やはり俺が入隊するのはまちがっている。   作:ユンケ

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比企谷隊の隊服ですが、デジモンテイマーズのベルゼブモンというキャラの服です。アレは格好良いので隊服のモデルとして1番始めに浮かびました


初陣で比企谷八幡は暴れる

初めてのチームランク戦にて、俺が転送されたのはマンションの屋上だった。狙撃手ならベストスポットかもしれないが、攻撃手の俺からしたら無用の長物だ。

 

先ずは場所の確認だ。

 

「三上、俺達3人にマップをくれ」

 

俺はマンションから飛び降りながら指示を出す。

 

『了解。視界に表示するね』

 

三上の言葉と共に視界にマップが表示される。俺がいる場所はステージの端っこの方だった。こりゃ合流するのに割と時間が……ん?

 

『八幡先輩、レーダーに反応が5つしかないですよ』

 

俺が気付くと同時に照屋から連絡が入る。このステージにいる戦闘員は9人だが、レーダーには5つしか反応がない。内4つはレーダーから消えている事から、4人はレーダーに映らなくなるバッグワームを使っているのだろう。

 

1人は間違いなく東さんだろう。狙撃手は見つかってはいけないのだから。と、なるとレーダーから消えた3人は……柿崎隊だな。

 

多分安全に合流する為にバッグワームを使ってレーダーに映らないようにしたのだろう。

 

「こっちもバッグワームを使うぞ。1人が狙われたら洒落にならん」

 

『『了解』』

 

2人に対してそう指示を出しながら俺もバッグワームを使う。そして改めてレーダーを見ると、レーダーには2つの反応がある。多分奥寺と小荒井だと思うが……

 

「マジか……」

 

俺達がレーダーに反応しなくなったからか、2つの反応も無くなった。それはつまりこの場にいる全員がバッグワームを使用している事を意味する。

 

『全員バッグワームを使ったな……』

 

「ああ。まさか初陣で隠密戦をするとは思わなかったが、作戦に変更はない。先ずは合流するぞ。集合場所はステージ中央にある学校だ。開けた場所に行く時は注意しろ」

 

『『了解』』

 

言いながら俺は2人のいる方向に走り出す。本来ならグラスホッパーを使って一気に距離を詰めたいが、目立つ行動を取って見つかったらマズイからな。用心するに越したことはない。

 

暫くの間走り続けて、集合場所の学校が視界に入る。ここまで誰とも会っていない。それは照屋と辻も同じで、辺りから戦闘の音も聞こえないので東隊や柿崎隊も誰とも会ってないようだ。ここまで静かなランク戦はそうそうないだろう。

 

そんな事を考えながら曲がり角を右に曲がると……

 

「「あ」」

 

そこにはバッグワームを着た柿崎隊の巴がいた。向こうはポカンとした表情を浮かべているが、俺も似たような表情をしているだろう。まさか曲がり角で偶然会うとは思わなかった。

 

互いにポカンとしてしまうも……

 

「こちら巴!比企谷先輩が目の前に!」

 

「照屋、辻!巴と接敵!急いで来い!」

 

互いにバッグワームを解除して俺はスコーピオンを、巴は弧月を出しながらチームメイトと連絡を取る。

 

『了解。直ぐに向かう』

 

『私は時間がかかると思いますが出来るだけ急ぎます!』

 

2人から返事を聞いた俺はそのままスコーピオンで巴の頭に袈裟斬りを放つが、巴はそれをバックステップで避けながら腰にあるホルスターから銃を取り出し……

 

ガンガンガンガン

 

真横に向けて銃を撃ち出して、間髪入れずに突っ込んでくる。俺がスコーピオンで受けると同時に真横に放たれた弾丸が曲がって俺に襲ってくる。

 

ハウンドを使いながら弧月で斬りこむ、巴の十八番なのは知っている。久々に使われたが相変わらず面倒なやり方だ。

 

内心ため息を吐きながらシールドでハウンドを防ぐ。しかしスコーピオンと弧月が打ち合ったら耐久性の違いから俺が不利なので距離を取らないといけない。現にスコーピオンには罅が入っているし。

 

そう判断した……

 

「うおっ!」

 

俺はスコーピオンが壊れる前に巴の腹に蹴りを入れて距離を取る。そしてスコーピオンを消して主トリガーのハウンドを弾速重視で放つ。

 

対して巴はシールドで全て防ぐ。まあ予想の内だ。こんなんで負ける奴はB級にはいないだろう。

 

しかしそこは問題じゃない。問題は……

 

(多分東さんは狙撃の準備に入ってるだろうな)

 

理由は今俺と巴がいる場所はステージの割と中央である上に辺りには高層マンションーーー絶好の狙撃ポイントが幾つもあるからだ。俺が東隊なら狙撃ポイントの近くを集合場所の近くに陣を敷く。

 

(しかしどうするべきか?辻はともかく、照屋は来るまでに時間がかかるしな……)

 

東さんが狙撃の準備が完了していたら状況は良くない。レーダーには映らないが柿崎隊も後少しで合流するだろうし、速攻で巴を倒したい気持ちはあるが、欲を出したら狙撃される。俺が狙撃されたら人数的にも不利だし士気にも影響が出るだろう。

 

(せめて東さんの位置がわかれば……ん?待てよ。あるじゃねぇか。リスクが少なくて東さんの位置を知る方法が)

 

点数は手に入らないが仕方ないだろう。それで一撃必殺の狙撃手の場所がわかるなら安いものだ。

 

そうと決まれば動くか。俺は巴に向かってハウンドを放ちながら距離を詰める。対する巴はシールドで防いでからカウンターを狙って下段斬りを放ってくるのでスコーピオンで弧月の横っ腹を叩き軌道を逸らす。

 

そして……

 

「グラスホッパー」

 

巴の腹にグラスホッパーをぶつける。グラスホッパーは分割すれば複数枚ジャンプ板を出せるが数を増やせば1つ1つの出力は低くなる。

 

が、逆に分割しないで1枚だけのグラスホッパーなら……

 

「……っ!」

 

出力が高くなる。案の定巴は空高く舞い上がる。上空を見ると巴が天まで届くかのように勢いよく舞い上がり……

 

(……来た!)

 

最高地点に到達すると同時に青い高層マンションから一筋の光が巴に向かって突き進む。

 

対する巴は自身の前方にシールドを展開するも……

 

「……凄えな」

 

一筋の光は容易くシールドを打ち砕き、そのまま巴の頭も飛ばした。そしてその光は勢いを止めずに近くの民家に当たり、屋根を吹き飛ばした。

 

首が無くなった巴の身体を見ると全身に罅が入り、そのまま爆発して大空へ飛んで行った。

 

巴のシールドを見る限り面積が小さかったので相当強度があった筈だ。それを容易く破壊した事からアレは間違いなくアイビスだろう。

 

そしてアイビスを使う人はこの場に1人しか居ない。

 

(東さんを見つけたぜ)

 

東さん以外考えられない。これが俺の作戦。巴を空中に飛ばし射線を通した事で東さんに狙撃させて居場所を知るのが狙いだ。

 

巴の点を東隊にあげたのは痛いが、東さんの居場所が割れたのと柿崎隊の数が減った事を考えられば悪くないと思う。

 

東さんがいた青い高層マンションはそこまで遠くない。辻達との合流場所を変え……っ?!

 

そこまで考えていると、不意に殺気を感じたので上を見ると、東隊攻撃手の2人が飛びかかってきたので、受け身を考えずに反射的に横に跳ぶ。すると数秒遅れてさっきまで俺がいた場所に弧月が振られる。

 

「あーあ。避けられちまったぜ」

 

「別に良いだろ。目的は足止めだし」

 

東隊攻撃手の小荒井が残念そうにぼやき、同じ攻撃手の奥寺がそれにツッコミを入れる。会話の内容から察するにこの2人は俺が東さんを追えないように足止めに来たのだろう。

 

(マジで面倒だな……狙撃手を相手にする時は位置を知る事が重要だが、当然向こうはアフターケアはしてくるか)

 

とりあえず東さんがいる方角はわかるし動くなら早めに動くか……

 

そう思った時だった。

 

『比企谷、一旦退がってくれ』

 

辻から通信が入るので言われた通りに退がると、上空から大量のハウンドが雨のように降ってくる。って、予想外に攻撃範囲が広いな!

 

東さんを警戒しながら更に後ろに跳ぶと、奥寺と小荒井もハウンドの雨を避けるべくシールドを展開しながら俺達から離れる。

 

すると辻が俺の右に立つ。辻がハウンドを放ったのは俺と早めに合流する為、合流の邪魔をさせない為だろう。

 

『奥寺君の腕に何発か当たったよ。でも戦闘には支障はなさそうだね』

 

「牽制が目的のハウンドだし当たっただけラッキーだな」

 

「それは良いがもっと早く言ってくれ。俺も巻き込まれかけただろうが」

 

「悪かった」

 

三上の声に辻がそう口にする。若干危なかったが、とりあえずこっちも辻とは合流出来たし、やれる事は大幅に増えた。

 

そこまで考えていると視界の隅に柿崎さんと由比ヶ浜が見えた。どうやら向こうも俺がドンパチやっている間に合流出来たのだろう。

 

東さんからは狙撃が来ない。まあ今は大体の位置はバレてるし、戦闘中じゃないから当然だろう。次に狙撃が来るのは再度戦端が開いてからだろう。

 

「お待たせしました!」

 

東さんがいる方向を見ていると俺の左に照屋が立つ。どうやら話している間に追いついたようだ。

 

これで生きている面子は全員揃ったな。比較的有利なのはウチだが、狙撃の一発で戦況は覆るから油断は出来ないな。

 

「指示を出すが良いか?」

 

「ああ」

 

「はい」

 

『何かな?』

 

俺がそう口にすると両隣にいる辻と照屋、通信越しから三上の了承の声が聞こえる。

 

「先ずは辻。柿崎隊の2人は俺がやるから、お前は東隊攻撃手の2人を頼む。ただし2対1だから負けない事を前提に防御重視で頼む。俺が柿崎隊を倒したら援護に向かう」

 

2対1だが多分大丈夫だろう。柿崎さんは万能手だが弧月使いだ。辻を引き入れる為に太刀川さんに500回以上ぶった斬られた俺は弧月使いとの勝率は桁違いに高いから問題ない。

 

由比ヶ浜は何のトリガーを入れてるか知らないがタイマンなら負けないだろう。注意するとしたら柿崎さんと戦ってる時の援護射撃だな。

 

「了解」

 

辻が頷くのを確認すると照屋を見る。

 

「次に照屋。お前メイントリガーにメテオラを入れてたよな?」

 

「はい」

 

「だったらメテオラを東さんがいる方向にとにかくばら撒いてくれ。威力は低くて良いから爆発の規模は限界まで上げろ」

 

「それは目眩しをするのが目的ですか?」

 

「そうだ。今から東さんを追いかけても捕まえるのは厳しいし、それだったら東さんに狙撃をさせ難い状況を作った方が良い」

 

東さんは堅実な人だ。爆風が吹き荒れる時に狙撃をしたら仲間の奥寺や小荒井を狙撃をする可能性がある。東さんは博打打ちじゃないし撃たないだろう。

 

仮に狙撃ポイントを変えるとしても若干の時間がかかるだろう。現時点で大体の居場所は知っているから大きく移動しないといけないし。

 

「了解しました」

 

「最後に三上。お前は周囲の狙撃ポイントを俺達に送ってくれ。その後は辻を中心にサポートしてくれ」

 

『了解』

 

3人からは了解の返事を貰った。作戦が決まった以上速攻で動くに限るな。

 

「行くぞ」

 

俺がそう言ってグラスホッパーを起動して柿崎隊の元へと跳ぶ。同時に……

 

「メテオラ!」

 

照屋がさっき東さんがいた青いマンションの方向に向けてメテオラを放ち爆風を生み出す。チラッと横を見ると爆風によって視界が封じられた。これなら東さんでも簡単に狙撃は出来ないだろう。

 

だからは俺と辻は狙う敵に集中出来る……!

 

そう思いながら前を見ると柿崎さんと由比ヶ浜が突撃銃をこちらに向けて放ってくるのでグラスホッパーを使って巧みに避ける。空中ならあらゆる方向に飛べるので早々当たらないだろう。

 

俺に襲ってくる銃弾を避けて、遂に2人のいる広場に辿り着く。

 

「すみません柿崎さん。東さんが撃てない内に2点貰います」

 

「面白ぇ……やってみろルーキー」

 

「虎太郎君の弔い合戦をさせて貰うし!」

 

「「いや巴(虎太郎)は生きてるからな?」」

 

「ふぇ?」

 

俺と柿崎さんが同時にツッコミを入れる。弔い合戦は味方の戦死者の敵を討って、その霊を慰めるための戦だ。巴はベイルアウトしたが、普通に生きてるから霊を慰める戦はしないからな?やっぱりこいつアホだろ?

 

「ま、まあそれはともかく……殺らせて貰いますよ」

 

言いながら俺はテレポーターを使用して瞬時に柿崎さんの近くまで寄り首を狙う。

 

「うおっ!危ねぇ!」

 

対する柿崎さんはマトリックスのような動きをして回避する。このまま足を崩して、仕留めようと動く。

 

「させないし!」

 

しかしその前に由比ヶ浜が突撃銃から弾丸をガンガン飛ばしてくるので、思わず後ろに退がる。同時に柿崎さんも体勢を整えて突撃銃から弾丸を飛ばすのでシールドで防ぎながら間合いを測る。

 

(タイミングが良いな……ある程度の連携のレベルになっているし相当努力をしたのだろう)

 

こりゃ巴を東さんに仕留めさせたのは成功だな。3対1じゃ負けていただろうし。

 

まあ愚痴っても仕方ない……とりあえず早めにケリを付けないといけない。今は照屋が辺りにメテオラをばら撒いているが東さんが狙撃ポイントを変えたら意味が薄くなる。

 

(一気に決める……!)

 

そう思いながら俺は再度2人に向けて走り出す。対する2人は突撃銃をで狙いを定め引き金を引こうとするので……

 

「グラスホッパー」

 

2人の銃の手元にグラスホッパーを起動する。以前辻を引き入れる際に使った技である。

 

すると案の定2人の手はグラスホッパーに当たり跳ね上がる。それによって突撃銃も跳ね上がり銃口も上を向き、弾丸は上空へ飛んで行って俺には当たらない。

 

この隙を逃すつもりはない。

 

 

そう思いながら2人の持つ突撃銃の銃口がこちらを向く前に主トリガーのグラスホッパーを自身の足元に、副トリガーのグラスホッパーを大量に分割して柿崎さんの周囲に展開する。得意の乱反射で仕留める。

 

足元のグラスホッパーを踏んで柿崎さんとの距離を一気に詰め、近くにある副トリガーが展開したジャンプ台を踏む。

 

それによって再度身体に浮遊感を感じ、跳んだ先にあるジャンプ台を踏んで、更に跳ぶ。それを繰り返すことで俺は高速で柿崎さんの周囲を跳び回る。

 

本来なら集中力が必要とするタイマン用の技で、第3者がいる場面では使わない技だが、今回は大丈夫だと思う。

 

何故なら……

 

「なっ……え、えっと!」

 

由比ヶ浜の微かに聞こえる声からわかるように無闇に撃つのは無理だろう。下手に撃ったら柿崎さんに当たる可能性もあるのだから。柿崎さんが落ちたら残りは由比ヶ浜1人。その事を考えたら引金にかかる指は重いだろう。

 

しかし……

 

「撃て!当てても文句は言わない!」

 

どうやら柿崎さんは俺を倒す事を優先したようだ。これはマズい……!攻めに出るか……!

 

「了解!」

 

由比ヶ浜の声と同時に俺は柿崎さんの頭上に回り、上空から下段蹴りを柿崎さんの肩に放つ。どうでも良いが先輩にやる事じゃねぇな。ランク戦が終わったら謝ろう。

 

それによって柿崎さんのバランスが崩れるので、間髪入れずにスコーピオンで斬りかかる。

 

そして……

 

ビュカッ

 

ガガガガガッ

 

2種類の音が響く。同時に柿崎さんの首は取れて、俺の左腕が落とされる。それによって柿崎さんの身体は光に包まれて空に飛んで行った。

 

左腕は落とされたが問題ない。スコーピオン使いだから腕が無くても戦えるからな。

 

「三上、辻の様子は?」

 

『今のところお兄ちゃんの指示に従って無理に攻めてないから若干押されてるね』

 

「わかった。照屋、メテオラはもう良いから射撃で辻のサポートをしろ」

 

『了解』

 

そう言って俺は由比ヶ浜に視線を向けて距離を詰める。柿崎さんが落ちた以上由比ヶ浜1人。由比ヶ浜には悪いが今のお前じゃ俺には勝てないだろう。東さんを警戒しながらでも負けはない。

 

対する由比ヶ浜も突撃銃を構えるが、その前にスコーピオンを由比ヶ浜の顔面に投げつける。

 

「ひいっ!」

 

それによって由比ヶ浜はシールドを展開しながらもビビってしまう。まあいきなり顔面に刃物を投げられたら、トリオン体だから死にはしないとわかっていても反応しちゃうだろう。

 

しかしおかげで今の由比ヶ浜は隙だらけだ。俺はテレポーターを使ってビビっている由比ヶ浜の目の前に現れて……

 

「2点目」

 

そのまま掌を由比ヶ浜の首に向けて威力重視のハウンドを放ち、由比ヶ浜の首を根元から吹き飛ばす。

 

「おにー!」

 

その言葉を最後に由比ヶ浜のトリオン体は光に包まれて、爆発すると同時に空へ飛んで行った。まあ確かに鬼かもな……マジで済まん。

 

そこまで考えている時だった。

 

ボッ……

 

由比ヶ浜のベイルアウトによって生まれた爆風の中から一筋の光が現れて俺の右腕を吹き飛ばした。

 

(これは……狙撃……東さんか?!)

 

そこまで考えると同時に反射的に頭を下げると、さっきまで頭があった場所に再度光が飛んできた。

 

爆風が晴れたので光が飛んできた方向を見るも、そこには人影すら無かった。おそらく爆風が晴れると同時に逃げたのだろう。

 

それにしても倒した瞬間を狙ってくるとは……由比ヶ浜を倒して一瞬油断したのは否定しないがこれは予想外だった。

 

しかしこうしては居られない。このまま東さんを放置する訳にはいかない。無視して辻達に加勢するという事は東さんに背中を晒すという事なのだから。

 

「三上。狙撃地点から東さんの逃げそうなルートを表示してくれ。東さんを止めに行く」

 

このダメージじゃ仕留めるのは無理でも、辻達の戦いに介入するのを阻止するくらいなら可能だろう。

 

『了解。お兄ちゃんの視界に表示するね』

 

その言葉と同時に視界に予測逃走ルートが表示されるので、それを見ると同時に走り出そうとする。

 

しかし……

 

「ちっ……ここまでか」

 

身体が動かなかった。自分の身体を見ると落とされた両腕から全身に罅が入り、それが全身に広がっていく。

 

まあ当然だろう。乱反射の使用に両腕の破壊。普通に考えてトリオンは無くなるに決まっている。

 

『戦闘体活動限界、緊急脱出』

 

そんな機械音声が聞こえると同時に俺の身体は光に包まれた。

 

 

……まあ2点取ったからそこまで文句は言われないだろう、多分




おまけ

比企谷隊作戦室

作戦室にはテレビや冷蔵庫、戸棚やソファー、本棚などがあり住んでる感がある。しかし隊員全員が整理整頓をするので太刀川隊と違って清潔である。

戸棚には大福とバターどら焼きが、冷蔵庫にはMAXコーヒーとプリンが大量に置いてあり防衛任務後に4人で仲良く食べている。

4人全員私物を持ち込まずスペースに余裕がある中、照屋がピアノを持ち込めるかと冗談半分で言ったらピアノを持ち込む事が決まって、近日中に比企谷隊はボーダー初、作戦室にピアノを持ち込むチームと化す。

八幡のベイルアウト用マットには毛布が置かれていて、偶に三上や作戦室に遊びに来る綾辻と一緒に寝ている。起きる度に八幡の頬に大量のキスマークが付いていて、それによって修羅場が生まれ八幡の胃にダメージが来る。




カバー裏的なヤツ(本作品バージョン)

姉と妹を兼ね備える女 みかみか

4人姉弟の長女であり、彼らの母親代わりを務めていた経験がある事から面倒見がよく、ボーダー内の女性隊員を軒並みメロメロにしていた。しかし賭けの代償で義兄を手に入れてからは甘え全開になり、所構わず義兄に甘えまくり、それを見た女性隊員はギャップ差に狂喜乱舞するようになった。最近の悩みは義兄が義姉にチュッチュッされているのを知る度に嫌な気分になる事。


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