バカと9人の女神と召喚獣 バカテス×ラブライブ!   作:星震

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祝!!
携帯版日間ランキング8位達成!!
バカテスがランキング入るのって何年ぶりですかね………?
これも全部皆様の応援のおかげです!

そして今回は明久の毒牙にあの子が………


新たに高評価をくださった、ちょこテラスさん、パトリック・ジェームズさん、金剛型三番艦さんありがとうございました!!


僕と電車と一日目

「ことりちゃん!海未ちゃん!

 山がこんなに近く見えるよ!」

 

「穂乃果、窓から手を出しては

 いけませんよ…」

 

電車の窓から緑が見える。

普段は住宅の並ぶ町に住んでいるためか緑を見ると遠くに来た気分になって少し切なく感じるね。

………ホームシックじゃないよ?

 

「はぁ…あと二時間以上はこのままか…

 雄二、何か面白いものないの?」

 

「んなモン自分で持ってくれば

 よかっただろ…

 俺みたいにな」

 

「こやつ、普通にVita始めおったぞ…

 見つかったら大目玉じゃぞ?」

 

「バレなきゃいいんだよ」

 

ゲス声で言う雄二。

そしてモンスターを太刀で倒す音が聞こえ始める。

 

「それにしても凄いね、この電車。

 まるで部屋みたいだよ~」

 

「お座敷列車っていうやつだね。

 まぁこの列車の場合はその域を軽く

 越えてるけど…」

 

流石はババァ長。

こんなとんでもない列車を送ってくるとは…

もはや和室が動いていると例えればいいかな。

こんな列車作るなんて説明不能な技術力だね、これ。

ちなみに一班一部屋貰ってる。

 

「しかし…やることないね~……」

 

「なら勉強でもしますか?

 私が教えますよ」

 

「え''っ!?

 えと……それは………」

 

「む…明久は私じゃ不満なんですか…?」

 

「そ…そうじゃないんだよ?

 ただ…こんなところまで来て勉強って

 いうのもね…」

 

「学力向上を目的とした合宿の筈では…?」

 

「あ……

 そうだった、作戦のことで頭が

 いっぱいになってるな…」

 

「作戦?

 作戦ってなんの?」

 

「明久!このバカ……!!」

 

雄二が高坂さんに質問された僕の口を抑える。

 

「(お前が蒔いた種だ、何とかごまかせ)」

雄二がそう目で訴えてくる。

何とかって言ったって……

こ…こうなったら………!

 

「じゅ…授業から逃げ出す為の作戦さ!」

 

ガチャッ!!

 

そんな音が鳴った。僕の腕に。

手には金属特有の重さと冷たい感触が。

 

「え?」

 

「逃がすと思いますか?」

 

「いや、それはそうと園田さん…

 どうして手錠なんか持ってるの?」

 

「安心してください、玩具です」

 

「この重さはどう考えても玩具ではない!!

 これ取れないんだけど!?」

 

「鍵ならここにあるのでご心配なく。

 それとこれは西村先生から貴方が

 私から…ではなく補習から逃げぬよう

 にと渡されたものです。」

 

ねぇ、今何か変な一言が混ざって

なかった?

 

「その証拠にほら、」

 

園田さんは書類のようなものを渡してきた。

捕獲許可と書かれているその紙には

確かに鉄人の名前が書いてあった。

 

「鉄人の野郎…!!ぶっ○してやる!!

 捕獲許可とか僕を動物みたいに扱い

 やがって…!!」

 

「よかったな明久、これで肉体精神

 共に園田の奴隷だ」

 

「よくない!!

 利き手を塞がれて不便すぎるよ!!」

 

「大丈夫です。

 その辺は私が責任を持って面倒

 みますから」

 

「うん、すまないねぇ若いの…

 じゃなくて!僕は老人じゃないから

 介護はいらないからこれを外してよ!

 これじゃ僕、犯罪者じゃん!」

 

「…少し惜しいですが仕方ないですね。

 次、補習から逃げたらまた捕まえますよ?

 …………あれ?」

 

え?

園田さん、何その何か無くしたとでも

言いたげな顔は…

 

「確かそこに置いておいた筈なの

 ですが………」

 

「そこに置いてあった鍵のことか?」

 

「坂本さんは知っているのですか?」

 

「あぁ、わりぃ。

 ついつい指の筋力トレーニングに

 使ってぶっ壊しちまった。」

 

「…………………は?」

 

何を言っているんだこの赤ゴリラは。

指の筋力トレーニング?

そんなものハンドスピナーでも使ってやっとけ!!

 

「雄二!!

 キサマ図ったな!!」

 

「おいおい忘れたか明久」

 

「忘れたって何を………」

 

「俺は……

 お前がToLoveるに合うのが大好き

 だってことを!!」

 

「字が間違っとるぞい。

 このやりとりは今作二回目じゃな…」

 

「ねぇねぇ、ToLoveるって?」

 

「……ラッキースケベのこと」

 

今作?秀吉は何を言ってるんだろう。

あと康太、高坂さんに変なこと吹き込まないの。

けど鍵がないってことはまさかとは

思うけど……

 

「僕………ずっとこのまま!?」

 

「そうなるな」

 

これじゃあ本格的に犯罪者だよ…

片手だけが塞がれてもう片方は園田さんが持ってるけど。

 

「そ…そうですか……

 ずっとこのままですか……うぇへへ…」

 

「海未ちゃん!?」

 

いかん、このままでは園田さんがおかしな方向に……

あまりのキャラ崩壊っぷりに南さんも声をあげた。

こんなところここにいる人以外の誰かに見られでもしたら………

 

「よ…吉井君?

 一体何をしているの………?」

 

「か…会長!?」

 

会長が戻ってきたようだ。

どうやら飲み物を買いに行っていたらしい。

この電車は自販機もあるんだね…

 

「うわっ………

 アンタまさかそんな趣味あったわけ…?」

 

「違いますよ先輩!!

 これはそういうのじゃなくて………」

 

「うんうん、そういう趣味があっても

 しょうがないよなぁ。

 男の子やもんね。

 勘弁したげて、にこっち?」

 

「ちっがぁぁぁぁぁぁぁぁぁう!」

 

ゴミを見る目で僕を見る先輩と副会長。

え?何で違う学年の会長たちが同じ列車にいるかって?

生徒会権限だってさ。もう生徒会権限最強だね。ていうかそういう趣味って…

この二人まさか…

 

「先輩と副会長ってもしかしてムッツ…」

 

「「ん?」」

 

「すいませんなんでもないんです

 そういう趣味とかいうからてっきり

 ムッツリかと思っただけなんです」

 

「「……………」」

 

「あ、終わったな。

 明久、今回は助けられん」

 

このあとめちゃくちゃわしわしされた。

 

 

 

 

 

 

 

「……なるほどね。

 っていうか海未アンタよく捕獲作戦

 なんて実行する気になったわね…」

 

「いいえ勘違いしないで下さい

 にこ先輩。

 私は西村先生から頼まれただけで

 けしてやましい気持ちがあったわけ

 ではうぇへへへ………」

 

「こんなの海未先輩じゃないにゃ~!」

 

凛ちゃんの言うことはご最もだ。

一体誰が園田さんをこんなに変えてしまったというんだろう…?

 

「けど海未先輩がもう片方を持って

 なければ吉井先輩も腕を動かせるんじゃ…?」

 

「それだよ小泉さん!!

 それじゃあ園田さん、そっちを離して

 貰えるかな?」

 

「あっ…………」

 

僕は園田さんからもう片方の手錠を預かった。

これで手錠が付いている利き手の左手が重いだけで手の動きが制限されることはない。

 

「しかし明久!

 それは私が西村先生から渡された

 物です。

 私が返さないと…」

 

「大丈夫!

 あとで鉄人にはこの恩(恨み)を仇と

 一緒に返しておくから!」

 

「仇を返すのね……

 にこはどうなっても知らないわよ」

 

さて、鉄人には何を返そうかな…?

拷問にする?火炙りが先?

それとも…こ・ぶ・し?

 

「ヴェェ……出た、先輩の悪い顔…」

 

「この顔になったときは大抵ロクなこと

 にならん。

 早めに逃げる準備をするかのぅ…」

 

おや、今まで西木野さんたちの前でそんなに悪い顔をしただろうか。

まぁいいや、悪い顔をしている回数=鉄人に恨みがあるってこと!

今ここでこの恨み討ち祓わん!!

 

「ふっふっふ………

 やれる…!僕ならやれる……!

 I can kill it!!」

 

「殺るなっての。

 しかし不味い…!!

 このままじゃあ明久のToLoveるが

 見れねぇまま終わっちまう…!」

 

「………見なければ気がすまないのか」

 

「何言ってんだ康太!!

 ナンパかToLoveるは明久のお約束

 だろ!!」

 

「おい、そこ!!

 バカなこと言わない!!」

 

何がナンパだよ!

確かに僕の顔でできないことはないけど僕にそんな勇気はない!!

………おい!今ブサイクって言った奴出てこい!!

 

「くっ…!!

 バカの帝王の明久にバカって言われる

 なんて…!

 こうなりゃ絶対ラキスケ起こしてやるぜ!」

 

「はぁ……もういいや、鉄人への仇の

 ことは放っておくとして喉が渇いた

 から飲み物でも買ってくるよ……」

 

「くそ!!

 なんか手はないのか………

 お?南!俺の目が正しければお前が

 持ってるのは普通のより凹みやすい

 炭酸飲料のペットボトル!!」

 

「う…うん。

 試しに買ってみたけどやっぱり口

 には合わなかったよ…

 それで余っちゃって………」

 

「そうか!ならこれは貰ってもいいんだな!?」

 

「えっ!?

 も…貰うってどういう……」

 

「くっ!!明久が立ち上がった!

 悪い!!こいつ貰うぞ!!」

 

「あっ……く…口………」

 

僕は立ち上がって机にあった財布を手に取った。

そのときだった。

 

「おっと手が滑ったぁぁぁッ!!」

 

「何っ!?うわぁぁぁっ!!」

 

雄二が僕の足元に中身が空になったペットボトルを投げてきた。

迂闊にも僕はそれを踏んでしまい滑る。

空中を舞う中で不気味に笑う雄二の姿と顔を真っ赤にしている南さんの姿を見た。

そのまま自由落下していき前に倒れる。

 

「うわぁぁぁっ!」

 

「きゃぁっ!!」

 

倒れたときに一瞬で分かったこと。

柔らかい。

ただその一言に尽きた。

 

「あ……あの先輩…

 顔……退けて下さいぃ…」

 

「え………?

 ごっ…ごめん小泉さん!!」

 

僕の顔は小泉さんの………うん、分かるよね?

柔らかかったです……以上。

 

「何やってるんじゃ明久……

 後輩に手を出すほどに欲求不満

 じゃったとは…」

 

「吉井君のえっちぃ~♪」

 

「ちっがぁぁぁぁ(ガチャッ)…………?」

 

秀吉と副会長にあらぬ誤解を受け、

いつものアレ(ちっがぁぁぁう!!)を

言おうとしたときだった。

既に今日一度聞いたガチャッという音が鳴った。

 

「え………?

 この音って確か…………」

 

「あ…明久……お前、腕…………」

 

「え……………?

 えぇっ!?」

 

僕は着地のときに腕から手を着いた。

そしてその腕の下には小泉さんの白くて細い手があった。

 

「か…かよちん!!」

 

「明久、アンタなにやってるのよ…!!」

 

「は……はらしょー……………」

 

「は…ハレンチな…………!!」

 

そしてその白い右手は僕の左手と繋がれていた。

………物理的に

 

「う…ううっ…………」

 

「………今日から僕は本物の犯罪者だ…」

 

そう、目の前で涙目になってる小泉さんの右手と僕の左手が手錠で繋がってしまったのだ………

 




はい。かよちんが明久の毒牙に噛みつかれました。
この合宿編のヒロインですね。
次回も電車の中ですかね。
私のせいですが区切りが悪いので早めに投稿します。

今回もありがとうございました!!

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