あれから自分のカルデアには石六つと数万のフレポでじいじとアンリとえっちゃんが来ました。えっちゃん可愛いやったー!
今回はインターバル的な話です。最初はなんか変な方向に行ってますが、最後はいつものなので緩くご覧ください
何度、絶望を見てきただろうか。夢の中ではその絶望が何度もリフレインする。
止めてくれ、見せないでくれ。そう何度願おうとこれはお前の罪だと、何度もそれを見せつけてくる。そしてその内、抵抗を諦めた。
これは、何だったか。そうだ、対立していた魔術師の片方に俺は加担して、現代兵器での蹂躙を始めた。現代の魔術を、サクが死んだ後に可能な限り頭の中に詰め込み、生き残るために人を殺す。それを生業として、俺は現代の蹂躙を何度も行った。
その中で俺は何度も憎まれ妬まれ蔑まれ、そして睨まれた。
依頼主の言葉はこうだった。
「奴を家族ごと殺せ。蹂躙しろ。金なら払う」
だった。最早用心棒としての仕事を超えた仕事だったが、当時の俺は金が欲しいがために二つ返事でそれを請け負った。
そして、次の日の夜。俺は敵の魔術師の館を爆破した。ロケットランチャーとC4を大量に使って、一気に爆破した。その後に中へ突入して抹殺対象を見つけた。対象は既に事切れており、子供と妻が対象の亡骸へと泣き覆っていた。
哀れだった。不幸だった。可哀想だった。だが、それをやったのは俺だ。タバコを投げ捨て、シグを片手に構え、何も言わずに俺は妻を殺した。
子供はそれに悲鳴を上げ、俺を見た。だが、俺は何も考えずに子供へと銃口を向けた。その時、その子供が放った言葉を俺は忘れない。
――――地獄に落ちろ!!
あぁ、そうだ。俺は地獄に行くべき人間だ。トリガーを引きながら俺はその言葉を噛み締めた。
その後報酬を受け取った俺はもう無関係になった元依頼人を爆破した。金の切れ目は縁の切れ目だ。いや、縁の切れ目が命の切れ目、か。
だが、そんな死も俺は乗り越えた。忘れてきた。未だトラウマとして一つ一つが脳裏に焼き付いているが、もうそれも慣れた。
けれど、けれども。何度トラウマを塗り重ねようと、何度人殺しを繰り返そうとサクの死を乗り越える事は、出来ていない。あの子だけは、忘れられない。
「……また夢を見てたの?」
「……そうだよ」
目が覚めた。俺の上に跨ってナイフを構えているジャックの手を横へずらして目を擦る。
基本的にサーヴァントへは俺の夢が筒抜けになる。だから、ジャックも俺がどんな夢を見ていたのかが分かる。だが、捉え方はサーヴァントにもよる。ジャックは知性こそ『ジャック・ザ・リッパー』として謙遜のない程キレているが、感性は子供のまま。あと、精神汚染もある。そんなバランスが悪い状態故に、こういった事はズバズバ聞いてくる。あと、精神汚染のせいで思考回路が解体とかに直結してる。
まぁ、夢に関しては聞かれてどうこうするモンじゃない。ジャックの頭を撫でてそのまま俺の胸元に顔を寄せて抱きしめたまま上半身を起こす。
少し下を向けばこちらを見上げるジャックが見える。こうやって見れば、顔の傷以外は可愛らしい子供なんだがなぁ……最近は着せ替え人形にされてるせいか結構お洒落してるし。たまにメイクとかもしてくる。やっぱこの傷跡は消してやりたいなぁ……ただ、毎朝、俺の腹を捌こうとするのは止めてほしい。一回、腹を半分くらいやられて死にかけてんだから。メディアが居なきゃ即死だったぜ……
なんやかんやでジャックは反英霊だし、母親の胎内に戻るのが願いだから、やっちまうもんは仕方ない。
「はぁ……俺も結婚してればお前みたいな年頃の子供がいたのかもなぁ……」
「おかあさん、結婚するの?」
「お嫁さん募集中だよ」
まぁ、それでも俺は反英霊たるジャックとは相性がいいのかもしれない。もしも聖杯戦争で彼女を召喚できたのなら、俺は間違いなく魂食いをジャックにさせて確実に一人ずつ、マスターを処理していった事だろう。
ジャックのスキル、霧夜の殺人はそれが可能になってしまう。今回の戦いは基本的に夜の戦いがない。それ故に、ジャックも第一特異点ではアタランテとのタイマンを強いられた。今度からは昼は六香ちゃん、夜は俺が担当して戦った方がいいか……?闇討ち出来るサーヴァントが二人もいるしな。
そんな事は今は置いておこう。なんかジャックが子供の体温で温いからかまた眠くなってきた。よし、ジャックを抱き枕にして寝るか。
「んじゃ、おやすみ……」
「おかあさーん?」
ジャックを抱きしめたまま布団にまた倒れて目を閉じる。あー、ジャックがいい感じに温い……
「おかあさーん、もうご飯できてるんだよー?」
「も少し寝かせて……」
「じゃあ寝てる間にかいたいするね」
「よぉし、ご飯食べに行こうかなぁ!」
やっぱこの幼女、油断も隙もねぇ。隙あらば解体か腹を掻っ捌こうとしてくる。寝癖をパパっと直して着替えて準備完了。
「しっかし、お前の服も日に日にお洒落になってくよな。動き難くないのか?」
「下がパンツだけなのはいやだよ」
「ですよねー」
何処の痴女だよって話だしな。まぁ、ジャックもこうして召喚されたんだし服も限りあるけど、お洒落出来るのならしてけばいい。人理修復後はジャックが現代に残れるかは分からないしな。
まぁ、国連が関与してきたとしても俺にジャック一人でもいればどうにでもなる。ジャックの霧夜の殺人の効果を説明してやれば竦み上がって何とも言えなくなる。ヒロインXもいれば執行者だろうが殺してやるよ。おう、聖剣に勝てるもんなら勝ってみろや。俺は後ろからロケットランチャーを撃ってやんよ。メディアさんがいる限り即死しなきゃ死なねぇぞオルァ。
え?俺が一番しょぼい?英霊よりも活躍するマスターってそれマスターじゃねぇよ。人外って言うんだよ、そういうのは。俗に言う執行者共の事だが。
まぁ、もしジャックも現世に残れたら、サクと一所に色んなところに連れてってやりてぇな。でも、ジャックも願いを叶えれるのなら、ジャックはまた産まれ直したいって願うのかね。出来れば色んな観光地に連れてってやりたいんだがな。
ヒロインX?アイツは金持たせて捨てりゃいいだろ。何かあったら令呪で召喚するし。メディアも放置、もしくは連行。なんやかんやで飛行できるチート魔術師だし。回復専門だが、回復薬とか作って裏ルートで売れば一気に儲けれるだろ。
で、飯を食いに食堂に向かっていたら、丁度起きたばかりらしい六香ちゃんとそれを起こしに行ったらしいマシュちゃんと出くわした。
「あ、刹那さんチーッス」
「ウッス、おはよ」
「そんな軽くていいんですか、先輩……?」
特異点を一個何とかしたからって調子に乗ってるわけじゃなかったらええんやで、マシュちゃんや。
俺の肩によじ登ってこようとするジャックの額を抑えながらマシュちゃんに片手でいいっていいって。と合図する。あと、ジャックは俺の肩に乗ろうとするのは止めろ。割と重いんだから。
「まぁ、ある程度は余裕を持ってないとぶっ壊れるからな。それくらいなら丁度いいくらいさ」
「そうなんですか……?」
「そうそう。そのまま相手を煽って初手爆破すれば完璧さ」
「キチガイとして完璧な気がするんですけどねぇ……!」
実際そうだ。かの信長だって焼き討ち大好きだった訳だし。え?違う?史実だとそうとしか思えんのだよ。
まぁ、炎を使うやつにはキチガイしかいないっていうアンサーも付いたところで、話題を変えようか。
「六香ちゃん、新しくサーヴァントは召喚するのか?」
今回の特異点修復で、六香ちゃんは聖晶石を幾つか拾ったらしい。その内幾つかはダヴィンチがカルデアの物資を作るために使用しているマナプリズムに変換したが、余った物は六香ちゃんの好きにしていいという。
三個使えばサーヴァントを召喚するのに十分過ぎる程の魔力を補える。一個だけでも、敗れたサーヴァント達を復活させるという荒業まで可能だ。
俺もサーヴァント復活のために一個握っているが、六香ちゃんの持つ聖晶石は計四つ。サーヴァントを一騎召喚することができる。
俺が召喚すればお目当ての性能を持ったサーヴァントが八割方来てくれるが、今現在のサーヴァントの戦力としては六香ちゃんの方が上だ。俺はどちらかと言えば後方支援型だしな。
だから、六香ちゃんには万が一の事が無いように、と復活分と召喚分を渡した。それを召喚に使うかは六香ちゃんの自由だが。
「今の所は考えてないですね……ガチャを引くにはまだ早いですから……」
「そうかそうか……うん?」
「私ってチュートリアルガチャ引いた後は十連貯まるまでは引かないので……」
「おいぃ!?この間英霊の召喚をガチャっぽく言った俺が言える事じゃねぇけど、ガチャじゃねぇからなこれ!!」
「課金!課金さえ出来れば!!聖晶石はお金で買えないんですか!!?」
「買えるかボケェ!!」
この子第一特異点が攻略出来て余裕が出来たからか変な方向に性格がひん曲がり始めたなおい!?いや、元からなのか……?それとも日本人は皆こんなんなのか……いや、俺のお袋も日本人だがそんな事はなかった。少なくとも妖怪ガチャ狂いではなかった。
「せ、先輩……?これはソーシャルゲームじゃないんですよ……?」
ここでマシュちゃんが六香ちゃんの肩を掴んで揺すりながら説得に走った。が、六香ちゃんはマシュちゃんの肩を掴み返すとそのまま揺すり始めた。
「マシュ……ガチャはこの世の真理なんだよ。根源なんだよ。つまりガチャこそが心を満たす全ての娯楽の頂点……ガチャこそが全てなんだよ!!」
「刹那さん、先輩が壊れました」
「諦めるなよ!?」
そしてマシュちゃんが説得を諦めた。あーあ、なんか遠い所見ちゃってるよおい……
「私は!このガチャで!イケメンなサーヴァントを召喚して!結婚まで一直線!!」
「いやホントに何考えてんだ!?」
「刹那さんには分からないでしょうねぇ!!周りの皆が彼氏作って行く中、私だけが普通普通と言われて彼氏出来ないのが!!」
「俺、職業用心棒の二十八歳。独身です」
「あっ……なんかゴメンナサイ」
「おい今何を察した。答えてみろよ十七歳の小娘」
俺だって独身でいたくていたんじゃねぇんだよ。用心棒っていう死ぬ確率も仕事来ない確率も高い事やってるから長続きしねぇんだよ。俺の貯金目当てとかで近寄ってくる馬鹿女はいたが全員門前払いした。
「で、でも刹那さんの顔は普通よりは大分いいと思うんですけど……ダンディな感じがします」
「じゃあ結婚してくれよマシュちゃん」
「あ、キチガイはちょっと……」
「おう黙れよマシュマロおっぱいサーヴァント」
「デミ・サーヴァントだって言ってるんですよ。いい加減にしないと訴えますよ」
「ほう、今のこの世界のどこに訴えようと言うのだね?」
「ジャックさん、そこの男は解体してもいい道具ですよ」
「それ訴えやなくて殺人依頼や。ジャックも目をキラキラさせんな。ナイフ握んな。メスを握んな」
なんかマシュちゃんもセメントになってきたなぁ……主に俺への対応が。
六香ちゃんにはベッタリなんだけど、俺には当たりが強いんだよなぁ……言葉によるセクハラはやめるべきか?いや、別にいいか。
「ガチャァ……ガチャァ…………」
「そりゃあソシャゲのガチャ回す度にそんな声だしてる奴はモテねぇわな」
「あなたには分からないでしょうねぇ!!」
「分かってたまるか」
何なんだ本当に……ってか、ホント今日は六香ちゃんのテンションたけーなおい。言うて俺も何だか高めだが。
「おぉ、ここにいたかマスター」
「探しましたよ」
「あ、沖田に信長。沖田はその乳揉ませろ」
「まさかの初手セクハラには沖田さんも苦笑い」
「と言うか、派手にやられておるのぉ……」
いきなり六香ちゃんがセクハラ発言するという事故が起こったが、沖田はそれをいなして信長は額に手をついて溜息を付いた。なんぞや?
「いやー、実はの?この間回収した聖杯を適当に改造したら変な粒子が蔓延して特異点できちった!」
「ジャック、ゴー」
「聖母解体!」
「あばーっ!!?」
なんか反射的にジャックに宝具を使わせちまったがいいよな?血を吐きながら倒れた信長を尻目にジャックはもう一人の元凶と思われる沖田の胸倉をつかんでナイフを首に突きつけた。あ、この子も変な方向に天元突破してますね……
って言うか、幾ら夜じゃないし霧もないとは言え内臓ブッ壊す宝具受けて生きてられるな、信長……今までの奴等は対魔力あったり男だったから斬撃っていう形じゃないと通らない奴等ばっかりだったが……
「おトイレ済ませた?いしょ書いた?おへやのスミでガタガタ震えてわたしたちをお腹の中に入れる心の準備はおーけー?」
「ジャック、ハウス」
「わたしたちのハウスはここだよ」
「じゃあステイ」
ジャックの首根っこを掴んで持上げる。ジャックがジタバタ暴れるが、刃物は振り回してないから良しとする。って言うか、力強いなこの幼女。流石サーヴァント。あ、やばい、自分を強化してるのに振り解かれそう
「で、だ。何があった?」
「かくかくしかじか」
「まるまるうまうまか。とか言うと思ったかアホンダラァ!!」
勿論かくかくしかじかでわかる訳がなく、俺は持っていたジャックを沖田に向けてぶん投げた。
『ぎゃふん!?』
いい音を鳴らしながら頭をぶつけあった二人は頭にどデカイタンコブ作って倒れ伏した。アカン、俺も大分変な方向に流されている……
「とにかく、信長はこれ何とかしとけ!やってられっか!!」
「ワシの内臓ボロボロなんじゃが!?」
「知るかぁ!!」
何でコイツ等はこんなフリーダムなんだよ……こっちの胃が痛くなってくる……
取り敢えず、気絶してるジャックを担いで飯を食いに食堂へと向かった。
くっそ、何だこのカオス空間……これも全部信長のせいか……アイツには単独で特異点の修復に向かわせて俺達は第二特異点だ。六香ちゃんが新たに英霊召喚するし、その英霊を連れてレッツゴーだ。
取り敢えず、朝飯だ。さっきからカオスに巻き込まれて飯食えてねぇし。で、食堂に来たんだが……
「……お前、誰だ?」
「え?私ですか?私はヒロインX・オルタ……えっちゃんとでも呼んでください」
食堂に来たら、セーラー服を着た黒いアーサー王がいた。なんか我が物顔で座って饅頭食ってた。
「……あーもう頭いてえ。で、何でいるんだ?何処から湧いた?」
「Xさんが旧友からの救援を感じて出て行っちゃったので代役として来ました。あ、魔力のパスとか云々はこっちでやったので心配ありませんよ?」
「……何してんだあのキチガイ」
「とうとうキチガイって言っちゃいましたか」
いや、もうアレはキチガイだろ。俺とは別のベクトルで頭ぶっとんだキチガイだろ。ってか、ここの外は全部滅んでんのに何処から救援感じたんだよ。アーサー王の旧友って誰だよ。どうやって行ったんだよ。
あーもう滅茶苦茶だよ。そんな事思ってたらヒロインXオルタ……あーもうえっちゃんでいいか。えっちゃんが気にしない方がいいですと言ってきた。うん、その通りだ。
「……で、えっちゃん。お前もアーサー王と同じような感じで運用できるのか?」
「アーサー王……?あぁ、Xさんの事ですか。私もアルトリア種として認定されてますけど、近接戦闘に特化した感じなので少し変わりますね」
「そうか……って、アルトリア種ってなんだよ」
どうやらビームによる遠距離攻撃は暫く出来ないと考えていいらしい。が、さっきの言葉の中で気になったこと、アルトリア種とやらは聞いておきたい。個人的に気になる。
「知らないんですか?アルトリア種はアルトリア・ペンドラゴン……貴方の言うアーサー王から派生したキャラ、まぁ似たキャラの事を指すんです。私やXさん、それと某皇帝とか某聖女とか某桜とか」
……よし、なんとか理解できたぞ。アーサー王は女だからアーサーっていう男性名じゃなくてアルトリアってのが本名で、そのアルトリア・ペンドラゴンと顔やら何やらが似た奴等をアルトリア種って言うのか。つまり沖田もアルトリア種に含まれると……
め、めんどくせぇ……って言うか、アーサー王の本名ってアルトリア・ペンドラゴンなのか……歴史家がこれ聞いたら全員がぶっ倒れそうだぞ……
「まぁ、そんな訳で暫く助っ人として参戦します」
「そ、そうか……」
「ゲームの方では弱いとか可愛いに極振りとか言われてますけど、そこそこ戦えます。あ、今回のクラスはセイバーとして顕現してる設定です」
「設定」
「だって理性ありますし狂化Cなのに会話できますし剣持ってますし、もうセイバーでよくないですか?」
「知らねぇよ」
「と、言う訳でセイバー、ヒロインX・オルタです。助っ人なので働きますが、対価に甘いものください。お菓子ください」
「対価」
「お菓子と言っても和菓子です。私の中のオルトリアクターには糖分が必要不可欠なのです。あと、説明に疲れたので和菓子ください」
なんかもう面倒だったからカルデアの備蓄倉庫の中から団子を取り出してえっちゃんに渡した。
……助けてくれ、誰か。ここの英霊、全員が頭可笑しい。
ヒロインXout、えっちゃんin。暫しえっちゃんがヒロインXの代わりに戦います。
ヒロインXはどこに行ったか?路地裏同盟と遊んでるんじゃないんですかね(適当)
ちなみに、えっちゃんは完全にアドリブで出したので、多分二章後半には消えます。キャラも設定も掴み切れてませんし。で、話は変わりますが皆さんはえっちゃんのどの再臨姿が好きですか?僕は第二再臨の体操服&スパッツです。可愛くてエロいとか最高かよ……!性能?二の次ですよ
あと、また話は変わりますが、叔父貴のバレンタインのお返しの名前、なんか色々とアレですよね。そんな物を聖杯再臨も済ませてスキルマのジャックちゃんに持たせてオール枠に配置していた僕は立派なおかあさんという事で(ry