あ、今回はちょっと短いです。あと、サンソン好きな方。ごめんなさい。
私達は、絶賛ピンチの真っ只中にあった。いきなりでよく分からないだろうけど、私もマシュも理解しきれてない。
まず、ファヴニールが来た。これは信長を刹那さんの方に派遣した後だったけど、完全回復したジークフリートとゲオルギウスが引き受けてくれた。そして、ファヴニールが連れてきたワイバーンを援軍として来てくれたフランス軍と沖田、ジャンヌ、マシュが担当してくれた。
そして、余ったエリちゃん、清姫、マリー、アマデウスをファヴニール討伐に送らせようと思った時、ソレはやってきた。
「マリー、マリーじゃないか!!」
「えっ、えっ……あ、サンソン!貴方もここに……」
「マリー、どうしてここに……まさか、自力で脱出を!?マリー、マリィィィィィィィィィ!!」
「え、あの、サンソン?ちょっと怖いのだけど……ごめんなさいこれは無理!!」
「サンソン、そこまでだ。マリーがキモがっている」
「アマデウスゥゥゥゥゥゥゥ!!マリー親衛隊隊長、会員No.1の僕を差し置いてマリーの側にいるとは万死に値する!!鼻フックデストロイヤーファイナルドリームの刑に処してくれる!!」
「コイツ、いつの間にかドルオタになってるよ……マスター、流石にこれは無理だ。逃げさせてもらうよ。端的に言ってキモい」
そして始まったのがマリー、アマデウス、サンソンの鬼ごっこ。マリーが必死な形相で泣きながらガラスの馬に乗って逃げ、アマデウスはそのガラスの馬の一部に服を引っ掛けて楽をし、サンソンはなんと自力でその馬に追い付こうと足を動かしてる。うん、息を荒げながら血走った目で走ってくるのは流石にキモい。あ、鉢巻巻いた。えっと……うわぁ、マリー命って書いてある。法被まで取り出して……うわぁ。
そんな開戦。うん、何というか……カオス。エリザと清姫なんてポカーンとしている。そりゃあそうなるよ。でも飛び火から守ってくれる辺り私の事は意識してくれているんだと思う。
取り敢えず、フランス軍の方は大丈夫、なのかな?なんかジャンヌゥゥゥゥゥゥゥ!!って叫び声聞こえてくるけど、まぁ、大丈夫、かな?その後悲鳴が聞こえてくるけど……あ、ジャンヌが目を突いてるんだ。フランス軍の軍師っぽい人に。容赦無いなぁ……っていうか、知り合いなのかな?
で、ファヴニールの方は……うん、別次元。ファヴニールの炎をジークフリートがその身体で防いでゲオルギウスがジークフリートの後ろから飛び出してファヴニールを切り裂く。けどファヴニールの鱗は固くて鱗に傷が付くだけ。だけど、その後ろから飛び出したジークフリートがバルムンクを突き刺し、血が吹き出す。が、それにすぐに反応したファヴニールはジークフリートを叩き落とした。けど、ジークフリートもそれじゃあ傷一つ付かず、ゲオルギウスは竜殺しの剣でファヴニールを斬って注意を引きつけている。
凄いなぁ……けど、私がここにいる全員とのパスを繋げているから、魔力は共有。誰もが私を気にして宝具を使えずにいる。というか、マリーが宝具で逃げてるから現在進行形でガリガリ削れてる。そのせいで皆が魔力を持って行けてない。
うん、マリーが悪い訳じゃない。それは皆分かってる。悪いのはサンソンだ。サンソンが悪い。何で宝具で逃げてるマリーに走りで追い付けるのかなぁ……あ、とうとう剣がサイリウムになってる。で、ちょっと速くなった。これには流石のマリーもガチ泣き。もう顔が狂信者のそれだもん。
「……ねぇ、小鹿。どうすんのこれ」
「そう、だね……頭痛くなってきた」
「無理もありません……」
頭を抱える私の肩に手をおいて慰めてくれる二人。その瞳が慈愛に満ちているのは気のせいではない。
うん、取り敢えずは……そこのドルオタをどうにかしないと。じゃないとどうにもなんない。っていうか私が魔力切れで倒れる。
……令呪使おっと。
「清姫、令呪でサポートするからあのドルオタ焼いてきて」
「えぇ、かしこまりました。いささか、視界の端にアレが映るのは不愉快ですし。っていうか端的に言ってキモイですから」
流石に度が過ぎるとファンもキモい物にしか見えないからねぇ……ほい、令呪っと。
「ふふ、来ました来ました……旦那様の熱くて滾るものが私のナカに!!」
「コイツも頭の方が駄目ね……」
「私、女なんだけどなぁ……あと、それ魔力。しかもカルデアから電力で作られた魔力が固まった令呪の」
なんか……今回カオス過ぎないかなぁ。取り敢えず、清姫、後はよろしく。
「えぇ、行きますとも行きますとも。そこのドルオタ、燃え尽きなさい!『
清姫の宝具が開帳される。清姫の全身が炎に包まれた瞬間、彼女は巨大な大蛇、竜へと転身して空へと舞い上がった。
そして、ドルオタをその目でロックオンすると、そのまま口から火を吐いてドルオタを燃やした。
「あっつぅ!!?だが、しかし!!僕のマリーへの情熱はこんな物では燃え尽きない!!」
嘘ぉ!?清姫のブレスを受けても燃えないの!?ちょっと髪の毛焦げるだけなの!?
あ、流石の清姫も竜状態でドン引きしてる。
「お願いだから正気に戻って!『
だが、そこにマリーがガラスの馬でドルオタを轢いた。俗に言う轢き逃げアタックだ。
「ごふぅ!!?だ、だが!マリーの宝具ならご褒美です!!」
「はーい、そのままそのまま」
何かまた変な事を空を舞って血を吐きながら言ったドルオタの着地点には既にエリちゃんが待機していた。
清姫の宝具はもう終わって竜状態も解除されてるし、後は槍をバットみたいに構えているエリちゃんにお任せ。
落ちてきたドルオタをエリちゃんはしっかりとロックオン。そして射程に入った瞬間。
「ホームラン!!」
カキーン。と気持ちいい音を鳴らしてドルオタを槍で打った。ボールみたいに。
「マリィィィィィィィィィ……………………」
そしてドルオタはそのままお空の彼方へ吹っ飛んでいった。うん、流石にあのまま落ちたら死ぬでしょ。ほら、マリー。ドルオタは滅んだよ。だから私の背中にしがみついて震えないで、ね?そういうのはアマデウスにやってあげよう?喜ぶからさ?
え?暫く殿方と触れ合いたくない?そっか。じゃあ暫くそうしてていいよ。けど、せめて私を守ってね?
「ん?何じゃ何じゃ。ヤケに面白い事になっておるな」
「あ、信長。お帰り」
ドルオタをふっ飛ばしてからすぐに火縄銃を担いだ信長が帰ってきた。良かった、ちゃんと帰ってきてくれた。
「なんかあっちの方に吹っ飛んでいくドルオタが見えたが、ヒロインXがうわキモッ!!って言いながらエクスカリバーで消し飛ばしておったぞ。良かったか?」
「うん、ファインプレー。って、ヒロインX?」
何であの人の名前が出てくるんだろう?あ、まさか!
「もうすぐ来るだろう。ジークフリートとゲオルギウスを一旦下がらせよ」
信長に言われて、ジークフリートとゲオルギウスに一旦下がって、と呼びかける。
二人は頷いて、ファヴニールの攻撃を防いでから下がった。その瞬間、私達の後ろから何かが飛び出し、私に何かが激突した。凄く痛い。
「私だって竜は倒した事あるんですよ!喰らって死ね!!エックスカリバー!!」
私がフラフラする頭でファヴニールの方を確認すると、ビームを出しながら飛んできた何かはそのままファヴニールの周りを飛び回ってファヴニールを切り裂き、そのままファヴニールの喉をXの字に切り裂いた。
血が吹き出し、ファヴニールが悶える。それを見たジークフリートとゲオルギウスは頷いて飛び出した。
「マスター、魔力を借りるぞ!」
「決めに行きます!」
二人が魔力を私から持って行き、剣を構える。そして、距離を取った状態で剣を上段に構えた。
「邪悪なる竜よ、我が剣にて今度こそ決着としよう。今、この世界は落陽へと至る!撃ち落とせ、『
「我が真の力、今ここにお見せしましょう。竜よ、我が聖剣にて墜ちるがよい!『
二人が剣を振り下ろした。そして、宝具の解放に合わせ、ジークフリートの剣からは半円状の黄昏色の剣気が、ゲオルギウスの剣からは光弾が飛び出し、それが槍の姿をとって飛んでいく。
二つの宝具は傷を負い怯んだファヴニールの首へと一直線に突き進み――――貫いた。
一拍遅れてファヴニールは断末魔を上げ、首には風穴が、そこからは大量の血が吹き出し、ファヴニールは地に伏した。やった、勝った!!
「……よし、後はあちらのワイバーンだけか」
「いえ、こちらも丁度終わりました」
ジークフリートがフランス軍の方へ援軍に行こうとした時、丁度ワイバーンを全部倒し終わったらしい沖田が戻ってきた。うわぁ、全身真っ赤。
マシュもジャンヌも赤いけど、傷を負ってる様子は無いみたい。よかった、皆無事だ。
「細かい傷はメディアに任せてここは退散した方がいいかと。フランス軍の方に絡まれますよ?」
私が一息ついたところで、ヒロインXがメディアを抱えて話しかけてきた。私にぶつけたのメディアだったんだ……目回してるけど大丈夫なのかな?
まぁ、そういう事なら。
「撤退撤退!刹那さんと合流するよ!」
取り敢えず、ファヴニールも残るサーヴァントも倒したし、後は刹那さんと合流して刹那さんのアレの発射台の組み立てを手伝おう。
ダヴィンチちゃんに完成図は一回見せてもらったけど……あんなドラム缶に車輪が付いたような物で本当になんとかなるのかなぁ?
とある方のサンソン見たらサンソンがドルオタにしか見えなくなったよ。その結果だよ。
そして次回、英国面に堕ちる。初手爆破のために。