デート・ア・ライブ 風見サンフラワー   作:文々。社広報部部長 シン

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どうも、シンです。

気が付いたら前回の更新から一ヶ月経とうとしていました。危ない危ない。

テスト?そんなものは無かった。いいね?(威圧)

それではどうぞ


兄妹(痴話)喧嘩

 

「気が付いたらひまわり園に居たぁ?私の愛しいお兄ちゃんはその歳で認知症にかかっているのかしら!」

 

<ラタトスク>が保有するとある施設のとある部屋。部屋の扉は閉まっているのにも関わらず、部屋の外まで聞こえる、怒気のはらむ悲鳴のような少女の声が響き渡っていた。

 その声に驚き、なんだなんだ、と声に釣られてきた従業員が扉についている窓から中を覗き込む。しかし、あああ…いつもの兄妹喧嘩か、とすぐに興味を無くすと自分の仕事へと戻って行った。

 その喧嘩している(喧嘩はしていない)兄妹というのは…御察しの通りだろう、士道琴里兄妹だ。

 

「許してくれよ、琴里。本当に気づいた時にはひまわり園に居たんだって」

 

「許してくれで済んだら警察は要らないのよ!」

 

「今の話で警察は要らないだろ…」

 

「…ッうるさい!あなたどれだけ危ない場所にいたか分かっているの?!」

 

 琴里の怒りはどんどんヒートアップしている。自分の兄が心配が故の怒りなのだが、あまりに熱を持ち過ぎてオーバーヒートしかけていた。

 

「反転した精霊に話しかけるなんて、士道がちょっとの事じゃ死なないからと言っても、いくら何でも生き急ぎ過ぎよ!精霊を助けたい気持ちは分かるわ。それでも時と場合を考えなさい!」

 

「まぁ、そうだな。でも、幽香…さんは精霊じゃないぞ?」

 

「私たちがどれだけ心配したと…え?」

 

 士道の一言によって琴里の熱は一瞬で冷え、まともな思考が戻ってきた。しかしその代わりに無数の疑問が頭を埋め尽くす。

 

「ちょっと、何よそれ。どうゆう事よ」

 

 怒涛のような言葉の猛襲が止んだことに士道は内心ほっとする。

 そして士道は幽香との会話を事細かく説明し、また会う約束を取り付けたことと、幽香が元にいた世界への帰還の手助けをすると決めたことを琴里に話した。 しかしその話が信じられないのか、琴里は(いぶか)しげ眼差しで聞き返した。

 

「それ…精霊に適当言われただけなんじゃないかしら?」

 

「いや、幽香さんは絶対に精霊じゃない!」

 

「か、顔が近いわよ!な、何で絶対違うって言い切れるのよッ」

 

 自分が言ったことを切羽詰まった様子で肩を掴まれて否定され、琴里は顔を赤くしてたじろいでしまう。

 

幽香さん(アレ)は精霊()()()()()もっとヤバい。計測機だと同じ反応かもしれないが、アレは完全に別の()()だよ。直接会ってみるとわかる、自分の生物としての本能が警鐘を鳴らすんだ…『コイツは危ない』って…」

 

 士道の手は小刻みに震え、少し顔の血の気が引いていた。それに気づいた琴里は追い打ちをかけるように士道の股間を蹴り上げる。

 

「いい加減離しなさい…よっ!」

 

「とぉぅふッ!?…………!……!」

 

 蹴られた()()を押さえて蹲り、声を出す事すらできずに悶絶している。そんな士道に琴里はフンッと鼻を鳴らして見下す。

 

「そんなに危険だと分かっててなんで彼処(あそこ)にずっと居続けたのよ!」

 

「に、逃げれなかったんだよ…恥ずかしながら恐怖で脚が竦んでたんだ」

 

 痛みがひいてきた士道は立ち上がるが、少し腰が引けている。

 

「それなら何で途中で会話を切るなりして私に電話をかけなかったのよ!」

 

「そ、それは…」

 

「もう少し私達を頼りなさいよ!」

 

「!」

 

「士道は1人じゃないのよ。私達が付いているんだから、もっと私達に助けを求めなさい!それに、義妹(いもうと)としてお兄ちゃんが心配なのよ」

 

「…分かった、これからはみんなを頼りにするよ。あと、ごめんな。兄の俺が妹を心配させて」

 

 司令官としての琴里と、妹としての琴里の言葉は士道を猛省させた。分かればいいのよ、と琴里。

 

「…それにしても『妖怪』ねぇ…空想上のものだと思ってたけど…」

 

「ふむ、最近だと『四次元ババア』という妖怪が流行ってるみたいだね」

 

「へぇー、って令音!?いつの間に来てたのよ」

 

 戦艦<フラクナシス>の解析官である村雨令音(むらさめれいね)がいつの間にか士道と琴里が話している部屋に居たのだ。

 

「『お兄ちゃんが心…」

 

「ああああああああ!!!分かった!分かったからもういいわ!」

 

 自分が言ったことが今になって恥ずかしくなってきた琴里は大声で令音の声をかき消した。

 

「そ、そうだ!その『四次元ババア』ってどんな特徴なの」

 

 話を逸らした。

 

「む、そうだね。四次元ババアは神出鬼没で面倒臭いことを押し付けてくる妖怪。四次元ババアはある空間と空間を繋ぐ力を持っていて、繋いだ空間から手だけを出して悪戯したりもするらしい」

 

「よく知ってるわね令音」

 

「つい最近そんな記事を見たのでね」

 

「ふーん、じゃあ令音は妖怪について調べといてくれるかしら」

 

「分かったよ」

 

 と言って令音は部屋を出ていった。

 

「じゃあ士道は次にその…幽香さん?に会う時に備えておきなさい、今日は帰っていいわ」

 

「おう。頑張れよ琴里」

 

 くしゃくしゃと琴里の頭を撫でてやると、ん、と嬉しそうに目を細めた。

 撫でるのを止めて少し残念そうな琴里と一緒士道は部屋を出た。士道は今日の夕食を考えながらこの施設の出口へと向かっていくのだった。

 

 

 

 

 

 帰り道の道路に倒れている少女が精霊だとまだ士道は知らない。




琴里はヒロインってはっきりわかんだね。
士道は極刑。
そしていきなり現れる令音!
果たして『四次元ババア』の正体とは!?

何言ってんだ。

ああ^〜猫かわいいっすね〜、茶トラだと思ってたうちの猫がアメリカンショートヘアだったので驚きでした。

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