比企谷八幡は失踪することにした。(渋滞中) 作:amedama
受験生の皆様頑張ってください。
作者の私は高校在学中なので休みです。
前回のあらすじ
陽乃は秀一郎から手紙を貰い、八幡の身にあった出来事を知る。そして、今後の雪ノ下グループの行方を左右する決断を迫られる・・・
比企谷華(元は『地下鉄に乗るっ』の太秦華)
雄大の妻で、専業主婦。
比企谷萌(元は『地下鉄に乗るっ』の太秦萌)
雄大の娘。高校生で、四菱学園高等部2年。
八幡に好意を抱いており、八幡に会えるのを楽しみにしている(メインヒロインキタァァァァァ!)。
白河澄(『京ガールズデイズ~太秦萌の九十九戯曲~』より)
萌の同級生。萌とよく京都を回って写真を撮っている。
注意:作者は神奈川県民です。京都弁も「地下鉄に乗るっ」の小説「京ガールズデイズ~太秦萌の九十九戯曲~」を参考にしていますが、どうも変になってしまいますので、予めご了承下さい。
陽乃side
私は悩んでいた。
チンケなプライドを取るか、安定した未来を取るか。
私の答え方によって、今後の雪ノ下家の未来が決まる。
それなら、答えは一つだ。
覚悟はできた。
「・・・お願いします。私を転学させてください。」
「本当に良いのだな?覚悟はできておるのか?」
「ええ、十分に」
「・・・よかろう。試験は必要ない。住まいも手配しよう。ただ、京都には八幡がおる。ぬしは、八幡を傷付けることはしないと私に誓えるか?」
「・・・はい、心から誓います。」
私がそう言うと、秀一郎さんは大笑いした。
「ガッハッハ。まさかここまで意志の固い人だとは思わんかった。ぬしを信じようではないか。」
「っ!・・・ありがとうございます」
「気にせんでえぇ。さて、まずは雪ノ下建設の本社に行こう。この事を伝えるんじゃ。で、千葉地裁に行って四菱地所を支援先とする会社更生法の適用を申請する。最後に成田に行って雪ノ下建設株のTOBを発表する。」
「会社更生法を適用するのにTOBは必要なのですか?」
「他の会社やヘッジファンドに株を取られたら意味がないだろう」
・・・なるほど、確かにそうね。
「では、それでお願いします」
「ああ、しかし、うちに来るからにはしっかり学んでしっかり働いてもらうぞ」
「ええ、わかってます」
数時間後 ニュース
「速報です。株価暴落につき経営難に陥った雪ノ下建設は、四菱地所を支援先として、千葉地裁に会社更生法の適用を申請しました。現時点では詳しい情報は入っていませんが、後日記者会見を開くとしています。また、四菱地所も、雪ノ下建設株全株式のTOB、株式公開買い付けを実施することを発表しました。四菱地所による経営再建は確実な情勢となっています。」
萌side
私の名前は比企谷萌。
京都の四菱学園高等部国際科に通っとるんよ。
で、今日は親戚の八幡くんがこっちに来るて、お父さんが言ってたんやけど、物凄いドキドキして、学校どころじゃないんよ。
八幡くん優しいし、目は澱んでるけどイケメンだし、どこかお兄さんみたいな感じがあって、つい甘えてしもて。だから一族の女の子からモテモテになってはるんやろなぁ。
まだかな~まだかな~♪
「・・・・・萌、・・・・・萌ってば!」
「・・うぁ!ごめん澄ちゃん」
「もう、またボーッとして。・・・あ、また八幡くん?の事考えてるんでしょ」
「な!?何でわかるん?」
「そりゃよく一緒にいるからじゃない?」
この子は白河澄ちゃん。
東京からきた転校生で、私の友達。
カメラって言う共通の趣味があるから、よく一緒に京都の町を回って写真を撮りに行く。
「そう言えば、萌と八幡くんの出会いってどんな感じだったの?」
「う~ん。あれは7年前の事なんやけど・・・」
~比企谷萌の回想~
7年前の8月 千葉県成田市 比企谷家本家
『それでは、八幡くん10歳の誕生日のお祝いと、今後の更なる発展、成長を祈って、乾杯!』
『『『乾杯!』』』
成田で盛大に開かれた、八幡くんの誕生日パーティ。
八幡くんはやらなくていいと言ってはったのに、秀一郎お爺様が絶対開くと宣言して開いた。
秀一郎お爺様曰く、
『成田セントラルスクール(比企谷一族と四菱グループの官僚・経営者育成機関)を史上最短の2年で出た逸材の誕生日は盛大に祝わなくてはいかんのじゃ!』
そうな。
お父さんはずっと成田に来れてなかったから、達哉伯父さんに挨拶する言うて、私もそれについていったんよ。
そこで、八幡くんと出会った。
「私、比企谷萌!よろしくね」
「ひ、比企谷八幡。よろしくたにょむ」
噛んどる。この子噛んどる、可愛い。
「うぅ~。忘れてくれぇ~」
顔を赤くして忘れろと言う八幡くん。もっと可愛くなっとる。
そのあと、いろんな事を話したなぁ。
八幡くんは物知りやった。いつか私も八幡くんみたいに賢くなりたいと思った。
~回想終了~
「最初は憧れとったんよ。でも、毎年八幡くんが来る度にその思いが変わってきて、恋心に変わったんやなぁ」
「そっか。じゃあ、私行くね」
「うん、また明日」
さて、私も家に帰らんとね。