まさか2月頭に投稿する羽目になるとはちょっと見通しが甘かったです。特別回の1話目を投稿した辺りで体調を崩してしまったので、その後ズルズル小説書けない状態が続きましたがなんとか投稿できるようになりました。
とりあえず、今後はすぐに投稿できるよう一応準備は出来ていますので、Pixivで質問コーナーの準備が出来次第投稿する予定です。
「50話達成……&……年明け……すごろく大会……2020……」
「――はッ!?」
自身が看板の文字を呟い辺り、銀時は布団から起き上がり目を覚ます。
周りを見渡すと変な白い異空間ではなくいつも寝ている和室であった。
銀時は頭をボリボリ掻きながらため息を吐く。
「なーんか……すげー初夢みたなー……。女信長とか女沖田とか出たり……」
欠伸をしつつ銀時は布団から出――ようとはせずにまた布団に潜りこむ。
「色々やることあるけど……もう一眠り眠りしてからしようっと……」
そして銀時はまどろみの中に沈んで行く。
そう、ノッブも沖田さんも異空間転移も全ては銀時の初夢だったのである。
今回の特別回はこれにて終了。次回から本編開始です
新八「――って、オチにはなるかァー! 現実逃避すんじゃねェ!! ……ちょッ!? そもそもなんなんですかコレ!? ここ本編ですよ! いま前書きみたいな感じになってるんですけど!?」
銀時「いやー、さっきみたいな感じで終わらせるつもりだったからつい前書きじゃなくて本編に移っちゃった」
新八「移っちゃった、ってどう言うこと!? どんな間違い!?」
ノッブ「そもそも前回の引きからこれだけ引っ張ってさっきのオチはあかんじゃろ」
銀時「だよなー。でも二月なんだよなー。……マジで終わらない? 『すみません、やっぱ本編進めます』とかにならない?」
沖田さん「ならないならない」
ノッブ「わしらのようなビックゲスト呼んであっさり終了など認められるワケあるまい」
神楽「最後までやり切るアル!」
なのは「そうです! 頑張りましょう!」
銀時「あァ~ァ……二月なのに俺たちはなにやってんだろうな~……」
沖田さん「ならついでに本編も投稿するのは?」
新八「沖田さん、さすがにそれは無理ですって……」
ノッブ「それじゃ、本編始まるぞ~」
新八「いやここ本編!! 前書きでも後書きでもないんですよ!! つうか本編の概念が分かんなくなってきた!! ホントフリーダム過ぎだろ!!」
*
「50話達成……&……年明け……すごろく大会……2020……」
文字を見て凄く嫌な予感を覚えたのだろうか、銀時の表情がどんどん険しくなる。
やがて銀時がゆっくりと視線を落とせば、門の先の地面にはなんとデッカイ……なんと表現すればいいだろうか。地面か床かあずかり知れぬ材質のモノに〇がいくつも描かれ並び、そのいくつも並んだ〇の左右の端っこにはそれぞれの〇を繋ぐように一本の線が敷かれている。そして〇や線の周りにはネズミや富士山やコマや凧揚げや餅などと言った正月には欠かせないであろう絵柄がいくつもある。
一言簡単に言うと『等身大すごろく』が目の前に広がっていたのだ。
「……えッ? ちょッ? なにアレ? アレなに?」
銀時は目の前の光景に目を白黒させながら目元を摩り、ようやく起き上がって近くにやって来たなのは、神楽、ノッブ、沖田さんも目の前のありえない光景に各々反応を示し始める。
「お、おっきいすごろくだ……おっきいすごろくが……」
「おォ……!」
「なんじゃあれは? こっちでも特異点発生するのか?」
「もしくは固有結界じゃないですか?」
「お、お二人共、慣れた反応ですね……」
新八は目の前のありえない光景を慣れ切った様子で分析し始めるノッブと沖田さんに畏敬の念を込めた視線を送っている。
「あー……コレ……夢だな」
と銀時は断言し、そのまま新八の頭をバシッと叩く。
「あいたァーッ!! なにすんの!?」
「ほらー、痛くない。やっぱコレ夢なんだって」
「人殴って確かめられるかッ!! つうか痛いってことはコレ夢じゃないですよ!! たぶん!!」
と新八がツッコミ入れるが銀時は無視して右手で額を抑える。
「あァ~……新年早々とんでもねェ夢見ちまったなー、おれ……。ゲストとどんちゃん騒ぎで酒飲んだのが悪かったのかなァ……」
「いや、酒は一滴たりとも飲んでないがの」
とノッブがサラッと告げると銀時は第六天魔王の頭を叩く。
「いたァッ!! なぜ叩くッ!?」
頭を抑えながら目を瞬かせるノッブに銀時は平坦な声で言う。
「ほら、おれいたくな~い。夢じゃな~い」
「「だから人を叩いて確かめんなァーッ!!」」
新八とノッブは同時に銀時に足にスネ蹴りを叩きつける。
「いっでェェェエエエエエエエエエエッ!! ……あッ!! コレ夢じゃねェじゃん!!」
銀時がスネを抑えて蹲る中、神楽が腕を組みながら悟ったような顔で冷静に告げる。
「まー、年明けくらいは作者のやりたいようにやらせても罰当たらないアル」
足をさする銀時は不満げな声を漏らす。
「……いや、だってよー、さすがにありえねェもん。いくら特別回だからってコレはねェわ。すごろくの紙が光って巨大すごろく空間出現て、もう色々と無視し過ぎだろ。年明けだからってやりたい放題が過ぎるだろ」
銀時の言葉を聞いて沖田さんはノッブに話掛ける。
「まー、そうは言いますが、私たちのところも特異点を良い事に割と行事関係はやりたい放題感ありますよね」
「いや、ここまで色々とメタが入り込んだやりたい放題はせんじゃろ。つうか、コレは本編と関係あるやりたい放題とは思えんがな」
「あんたらもう銀魂キャラ並みにめちゃくちゃメタ発言かましますね」と新八。
「あッ、巨大すごろくの方から誰か来ますよ!」
となのはが声を出し、全員の視線が巨大なアーチ状の門の先に向く。
『50話達成&年明けすごろく大会2020』と書かれたアーチ状の門を潜ってやって来る小さな人影は、
「……どうも、みなさん。今回のすごろく大会の司会進行を務めさせてもらう、フェイト・テスタロッサです」
クリップボードを持ったまさかのフェイト・テスタロッサ。
予想外の登場人物に新八どころか銀時やなのはすらビックリ仰天。
「ちょッッッ!? フェイトちゃんッ!?」
「お前なにやってんだ!?」
「フェイトちゃんクリミナルの人たちはどうしたの!? なんでここにいるの!?」
驚く三人とは正反対にフェイトは真顔で告げる。
「年明けで私を出さないのもアレと言う事らしいので、こういう形で参加することになりました」
「「もうなんでもありだなおい!!」」
と銀時と新八が揃って声を上げるがフェイトはフリップボードに乗せた用紙を覗きながら粛々と話し続ける。
「色々とツッコミはあると思いますが、そう言うのはナシでお願いします。それでは、これから今回の『すごろく大会』のルール説明をさせてもらいます。まず――」
フェイトが説明を始めようとする中、銀時と新八はげんなりとした様子。
「令和の年明け早々やりたい放題なおい……」
「なんかすごろくよりもっとするべき大事なことがある気がするんですけど、飲み込むべきなんですかね……?」
既に疲れを見せ始めている年上組になのはは苦笑いを浮かべながら声を掛ける。
「と、とりあえず、折角の特別感のあるすごろく大会なんですし、が、がんばりましょう……」
更にノッブや沖田さんや神楽も言葉を掛ける。
「まー、何事もノリと勢いと時期が大事じゃ。逆らえん流れとも言うのもあろう」
「とりあえず今は楽しむだけ楽しみましょう」
「楽しんだもの勝ちアル!!」
と三人が励ましの言葉を送るとフェイトがサラッと告げる。
「――基本ルールは以上になります」
「……あの……なんか話してる間にルール説明終わっちゃったんですけど……」
と新八は汗を流しながら頬を引き攣らせる。
「ぼく、ルールほとんど聞いてなかったんですけど……」
「わ、私も……」
なのはも申し訳なそうに言うとノッブ、沖田さん、神楽も告げる。
「あー、わしもじゃ」
「私もです」
「同じく」
最後の神楽に至ってはルールを聞いてもちゃんと理解できるか怪しい子なので聞いていようがいまいが銀時的にはどっちでもいい。
銀時は肩を揉みながらアンニュイな声で告げる。
「まー、いいだろ。どうせコレ、人間大すごろくみたいなもんなんだし。ルールなんて聞かなくても平気だろ」
「いやもう、なんか初っ端からグダグダですね……」
と新八は呆れた声を漏らす。
「それじゃ、次にスタート地点に案内します」
とフェイトは平坦声で案内する。
「なんというか、テンションのひっくい司会じゃの……」
とノッブが言葉を漏らしつつ、六人はすごろく大会の門を潜ってスタート地点へと移動するのだった。
「私はあんまり大きな声が出せない方なこともあり、私の声をゲーム中のみなさんに届かせる為にマイクを使用することもあります」
移動が終わるとフェイトはヘッドマイクを顔に付け始める。そんなテンションだだ低い司会進行を見る銀時は隣の新八に声を掛ける。
「なー、なんでアレに司会進行させてんだろうな?」
「強引に出さない方が良かった感がありますよね」
巨大な〇の上でヘッドマイクを付けたフェイトはクリップボードの用紙に目を通しながら説明を始める。
「では次に、チーム分けをします」
「チーム分け?」
と銀時は肩眉を上げ、周りにいるメンバーを見渡す。
「この六人で対戦するんじゃねェのか?」
「それだと時間がかかるので、四チームで対戦になります」
フェイトの説明を聞いて新八が待ったを掛ける。
「えッ? 四チーム? でもそれだと二人づつに分けても三組しかチームが出来なくない?」
「どう分けても、二チームは一人になりますよね」
となのはが告げるとフェイトは「では、この辺でご紹介します」と言いながら右手を裏返して少し後ろに伸ばす。
ん? なんだ? と疑問に思いながら銀時たちはフェイトが右手で指し示した方に自然と目を向ければ、地面の数か所から突如として白い煙が勢いよくプシューッ!! と飛び出す。
「「「「ッ!?」」」」
「えッ!? なになに!?」
なのはが驚きの声を漏らし、他の面々も少し面を食らっていると白い煙の中から三つの影が白煙をかき乱しながら勢いよく飛び出す。
一つの影は空中で前転し、シュタっと地面に降りれば顔の横でピースサイン。
「イエーイ! 超次元から颯爽参上!! ネプテューヌだよ~!!」
次に現れた二つの影はそれぞれネプテューヌの左右へと並び立ち、ポーズを取る。
ネプテューヌの右側に移動した一つの影は左手を引いて右手を斜め右上へとビシッと伸ばし、
「サマーン星からオヨッと参上!! ララ!! ルン!!」
ネプテューヌの左側に移動したもう一つの影は右手を引いて左手を斜め左上へとビシッと伸ばし、
「地球からキラヤバ参上!! 星名星奈ひかる!!」
そしてお互いの伸ばした腕を一回転させてそれぞれ腕を伸ばした逆方向にビシッと伸ばしてクロスさせる。
「「スター☆トゥインクルプリキュア!!」」
「&超次元ゲイムネプテューヌ!!」
そしてネプテューヌは両手を左右に広げてかがみ、
「三人合わせて~……」
ネプテューヌが一旦溜を作っている間に左右のララとひかるがそれぞれ伸ばした手を再び元の方向へとビシッと翼のように伸ばす。
「「「ゲスト参戦!! ネプキュア!!」」」
名乗りを上げた三人の少し後ろが戦隊登場シーンのようにドカーンッ! と爆発。青、紫、桃の爆煙が噴き上がる。
その光景に銀時たちはポカーンとした表情。三人が名乗り終えるとフェイトが声を掛ける。
「では、この三人のゲストと――」
「待て待て待て待て待て!! 色々待てェェェェェェ!!」
だがさすがにこのまま話を進められずに銀時がたまらずフェイトの声を遮って待ったをかけるが、フェイトは構わず説明を続ける。
「この三人のゲストと共に今回のすごろく大戦をやってもらいます」
「無視すんなッ!! つうかホントちょっと待て! 色々ツッコミさせろ!!」
食い下がる銀時を置いてけぼりにするかのように、
「「「いえ~い(ルン)!!」」」
ネプキュアたちはハイタッチして盛り上がっている。
「いや~!! 練習した甲斐があったね~!!」
ネプテューヌはサムズアップし、ひかるとララもサムズアップを返す。
「キラヤバーだったね!」
「バッチリ決まったルン!」
「おおいッ!! 話進めんてんじゃねェ!! 色々とインパクト強すぎて付いていけねェんだよこっちはッ!!」
と銀時が食って掛かるがやっぱり三人はスルー。
息ピッタリに口上と決めポーズがキマッた事を称えった後、いの一番にネプテューヌが軽快に銀時に近づきながら軽く右手を上げる。
「オッス銀ちゃん! オラネプテューヌだよ!! 呼ばれて飛び出てゲスト参戦しちゃいましたー!!」
「うわ、無駄にテンションたけーし無駄にフレンドリーだなおい」
登場早々無駄にハイテンションなネプテューヌに銀時は若干引き、新たなゲストを見てノッブは腕を組みつつジト目になる。
「しっかし、小さなお友達のヒロインと大きなお友達のヒロインを呼んでくるとはのー」
「節操ありませんねー」と沖田さん。
「あんたらどこ目線で話してんですか?」
と新八がツッコミ入れる。
「つうかよー、お前らよくもまーこんなふざけたイベントに参加したもんだな」
超次元とプリキュアのゲスト三人に銀時が呆れた声で言うとひかるは興奮したように告げる。
「だってこんなキラヤバ~なイベントに誘われたんだもん! 行くっきゃないですよ!」
「お前なのはより年上の癖してテンションは小学生だな。そこのちっさい女神と一緒で」
と銀時が言うと新八がすぐさま苦言を呈す。
「あんたプリキュアさんに失礼でしょうが!!」
「私には失礼ではないと!?」とネプテューヌ。
「えッ!? あの二人もプリキュアさんなんですか!?」
と驚くなのはにノッブが告げる。
「そうそう。あいつらがスターバックスプリキュアじゃ」
「信長さん平気で嘘吹き込まないで!!」
と新八がツッコミ入れる中、ララもひかる同様に目を輝かせながら両の拳を握りしめる。
「地球のしょうがつの遊びを体験してみたかったルン!!」
「これからお前がやろうとしてんのは正月の文化から限りなく似て非なるもんだと思うぞ」
銀時がサラッと告げ、ノッブは腕を組みながら今回の参加者を見渡す。
「しっかし、銀魂組以外見事に女人一色じゃの。一人か二人男性連れてこんとバランス悪くないか?」
「あー、確かに」
と沖田さんが相槌を打ち、新八は二人の指摘を聞いて汗を流す。
「あんたらグイグイデリケートなとこ
するとフェイトがクリップボードに挟んだ紙を覗きながら告げる。
「実は、ネプテューヌとプリキュア以外にもゲストメンバーを呼ぼうとしたんですが……」
『興味ないね』
FF7 クラウド・ストライフ、参加拒否。
『すまぬ!! 某は今年親方様と初日の出を見ると共に正月は富士山で稽古をせねばならぬゆえ参加には間に合わぬ!!』
戦国BASARA 真田幸村、参加断念。
『Sorry。俺は今回はちょっと無理だ。天下取りの先駆けに年明けは日ノ本巡りをするつもりなんでな』
戦国BASARA 伊達政宗、参加拒否。
『ワシはだいじょう――』
『イベントだと? 面白い!
「――っと、いった具合に断られたようです」
とフェイトが告げると新八は汗を流しながら指摘する。
「あの……なんかノリノリそうな東照大権現的な人と英雄王的な人がハブられように見えたんだけど、気のせいかな?」
「なんじゃー、残念じゃの。バサラのメンツと相まみえても良かったと思ったんじゃが」
ノッブは少々残念そうに言葉を漏らし、沖田さんはうんうんと察したように告げる。
「まー、年末年始で呼ぶの難しいですからね。休みと言っても予定埋まってる人なんていっぱいいるでしょうし」
「そう言うおめェらは年末年始暇だったんだな……」
とサラッと告げてから銀時は顔をネプテューヌへと向ける。
「学生のプリキュア共はともかく、女神の癖しておめェも暇してんだな」
「いやー、私は忙しかったよ? 特に年末は。だけど、年末追い込みの仕事がめんどくさくてボイコットの為にも来たから」
「サラッととんでもねェこと暴露しましたよこの駄女神」
と新八ツッコミ入れ、ネプテューヌはなんの罪悪感も感じさせない顔まま告げる。
「それに、1位の賞品が『豪華おせち&高額お年玉』のセットなんて聞かされたら来ないワケにいかないって」
「「「「えッ!?」」」」
ネプテューヌの言葉を聞いて銀時、神楽、なのは、新八は驚きの声を漏らす。そして銀時が即座に司会進行であるフェイトに顔を向ける。
「ちょッ、おいフェイト。このイベントって一位、つうか一番に上がった奴は賞品があんの?」
「うん。一位でゴールした人はいまネプテューヌが言った通り……」
そこまで言ってフェイトが顔を斜め後ろに向ければ、上空から街中のビルにあるような電子看板並みにデカいディスプレイが降下しつつ出現。
「なんか無駄に大がかりなのが出てきたな……」
「この空間マジでなんでもありっぽいですね……」
と銀時と新八が呟くと同時にフェイトが告げる。
「こちらの賞品が授与されます」
ディスプレイに高級そうな材料を調理する映像が流されると共に音声が流れる。
『すごろく大戦の一位を見事飾った方には総額30万円分の材料をふんだんに使ったおせちと――』
「うわ、なんか格付けのナレーションみたいな声が流れてきた」
と新八が声を出し、映像が切り替われば大きなお年玉袋の口からはみ出た札束が扇子のように広げられている映像が映し出される。
『――現金100万円分のお年玉が進呈されます』
そこまで言って映像が止まり、フェイトが銀時たちへと平坦声で告げる。
「今のが今大会のお年玉です」
すると司会進行とは逆に万事屋三人組の態度は急変し始める。
「マジでマジでマジで? メンドーなイベだと思ったけどスゲェサプライズきたぞおい!!」
「ぎ、銀さん銀さん銀さん!! コレなんとしてもでも勝つしかありませんよ!!」
「キョッホォォイ!! 優勝は私のモンアルゥゥゥゥウウウウウウウウ!!」
銀時、新八、神楽の血管破裂しそうなほどの興奮具合を見てなのはは少し汗を流す。
「さっきまでテンションが低かった皆さんの態度が一変した……」
一方、ノッブは腕を組みながら意外そうな声を出す。
「なんじゃ? おぬしらこのイベントの賞品知らなかったのか?」
「ぶっちゃけると、私たちも賞品目的で今回のゲストにお呼ばれしたんですよね」
沖田さんが苦笑いを浮かべて言うと銀時は驚き気味に声を出す。
「おいなんだよ。お前ら知ってたのかよ」
「まー、そう言うワケじゃ。悪いが、賞品が賞品だけに遊び半分で済ますつもりはないからの」
と言うノッブの言葉を聞いて銀時は対抗心をメラメラ燃やし始める。
「上等だ。こっちも全力でテメェら叩き潰してやるよ」
「覚悟するヨロシ!」
口から涎を垂らしまくる神楽は掌に拳を叩きつけ、一気に勝負熱を燃やし始める彼らを遠巻きに見ているネプ&プリの三人。
「あちゃー、こりゃ賞品取るの難しそうかなー」
「いっぱい楽しもうね! ララ!」
「ルン!」
参加選手たちのテンションと気合いが上がってきたところでフェイトが淡々と告げる。
「それで、最下位のチームの罰がこちらになります」
すぐさま映像が切り替わり巨大な一文が表示される。
『最下位はウ〇コと合☆体』
罰ゲームをチラッと見た銀時はすぐに視線をノッブたちに向き直しながら口にする。
「あー、罰ゲームはウン〇とフュージョンね。はいはい。それよりしょう……ひん……」
やがて銀時の言葉尻が弱くなり、油が切れたブリキ人形のように首を動かして再びゆっくりとドでかいディスプレイに表示された一文に目を向ける。
『最下位はウ〇コと合☆体』
「「「「「…………」」」」」
銀時に続くようにその場にいる全員がディスプレイを見て絶句。
幾ばくか静寂の後、銀時が声を震わせながら司会進行に告げる。
「ふぇ、フェイトちゃァ~ん? 画面の表示がバクってなァ~い? さっきからとんでもねェ一文が見えるんだけど? もォ~、ちゃんと修正してくれなきゃ~」
続いてノッブも声を震わせながら告げる。
「そ、そうじゃそうじゃ~……は、初耳じゃし~……さ、さすがにそんな罰ゲームじゃ……ないじゃろ?」
「うんうんうん!!」
ネプテューヌがぶんぶん首を縦に振って相槌を打つが、フェイトは「ううん」と首を横にふる。
「画面の通りの罰が執行されます」
司会進行の言葉を聞いてルル以外の全員の目元に影が落ちる。
そして、
「「「「「え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙ッ!?」」」」」
とララ以外の全員が噴火したように悲鳴を上げるのだった。