悪と正義の波紋&幽波紋(スタンド)使い、変化する者の幻想入り   作:(´鋼`)

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第4話 気まずい自己紹介

俺と咲夜の攻撃は、先程まで居た筈の青年に当たるかと思われた。

 

でも違った。そこに紫さんが割り入って攻撃を中断してしまった。

 

一言で言おう、誰かこの場の空気をボケて緩和させてと。

 

そんな空気の中、お構い無く話すここの紫さん。

 

 

「あら、お取り込み中だったかしら?」

 

 

違うそうじゃない。ふと青年の方を見てみると何か言いたげだった。何を言おうとしたんだろ?

 

 

「それでここの世界で協力してくれる人ってのはね、この2人、五十嵐京谷君と十六夜咲夜ちゃんよ。それと『ここの世界』って言ったけど、2人は違う世界の人達なのよ。つまり〜、並行世界?」

 

 

んまぁ合ってるけども。合ってるけどもそこじゃない。というか、この場の雰囲気で自己紹介って何?事後紹介の間違いじゃないの?

 

 

「そう…………だから、咲夜はスタンド使いなんだな?」

 

「そゆこと」

 

 

何勝手に話を進めてんのアンタら。そして、その青年は俺たちの方を見る。

 

 

「えー……まぁ、よろしく……碓氷勇人です……」

 

「ん、宜しく。ご紹介された通り、五十嵐京谷だ」

 

「こちらの世界の方の私なら知ってるかもしれないけど十六夜咲夜よ」

 

 

いや何でこうなったよ?こんな自己紹介聞いたこと無いぞ。

 

 

「よし!とりあえず、永遠亭に戻りましょ?そこでゆっくりと自己紹介をしましょう」

 

 

何勝手に話纏めてんの!?というか、永遠亭って………今言ったの?うわっ………スゲー寒気がする。

 

 

「それに、その傷じゃねぇ?」

 

「ああ、俺のせいだな。すまない」

 

 

ふと、青年の………いや勇人君だったか。勇人君の胸の傷を見る。これはやっちまったという罪悪感も芽生えちゃったよぉ。

 

 

「え……いや……問題無い……こういうの……慣れてるから……」

 

 

………いや慣れてるの可笑しいよね?何で痛みとか傷に慣れてんの君!?それとも何か!?この世界がそういう世界なのか!?俺たちの世界どちらかと言えば平和なのかな?(思考放棄)

 

 

「えーっと、勇人だったよな?とりあえず、妖夢も運んで永遠亭に行こうぜ?」

 

「あ、ありがと」

 

「それじゃあ、永遠亭に直行ね」

 

 

この世界の紫さんがスキマを開いて中に誘導していく。残りの3人も事態が把握出来たのか、紫さんのスキマへと歩みを進める。

 

勇人の方はというと、倒れている妖夢を抱えて入ろうとしていた。

 

 

「ありゃ、中々大胆な奴だな」

 

「??こっちの方が運びやすいだろ?」

 

「わ、私にしてくれてもいいのよ?京谷?///」

 

 

………オッケイ、後で必ずしようかね。いや、こんな可愛い彼女の照れ顔見れただけで嬉しいんだけど!!

 

 

「勇人さん、妖夢さんは私が運びます」

 

「そうですよ、勇人さんは怪我人なんですよ?」

 

「いや、大丈b「「運びます!」」アッハイ」

 

 

………この世界の早苗と鈴仙は勇人の事が好きなんだな。はっきり分かんだね。

 

 

「苦労してんだな……」

 

「苦労……かな?」

 

「…………こいつ、ダメじゃね?」

 

「ええ、まさか天然型女たらしなんて」

 

「ごめん、意味分かんない」

 

 

成る程、主人公にあるハーレム属性というやつですか。面白い………とでも思った?メタイけどベタだね。

 

 

「はいはい、そんな事はみんな知ってるから行くわよ」

 

「え?俺はそんな奴じゃない……」

 

 

そんなこんなでスキマで永遠亭に向かうよ。怖いけど。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

はい、永遠亭に到着しました。

 

 

「失礼するわよ〜」

 

「失礼と思うなら入らないで頂戴」

 

「貴女も酷いわね、全く同じ事を勇人が言ったわ」

 

「ただいま戻りました。師匠」

 

「あら?みんな戻って来ちゃったの?早いわね」

 

「いや……そういうわけじゃないんです……」

 

 

兎も角、一応警戒してスタンドを何時でも出せる準備しといて。咲夜はナイフに手をかけています。

 

 

「ねぇ、そこの2人は誰なのかしら?」

 

「違う世界からの助っ人よ。勇人1人じゃあ、きついかなってね」

 

「ふーん……それにしては向けるべき敵意が違うんじゃないの?」

 

 

いや確かにそうなんだけど………どうにも条件反射で………

そこで勇人が俺たちに話しかけてくる。

 

 

「永琳さんの言う通りだな。なんで警戒してんだ?」

 

「永琳が飛び付いてくるかなーって……」

 

「そんな事をしたら絶対に許さないわ」

 

 

それで頭に疑問符を浮かべる勇人。なので訳を話します。

 

 

「いやぁ……こっちの永琳はだな……俺を見るなり抱き着いてくるんだ」

 

「え、永琳さんがか?向こうの方は色々違うんだな……まぁ、こっちはそんな事はしないと思うけど……」

 

「そうか、なら安心だ」

 

 

ほっ、良かった。永琳の抱きつきで首に痛みが走ったり、鳩尾にクリーンヒットして死にかけたりetcetc………

 

 

「で、本当に何しに来たの?」

 

「この2人とは初対面なので落ち着いて自己紹介ができるようにと……」

 

「その傷の治療ね。毎度毎度怪我してくるなんて物好きね」

 

「いや、好きでやってないです……」

 

「はいはい、えっと……これまた綺麗に斬られたわね。縫わないといけないかしら?」

 

「また……」

 

「入院ね」

 

 

お世話になってるんだね、永遠亭に。それだと凄い傷ついたりしてるんだね。俺スタンドだからよく分かんないや。

 

それはそうと、勇人の表情が良くなっていってる。あれ?もしかして行くの面倒だったのかな?

 

 

「それだと俺はあの城にはいけないよな!」

 

 

嬉しそうに言うねぇ………多分無意味だけど。

 

 

「あら?その必要は無いんじゃない?"あれ"があるでしょう?永琳?」

 

「確かにあるわよ」

 

 

あれ?何だろあれって?それはそうと勇人が血相を変えて怯えているね。しかも滝の様に汗を流してるね。んまぁ、だろうと思った。

 

といっても、あれとは何か知らないので咲夜と話していくが。

 

 

「あれってのはね、飲んだら1発で身体の傷が治療できる魔法のお薬よ」

 

「1発で?そりゃあスゲーな。それってどんな傷でもか?」

 

「ええ、私の最高傑作の内の1つになるわね」

 

「へぇ……だったら飲めばいいだろ?なんでそこまで拒否るんだ?」

 

「飲んだ事が無いからそんな事が言えるんだ……お、俺はゆっくりと治癒した方がいいと思う」

 

「そんな訳にもいかないわ、だってねぇ……あの城に行ってもらわないと」

 

「お、俺がいなくても問題無いだろ?」

 

「あら、まさか事もあろうにこの2人に投げやるつもり?」

 

「………………ッ!!!」

 

 

はい、紫さんに論破されちゃったね。残念。

 

 

「ほら、薬を飲みなさい。はい、あーん」

 

「の、飲みたく無いッ!!」

 

「あら、強情ね。そこの2人、抑えといて」

 

「お、おう……」

 

「まるで子供ね……」

 

 

という訳で、勇人君の腕を掴んで動きを止めます。

 

 

「HA☆NA☆SE!!嫌だッ!!」

 

「はいッ!!」

 

「ムグゥ……!!」

 

 

無理矢理飲まされる勇人君。聞いてみると、この薬は一瞬で治せるけどタンスの角に小指ぶつける位の痛みが襲って来るんだって。痛みの度合いがイマイチピンとこない。

 

でも、凄い叫び声を出している。スゴーイ!!君は大きく悲痛の声を挙げれるフレンズなんだね!!(どうでも良い)

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

はい、今ね部屋に集まって自己紹介をするんだってさ。………さっきは?あ、あれは勇人君にか。

 

 

「それじゃあ、自己紹介を始めましょうか」

 

「あのー……私、目覚めたばかりなのですが何がなんなのか……」

 

「そんな事は後から分かるわ。取り敢えずしっかりとした自己紹介をしましょう」

 

「まずは助っ人の方からよろしくね」

 

 

しゃあないか。取り敢えずだしな。

 

 

「一度言ったがもう一度言う。俺は五十嵐京谷だ。戦いの中で分かったかもしれないがスタンド使いだ。スタンドの名前は『変化者《チェンジャー》』能力は主に【変化する能力】と【共鳴する能力】。まぁ、能力の説明を簡潔に言うと見たスタンドの能力、大きさや性質をそのままそっくりに、変化できる。また、スタンドによるものではない能力から該当するスタンド能力も得ることができる。条件はあるがな」

 

「私は京谷の彼女である十六夜咲夜よ。多分、大体はここの私とは変わらないわ。スタンド使いであると言う点では違うけど。私のスタンドは『J・T・R』能力は【殺す能力】よ。この能力は物理的にもだけど事象とかも殺すことができるわ」

 

 

そこで感慨深く早苗が尋ねる。

 

 

「へー……スタンド使いって実在するんですねぇ……てっきり漫画の世界だけかと……それに、あんなに堂々と彼女宣言できるなんて……あ、私は東風谷早苗です」

 

「ああ、知ってるよ。こちらの方でもお世話になってるからな」

 

「そうですか!では、向こうの私はどんな感じでしょうか?」

 

「…………スタンド使いだ」

 

 

迷惑な。が前に着くけど。

 

 

「ほ、本当ですか!わ、私がスタンド使いだなんて……!!」

 

「まぁ、こちらではスタンド使いになってる奴は多いがな」

 

 

続いて鈴仙に向く。

 

 

「えっと……鈴仙・優曇華院・イナバよ……よろしく……」

 

 

あるぇ?こっちのとは大違いだな。こっちは普通に接してくれてるのに。

 

んで、永琳から聞いてみると勇人の事に関してはよく喋るらしいので、やってみた。

 

 

「れ、鈴仙は勇人とどんな関係なんだ?」

 

「「「!!!?」」」

 

「そ、そうですね……私は将来の勇人さんのお嫁さんです!!キャッ!!」

 

「寝言は寝てから言いましょう。鈴仙さん?」

 

「そうですよ……いつそんな事が決まったんです?」

 

「お、落ち着こうぜ!!ほら!!次の自己紹介を!!」

 

 

何か修羅場が生まれちゃった。助けて咲夜ぁ~。

 

 

「はぁ……魂魄妖夢です。幽々子様の剣術指南役。また、白玉楼の庭師です」

 

「うん、こちらの方とあまり変わりは無いようだな。しかし、スタンド使いでも無いのにあの動きはすごいな」

 

「師匠の指南のお陰です。とは言ってもまだまだです。師匠のようにはいきませんから」

 

 

次は妖夢。こちらは凄かったね。だってスタンド能力無しであれだしね。強いよ。

 

 

「ここまではこちらにもいたが……次からは全く知らないな」

 

 

と言いながらじいさんに顔を向ける。

 

 

「うむ、わしはあっちで白目剥いとる者の祖父じゃ。まぁ、今はただのジジイじゃが元は神様じゃ」

 

「それまたなんで人間に?」

 

「人間に憧れた、それだけじゃ。能力は【神力を宿らせる程度の能力】。その名の通り神の力を与えるぞ。ま、わし自身の戦闘はさっぱりじゃが」

 

 

ふぅん。月君聞いたら、どんな反応するかな?

 

 

「で、最後なんだが……」

 

「肝心のあの子はぐっすりだけど?」

 

「そうね……叩き起こすって言う手もあるけど流石に酷かしらね。私が紹介するからそれで勘弁して頂戴。あの子、昨日までずっと仕事でお疲れちゃんなのよ」

 

「お、おう……」

 

 

勇人………憐れ。んまぁ寝ていたいのは分かるよ。でもね、ヘブン・クラウドはヤバイから。寝てる場合じゃないから。

 

 

「それじゃあ、あの子の名は碓氷勇人。教師をしてるわ。それとここの幻想郷のパワーバランスの一角を担ってもらってるわ。能力は【物事を不変にする程度の能力】」

 

「不変にする……」

 

「難しく考えなくていいわ。そのまんまの意味よ。変わらない、それだけ。落ちるという事が絶対に起こり、それ以外の事が起こり得ない。そんだけよ」

 

「それでか……」

 

 

成る程、漸く繋がった。あの時【真実を上書きする】能力が効かずに弾かれたのは、能力の相対性があったから。

 

【不変】と【上書き】または【殺す】。これによって能力の相殺が起こったのか。

 

 

「っとこのぐらいかしら?それじゃあ、あの城については貴方の方が詳しいだろうし、案内してあげて頂戴」

 

「あいつ寝てるが?」

 

「大丈夫、誰かが運ぶから」

 

「あんた、鬼畜だな……」

 

 

この世界の紫さんは鬼畜。はっきり分かんだね。兎も角、ヘブン・クラウドに向かうよ。勿論、俺は真実上書きさせて翼生やして飛ぶけど。

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、どうも皆様。うぷ主の鬼の半妖です。

やはり、別世界の住人は何処か違っている。はっきり分かんだね。うん。次回は………あれ?ちょっとー!!カンペだしてよー!!

次回、追憶の天空城

お楽しみに。

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