もう一つの未来   作:蒲鉾侍

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所々日本語が可笑しいところがありますが、徐々に修正を入れていく予定です。


圧倒的魔人!!

「やったぞ…!ブウが復活したぞォ!」

 

「……?誰だお前?」

 

喜びの声をあげるバビディ、その様子を見て太った魔人ブウが話しかける。

 

「僕はバビディ、お前を復活させてあげたんだよ 僕の言うことを聞かないとまた封印しちゃうからね」

 

「封印?またあの球に入るのか?それはイヤだ」

 

まったく強そうに見えない目の前の魔人。

しかし、その体から放出される気に圧倒されトランクス達は動くことも出来ない。

 

「僕の言うことを聞けばいいんだ、まずあそこにいる界王神達を殺せ!」

 

「……あそこにいる奴等か?」

 

父の怨みをこめ、界王神に指をさす。

ブウはその指された方向をゆっくりと見た。

 

「わかった、殺してやるからあとで御菓子食べさせろ」

 

声を弾ませ、ステップを踏みながらトランクス達に近寄る。

 

「くっ!はあぁ!!」

 

もうやるしかないと悟飯がブウの顔を殴りつける。

するとその顔は凹み、見えなくなった。

 

「や、やったのか…?」

 

「ばぁ!」

 

「なっ!?」

 

「ほい!」

 

凹んでいた顔は元に戻り、子供のような笑みを浮かべて悟飯を弾き飛ばした。

 

「なっ!?悟飯さん!」

 

「お前もだぞ」

 

「ぐあぁぁっ!?」

 

悟飯を心配する気持ちで魔人ブウの接近に気づかず、トランクスもまた吹き飛ばされる。

 

「たった一撃で二人が瀕死に…!ここは撤退するしかないようですね!」

 

「逃がすな!殺しちゃえ!ブウ!!」

 

シンが二人を瞬間移動で救出し逃げようとすることをバビディは許さない。

瞬時にブウに指示を飛ばすと、シンの前にブウが現れる。

 

「くっ!」

 

シンはここでやられる訳にはいかない と守りを固める。

 

しかし、いっこうに攻撃がこない。

 

「どうした!ブウ!はやくやれ!」

 

「…………イヤだ」

 

「「え…?」」

 

バビディの命令をブヴは拒絶した。

バビディとシンはそれに驚き、思わずだらしのない声をだす。

 

「こいつ、懐かしい匂いがする」

 

「に、においィ?」

 

「…今だ!」

 

ブヴがバビディと話している間、シンはその隙に悟飯とトランクスを連れ界王神界へと瞬間移動で撤退した。

 

「こ、こらぁー!ブウ!逃げられたじゃないか!どうしたっていうんだよーまったく!」

 

「わからない…なんだか殺しちゃいけない気がした」

 

バビディの怒りはブウは受け流しながらも、胸のモヤモヤの原因を考えていた。

 

 

~~~。

 

ここは遥か離れた星。

界王神界。

 

トランクスと悟飯の体力を回復させるため、キビトを呼び その間に何か策がないかとシンは考えていた。

 

「界王神様、二人の回復終わりました。あとは目覚めるのを待つだけです………それにしてもいったいなぜ、魔人ブウは界王神様に攻撃をしなかったのでしょう?」

 

「わかりません……考えることとしたら、私の神の気得たブウ…の中にいる大界王神様達が神の気に反応して阻止してくれたとしか考えられることはありません」

 

シンは大昔魔人ブウに吸収された大界王神と南の界王神のこと散っていた南と西の界王神の事を思い出していた。

 

「……いえ、それより今は魔人ブウを越える策を練らないと」

 

「その事なんですが……Zソードはいかがでしょう?」

 

気を取り直し、強くなる策を考えているとキビトが界王神界の中心に位置する場所に刺さっているZソードを指差した。

 

「Zソードをですか…そういえばZソードについての文書で興味深いものがあったのを思い出しましたよ」

 

「あぁ、『神の剣引き抜きし者現れれば剛力を得、神の剣を砕き者現れれば眠れる力放たれん』というものですな」

 

シンとキビトが依然、過去の文書を整理している時に見つけたものだ。

そして、シンはそれに続けた。

 

「もうひとつ、気づいた事があるんです。それはZソードが現れた時期と15代前の界王神様が行方不明になった時期が同じなんです。その界王神様は引退をする年でもなかった。それにその時の第七宇宙会議でその界王神様と破壊神ビルス様の口喧嘩があったとか……」

 

シンはZソードを調べる内に出てきた恐らく関係のある15代前の界王神の話をキビトに話す。

 

「ま、まさかZソードに……?そ、そんなことがありえるのでしょうか」

 

「わかりません、とりあいず…文書にある通り砕いてみましょうか」

 

キビトはその話を聞いて、シンと同じ考えに至った。

あのZソードの中に15代前の界王神が眠っていると。

 

シンとキビトはZソードのある場所までやってくる。

 

「しかし、どう引き抜くのです?」

 

「引き抜かなくても……こうすればいいんですよ」

 

Zソードに触れ、神の気を開放する。

そして、召喚術を応用しZソードを手元に瞬間移動させる。

 

「っ!?す、すごく重いですよ キビト早く砕いてください」

 

「わ、わかりました!え、えい!」

 

シンがやっとの事で持ちあげたZソードをキビトが気をこめた手で挟むように折る。

 

「……なにも起こりませんね」

 

「し、神聖な剣を折ってしまった…」

 

シンは腕を組み、やはり間違っていたかと考えこみ

キビトは何万にも昔から伝わる伝説の剣を折ってしまったとショックを受けている。

 

「おーい、わしは無視かー?」

 

「なっ!?その服は……も、もしかして15後代前の界王神様…」

 

いつのまにか、チョビヒゲを生やし老いた界王神がシンとキビトの後ろ立っていた。

 

「そうじゃ、それにしてもワシがここに封印されているとわかったの。すごい推理力じゃな」

 

「あ、ありがとうございます……(しかし、強そうには見えませんな 魔人ブウに勝てるとは思えない 無駄な事だったとは……)」

 

「おまえ、失礼なこと考えとるじゃろ」

 

キビトの心の声はいくら老いているとはいえ界王神である者には通じている。

 

「わしはよぉー、体に眠る潜在能力を限界いじょーに開放することが出来るんじゃ!そうじゃのあそこに眠っている小僧達なら簡単に魔人ブウを越えれるじゃろうな」

 

老界王神は遠くに寝ている悟飯とトランクスを見ただけで潜在能力を見破ったのだ。

 

シンは老界王神をつれ、悟飯とトランクスの元に戻り二人を起こした。

 

 

「おぬし、自力で潜在能力を引き出したのか」

 

「は、はい」

 

老界王神は先に悟飯に話しかけていた。

 

「中途半端に開放しよってからに、本来その力を使いこなせば魔人ブウなんぞ指一本で倒せるじゃろうて……そっちのトランクスちゅうのもすごい潜在能力じゃが時間を急ぐならこの小僧を優先した方がええじゃろうな」

 

「どれぐらいで俺の潜在能力は開放されるんでしょう?」

 

魔人ブウを倒すことが出来る潜在能力を持っているのは悟飯とトランクスの二人なようだ。

しかし、時間でいえば悟飯の方が先に終わるらしく 今回は悟飯が先に潜在能力を開放してもらうことにした。

 

「そうじゃの、合計でざっと22時間かの」

 

「に、22時間!?」

 

「ちなみにあっちのトランクスは30時間ってところじゃの」

 

老界王神にすれば中途半端でも、悟飯が自力で潜在能力を開放したことが大きいのだろう。トランクスよりも幾分が早く終わる。

 

「およそ一日……シンさん俺たちは違うところで修行しましょう!悟飯さんだけに任せるのは申し訳ないので」

 

「わ、わかりました!」

 

トランクスは強くなるための向上心で意気込んでシンをつれて地球の精神と時の部屋に向かった。

シンは恨むような表情をする悟飯に苦い顔をしながら界王神界を後にした。

 

 

 

 

 

一方、地球では。

 

 

「あ、そうだ。ブウ この“オルゴール”を鳴らしてくれ、大分前に魔導師ホイってやつから奪ったオルゴールなんだけど ヒルデガーンっていう化け物がいるらしいよ (まぁ、僕のブウには敵わないとは思うけど)」

 

「わかった」

 

バビディの持つオルゴールにブウの触角がペタペタ と触れる

すると、オルゴールから綺麗な音色が流れ始める。

 

「……どうやら、ヒルデガーンじゃないみたいだね」

 

「…誰だ貴様…!なぜ俺を復活させた!?」

 

オルゴールから出てきた目の前の青年を見てバビディが残念そうに顔をしかめる。

 

「おれわかるぞ、こいつの中に強いやついる」

 

「本当かい?よし!ブウ お前の魔法で引っ張りだすんだ」

 

「なっ!?やめろ!」

 

今度はブウの触角からピンク色の波動のようなものが放出され青年を包み込む。

 

「ぐ、ぐあぁぁっ!!」

 

青年が頭を抑えながら、地面に倒れていく。

同時に青年の体から強風が流れ出す。

 

「で、でてきたよ!ヒルデガーンが!」

 

風が一ヶ所に集まり、形を作り出す。

 

「……?上半身だけ?」

 

しかし、現れたのはヒルデガーンの全身ではなく上半身だけ。

 

「この時を待っていた!」

 

影から突然現れたの人物……バビディと同じ魔導師 ホイがヒルデガーンに向かって走っていく。

 

「ぎぇぁぁっ!!」

 

しかし、あっさりとホイはヒルデガーンに踏み潰される。

バビディはそれを見て息をもらした。

 

「ふぅ、なにがしたいのかわからなかったねぇ、あいつ」

 

しかし、これこそホイの狙い。

ホイの体の中にはヒルデガーンの下半身が封印されていたのだ。

ホイが死んだ今、宿主をなくした下半身は上半身と一体化しヒルデガーンの全身を作り出す。

 

「グオオオオオォーー!!!」

 

「くるな!ブウー!僕を守─────」

 

ヒルデガーンが雄叫びを上げ、バビディを踏み潰す。

ブウに助けを求める前にバビディは散った。

 

「おれ、ヤバイかも」

 

悟飯達を圧倒する力を持つ魔人ブウでさえ、冷や汗をかくほど幻魔人の力は驚異的だった。

 

 

 




まぁ、タイトルの圧倒的魔人がブウのことを行っているとは限らんからね。
ヒルデガーンも一応幻“魔人”だし。

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