Infinitum Heroicis Ficta -無限の英雄- 作:燃え尽きた灰
0 -プロローグ-
「ユーリ、君はもう一人前だ。私が教えることはもう何もない。そろそろ【銀の牙】として一人でやっていけるよ。」
銀髪の男性が黄色いケープを羽織った少女に向かっていった。
「ありがとうございます、師匠。この
「そうか、ユーリよ。君は本当に良くできる弟子だった。
「分かりました。先に家に戻っておきます。」
そう言うと少女はなにか二三言つぶやくと消えてしまった。
それから3日後。ユーリの独り立ちの日である。この日のために、家には入念に魔方陣が描かれていた。【無名の地】へと行くための物である。
「ユーリ、君のようなものを弟子にできて本当に幸せだった。またいつか会おう。」
「はい、師匠。」
そう言うと、少女は何か詩のようなものを詠唱し始めた。すると、陣がひかりだし、次の瞬間少女は消えていた。
「淋しくなるな。」
後には寂れた紳士と古びた屋敷が残された。
◇◇◇
俺は■■■■。コンビニ帰りに突然、わずかに痛みを感じたかと思ったら、真っ白な空間に投げ出された。
「ハハッ、やっと気がついたね、お寝坊さん。」
「誰だお前は?どこにいる?」
「君の後ろだよ。まあ、君たちが神といっている存在だよ。」
振り返ると、百人が百人とも美少女だと答えるような少女がいた。
「ここはどこだ?」
「強いて言うなら死後の世界、かな。君はあのとき、後ろから車に轢かれたんだよ。で、提案なんだけど、君を転生させようと思う。もちろん、二つだけ転生特典もつけよう。」
「その話、乗った!」
「世界はもう決まっているんだ。インフィニット・ストラトスの世界だよ。」
「なら、特典は一夏を女にすること、男で初めてISを動かせる人物になること。」
「おっけー、わかった。行ってらっしゃい!」
その刹那、視界が暗転した。
◇◇◇
おぎゃあ!
「織斑さん、元気な男の子が生まれましたよ!」
「この子の名前は
「いい名前ね。」
「お母さん、お父さん、抱いてもいい?」
「ああ、良いとも千冬。」
「やったぁ。よろしくね、一秋くん。」
こうして転生し、一秋という名前を貰ったのだ。
二時間後。
「双子ちゃんの下の子は元気な女の子が生まれましたよ!」
「じゃあ、この子の名前はね、一夏にしようと思うの。」
「ああ、いい名前だとも。」
「よろしくね、一夏ちゃん。」
◇◇◇
ユーリは一人立ちを果たした。
もとのユーリの世界、【基幹世界】にユーリは戻ってきた。そしてユーリはある人のもとへと電話を掛けた。
プルル、プルル。
「お母さん、友里子だよ。今日家に帰ってもいい?」
『良いわよ。久しぶりに帰ってくるの、楽しみに待っているわね。』
「ありがとう。」
そう、ユーリは叔父のもとで暮らしている、と
その日一日を家族と過ごしたユーリは、獲物を探して歩いていた。【黄の印】の匂いを嗅ぎ取ったユーリはその場所まで無詠唱で瞬間移動した。
◇◇◇
私は中学校からの帰り道、異形の怪物に襲われた。
怪物は鋭い歯がびっしりと並んだ大きな口を開け、私を食い殺さんと襲いかかってきた。
ああ、もうだめなんだろうな...。短い人生だったな...
そう思って覚悟を決めたとき、どこからともなく私と同じくらいの年齢の女の子が現れた。
「待ちなさい。この私が相手をしてあげる。」
そういって女の子が何か呟くと、女の子の指から炎が吹き出し、怪物に襲いかかった。炎に包まれた怪物は悲鳴をあげながら現れたときのようにすっと消えた。
「大丈夫?この事は悪い夢だと思って忘れなさい。」
女の子は振り返っていった。
「あの、貴女は?」
「銀の牙のユーリよ。」
そういって何か呟くと、ふっと消えてしまった。
◇◇◇
【黄衣の王】の手下を取り逃がしてしまった。でもまだ追える。まだ匂いが残っている。奴が向かった【領域】には覚えがある。インフィニット・ストラトス。ならばそこに向かうだけだ。そう思って呪文を詠唱した。
はい。初投稿です。プロローグはいかがでしょうか。
ではまた今度。次は早めに投稿したいです。失踪はしません。何があっても完結はさせます。このような短いもので、できるだけ投稿という形にする予定です。
用語として、私たちがいるこの世界を表すものがなかったので【根本世界】としました。
2017/07/13 根本世界→基幹世界