空戦魔導士候補生の教官~紅と黒の剣聖~   作:瑠璃色伽瑠摩@氷蓮つらら
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今回は名前の通り、2人をママ、パパと呼ぶ謎の少女が登場します!


俺がママで、ユーリがパパってどういうこと!?

「うーん、本当にチームワークのない小隊だな」

滞空したカナタが難しい貌を浮かべながら、クラハ達の様子を遠方から窺っている。 いきなり訓練開始を告げられ、小隊長がきちんと仲間を纏めることが出来るかも重要な確認事項だ。 暫くしてクラハが一定の高度のまま真っ直ぐ加速しながらカナタに襲い掛かった。

「くたばりやがれ!」
「そんな大ぶりじゃ当たんねえよ」

クラハの左手から振り降ろされるダガーをカナタのダガーが破壊し、がら空きの腹部に蹴りを入れる。

「・・・かはっ!?」
「クラハ、昔より腕が落ちてるぞ。 動きが大きいし、攻撃パターンが単純すぎる。 それじゃあ、ランキング戦ですぐに負けるぞ」
「はっ! 勝ち誇ってんじゃねえよっ!」

クラハがニヤリと笑い耳元のインカムでとある少女の名前を呼んだ。

『リコ、今だ!』
『ふっ、分かっている』

遠くにいたリコがスナイパーライフルを構え、魔力弾を放った。
それはカナタへと一直線に飛んでいく。

「ちっ!」

舌打ちをしてカナタはその魔力弾の射線上から出ようとする。 が、カナタの進行方向を塞ぐようにクラハが立ちはだかる。

「行かせるかよ」
「少しはやるじゃねえかっ!」

カナタは不敵な笑みを浮かべて、背後から迫る魔力弾にタイミングを合わせダガーで斬り裂くのと同時にクラハが突き出してきたダガーの勢いそのままに右腕を掴み速い動きで向かってきたレクティに向けて放り投げる。

「う、うおぉぉぉぉ!? わぷっ!?」
「きゃ!?」

クラハはレクティの持つ小柄な見た目に似つかわしくない大きな胸に貌が埋まる。 少女の小さな悲鳴が響く。 その隙にカナタは加速し逃げる。

「わ、悪ぃ! レクティ」
「い、いえ....こ、こちらこそ・・・そのぅ、ご、ごめんなさいっ! (ごちんっ!)」
「痛っ!」

レクティはあたふたと慌ててお辞儀をし、勢い余って少し下に位置していたクラハの頭頂部に額をぶつける。 顔を赤く腫らしたレクティはその目に涙すら浮かべていた。

「だ、大丈夫か?」
「は、はいっ! だ、大丈夫ですっ!」
「そっか、ならまだやれるな?」
「は、はい!」

クラハはレクティの頭を軽く撫でて飛び出した。

『ミソラ! 今どこにいる?』
『お兄ちゃん! 今アイツを追ってるところよ』
『了解した。 お前はそのままカナタ先輩を追い続けてくれ! 隙が出来た所をレクティと俺で撃墜する! リコは撃てる時は撃ってくれ! 後で何でもいうこと聞いてやるから!』
『分かったわ!』
『ふっ、約束は必ず守れよ、クラハ』

スナイパーライフルを肩に担いで傍観していたリコは女神のような貌を不敵な笑みに変えてカナタに照準を合わせる。

「よし、レクティはカナタ先輩と目を合わせないように背後から奇襲で頼む。 俺は前から斬りかかる」
「は、はい! わ、分かりましたっ!」

クラハとレクティはカナタのあとを追い始めた。


「ふーん、結構おもしれぇことになってきたな。 そ〜思わねえか? ミソラ」

カナタはぶんぶんと白銀の魔砲剣を振り回す紅髪の少女、ミソラに呑気な声で話しかける。

「そんなこと知らないわよ! ってかなんで当たんないのよ!」
「そんなもん、お前がハンマーみたいにぶんぶん振り回してるからだろ。 もっとさー、鋭く振り回したり出来ねーのかよ?」

ミソラの剣戟は『斬撃』というより『打撃』に近い。 溜めが長く剣速が遅いため、飛行魔術を駆使して大空を自在に駆け巡りながら戦闘する空戦には不向きであることに加え、魔砲剣の長大な剣身にミソラの華奢な体が振り回されすぎていたりもする。

「うっさいわねっ! とっとと堕ちなさいよ、この裏切り者っ!」

正直、ミソラの魔剣術に関してはお粗末すぎて目も当てられない。
だが、それ以外のある才能に先程からずっとカナタは思考を奪われていた。 そして自分の考えが本当に正しいかどうかを試すために、ミソラの不意を突き〈ホウキ〉の速度をトップギアへと上げ、一気に間合いを取る。

「ちょっとっ! あんたまさか逃げるつもりっ! ビビったんじゃないでしょうねっ!」

カナタが駆使したのは通称、接近封じ(クロスプリベント)。 相手と同じ方向に加速する事で相対速度をゼロに、相対距離を縮めさせない戦術。 つまり、ミソラはカナタに近づくことが出来なくなるのだ。
どんな強者であっても近接武器を扱う限り手も足も出なくなる。 魔砲剣を扱うミソラにとって、それは致命的な戦術になる・・・・はずだった。
だが、次の瞬間には、そんな卑劣な戦法を取るカナタの口の端が不敵に攣り上がる。 その瞳に視界一杯に広がる姿はミソラ。 伸ばせば手が届くような距離だ。 彼女は風を切る駿馬の如く瞬く間に距離を詰めてみせたのだ。

「とっとと堕ちろって言ってるじゃないのよっ!」

連続する剣戟を避けながら、カナタはミソラのことを素早く分析し続ける。 瞬きする間と錯覚させるかの如き速度力。 それは少なくともFランク小隊の隊員には為し得ない動きだ。 飛行魔術の速度力は思念魔術による浮力の発現。 魔力制御による推進力へ魔力変換。 重心移動と風を読み駆け巡るバランス感覚。 これら三つの生まれながらの素質に大きく依存するといわれている。 単に体躯が大きければ速いという訳では無い。 ミソラの飛行魔術は初速から最高速度に達するまでの所要時間が圧倒的に少ないのだ。そしてそれが相手との相対距離を読み違えたかのような錯覚すら生み出す。 ではスタミナの方はどうか? 肩で息しているようだがスタミナはまだ余裕があるようだし、スピードは衰えているように見えない。

「なら、これについてこれるかよ」

追随しようとするミソラに対し、カナタはより緩やかに上空に逃げるかのように振る舞いつつ、ここぞというタイミングで自身の〈ホウキ〉の後部をがっと蹴り上げた。 途端に〈ホウキ〉に大きな空気抵抗。 穂先が大きく上へ仰け反りながら上空でくるりと一回転。 カナタも身を捻ることで、瞬く間に進行方向を真逆へ。 だが速度過剰で直線運動中の彼女は、そのまま交差してすれ違うほかなく彼を追いかけることが出来ない。

簡単なフェイントに騙されるのか・・・・
スピードもスタミナもあるようだが、スキルがないようだな。

カナタはミソラの分析をし終える。 と、背後から殺気。 カナタはダガーを後ろに振る。

ガキィッ!? 金属の擦り合う音が大空に響く。 それはダガー同士がぶつかった音。

「ちっ!」
「惜しかったな、クラ・・・」

今度はさっきまでカナタが向いていた方から何かが背中をさするようなゾクッとする感覚を覚える。 彼はクラハのダガーを破壊し、右手を掴んで背負い投げをかます。 その勢いに不意打ちを狙っていた金髪碧眼の小柄な少女、レクティが斬りあげようとした二振りの魔双剣〈アマノハバキリ}をクラハにあたるスレスレで止める。

「まだ気配が残ってるぞ、レクティ。 それじゃバレバレだ。 それと、クラハは体を張りすぎだ。 そのままじゃお前、魔甲蟲に殺されるぞ」

カナタはクラハとレクティにそう言って再び加速する。

「くっ、逃がすかっ!」
「に、逃がしません!」

クラハとレクティはどんどん距離を離していくカナタの後を追いかける。 と、加速中に、リコからの通信。

『クラハ、奴の動きを止めろ』
『んな事言ってもよ、カナタ先輩速すぎんだよ!』
『ふっ、安心しろ。 あのバカがまだいるではないか』
『だ、誰がバカよ!』
『今は私に従え、いいから三人で奴を止めろ。 後は私が仕留める』
『外すなよ、リコ』
『ふっ、私を誰だと思っている。 人類を超越した女神だぞ』

リコはイタい発言をして通信を切った。
クラハは苦笑いを浮かべ、レクティと共に更に加速する。

「逃がさないわよ! この裏切り者!」

簡単なフェイントに引っ掛かっていたミソラがやっとのことでカナタの元まで追いついた。

「うわー、ミソラ。 お前まだ体力余ってたのかよ。俺もうお前らの相手疲れたんだけど」
「な、なんでそんな残念がるのよっ! あ、あたしがまだ元気あるんだからあんたを捕まえるまで訓練するわよ。 あたしがあんたより強いことを今ここで証明してやるわっ!」

それから暫くの間、カナタとの鬼ごっこが続いた。 結局、訓練の結果は惨敗。 リコが考えた作戦は途中まではよかったが、カナタが上手く射線上にミソラと被るように動くため、リコは魔力弾を放つことが出来ず、最後は全員(リコは自主的に離脱)がスタミナ切れになった。


訓練終了後の更衣室。 シャワーを浴びて汗を流したあと、クラハ以外のミソラ達三人はそれぞれ下着姿になって着替えをしていた。

「あーもうムカつくっ! なんで四人もいてあいつ一人を捕まえることが出来ないのよっ!」

苛立ちのあまり背中のホックを中々留めることが出来ないミソラ。 ブラジャーを身につけることが出来ないでいる。 そんな空気を敏感に感じ取ったレクティは隣で下着をちょうど身につけ終えたらしく、ふとミソラの方へと貌を向け、

「そのぅ....ミ、ミソラさんっ! わ、わたしのチカラが及ばず、ご、ごめんなさいっ!」

ぺこりとお辞儀してみせた。 そこできょとんとしたミソラがはっと気づき、

「それとあのぅ....後ろのホック、留めましょうか?」
「あ、ありがとっ。 そのさっきの件だけど、レ、レクティのせいじゃないわよっ! 今考えてみると、あたしも周りが見えてないことがあったし、そういえばずっとお兄ちゃん頼りにしてたし」

粛々と自分の過失を認め謝る。 そうだ。 これこそが小隊長としてあるべき態度なのだと、ミソラが落ち着きを取り戻そうとしていたとき、

「ふむ。 確かにミソラの言う通り、小隊長としての全体把握は不十分だったな。 それにせっかく私が考えた最高の作戦を潰してくれたしな。 レクティとクラハはしっかり出来ていたというのに」

冷や水を浴びせられ、ムッとしたミソラがリコを睨みつける。 そんなリコはまだ着替え中というか、先程から自分の美貌2に目を奪われているようで下着だけ身に着け、備え付けの姿見に映る己の姿見に見惚れている始末だった。

「ふっ、美しいという言葉は私のためにある」

何やら感慨ぶかそうに口にする。 ただのナルシストでしかないのだが、それでもその容姿に関してはミソラも見惚れるというか羨ましいものがあり、自分の胸のあたりと比較すると明らかに大きくて、トップとアンダーの均整がとれていて、弾力もありそうで・・・

「ふむ、どうかしたのか?」
「な、なんでもないわよ・・・っ!」
「ふっ、わたしの方が胸も大きく身長もあるのは当然のことだ。 美しいという言葉はわたしのためにあるからな」
「〜っ! べ、べつに誰も訊いてないじゃないのっ! む、胸が大きいかどうかなんて大した問題じゃないわよっ! そ、そうよね、レクティ」
「えっ? そのぅ....そ、そうなんですかっ?」

そうしてミソラはふとレクティに注目する。 小柄なレクティはというとロリっ娘体形のくせにじつはその胸が豊満なものでいわゆるロリ巨乳の体現者であり・・・・

「う、うそっ! な、ななな、なんでレクティがあたしより胸が大きいのよっ!」

まさかのレクティに絶望するミソラ。
まさか自分より背が低いレクティまでこんなに胸が大きいなんて・・・・そしてそんなときにリコが、

「べ、べつに気にすることはないと思うぞ。 なぁレクティ」
「そ、そうですよねリコさんっ! 胸の大きさで全てが決まるわけじゃないですよね」
「あ、あんたたちっ!」

珍しくリコが救いの手を差し伸べてくれ、ミソラが少しだけリコのことを見直した気持ちになる。 口ではなんだかんだ言いながら気遣いが出来る奴なのかもしれないとも。 だがリコの言葉には続きがあった。

「そう。 胸の大きさが全てではない。 べつにわたしたちのように胸が豊かでなくとも、たとえミソラのスタイルがキュキュチリーンであったとしてもだ。 なぁレクティ」
「そ、そうですよっ! 仮にミソラさんの胸がキュキュチリーンであったとし・・・」

そこでレクティは失言に気づき、慌てて自分の口を塞いだあと、

「な、ななな、なんてこと言わせるんですかリコさんっ! ・・・・ミ、ミソラさん、違いますよっ! そ、そんなことぜんぜん思ってないですからねっ!」

なんて言葉は既に怒りがピークに達しているミソラには届くわけもなく、
「う、うぅっ! リ、リコっ! あ、あんたあたしに何か恨みでもあるのっ! 今回の鬼ごっこだってあんたはあたしに協力しなかったじゃないなのっ! なのになんでお兄ちゃんには協力するのよっ!」
「ふっ、わたしはミソラのことを小隊長と認めたわけではない。 そもそもなぜ女神なわたしがミソラの下でなければならないんだ? 」
「だってこの小隊を創設したのはあたしだもん。 あとから所属することになったあんたよりも、発起人であるあたしが小隊長になるのは当然のことでしょ」
「その道の先達だからといって尊敬されるとは限らない。 学校の先輩だからといって、尊敬に値しない人間に敬語を使わないのと同じことだ」
「その理屈だとあんたって誰にも敬語使わないんじゃないの・・・?」
よくわかったな。 女神なわたしが敬語を使うに値する人間はこの世界に存在しないぞ」
「あのね、少しはもっとこう常識ってやつを身につけなさいよっ!」
「ふむ、ミソラ。 キミは常識という眼鏡に捉われた頭でっかちだと言われることはないか」

じりじりじりじり。 ミソラとリコの間で何やら不穏な空気が流れる。 おどおどとレクティが割って入る。

「ミ、ミソラさんっ! リコさんっ! お、落ち着いてくださいっ!」
「ちょっと黙ってなさい、レクティ。 いまリコの五月蝿い口を黙らせるからっ!」
「そうだレクティ。 女神に仇なす愚か者を殲滅する好機を邪魔するな」
「は、はいっ! そのぅ・・・、ごめんなさい」

じりじりじりじりじりじり。 一触即発の空気が増し、そして半裸のミソラがリコへとだっと体当りし、リコがふっと躱し、勢い余ったミソラがロッカーへと頭をぶつけ、額を押さえながらも怒りに身を任せそのあとはもういわなくても理解できるだろう。 着替えをすませたレクティはその場から逃げるように更衣室をあとにした。


ミソラがリコに掴みかかっている頃、クラハは更衣室近くの自販機のそばに設置されている椅子に座ってほどよく冷えたペットボトルのミネラルウォーターを飲みながら先ほどの訓練を思い返していた。

「体を張りすぎだ。 それじゃ魔甲蟲に殺されるぞ」

カナタが自分に言った言葉だ。 それは自分でもわかっていた。 誰が見たって自分の行動パターンは囮ばかりで、それは全て危なかっしいということも。 それにどれだけ加速することが出来ても回避能力が低いしカナタのダガーで簡単に破壊されるほど威力の弱いダガーしか作れない。 しかし一番の敗因は、魔砲剣を使わなかったこと。 それじゃダメだと思い何度も何度も使おうと試みたが、召喚(よびだす)たびにあの時の出来事を思い出し気持ち悪くなる。

「ちっ!」

クラハは舌打ちをした。 と、そんな彼を見つめる誰かの視線。

「・・・誰だ?」

クラハは視線のする方へ顔を向けた。

「ひっ!」
と自販機の隅から少女の小さな悲鳴が聞こえた。
クラハは一度、心を落ち着かせて、

「そこにいる君は誰かな?」
と優しい声で再度尋ねた。
それから五分後。恐る恐ると自販機の隅から
レクティより小柄で胸の小さなロリっ娘が出てきた。

その少女は、艶やかで鮮やかな紅色の髪を二本の尻尾のように束ねておりいわゆるツインテールという髪型で体が震える度に生きてるかのように一緒に揺れ、ルビーのようにキラキラした紅い瞳にはたくさんの涙が溜まっていた。 服装はバランスのとれた黒と白の左右非対称で所々にZIPやチェーン、髑髏など装飾満載のロングTシャツ、黒のショーパンを銀色の髑髏が中心に付けられたベルトで斜めに締め、太ももを覆う黒のニーソックス、靴はベルトが巻き付けてあるデザインの厚底靴を身に付けている。 例えるなら、ロック系バンドが好きそうな少女だ。 だが、キャラにあっていない。

ロック系バンドが好きな女子はギャルとかじゃないの? あれ完全にビクビクうさぎ(※新約 とある魔術参照)だろ。

クラハは溜め息をついた。 そして視線を少女の元へ再び移動させると、今度は怯えた表情ではなく、母親を見つけた迷子の子供のような喜びが入り混じった表情へと変わっていた。

え? 何この娘、表情変わりすぎじゃない? ちょっとかわいいとか思っちゃったよ。 俺を萌え殺すき? 本当、この娘の親を見てみたいものだね!

「マ、マママ....」
「マ?」
「マ、ママァァァァァァァァァ!」
「へ? ママ?」

クラハは後ろを振り返り、首を傾げる。

俺の後ろには誰もいないぞ? ん? おかしい・・・・ ま、まさか、お、俺が・・・は、はははは・・・そんな訳ない。 この娘の勘違いだろ・・・・

「ママ? 後ろ振り返ってどうしたの?」
「へ? 俺?」

クラハは自分を指さして俺をキョトンとした顔で首をかしげて見つめるビクビク少女に尋ねた。

いや、キョトンとするのは俺なんですけど・・・・

「え、えーと、君の勘違いじゃないかな?」
「・・・・?」

え、なんで分からないの! てかどこをどう見たらママと間違えるの!? 君のママって男なの? 嫌だよ、そんな酷い家庭っ! 俺の父さんが母さんになってたら、ミソラ連れて家出してるレベルだよっ!

「いや、だから俺は君のマ・・・・」
「ママ.....じゃないの....?」

ちょ、そんなキラキラした純粋な瞳で俺を見ないで! なんかいじめてる感凄いから! 罪悪感しかないんだけどっ! うぐっ..... 絶対、これ違うって言ったら泣くパターンだろ。 でもこんな娘に嘘なんてつけないし....ん? てか何で、俺をママと勘違いするんだ? だってそもそも、俺は男でママは女性だろ。 自分で言うのもなんだが、顔立ちは母親似ではあるけど・・・・体つきで分かるものじゃないか? この娘、見た目からして十歳くらいかな? それなら間違えはしないと思うが・・・ とりあえず名前と理由を聞いてみるか。

「あ、えーと、きみ名前は?」
「フィリアはフィリア•スーフェナリアだよ? ママ忘れちゃったの?」


忘れたんじゃなくて君のこと知らないからね!
勝手に勘違いしたの君だからね!

「うんうん、フィリアちゃんか。 で、質問なんだけど、君のママはどんな人かな?」
「ん? どんな人ってそのままだよ? 頭おかしくなっちゃったの? ママ」

フィリアはキョトンとした顔で再び首を傾げた。

だから俺がキョトンとしたいよっ! ほんと君誰なんだよ!
頭おかしいのは君だろ! そろそろ泣くよ!

「そ、そうか、俺がママだとしたらパパは誰なのかな?」
クラハは皮肉げに尋ねた。 すると少女は躊躇なくクラハの後ろを指さした。
「は? 誰もいないけ・・・・ユーリ!?」
「クラハ・・・・その子・・・は?」
「フィリアだよ! パパ」

どうしよう・・・・ この娘、ユーリをパパとか言い出した!
え? そんなに俺、女に見えるの? 母性溢れてる?
なんか複雑な気持ちなんだけど・・・・

「ク、クラハ? こ、この娘はわ、私になんて言ったんですか?」

あ、やばいやつやわァ。 ユーリさん怒ってますわぁ
ってフィリアは俺の後ろに隠れないで!? これ俺が殺されるパターンだから! 完全にバッドエンドの未来しか見えないから!?

「お、落ち着くんだ! まだ十歳の女の子なんだぞ!
殴るなら俺をなごべるふぁ!?」

ほんとに殴りやがったぁぁぁぁぁぁぁ!?
に、逃げろ! フィリアァァァァァァァァ!

クラハは虚しくもワンパンされ、泣きじゃくるフィリアの頭にゴチンッという拳骨が響いたのと同時に、クラハは意識を失った。



次回は、『やはり僕と先輩の妹との恋愛は一筋縄ではいかない!』を投稿してから更新します!






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