デート・ア・ライブ 風見サンフラワー 作:文々。社広報部部長 シン
書く時間が無い…
今回は短いです。
それではどうぞ
翌日、士道は幽香のところへと行くことになった。ニ亜の事もあるがこちらの方が優先順位が高いという結論に至った。前例がある精霊のニ亜とは違い、今回初観測された妖怪の幽香であればどちらが優先されるかは火を見るより明らかだろう。ニ亜の方を放置してもいいという訳では無いが。
それはさておき、士道は今《天宮ひまわり園》の前で立っていた。右手には人気ケーキ屋のロゴが入った箱を下げ、そわそわと落ち着きのない様子を見せている。
『あ、あー、聞こえる?士道』
「おう、聞こえるぞ」
右耳のインカムからプツッという聞き慣れたスイッチおんの後に、琴里の声がクリアーな音声で聞こえてくる。
『士道は身をもって分かってると思うけど、相手はこれまでの精霊とは全く異質な存在よ。気を引き締めて行きなさい。私たちは今まで通りサポートに徹するわ、良いわね?』
「もちろんだ。……サポートよろしくな、琴里」
『ええ。完璧にこなしてみせるわ。……っと、ちょっと待ってなさい』
パチンッ
指を鳴らす音がインカムから聞こえた後、神無月の叫びが聞こえてくる。
『ああっ!司令、放置プレイですね!私はいつまでもお待ちしており』
神無月の
「……おい琴里、今神無月さんの叫び声が聞こえけど」
『何も無かった』
「いや、今」
『何も無かった、いい?』
「はい…」
神無月さんご達者で…。いや、あの人にとっては御褒美なのか?
……考えないでおこう。
『気を切り替えて、行くわよ』
「おう」
気持ちを整理して、俺は歩き出した。
鼓動が速さを増す。
ケーキを崩さないように意識して歩く。
汗が出る。
喉が乾く。
昨日を思い出す。
何もかもを意識して前に進む。
そして、
『なっ……』
インカムの向こう側にいる全ての人間の息を呑む声が聞こえた。二度目だが、やはり見惚れてしまう。
一輪の向日葵に水をやる彼女。
その顔をまるで子供を見る母親のような笑み。昨日は一度も見せなかった顔。植物に嫉妬するなんてどうかしていると思うが敢えて言おう。
--あの向日葵が羨ましい。
それほどに彼女は美しい。
紅い目、翠の髪、桃の日傘、チェックの服。完璧と言っていいほどの美貌を持つ
そう、彼女こそが--風見幽香。
その繊細で長い
すると、聖母のような笑みは何処へ行ったのか、俺を見下すように言った。
「あら、お早いことね。そんなに早く私と会いたかったのかしら?……気持ち悪いわね」
ぐはッ!?
こうして俺と幽香は二度目の邂逅を果たしたのだった。
次回は字数を多くしたい