これは人外ですか?いいえ、ただの人間です(凍結)   作:爆走ボンバー人間

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お久しぶりです!長らくお待たせしてしまい申し訳ございません!




あまりのバカらしさに

イッセーSIDE

 

暗い夜の中、俺と木場と子猫ちゃんはこの町にある廃教会へと急いでいた

 

目的はアーシアを堕天使たちから助け出す事

 

アーシアとはたまたま公園で会って、初めての場所で教会の場所が分からず困っていたため

放っておけず案内をしてあげたのだ

 

最初は金髪美少女シスターと一緒にいられる!!って喜んでたけど…

 

アーシアも俺と同じで神器を持っていた

 

それは癒しの力を持っていて怪我をしている子を治してあげたのだ

 

だが、その力で教会から聖女として崇められていたのに、悪魔を助けてあげただけで魔女と罵り教会を追放したらしい

 

こんなに優しい心を持っていて、頑張っていたアーシアを勝手に聖女に仕立て上げたくせに少しでも自分たちの

思っているものと違ったら切り捨てるなんて勝手なことに、ふざけるな!と心の底から怒りが湧きあがった

 

アーシアは聖女だったから友達がいなくて寂しいと言っていた

 

だから俺はアーシアと遊んで友達になった

 

 

これからも面白い事を、楽しい事を教えてやるって言ったのに

 

 

なのに

 

 

俺が弱いせいで、アーシアは堕天使にさらわれた

 

俺が怪我したせいで、アーシアは堕天使の所に戻ってしまった

 

俺のせいで……

 

 

 

俺はアーシアを助けたい

 

部長と口論になって、ダメだと言われても出来なかった

 

俺は友達を…アーシアを見殺しにする事なんて出来ない

 

一人でもアーシアを助けに行こうとする俺に、木場と子猫ちゃんは手伝ってくれる事になった

 

正直、木場はイケメンでモテるから気に入らなかったけどこんな俺のわがままに付き合ってくれる二人に俺は感謝しか出てこなかった

 

そして教会へと向かっていた時

 

 

 

 

いきなり教会が炎に呑みこまれた

 

本当に突然の出来事で俺たちは燃え上がる教会を遠目に見ながら呆然としたが、すぐにアーシアがあそこにいる事を思い出した

 

「…ッ!アーシア!!」

 

全力で教会に走る

 

坂や階段を上り、一直線に向かう

 

息が切れ、呼吸が辛くなってもアーシアの事を思い、立ち止まる事なく走り続けた

 

そしてやっと教会の前まで到着するとそこには三人の人がいた

 

「部長!姫島先輩!」

 

「イッセー!」

 

そこにいる三人のうち二人に俺が声をかけると二人は俺に気付く

 

こっちに視線を向けていたのを部長と姫島先輩はすぐに視線を戻した

 

その視線の先には残りの一人が佇んでいた

 

体全体を覆う黒いローブを纏っていて身長以外の身体的特徴は見えず、顔は狐のお面を被っているため

顔も分からない

 

男なのか女なのかさえ分からない、いかにも怪しい奴が燃え上がる教会を背に俺たちと対峙していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

志希SIDE

 

「やぁ無能な悪魔さん達、こんばんわ。ただの放火魔ですが何か?」

 

ここへとやってきたこの駒王の管理者(笑)であり、魔王サーゼクス・ルシファーの妹である

リアス・グレモリーとその謇族の女王(クイーン)である姫島朱乃に俺は開口一番に喧嘩を売るような

一言を渡した

 

それに顔をしかめるグレモリーは言葉を返す

 

「ただの放火魔が何故こんな廃れた教会で火遊びなんかをしてるのかしら?ひょっとしてこんなちゃちな事をして快楽を得るような小物さんなのかしら?」

 

「私がそんな小物に見えると言うなら、君の眼は節穴ということになるな。私はただ、ここにいる烏共が気に食わなかったから少しお仕置きをしてやろうと思っただけだよ。意外にもあっさりと終わってしまったものだから、つまらないものだったけどね」

 

「そう、それは残念ね。それで、あなたは何者なのかしら?何が目的?」

 

「君はさっきの話を聞いていなかったのか?最近の悪魔は記憶力も悪いらしいな」

 

「つまらない冗談はもういいわ。とっととこちらの質問に答えなさい」

 

「せっかちな悪魔だな。それに会って間もない人物に命令するとは…流石は悪魔と言ったところか?」

 

俺の皮肉や挑発に見て分かるくらいにどんどんグレモリーの眉間が寄って行き、険悪な雰囲気になっていく

 

だが、それでいい

 

こういうふうに相手を挑発し、イライラすればするほど冷静な判断が出来なくなる

 

そうすれば万が一、いや億に一でもヘマをしたとしても気付かないだろうし、逆に相手がヘマをすればこちらの得となる

 

「まぁ、話すにしても話さないにしても、そろそろ来るお客も一緒の方が手っ取り早いだろう」

 

「部長!姫島先輩!」

 

俺が言った直後に兵藤の声が聞こえてくる

 

「イッセー!」

 

そこでグレモリー達も兵藤たちの到着に気付くがすぐにこちらに視線を戻す

 

後からやってきた兵藤は燃える教会と俺という怪しい奴に困惑し、木場と塔城はグレモリーのそばまで行き

拳と剣を構えて、警戒態勢に入る

 

「そんな露骨に警戒されると私でも傷つくんだがなぁ」

 

「そうかしら?全然そんなふうには見えないけれど」

 

「それは君が悪魔で、見る目がないからじゃないのかね」

 

「何だとてめえ!!俺たちの部長に見る目がないわけないだろ!ふざけた事言ってんじゃねえ!」

 

グレモリーに対して言った皮肉に兵藤が反応して突っかかってくるが、仲間がそれも自分たちのキングであるグレモリーがバカにされるという事は自分たちもバカにされているようなものだからなぁ

 

残りの奴らもあまり顔には出さないようにはしているが、明らかに怒りが見える

 

まぁ、兵藤はそんな事とは関係なく怒っているんだろうが…兵藤らしいといえば兵藤らしい

 

これで悪魔でなければ……イヤ、今さらこんなことを思うだけ無駄か

 

「自分たちのキングに対する忠義心は関心するが、いいのかな?君は私に用があって来たわけではないのだろう」

 

「!そうだアーシア!アーシアァァァァァ!!!」

 

「兵藤君ダメだ!もう火が回っている!中に入る事は出来ない!!」

 

「離せよ木場!アーシアが、アーシアがまだ中にいるかもしれないんだぞ!!俺はアーシアを助けに来たんだ!行かせてくれ木場!」

 

既に火が回り、火の柱と化している教会に飛び込もうとする兵藤を木場が抑え込んで止めるが、それでも中にいるだろう者を助ける為にそれを振りほどこうとする

 

「友達になるって言ったんだ、アーシアは俺の友達で守るって言ったんだ。だから、アーシアを助けなきゃなんねえんだよ。なのに…なのに…俺は何も出来なくて、今度こそ助けようって…思ったのに…俺は…」

 

そのまま兵藤は膝をついて、声を押し殺し拳を握りしめ嗚咽をもらす

 

今兵藤の心中は自分の無力さと原因となった堕天使、そしてこの世の理不尽さに怒りアーシア・アルジェントへの後悔が渦巻いていているのだろう

 

他の奴らも兵藤の心を察して目を伏せる者、共感する者、自分の不甲斐無さに歯をかみしめている者など

 

全員が兵藤の事を心配する奴らだって事は、第三者が見ればほとんどの者は分かるだろう

 

 

 

だが

 

 

 

「フフフ……ハハハ、ハハハハハ……」

 

 

 

そんな事をしているこいつらを見ていると、本当に

 

 

 

「ハハハハハハハハハハッ!!アハハハハハハハハハハハハッ!!!」

 

あまりのバカらしさに笑えて来てしまう

 

俺は耐えきれず仮面越しに顔を抑えて大笑いする

 

「何を笑っているのかしら?私の可愛い下僕を笑っているのだとしたら、その罪、万死に値するわよ…!」

 

当然こんな場面で笑えば、誰でも喧嘩を売っているようなものだろう

 

グレモリーが俺の事を不愉快なものを見るように体に滅びの魔力を迸らせながら睨んでくる

 

他の奴らもこちらを敵意たっぷりの目で睨んでくる

 

「ハハハハハハハ、こ、これが笑わずにいられるか!お前らの道化っぷりは、ハハ、本当に笑わしてくれる!」

 

 

「こんな事になったのも、全ては貴様たちの無能さが招いたことだろう。そこで無様に醜く這いつくばっているガキが言っているアーシアというのは、堕天使たちのお目当てだったシスターの事だろう?」

 

 

その言葉に兵藤がピクリ、と僅かに反応する

 

 

「哀れな少女だったものだ、神をあれほど信仰し敬愛し教会に尽くしてきたというのに簡単に捨てられ、

堕天使に拾われ呆気なく生を終えたのだからな。いやはや、あまりにもちっぽけなものだ」

 

 

ギリッ、と歯がきしむ音がした

 

そうだ、それでいい

 

 

「神に見放されたのもうなずけるな。聖女でありながら、悪魔を癒すだけでなく友達になるなど。完全な背信行為だ。そんな者が聖女にふさわしいわけがなかったということだ。結局彼女はその程度の者だったということだ」

 

「…ま、れ……だまれ……」

 

 

僅かに声が聞こえてくる

 

そろそろ、いいころだろう

 

最後に締めの一言をくれてやる

 

 

 

 

 

 

「彼女には何の価値もなかったということだ。イヤ、最後には命と共にその能力で誰かの役には立てたから少しは価値があったのだろうな。逆に言えばそれ以外に価値がない無意味なものだったのだろうがな」

 

 

 

 

その言葉が

 

 

 

「黙りやがれえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!」

 

兵藤の怒りの最頂点を突破させた

 

「好き勝手言ってんじゃねえぞ手前!!アーシアはな…アーシアは誰よりも優しい子だったんだよ!!

アーシアの事を何も知らない奴がアーシアの事をバカにすんじゃねぇ!!」

 

「バカになどはしていない。客観的に見て彼女の行動がどれだけ愚かであったかを述べただけだ。

それに優しい事は良い事かもしれないが、それが逆に彼女をそんな目にあわせたのではないか?」

 

「ッ!…確かにアーシアの優しさが自分を苦しめる事になったのかもしれねぇ。でも、アーシアは自分がどんなひどい目に遭っても、どんなに辛い事があっても耐えてきたんだ!そんなあの子の事を…アーシアを

バカにするんじゃねえ!!!」

 

そう叫ぶ兵藤の左手に赤い篭手の神器が現れる

 

形状から見たらそれは『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』、持ち主の力を倍にするありふれた神器である

 

だが、今の兵藤の神器からはそんな低級の神器とは思えないほどの力があふれている

 

「ウオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォ!!!」

 

『Dragon Booster ‼』

 

兵藤の咆哮と同時に神器の宝玉が光り輝き、形が変化する

 

そしてその篭手の宝玉には龍の紋章が刻まれていた

 

 

 

それを見て、俺の推論が確信へと変わり、仮面の内側で口元に笑みを浮かべる

 

面倒な事をした甲斐があったというものだ

 

「てめえは俺が、ぶっ飛ばす!!!」

 

『Explosion!!』

 

俺に突っ込みながら神器を発動させ、あと少しで殴られるというところで

 

 

 

 

 

「イッセーさ~ん!」

 

気の抜ける穏やかな声で兵藤を呼びかける者がおり、反射的に兵藤がそっちを見ると

 

「イッセーさ~ん!何してるんですか?」

 

ラットと部下のネズミ達に囲まれて戯れているアーシア・アルジェントの姿があった

 

「ええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!???」

 

いきなりの事に兵藤は驚き、脚を躓きその勢いのまま地面へと顔からダイブする事となった

 

 

その様は無駄であるが、一切無駄のない綺麗なダイブであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




中途半端な所で終わらせてしまい、
誠に申し訳ございません!!orz

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