私はパラガス。
サイヤ人であり、ブロリーの父親だ。
この事を知らせると二人は驚き身構えてしまった。
確かに身構えるのは当たり前だ。
なぜなら、この二人…いや、四人か。
この四人はブロリーに殺されかけたのだ。
そして、私はブロリーの父 ブロリーの仲間だと思うのが普通だろう。
しかし、それは違う。
私はブロリーの父ではあるが、私はブロリーを"殺したいのだ"。
なに?息子を恨んでいるのかって? いや、そうではない。
えーと、君は…すまない、自己紹介をしてもらっていいだろうか?
そうか、君はトランクスと言うのか。
なに?父親がサイヤ人だった?
…一応、聞いておこう。
父の名は?
べジータ!?
す、すまない、取り乱してしまった。
まさか、サイヤ人の王子が地球人の女を選ぶとはな。
で
そして、君が悟飯だろう。
君の父 孫悟空とは仲良くさせてもらっているよ。
私の息子はそうは思っていないようだが。
元気にしているかい?悟空は?
なっ!?死んだ!?
すまいない。これは失礼な事を聞いてしまったね。
悟空とべジータ王子の事も含めてブロリーの事を話そう。
あそこに寝ている二人が起きてからね。
──────────。
よし、では話そうか。
これは私がまだ若いときの話だ。
私はよき妻に恵まれ、息子もすぐに産まれた。
そう、その息子がブロリー。
のちに伝説の超サイヤ人…いや、破壊行動にしか目のない悪魔だ。
ブロリーは生まれながらに戦闘力1万という驚異の数値を叩き出した。
その同日にカカロットは生まれたんだ。
よく、カカロットの泣き声にブロリーは泣かされていたよ。
ブロリーはそれを恨んでいるようだがね。
そのブロリーを惑星べジータの王 べジータ王はよくは思わなかった。
なぜならば、べジータ王の戦闘力は1万と2000。
このまま、ブロリーをほうっておけばいつか自分の驚異になる。そう思ったべジータ王はブロリーを処刑しようとした。
私はまだ赤子のブロリーを守ろうとべジータ王の刺客に刃向かったがたやすくやられてしまったよ。
そのまま、瀕死状態の私とブロリーは宇宙に放り出されしまった。
その時だ。
ブロリーは私と己の体を気のカプセルで覆い込み九死に一生をえた。
惑星べジータから離れた遠い星で、私はブロリーを育てながらべジータ王も同じ目に合わせてやると決心した。
大丈夫。トランクスくん、もう恨んじゃいない。
ブロリーの戦闘力は成長と共に倍増していった。
もう、私の手には押さえきれないほどに。
制御装置を造ろうとも考えたが、ブロリーを無理矢理制御したくはなかった。制御装置は造らないままに時は過ぎていった。
少しでも、ブロリーが幸せに生きていけるよう私はドラゴンボールという物を集めブロリーに不老不死を与えた。
それはやはり、間違いだったのだな。
ブロリーは破壊行動を始めた。
私はなんとしてでも、止めようとしたのだが…この目にある傷のとおり止めることは出来なかった。
ブロリーは罪のない命を滅ぼし、なぜかカカロットへの恨みを倍増させていった。
恐らく、べジータ王も恨んでいただろうが、それ以上にカカロットを恨んでいた。
これ以上の罪のない命を無駄にするわけにはいかない。私は科学者達に制御装置を作らせ 更に12年の昏睡状態に至らせることに成功した。
私はブロリーが眠る間に宇宙を旅しながら、修行をしていつか、ブロリーが目覚めたら日には私が止めようと思ったのだ。
私はいつの日かこのヤードラット星を拠点に置くことにしていた。
修行を続けていた時、悟飯くん、君の父孫悟空がこの星にやってきた。
ブロリーと悟空は同歳だから、第二の息子が出来たような気分だった。
悟空はブロリーとは真逆の性格であり、話していてとても楽しかったよ。
悟空は私よりも何倍も強くこの星にいる間だけ修行をつけてもらった。
まぁ、超サイヤ人を身につけることは出来なかったが。
悟空が地球に帰って何年か修行続けているとブロリーの気が現れた事に気がついた。
とうとう、ブロリーと戦う日が来た。
ブロリーは12年前と同じように星を破壊していた。
「止まれ!ブロリー!!」
「親父イィ!!」
しかし、修行を何年してもブロリーに勝つことは出来なかった。
もう、ブロリーを止めることは出来ない。
誰にもだ。
私がブロリーに不老不死を与えてしまったから、ブロリーは死ぬことも出来ず、苦しみ続け破壊行動をしていく…。
私はそれから、ブロリーを止めるためではなく、楽にするため…殺すために…修行を続けた…。
そんな、ある日君達が現れた。
ブロリーと互角の戦いを繰り広げ、最終的には不老不死がなければ勝利を納めていたはずの所までいった。この希望を簡単に死なせてはならない。
だから、私は助けたんだ。
これは、私の頼みだ。
引き受けてくれなくてもいい。
ブロリーを倒してくれないか。