーキド博士。アローラ地方で主にポケモンの技について研究しています。ククイです」

「ナリヤから話は聞いていますぞ。サトシを泊めてくださっているとも。いろいろとありがとうございます」

「いえ、そんな。サトシもいろいろと手伝ってくれますし、俺のイワンコも彼のことをすごく気に入っているので」

「そうですか。サトシ、久しぶりじゃの」

「はいっ、オーキド博士。俺、向こうでもいろんなポケモンと会ったんですよ!」

「そうかそうか、後でいろいろと話を聞かせてくれ。それから、後ろの彼らが君のクラスメートかね?」

「はい。紹介しますね、左からカキ、マオ、マーマネ、スイレン、それからリーリエ。ポケモンスクールでの俺のクラスメートなんです」

 

 

サトシに紹介されたカキたちは、一人ひとり、オーキド博士にあいさつをする

 

 

「カキです。主にほのおタイプを専門にしています」

「あたしはマオです。この子は仲良しのアママイコ」

「アママ!」

「僕はマーマネ。それからこっちはトゲデマル」

「マリュマリュ!」

「私、スイレンです。海のポケモンが大好きです。この子はパートナーのアシマリ」

「アウッ」

「リーリエと申します。ポケモン研究の第一人者、オーキド・ユキナリ博士に出会えるなんて、光栄です!」

「ほぉっ、早速アローラ地方のポケモンたちにも会えるとはのぉ。君たちも、なかなかいい表情をしておる。みな、ポケモンが大好きみたいじゃな。よいことじゃ」

 

 

満足げに頷くオーキド博士。

 

 

「それじゃあオーキド博士、修学旅行中にどういうことをするのか、説明していただいても?」

「おぉ、そうじゃったそうじゃった。それでは、これから一週間の君たちの予定を説明するぞ。君たちにはこの研究所の敷地にいるポケモンたちの観察やお世話をしてもらう。研究所で預かっているポケモンもいれば、野生のポケモンも多くいるので念のために気を付けてほしい。なぁに、基本的には人に慣れているポケモンたちばかりじゃ。大丈夫だとは思うが、念には念を入れておくのじゃぞ。様々なイベントも用意しておるから、楽しみにしておくんじゃな。明日の朝、またここに集合じゃよ。詳しい時間は前もって渡されているしおりで確認しておくんじゃぞ」

 

 

ポケモンたちの世話と聞いて、生徒たちはワクワクしていた。自分たちの見たこともないようなポケモンたちを実際に見て、触れることができる。それだけではなく、もしかしたら仲良くなれるかもしれないと思い、楽しみで仕方がなかったのだ。

 

 

「では、そろそろ夕食の時間にちょうどいいかの。みんなの料理はとあるお方が用意してくれておる。宿舎のほうへ戻って食べてきなさい。今日はこの後は自由時間じゃから、皆思うように過ごすといい。宿舎の近くの森にも野生のポケモンは多くおるから、観察するもよし、ゲットするもよし。ただしちゃんと気を付けるんじゃぞ。それでは、また明日」

 

 

オーキド博士にあいさつをし、サトシたち一行は宿舎のほうへ戻っていった。ドアを開けると何やらいい匂いがしてくる。誰かが夕食を用意してくれているようだ。食堂へ足を運ぶサトシたち。ドアを開けるとそこにはたくさんの料理が並んでいた。中にはサトシの好物であるコロッケまで。手を拭きながらキッチンから出てきた人物は、

 

 

「あらサトシ、おかえりなさい」

「ママ!?」

 

 

サトシのママ、ハナコだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おいしい、これすっごくおいしいです!」

「はい。とても暖かい気持ちになります」

「そう?よかった。しっかり食べて、明日から楽しんでね」

 

 

ハナコが作った料理に舌鼓を打つアローラ一行。当のサトシも好物のコロッケをこれでもかという風に食べている。

 

 

 

 

 

 

「「ごちそう様~!」」

「「「「ごちそうさまでした」」」」

「お粗末様でした。それじゃあサトシ、また明日ね」

「え?明日?」

「ええ。この修学旅行中は、みんなの食事は私が作ることになっているの」

「そうなの?そっか。なら一週間だけど、本当に帰ってきたみたいだな」

「そうね。みんなとしっかりと楽しんで、しっかりと学ぶのよ」

「うん」

「それじゃあね」

 

 

ひらひらと手を振りながら、ハナコは自宅へ帰っていった。

 

 

「それじゃあ明日は7時には朝食だ。そのあと、8時半にはオーキド博士の研究所についてなくてはいけないから、あんまし夜更かしするなよ?風呂は男女別にあるから、各自で適当に入ってくれ。それじゃあ解散!」

 

 

自由時間になり、風呂を終えたサトシたちは、特に示し合わせたわけでもなかったが、共通の休憩スペースのソファに集まった。

 

 

「いよいよ明日から本番だね?楽しみだな~」

「あんまりきつくないといいんだけど・・・僕、動き回るの苦手だし」

「いい機会だ。こんな時でもなければ、お前ずっとプログラムしかいじらないしな」

「でも、どんなポケモンに会えるのか楽しみ」

「そういえば、サトシもマサラタウンから来たんですよね?サトシのポケモンも、研究所にいるのですか?」

「ああ。今までの旅の中で出会ってきた、俺の大切な仲間たちだ」

「ねね、今までどんな地方を旅してきたの?」

「まずはカントー地方、そこからオレンジ諸島っていう島がいっぱい集まったところを旅したんだ。その次に行ったのがジョウト地方。それからホウエン地方をめぐって、シンオウ、イッシュ。アローラ地方に行く前に旅したのがカロス地方って感じかな」

「そんなに?僕には無理そうだな~」

「ポケモン、一杯ゲットしたの?」

「そうだな~、旅行中に時間があったら、みんなにも紹介するよ」

「はい!楽しみです」

 

 

楽し気な会話はしばらく続き、マーマネが本格的に眠りそうになったころ、解散となった。




というわけでこっちも転載決定です

ストーリーは基本オリジナルなので更新のペースはこっちのほうがかなり遅くなるのですが、許してください、その辺は。


追記
マオのアマカジが進化したので、こっちでも進化させますね

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