デート・ア・ライブ 風見サンフラワー   作:文々。社広報部部長 シン

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どうも、シンです

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

結構UAが伸びて嬉しいです!やる気が出ます!

それではどうぞ


彼女の名は風見幽香

 冬だというのに力強く咲くひとつの向日葵の前に彼女(ソレ)が立ち止まると士道の方を向く。

 非現実的な光景の中で平然と立っている彼女(ソレ)。まるで名絵画から抜け出してきたような、いや、絵では絶対に表せられない美貌。少しウェーブがかかった新芽のような明るい緑色のセミロングの髪、血のように紅い眼、白いブラウスに赤いチェック柄の上着とスカート着て、襟元には黄色いリボンを付け、日差しが強くも無いのに差している日傘は彼女(ソレ)の魅力を引き立てている。異常なまでに美しい彼女(ソレ)との出会いは士道が十香と出会った時と状況が似ていた。

 

「ねぇ、そこの人間」

 

「----っ!」

 

 彼女(ソレ)は士道と目が合うとすぐに話しかけてきた。

 状況は似ているが、彼女(かのじょ)と十香から感じるものは決定的に違う。

 そう、決定的に違う感じるものとは--

 

「此処は、何処かしら?」

 

 --恐怖感だ。

 

 彼女の透き通った心地よい声の音からは考えられないような恐怖感が士道を襲う。

 十香と出会った時、士道は周りの光景の異常さをも圧倒する美しさに感嘆して声を発することができなかった。しかし彼女の場合、士道はその美しさをも圧倒する威圧に恐怖して声が発することが出来無かったのだ。

 士道の人間としての本能が警報を鳴らしている。種族としての次元が違う、アレから逃げないといけない、アレに近づいてはいけない、と。士道はその場から逃げ出そうとしたが、思いとどまった。逆にここで逃げてしまうとアレを怒らせてしまい、即座に殺されてしまうかもしれない。そう考えた士道は彼女の方を目を向ける。

 彼女は苛立っているようだ。日傘を指でトントンと叩いている。

 

「こ、此処は…天宮市にある《天宮ひまわり園》だけど…」

 

「そう、知らない場所ね。それと、女を待たせる男は嫌われるわよ」

 

「うっ………」

 

 女性を待たせたことが何度もある士道にとってその言葉は心に深く突き刺さったようで、むねの辺りの服を掴み半歩下がった。

 

「そ、それはいいとして!君は自分でここに来たんじゃないのか?」

 

「違うわ。()()()()()私をここに飛ばしたみたいね」

 

「そ、そうなのか…」

 

 士道は彼女は自分が飛ばされたことを知っていたので精霊ではないことを確認する。しかし、そうなると一体彼女は何なのだろうか?と士道は疑問に思ったので彼女に直接聞こうとしたが、

 

「あのスキマめ、次会ったらぶっ潰してやるわ」

 

 と不穏な言葉が聞こえたので止めることにした。怖い。

 

「そう言えば」

 

彼女は士道の目を見据えて言ってきたので、士道はどんなことを言われるのか戦々恐々としていたが

 

「あなた名前はなんて言うの?」

 

「…へ?」

 

 何とも普通の質問だった。

 

「へ?ってなによ。名前よ、な ま え!あなた自分の名前もわからないってわけ?」

 

 突拍子もない質問が来るかと思っていた士道は余りにも普通の質問に気が抜けた声を出してしまった。

 

「な、名前ね!ははは…。俺の名前は五河士道(いつかしどう)

 

「ふーん。士道、ね。」

 

「……………」

 

 自分から名前を聞いたのにそこまで興味のなさそうな彼女の反応に少しムッとなった士道だったが、機嫌を損ねたら怖いので何も言うことができなかった。

 

「君の名前はなんて言うんだ?君も俺が君君言うのは嫌だろ?」

 

「そう、ね。人間のあなた如きが私と対等に話すのは嫌ね」

 

「は、ははは……」

 

 彼女に全く敵わないことはわかっているが流石の士道も腹が立ってきた。

 

「冗談よ」

 

 冗談に聞こえないからタチが悪い。

 少し時間を空け、彼女は士道に小さく微笑みかけながら言った。

 

「私の名前は、風見幽香(かざみゆうか)よ」

 

「ゆう、か…」

 

 士道が幽香と名乗った少女に先程まで感じていた印象は一転して、冗談も言える可愛らしい少女となった。

 

「あ、冗談って言ったけど、さんは付けなさいよ」

 

 前言撤回。士道は内心ため息をついた。

 




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