デート・ア・ライブ 風見サンフラワー 作:文々。社広報部部長 シン
すみません。お待たせいたしました。
幽香の口から放たれた「気持ち悪い」は俺の精神にクリティカルヒット、膝を屈させかけたが俺はなんとか持ちこたえた。忙しくてこの日しか空いていなかったと幽香に弁解するが「あら、士道くんは私に会うこと以外に用事があったのね。意外だわ」と返されてしまった。インカムから声を殺して琴里に笑っているのが聞こえる。
うるせいやい、こっちもやることはいっぱいあるんだ。部屋を掃除したりとか、ご飯作ったりとか、……その他は?……あれれ?
幽香にこれ以上何か言っても話が進まないと感じたので本題に入ることにした(現実逃避なんてしてない、決してしていない!)。
「そんなこと思われてたなんて心外だなぁ。今日は幽香さんと話し合いに来たんだ」
「そう。じゃあ悪ふざけはやめにしましょうか。立ち話はあれだし、これに座りなさい。茶請けは持って来た?」
幽香はおちゃらけた雰囲気をしまい込むとどこからか椅子と円卓を取り出し、赤いテーブルクロスをかけ、ティーセットも取り出してカップに紅茶(ハーブティーだろう)を注ぐ。どこぞの推理小説の執事顔負けの手際でティータイムのセットをこなした。その手際の良さに感心していると
、『どこからどうやってそんなものを出しているのよ!?』と琴里が五月蝿いので、考えても無駄そうゆうものなんだと言い聞かせた。
そして俺は朝早くから店に並んで買ってきた10代から30代の女性に大人気のケーキが入っている箱を前に突き出した。
「ああ、ケーキを持ってきたぞ」
「へぇ…『けぃき』ねぇ」
「むっ…なにか不満でも?」
「いいえ、その『けぃき』を食べるのが初めてなだけよ」
なん……だと……?それは大事件だ。ボディービルダー並の筋肉を持っている人にプロテインを知らないと言われたのと同じくらいの衝撃だった。別に言われたことがある訳では無いが。
「そんなことはどうでもいいわ、話を始めましょうか」
「あ、ああ。そうしよう」
平静を装って話を進めようとしているが、早くケーキを食べたいのが明らかに分かるほど幽香はソワソワしている。その姿は「早く夕餉にするぞ!」とキラキラした瞳でこちらを見つめる十香にどこか似ていたので、思わず微笑んでしまった。
◆
「ふぅん…なかなかいけるわね、コレ。『生くりぃむ』の味は特徴的でこれでもかってぐらい塗ってあるけど、苺の酸味が上手く調和していて胸焼けしない。『生くりぃむ』に生地がよく合ってて、紅茶にも合うわね」
グルメレポーター顔負けな食レポを無意識に披露している幽香は「これ後ろに塗り過ぎじゃない?」とケーキに夢中のようだ。と、その隙をついてインカムから琴里の声が届いた。
『士道、悪いニュースよ』
「どうしたんだ?」
小声で聞き返すと琴里は溜息をついて話し始めた。
『士道が攻略対象"ユウカ"に話しかけてから、各種パラメータが微動だにしないのよ』
「なっ…!?て、てことは…」
『そう、あなたが思っている通りよ。
この二次創作を書き始めて一年経ってしまいました(約三ヵ月前)。話が全然進まねぇ…
こんな投稿が遅い作品を見てくださって本当にありがとうございます。
今後もよろしくお願いします。