「ふむ。ニコラ・テスラか?知らんな。」
「何?私を知らないと?」
ニコラ・テスラが相対している男は今より遥かに未来の英雄。そして、一度文明が滅んだ世界の者、記録が抹消されてもおかしくない。それどころか、
「電気だと、それはエジソンとか言う男の功績ではないのか?」
彼にとっての逆鱗に触れた。
「は、はは、ははは。よろしい!私の存在を貴殿に刻み込んで見せよう!」
「む。来るのか?いいだろう。来い!」
ここに戦いのゴングがなった。
テスラは腕のコイルから雷を放ち、拳で戦う。対してヴァルゼライドは両手の刀に光を纏わせて戦う。両者ともに英雄と呼ばれるだけあり周囲に凄まじい跡が残るくらい激しいものとなっているが、いくらテスラがヴァルゼライドよりもこの地では有名だといえ科学者が軍人に勝てるわけがない。
それも、数多の武術を学んで隙というものを徹底的に排除したヴァルゼライド相手にだ。
次第にテスラはヴァルゼライドに押され始める。
故にテスラは一発逆転を狙い宝具発動させた。
「見るがいい。私が地上へ導いたこの輝きこそ、大いなる力そのものだ!」
「新たなる電気文明、消費文明を導きしエネルギー! 旧き時代と神話に決定的な別れを告げる、我が雷電!」
「其は人類にもたらされた
「さあ! 君たちにもご覧に入れよう!」
テスラが大きく下がり手を空に向ける準備を始めるのを見て、ヴァルゼライドも
「創生せよ、天に描いた星辰をーー我らは煌めく流れ星!」
「巨神が担う覇者の王冠。太古の秩序が暴虐ならば、その圧政を我らは認めず是正しよう」
「勝利の光で天地を照らせ。清浄たる王位と共に、新たな希望が訪れる」
「百の腕持つ番人よ、汝の鎖を解き放とう。鍛冶司る
「大地を、宇宙を、混沌を――偉大な雷火で焼き尽くさん」
「聖戦は此処に在り。さあ人々よ、この
ここに過去の
「ーー
「
テスラの手から放たれるかの雷神の神業たる雷霆と、
ヴァルゼライドの両刀に纏う黄金色の
この二つがせめぎ合った。
「「うおおおぉぉぉーーーっ!」」
お互いの出力は互角に釣り合っている。
「は、はは、ははは!良いぞ!出力を上げよう!マスターよ!令呪を!」
虚空に向かって叫んだ。するとマスターである超鈴音が令呪を切ったのか、魔力が溢れ雷電が更に音をたてて強くなった。
「ふはははは、ははは!」
過去の
その様子を見て勝ちを確信したテスラは、
「ふはははは、これは私の雷霆の方が上のようだな!」
更に笑い声をあげた。しかし、彼は知らなかった。この男、ヴァルゼライドがどのような人物かを、光の英雄はこの程度では諦めないことを!
「
両刀の光が更に輝く、
「まだだ、まだだ!」
うるさいぐらいの奇声音を放ちながら光はどんどん強くなる、
「まだ!まだ!まだまだまだまだ!うおおおぉぉぉーーーっ!」
ここに光の英雄は覚醒を果たした。
「何だと!限界は達しているはずだ!何故上がる!何故それほど力を発しているのに
テスラにとって彼のような男と戦うのは初めてだろう。窮地に追い込めば追い込むほど、覚醒し、進化していく。
「貴様に負けてやる道理はない!俺は俺を慕う彼等の!守るべき民の!輝く明日を守るために!さぁ!行くぞ!過去の英雄よ!明日の光は奪わせぬ!」
「ぐぅぅぅ。」
両刀だけでなく黄金の光を身にも纏い進む。テスラはそのあまりにも強烈な気迫にじりじりと後退していく。だが、ヴァルゼライドはそれよりも早くテスラのもとへ辿り着いた。そして、黄金の光を纏った刀を振り上げ、
「これで!終わりだ。」
「ぐわぁぁぁ。」
テスラを切り裂いたのだ。テスラは、
「ぐっ、私の負けか。しかし、私とエジソンを混同しないようにしてくれ。」
と言い残して光の粒子となった。
ということで更新です。これがしたかった。ケラウノスVSケラウノスが!