ひよこ大好きマンが行く〜HUNTER×HUNTER〜 作:ウォント
テリーベルきゅん10歳!野原を駆け巡る、純粋キャピキャピな男の子だぞっ!今日はおとうさまとおじいさまとおばあさまにお呼び出しくらっちゃった☆え〜ん、こわいよぉ><
母様が倒れた。原因は体力の過激な消耗らしい。
い、一体ナニをしたんだ…とおぼっちゃまテリーベルはきょどるものの、父様の深刻そうな表情とお爺様の悲しそうな顔にそんな下ネタも言える雰囲気じゃない。
呼び出されて早々倒れただなんて聞いても現実味が湧かない。嘘をつくなクソッタレと言いたいところだが真っ赤な顔で眠っている母様を見るにマジらしい。お祖母様なんてプルプル震えちゃってるし、お爺様も口を噛み締めてプルプルしちゃってる。
「と、とーちゃん…」
「お父様と呼べ。ヒュラディ。……なあ、ヒュラディ。頼みがあるんだ。」
「なんだいお父様…」
「口調を直しなさい。いいかい、まずはテリーベル、お前にハンターになってもらいたい。」
「突然すぎやしませんことお父様」
「ちゃんとした口調にしなさい。いいかい、そして秘薬…というか薬草を手に入れてもらいたい。」
お祖母様が真っ赤な顔で崩れ落ちた。だ、大丈夫かババァ!!
「お父様、わたくしの話は聞いてくれないのね。」
「やめなさい。」
「はい。」
割と本気で怒られた。というか母様も震えてる。おい爺様、今吹き出さなかったか?なあ。
「場所はヒミツだ。自分で探しなさい。」
「待って、ねえ待ってくださいお父様。母様死にかけですわよ?ヒ・ミ・ツ☆とか悠長な気と言ってる場合ですか。普通にハンターに依頼したらどうですか?」
「それじゃダメなのじゃよ、リーベ…」
「お爺様…」
「なんか、あれじゃ。親族が手にしなきゃダメ系の薬草なんじゃよ。あとーそれと、えーっと、そうじゃ、ハンターでなければ行けぬ場所にあるのじゃ。」
「……。」
親族が手にしなきゃダメ系の薬草とかなにそれ。
というかめっちゃ考えてなかった?
遂に父様が崩れ落ちた。心なしか母様の顔がさらに赤くなり息も荒い気がする。
そう、笑いをこらえているみたいに。
「…それでは爺様が行けばいいのでは?確かハンタ」
「ええい!いいから往くのじゃ!ほれ荷物と地図じゃ!申し込みは既に済ませてあるからの、無事に帰るのじゃぞ!」
「健闘を祈るぞ、ヒュラディ!」
「おいコラ」
荷物を持たされ、いつかの如くぽーんと窓から放り出された。
心得ておりますと言わんばかりにいい笑顔でサムズアップした何故かカウボーイの姿をしているマーチョ。
「な、なあマーチョ、お前確か料理長だよな?」
「馬に乗ったことはありますので問題ありませんよ。ひっはっは!」
ああ、この妙な笑い方はマーチョだ。間違いない。
「んべっ!」
ガトンッ!と急に馬車が動く。おいおいどこ走ってんだ?
体勢を崩したまま外を見る。
岩場だった。
「ムーチョ!おい、おいムーチョ?!どこ走ってんだお前、これ馬車!馬車だぞ!後ろに車ついてんの、というかなんで馬車ぁ?!」
「ひはっ!岩場ですなぁ!ザバン市まで突っ走りますぞぅ!馬車は単なる当主様のご趣味です、ぞっ!」
「ぅうううううう?!?!!!!」
浮遊して、着地。身が持つとはとても思えないぞ、こんな運転じゃ…!
ムーチョ・ギュウシ
白髪混じりの赤毛に青い目。初老。
ハボレイ家の料理長。御者はやったことないが乗馬はやったことがある。
笑い方が独特。「ひっはっは」
テリーベルの扱いがかなり雑。
使用人ではあるが、忠誠心というのは全く持ってない。
ただ料理ができればいいという料理人。馬の扱いはとても上手いが、後ろのことは全く考えないため御者には向いていない。スピード狂。やたら早い。