我、破壊の大王なり   作:白夜の星霊白夜叉

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次回は戦闘回といったな?
あれは嘘だ、変に長くなる気がしたので少し考えました。
今回はまだ会議室での話です。
それではどうぞ。


第4話 三大勢力会談 II

「……チッ! やっぱり来やがったか」

 

アザゼルは忌々しそうに悪態を吐く。

ふむ、周囲の色が無くなっている。

そしてこの力は……成る程神器か、系統から時間干渉系か。

 

「動ける奴は返事をしろ。状況を確認したい」

 

そう言って周りを見渡すアザゼル。

ふむ、トップたちは当たり前として、残りは二天龍、聖剣を持ちが二人と聖魔剣使い、後はリアスか。

 

「けど、これはいったい……」

 

周りを確認していた赤龍帝が疑問を浮かべた。

 

「あぁ……こりゃテロだ。外見てみろ、面倒ったらありゃしねぇぜ」

 

職員会議室の窓の方を顎で示し頭を掻く。

それと同時に、窓の外で閃光が広がり、建物を揺れが襲う。

 

「攻撃を受けているのさ。何時の時代も勢力と勢力が和平を結ぼうとすると、それを何処ぞの集まりが嫌がって邪魔しようとするのさ……」

 

窓に視線を移せば、そこには無数の人影があった。

あいつらは確か……

 

「……『魔法使い』、か」

 

「ああそうだ、アレは『魔法使い』共だな。悪魔の魔力体系を伝説の魔術師『マーリン・アンブロジウス』が独自に解釈して再構築したのが【魔術】・【魔法】の類だ。放たれてる魔術の威力から察するに一人一人が中級悪魔クラスの魔力を持ってやがりそうだ。まぁ、今は俺とサーゼクスとミカエルで強力無比な防壁結界を展開してるからどうってことはねぇけどな?」

 

赤龍帝の肩を叩きながら笑うアザゼル。

赤龍帝の表情はなんとも言えないものになっていた。

マーリン・アンブロジウスか……嫌な奴を思い出した。

アルテラは脳裏に浮かんだバカを直ぐに端っこに追いやった。

 

「恐らくは、あのハーフヴァンパイアの小僧を強制的に禁手化状態にしたんだろうな。一時的とはいえ、視界に映したものの内部にいる者にまで効果を及ぼすとは……あのハーフヴァンパイアの潜在能力が高いってことか。ま、俺たちを停めるにしては、出力不足だったようだが」

 

「ギャスパーは旧校舎でテロリストの武器にされている。一体何処で私の眷属の情報を得たのかしら。しかも大事な会議をつけ狙う戦力にされるなんて! これほど、侮辱される行為はないわっ!」

 

リアスは紅いオーラを出して怒りを主張する。

 

「ちなみにこの校舎を外で取り囲んでいた堕天使、天使、悪魔の軍勢も全員停止させられてるようだぜ?まったく……リアス・グレモリーの眷属は末恐ろしい奴らばかりだな」

 

アザゼルがリアスの肩に手をポンと置くが、リアスは容赦なくその手を払い除ける。

払い除けられたアザゼルは肩をすくめながらその手を窓へ向ける。

すると、外の空に無数の光の槍が現れ、アザゼルが何でもないように手を下ろせば、その光の槍が雨となって地上の魔術師たちに降り注いだ。

魔導師たちは辛うじて防御障壁を展開していたものの、そんなものなどなんなく貫き、魔術師たちを一掃した。

 

「うわ……すげぇ……」

 

「どちらにしても、これ以上ハーフヴァンパイアの力を高められたらマズイかもな。この猛攻撃で俺たちを留まらせて、時間を停めた瞬間に校舎ごと屠るつもりなんだろう。……早めに取り戻した方が良いぞ?」

 

ふむ、簡単なのはその吸血鬼を殺す事か。

しかし彼らがそれの方法を選択するとは思えないし。さてさて、いったいどうするのだろうね。

 

「お兄様、ギャスパーは私の下僕です。私が責任を持って奪い返してきます。どうか、行かせてください」

 

「言うと思っていたよ。妹の性格ぐらい把握している。しかし、旧校舎までどう行く? 外は魔術師だらけだが」

 

「根城の部室に、未使用の『戦車』の駒を保管しています。それを使えば」

 

「なるほど『キャスリング』か。それを使えば相手の虚をつき、何手か先んじれる」

 

「だが、一人で行くのは無謀だな。グレイフィア、キャスリングを私の魔力方式で複数人転移可能に出来るかな?」

 

「そうですね……ここでは簡易術式でしか展開出来そうもありませんが、お嬢様ともう一方なら転移可能かと」

 

「俺が行きます!」

 

グレイフィアの言葉にいち早く赤龍帝が声を上げた。

ふむ、赤龍帝か、しかし今の彼じゃ少し力不足だな。

未だちゃんとした禁手化に至っていないようだし。

私が疑問に思っているとサーゼクスがアザゼルを見る。

 

「アザゼル、噂では神器の力を一定時間自由に扱える研究をしていたな?」

 

「そうだが……それがどうした?」

 

「赤龍帝の力、制御は出来るだろうか?」

 

「………チッ」

 

アザゼルは舌打ちをした、そして彼はおもむろに懐を探り出して……

 

「おい、赤龍帝。こいつを持っていけ」

 

赤龍帝に向かって投げる。

それをキャッチしてみると、手にはめるリングが二つあった。

 

「これは?」

 

「そいつは神器をある程度押さえる力を持つ腕輪だ。例のハーフヴァンパイアを見つけたら、そいつを付けてやれ。多少なりとも制御の役に立つだろう。もう一つはお前用だ、まだちゃん赤龍帝の力を扱えてないんだろう? それを使えば短時間だが、代償なしで禁手化出来る。必要になったら使え」

 

へー、それは興味深い物だな。

ゲオルグあたりが発狂しそうな品物だな。

しかし神器を作り出した神がいないというのによくそこまで調べられたものだ。

私はアザゼルに少なからず感嘆した。

 

「アザゼル、あなたのところの神器セイクリッド・ギアの研究は一体どこまでいっているのですか?」

 

「別にいいじゃねえか、作り出した神がいないんだぜ? 少しでも神器を解明できる奴がいた方がいいだろ?」

 

「研究しているのがあなただというのが、問題だと思うのですが……」

 

「あー、もううっせぇな。……ヴァーリ」

 

「なんだ、アザゼル」

 

ミカエルとの会話を適当に切り上げたアザゼルは白龍皇を呼ぶ。

 

「お前は外で敵の目を引け。白龍皇が前に出てくれば、奴らの統率も多少乱れるだろうさ」

 

「俺としては、旧校舎のテロリストごと、その問題になっているハーフヴァンパイアを吹き飛ばした方が早いと思うんだが」

 

白龍皇の言葉にグレモリーたちが睨む。

それを見たアザゼルが苦笑をして首を横にふる。

 

「和平を結ぼうって時にそれはやめろ。

最悪の場合、それにするかもしれないが、魔王の身内を助けられるのなら、助けた方がこれからのためになるのさ」

 

「ふむ、まあそうだな。了解した」

 

白龍皇は苦笑しながら光の翼を展開する。

 

「【禁手化】」

 

『Vanishing Dragon Balance Breaker ‼︎』

 

神器から聞こえてくる音声の後、白龍皇の体を真っ白なオーラが覆った。その光が止んだ時、彼の体は白い輝きを放つ全身鎧に包まれていた。

白龍皇はを一瞥した後、窓を開いて空へ飛び出していった。

 

「アザゼル。先程の話の続きだ」

 

不意に、サーゼクスの声が響く。

 

「あー……なんだ?」

 

「神器を集めて、何をしようとした?【神滅具】の所有者も何名か集めたそうだね? 神もいないのに『神殺し』でもするつもりだったのかな?」

 

アザゼルはその問いに首を横に振った。

 

「……備えていたのさ」

 

「備えていた?……戦争を否定したばかりで不安を煽る物言いです」

 

ミカエルはアザゼルの物言いに呆れるように言う。

 

「言ったろ?お前ら相手に戦争はしない。こちらからも戦争を仕掛けない……ただ、自衛の手段は必要だ。何回も言うがお前らの攻撃に備えているわけじゃねぇぞ?」

 

「では?」

 

アザゼルは突然真面目な表情になり、呟く。

 

「……【禍の団】(カオス・ブリゲード)

 

「カオス、ブリゲード……?」

 

サーゼクスもその存在を知らなかったらしく、眉根を寄せていた。

 

「組織名と背景が判明したのはつい最近だが、それ以前からもうちの副総督シェムハザが不審な行為をする集団に目をつけていたのさ。そいつらは3大勢力の危険分子を集めているそうだと……中には【禁手】に至った神器持ちの人間も含まれている。……最悪なことに【神滅具】持ちも数人確認してる……」

 

「そのもの達の、目的は?」

 

「破壊と混乱。単純だろう?この世界の『平和』が気に入らないのさ。テロリストだ。しかも最大級にタチが悪い……」

 

「……【神滅具】持ちがいる時点で最悪ですね……」

 

ミカエルは忌々しそうに呟く。

神をも滅ぼす神器……それを持った者が複数人いるという事実に、サーゼクスも頭を抱えている。

 

「しかもだ、組織の頭は【赤い龍】と【白い龍】の他に強大で凶悪なドラゴンだ……」

 

「「ッ!?」」

 

アザゼルの言葉にアルテラ以外の全員が絶句していた……いや、一誠は若干わかっていないようだ。

 

「……そうか、彼が動いたのか。【無限の龍神】オーフィス……神が恐れたドラゴン。この世界が出来上がった時から最強の座に君臨し続けている者……」

 

サーゼクスは険しい表情を浮かべてそう言い、この場にいる他の皆は表情を曇らせていた。

 

 

 

 

 

 

 

「その情報は間違っているぞ、アザゼル」

 

しかしそんな中で否定の声をあげるものがいた。

アルテラだ、彼女の言葉に周りの面々も彼女に顔を向ける。

 

「おいアルテラ。それはいったいどういう……」

 

アザゼルが口を開こうとした瞬間、職員会議室の床に魔法陣が浮かび上がった。

 

『そう! あのオーフィスが【禍の団】のトップなのです!』

 

何処からともなく響く声にサーゼクスは舌打ちをして眉をひそめる。

 

「そうか。そう来るわけか!今回の黒幕は……ッ! グレイフィア! リアスとイッセーくんを早く飛ばせ!」

 

「はいっ!」

 

グレイフィアはリアスと赤龍帝を職員会議室の隅に行くよう急かせると、小さな魔法陣を床に展開させた。

 

「お嬢さま、ご武運を」

 

「ちょ、ちょっとグレイフィアっ⁈ お兄さま!」

 

そしてそのまま光と共に二人の姿は消えた。

 

 




次回こそ戦闘回です。
まあ、某月に攻め込んだ吸血鬼並みにゴーバァシュッンになる気がする。
仕方ないねアルテラさんだもん。

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