バカと9人の女神と召喚獣 バカテス×ラブライブ!   作:星震

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ワシと歌とピアノの少女

「いい加減機嫌直してよ秀吉ぃ…」

 

「知らないのじゃ」

 

 なぜこうなってるかを説明しよう。

 僕たちは無事部活動見学をすることになったのだが、秀吉が入りたかった部活である演劇部が音ノ木坂には存在しなかった。

 なぜ僕がそれで怒られてるかって?

 この学校には映画研究部という部活があるので僕は秀吉に映画も演劇も似たようなものだからどうかと進めたのだが、演劇ガチ勢の秀吉に説教された。

 映画と演劇の違いを叩き込まれ論破された。

 

「まぁ明久の気持ちも分かる気がしないでもないがなぁ…」

 

「ゆっ…雄二お主まで!!」

 

「まぁ演劇の真髄は秀吉にしか分からないってことだな。」

 

「…仕方ない」

 

「僕にとっては歌とかの方が芸術に見えるからね…

 人それぞれってことだね。」

 

「くっ…

 この学校で誰も演劇を理解しようとは思えんのか…!?」

 

「・・・なら創ればいい」

 

「創るじゃと?」

 

「・・・五人集めれば新規に部をつくることは可能」

 

「五人も集めねばならんのか…

 お主らを入れたとしても一人足りぬぞ…」

 

「僕らも巻き込まれるの!?

 でも、部活を創るのは難しいよね…秀吉の場合、いっそ校外の劇団みたいなのに入ったほうが…」

 

「いや、ワシは諦めん!!

 もしかすると演劇同好会がすでにあるかもしれん!!探してくるのじゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

「あっ!!秀吉!!」

 

「諦めろ明久。

 ああなった秀吉は止められん。」

 

「…そのうち帰ってくるだろう。」

 

「そうだね………」

 

 遠くなっていく秀吉を見つめる僕たちだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ぬぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

 演劇部はどこじゃぁぁぁっ!!」

 

 目を光らせて猛獣のように走る秀吉。

 明久たちといた一階からたった一分足らずで四階まで登った体力は一体どこから来ているというのだろうか…

 

「ここか!?違う……

 ならばここかぁっ!?」

 

 次々と教室のドアを開けていく秀吉。

 今の彼には普通の教室でさえ部室に見えているらしい。

 

「くっ…!!

 残るはあの部屋…!!」

 

 秀吉は音楽室といった演劇とは遠く放れた部屋さえもターゲットとした…

 

「ここじゃ…!!

 あってくれ演劇部…!!」

 

秀吉は音楽室のドアを開けようとした。

そのときであった…

 

『さぁ、大好きだバンザーイ…

 負けない勇気……………』

 

「む…?

 誰かおるのか…?」

 

秀吉はすでに扉を開けていた。

自分でも気がつかなかったが。

その理由はなにゆえに…?

 

『私たちは今を楽しもう…

 大好きだバンザーイ

 頑張れるから昨日に手を振って

 ほら…前向いて……』

 

「お…おぉ………」

 

 秀吉はそのとき初めて演劇以外の物が素晴らしいと思った。

 演劇以外には全く興味を示さず、そのせいでFクラスになってしまったというのに。

 

「な…何見てるんですか!!」

 

「お…おぉ…すまぬ…

 ところでここは合唱部か何かの

 部室なのじゃ?」

 

 さっきまで歌っていた少女に言われるまで気がつかなかった秀吉。

 こんな秀吉は彼自身さえも知らないだろう。

 

「違います!!

 いいから出てってください!」

 

「さっきの歌……」

 

「あっ…あれは…!!」

 

「あの歌はお主が作曲したのか…?」

 

「そうだったら何か文句あります?」

 

「なぜそうなるのじゃ…

 お主によく似た面倒なヤツを知っておるぞ。身内でな」

 

「私にとっては貴方が面倒です!早く出てってくれますか!?」

 

 目の前にいる少女に自分の姉の姿を重ねる秀吉。

 この手の人間には慣れているのだろうか…

 

「ふぅ…いい曲じゃったぞ。

 恐らくワシが今まで聞いた中で一番」

 

「なっ!?何それ!!意味分かんない!!」

 

「はぁ…ワシは行くからの…」

 

「あ…あのっ!!」

 

「なんじゃ?」

 

 呼び止められる秀吉。

 さっきまで面倒な物を見る目で見ていた表情が真剣なものになった。

 

「なんで女の子なのにおじいちゃん染みた話し方なんですか?」

 

「は…?」

 

 真剣になったと思えば………

 秀吉はいつものお約束の台詞をここでも言うのだった…

 

「わ…わ……」

 

「へっ?」

 

「ワシは男じゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ヴェェ!?」

 

 こうして二人の少女は出会ったのであった…

 

「だからワシは男じゃ!!」

 

「誰に言ってるんですか!!」

 

「分からん!!

 とにかくワシは帰るっ!!」

 

「あ…ちょっと……」

 

 少女は走り去っていく秀吉を見つめていた。

 

『いい曲じゃったぞ……

 恐らく今まで聞いた中で一番…』

 

「っ///」

 

 少女は秀吉の表情が真剣だったことを今思い出した。

 

「・・・イミワカンナイ………」

 

 

 一人呟いた。

 

 

 

教室

 

「あ、秀吉おかえり」

 

「ただいまなのじゃ…」

 

「それでどうだった?」

 

「演劇部は無かったのじゃ…

 でも…良いものを見た」

 

「え?」

 

「明久、歌というものも良いものじゃな」

 

「う…うん。どうしたの秀吉…?」

 

「なんでもないのじゃ。ところで雄二たちは?」

 

「あぁ…今康太が明日使う資料を文月から盗んでるんだ。

 手伝うからって先に雄二も帰ったよ」

 

「物騒な言い方をするのう…

 文月のシステムに侵入するなぞ、康太は何者じゃ?」

 

「さぁ。

 けど僕たちも明日に向けて何か手伝わなきゃ。

 帰ろう秀吉」

 

「そうじゃな。

 ところで明久よ。今日の夕飯は何なのじゃ?」

 

「昨日使ったキャベツがあったな…

 ロールキャベツにでもしようかな。」

 

「おぉ!

 ロールキャベツは食べたことないのじゃ!

 楽しみじゃな!」

 

「うん。頑張って作るね」

 

二人は要塞に帰るのだった。

 

 

 

 

 

学生寮という名の要塞

 

「ただいまー」

 

「ただいまなのじゃ。」

 

「おぉ!二人共帰ったか!!悪いが手が離せなくてな!

 取り合えず机の上に書いてあるメモの通りに行動してくれ!!

 あと明久、腹減ったから早く飯作ってくれ!!」

 

「はいはい。

 分かったよ雄二」

 

「ワシはここにあることをすればよいのか……」

 

そこに書いてあったことは…

『康太と連携してハッキング』

『資料ファイルのアップロード』

『資料の印刷』

と書いてあった。

 

「もはや会社じゃな…

 しかしこれは違法行為じゃがな…」

 

「明日のためだ!!やってくれ!!」

 

「やれやれ…では取りかかるとするかの康太」

 

「……(コクコク)」

 

彼らは『ババア討伐』の旗の下に、計画を進め始めた。

 





今回もありがとうございました!!

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