目の前の神とかいうショタッ子を倒してさっさと冥界にと思ってはいるのだが小宇宙を思ったより奪われてるらしく、体があまり言う事を聞かない。短期決戦しかねぇ。
「無駄話は終わりだ!さっさと」
「ペガサス流星拳!」
「ちっ、話をしてる最中に!...こいつ!?本当に青銅か!?」
「うおおおお!」
驚かせた。ただそれだけ。拳が届かない。秒間1億で届かないってのなら2億でも100億でもくれてやる!小宇宙を限界まで燃やし回転を上げていく!
「たかが青銅だと聞いていたのに話が違う!?」
見えた!一瞬の隙!迷わず懐に飛び込み渾身の一撃を振るう!
「残念♪僕には星護盾があるんだ」
ぼきっ。あっさりと砕けたのは俺の拳。
「シールドバッシュ!...何!」
盾で思いっきり殴られる。もう痛みは無視する事にした。意識が切れないよう口の中を噛み千切り、全力で踏み留まる。吹き飛ばしたと思ったのだろう。その場に踏み留まった事に驚愕するクレイオス。
「ペガサス!彗星拳!...うおおおおおおおお!!!」
全小宇宙を込めたゼロ距離打撃。拳は死んでるが魂ごとぶつける!
バキィィィィ
全力の一撃。しかし砕いたのは盾のみ。
「なん...だと。守護してやった惑星に住む住民全員の小宇宙で作ったこの盾を砕いた!?...貴様ぁ!」
ザシュ ザシュ ザシュ ザシュ ザシュ
体中を切り刻まれ、天馬座の聖衣も砕かれ、血も小宇宙も吸いとられていく。
「死ね!星断円斬!」
キィィィィン
空間に割って入った何かがクレイオスの斬撃を止める。この異空間に割って入る!?あれは...双子座の黄金聖衣!
「馬鹿な!何故この空間に!しかもこれはあのサガの!ちっ、僕らで倒して操ってやろうとしたのに勝手に死んだ挙げ句まだ邪魔をするのか!」
は?
いま
なんて言った?
「な、なんだ!?青銅の体から溢れるこの恐ろしい小宇宙は!?」
「...敵討ちだ。手を貸してくれ!双子座の黄金聖衣!」
カッ!目映いばかりに輝き装着される双子座の聖衣。これが黄金聖衣...。いける!
「俺は!お前だけは!絶対に許さない!見るがいい!お前が星を断つ剣であるならば!俺が振るう拳は!最強の黄金聖闘士"双子座"ジェミニのサガ最大の拳!星々を砕く拳!喰らうがいい!ギャラクシアンエクスプロージョン!!!」
「ぐぅぅぅ!?ば、馬鹿な!たかが青銅に!くっそおおお!僕さえも騙したのかあいつは!?...ああぁぁあああ!?」
やってやった。初手で思っきり腹から血と小宇宙を奪われる痛恨のミスさえなければ、あんな駄神相手にこんなに手間取らなくて済んだと思うが。クレイオスが作ったこの空間が不安定になっていくのを感じる。
やばい。空間から飛ぶ程の小宇宙が残ってない。
せめて、せめて今もどこからかずっと見てやがる誰かだけでもぶっ飛ばして...あ、駄目だ。血も足りないわ。
意識が朦朧としてきた。そして、この空間に転移してきたシャカに救われた事で、安心してしまいそのまま気絶してしまった。
双子座の黄金聖衣「どやぁ」
射手座の黄金聖衣「ぐぬぬぬ」