Remaker   作:olva

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始まり。

少年は捻くれ者でした。

いや、捻くれ者と評されていました。

数々の苛めを受け、周りからは蔑まれる。

自分は誰かに大切にされることはないと知った彼は自然に捻くれていったのです。

素直な態度は後から何されるかわからない。

利用されるかもしれない、使い捨てられるかもしれない。

そんな恐怖が彼の根底にはあったのです。










そんな折、捻くれ者で嫌われ者の彼とも話してくれる女性に出会いました。

周りが蔑む中、彼女は彼と対等に接し過去の彼には考えられない連絡先をもらうことができた家族以外の女子でした。

しかしそんな幻想は淘汰されました。

舞い上がり思い上がった彼は彼女に告白してしまったのです。

クラスの人気者の彼女に。

彼は唯一の話し相手も失ったのです。

目の前に垂らされた彼女という糸が余りにも輝かしくて…縋ってしまった。

すでに何人も縋っていることを知らずに。

すでに彼女に縋っていたものの共通認識は邪魔者を排除するという生物の本能。

身の程を知れ、と。

その思いに彼は潰されていきました。

彼は思いました、優しい女は嫌いだと。

自分に優しい奴は他の人にも優しいはずだと。

勘違いなんて起こすなと。

様々な経験を経て彼の理性は強大なものになったのです。










そんな彼に初めて部活動という自分のグループができました。

初めこそ罰としての入部でしたが彼としては新鮮なものでした。

人と関わることが少なかった彼は自分以外の人と関わっていったお陰が今まで消してきた思いが芽生えたのです。

信頼。

彼の入っていた部活、奉仕部で彼は、表でこそ否定しますが心の中では信頼していました。

いつしか、この2人なら自分を理解してくれる、なんてことを考えていたのです。























しかし残念ながらそうはなりませんでした。

彼は惨めにも捨てられてしまったのです。

と言っても恋する乙女達からすれば当然だったのかもしれません。

自分の好きな彼があからさまに嘘な告白をし、その理由が時間が無い上に効率がよかった。

これでは納得できないでしょう。

彼は言うべきだった。

少なくとも事前に話しておけば見捨てられることも無かったのかもしれません。

時間も無いしこの依頼を達成するにはこうするしか無い、と。

そうすれば直前であったとしても今回限りと許してくれたかもしれません。

事後承諾は最悪の選択肢でした。

と、何を言っても覆水盆に返らず。

全ては無意味なのです。

そうして少年は1人になりました。



また、1人になったのです。









なんと愚かなのでしょう。

なんと滑稽なのでしょう。

望まぬ依頼を受諾させられ、1人思考し、望まぬ告白をする。

全ては奉仕部2人のためにやったことであったのにも関わらずその2人に呆気なく見捨てられる。

これが滑稽で無いのならなんというのでしょう。

愉快痛快、道化の極み。

結局彼は誰にも愛されることは無いのです。















なら私が愛しましょう。

誰からも疎外され、1人孤独になった彼を愛しましょう。

人間に捨てられた彼を人外が愛しましょう。

道化の人生を終わらせ王にさせましょう。

彼にとってのメアリースーになりましょう。




とは言っても私は直接動きません。

だから動けるもの(代理)を作りましょう。

人格を与えましょう。

肉体を与えましょう。

知識を与えましょう。

思考能力を与えましょう。

私の代わりに…いえ、会おうとすれば会えますが…彼の傍に付きなさい。

彼の味方になりなさい。

あの道化を、玉座に座らせなさい。

捨てられた彼の、強くなった彼の王政が楽しみだわ。

1人を貫くのか、はたまた国を作るのか。

どちらに転んでも中々愉しい結果になる。

貴方は執事の様に傍に控え友人として意見し教師の様に導きなさい。

王の様に傲慢で賢者の様に思慮深く戦士の様に勇ましくありなさい。

彼の敵は海賊の様に略奪し山賊の様に潰して彼を守りなさい。

彼を麻薬の様に依存させ酒の様に溺れさせて貴方を傍に置かせなさい。

彼を愛しなさい……いえ、貴方は"男"で作りましたね。

ならば盟友として彼を愛し彼に愛されなさい。

私のことは…そうね、母でいいわ。

明日からは転校生として通ってもらいます。

………あぁ。貴方の名前は……そうね。

行々林 棘(おどろばやし おどろ)

私は少ししたら行きますから先に行ってなさい棘。

























「作ってすぐに命令出すわ送り出すわ俺の母様まじブラック企業。訴訟も辞さない………まぁ待ってろや比企谷八幡。お前を玉座まで引っ張ってやるよ」






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