バカと9人の女神と召喚獣 バカテス×ラブライブ!   作:星震

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今回は次の話へのプロローグですね。
もうすでに次の話は執筆中です。

新たに高評価をくださったとけるんさんありがとうございます!!

そして毎度投稿が遅れてすいません。


バカと陰謀と祝福のお知らせ

文月学園から音ノ木坂学園に転校してから二ヶ月が経った。

色んなことがあったけど時間にすると短いものだね。

それだけ学園生活が充実しているってことなのかな…?

 

「吉井君…?寝ちゃったの…?」

 

「あ、すいません、会長。つい……」

 

微妙に暖かいような七月のほどよい気温についつい眠気を誘われてしまう今日この頃。

生徒会の仕事の最中だってのに何やってるんだ僕は……

 

「眠いなら寝ていいのよ?

 なんなら私が膝枕してあげるから…」

 

「本当ですか!?是非お願いしま…

 じゃなくて!残っている仕事を

 しないと…」

 

本当はしてもらいたいなんてことは絶対にない。

そう、ないんだ…!!

 

「吉井君?どうして血の涙を流して

 いるの…?」

 

「なんでもないんです…!!」

 

僕は血の涙を流しながら資料に目を向けた。

 

「学力合同強化合宿ですか……

 共学校と女子校が合同って………」

 

「いずれは音ノ木坂も共学化するから

 問題ないと思うわよ?」

 

「もはやそういう問題じゃないん

 だよなぁ………

 あいつらの場合は」

 

会長の言葉に腕を組みながらそう言う雄二。

雄二の考えるどこぞのバカ共を思い浮かべる。

 

『裏切り者は死刑!!』

『アキちゃん!俺だ!結婚しよう!』

『秀吉!!I LOVE YOU!!』

 

確かにこんな感じじゃあ先が思いやられるよ…

ババァ長はなんでこんなことを計画したんだろう……

 

「はぁ…………」

 

「どうしたのじゃ明久。

 ため息をつくと幸せが逃げるぞい」

 

「なら秀吉!!

 君が僕を幸せにしてくれるかい…?」

 

「お主は何を言っておるのじゃ!!」

 

「……あのクラスがいるからか?」

 

「はい、康太は正解。

 雄二たちなら分かるでしょ?

 何するか分からないよ!?」

 

「いやいや明久。

 流石に奴等もこんなドでかい

 イベントでバカやらかす程までには

 落ちぶれてないだろうよ」

 

「そ…それもそうだね!

 うん!そうだといいな!!」

 

「全くだ。ハハハハハハ…………」

 

これがフラグとなったのだろうか。

僕はこのとき既に恐ろしい計画が動き出しているということに気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

「さて…

 今日の夕飯は何にしようかな…

 確か昨日余った野菜があったかな。

 肉でも買ってきて今日は久々に鍋奉行

 雄二に登場してもらおう………」

 

今日の夕飯を決めたところで僕は靴箱に手を伸ばした。

 

「ん?なんだろう、これ…?」

 

僕が靴箱を開けるとピンク色の封筒が落ちてきた。

 

『吉井明久様へ』

 

ハートのシールで封が閉じられているそれを見て僕はこの手紙が何か悟った。

 

「これってまさかのアレですか?

 恋する女子が靴箱に入れるという

 太古から学生時代に伝わる伝説の

 祝福のお知らせなんですか!?」

 

僕は何度も見間違いかと名前が書いてあるところを確認する。

そこには確かに僕の名前が書いてあった。

 

「はっはっは…

 僕も隅に置けないな………

 こんな僕にも神様は幸福をくれるん

 だね…」

 

僕は恐る恐る手紙についているハートのシールを丁寧に剥がし、封を開け、中から手紙を取り出した。

 

『拝啓、吉井明久様。

 いかがお過ごしでしょうか』

 

その手紙は女の子らしいとても美しく品のある字で書かれていて……

 

『こちらは我らが天使、

 秀吉とアキちゃんの写真を巡って

 日夜、戦争が起きております』

 

神様は残酷だった。

 

「雄二ぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!!」

 

「おわっ!?

 急に泣きついてきて何だ明久!!

 気持ちわりぃ!!」

 

「これ!!これ!!」

 

僕は雄二に品の『ひ』の字もない汚い字で書かれた悪魔たちからの手紙を渡した。

 

「あぁ………?

 ………なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!」

 

雄二は手紙を読んだ直後、こめかみを

ピクピクさせて発狂した。

雄二もようやくただ事ではないことに気づいたようだ。

 

「くそっ!!

 明久!康太と秀吉を連れてこい!!

 帰って対策を練るぞ!!」

 

「わ……分かったよ!!

 けどその前にスーパーに行かなきゃ!」

 

僕たちと悪魔たちの戦争が始まろうとしていた……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……よし、全員いるな。

 康太、カーテンは閉めたな?」

 

「………抜かりない」

 

「明久、盗聴機の確認は?」

 

「大丈夫、こいつで確認したから」

 

「明久がなんで盗聴機発見機なんて

 持ってるかは放っておいて…

 秀吉、今日も可愛いな?(質問系)」

 

「一体どうしたというのじゃ!?

 お主まで壊れ始めおったか!?」

 

「よし、会議を始める!!」

 

「「おー!!」」

 

「ワシを無視するでない!!」

 

この時期は普通仕舞う筈のコタツの上にある鍋を囲むようにして座る僕たち4人。

鍋といったらコタツなんだよ!とか言って雄二が押し入れから引っ張り出してきたこれは電源こそ付けてないが夏なので少し暑い。

因みに今日は白菜たっぷりの鍋だよ。

 

「さて、まずは何が起こったのか整理しよう。

 まず明久の元に一通の手紙が届いた。

 今から中身を読み上げるぞ」

 

『拝啓、吉井明久様。

 いかがお過ごしでしょうか。

 こちらは我らが天使、

 秀吉とアキちゃんの写真を巡って

 日夜、戦争をしております。』

 

「ここまででおかしいじゃろう…

 たかが写真一枚で日夜戦争とは………」

 

『では早速本題に入らせていただきたく

 ございます。

 近々行われる学力合同強化合宿にて

 我々FFF団は「プロジェクトH」を

 実行致します。』

 

「大層な名前だね…Hってなんの略?」

 

「察しろ明久。女子相手に野郎たちが

 やることはなんだ?」

 

「あっ………(察し)」

 

『この作戦において恐らく教師と

 敵対する可能性があると思われます。

 そこで貴殿らのお力をお貸し頂きたい。

 作戦会議は合同合宿の夕食後、

 214号室にて行う。

 そちらから代表を一人必ず連れてくる

 ように。

 最後に、エロスと共にあらんことを。』

 

「おい、最後の一文。

 マスターヨ○ダに謝れ」

 

という文でしたと。

もう皆分かったと思うけどコイツらが何を書いてきたのか簡単に説明すると、

女子風呂の覗きをする。協力しやがれ

ということだね。

 

「曖昧なことがあるのじゃが…

 女子風呂を覗くんじゃろうということ

 は分かった。

 じゃが覗く対象が文月の生徒なのか

 音ノ木坂の生徒なのか分からんぞい」

 

「……恐らくそれは当日まで黙秘にしている。

 裏切り者が出ないためだろう」

 

流石は隠密作戦が得意な康太。

相手の戦術を見抜く力も凄い。

 

「バカのくせに手の込んだ作戦立て

 やがって…

 むしろ天才かと勘違いしてまうぜ…

 あ、いや、天災の間違いか」

 

「それで?

 雄二はどうするつもりなの?」

 

「どうするって…そりゃあ………」

 

 

 

 

[side change 雄二]

 

「それで?

 雄二はどうするつもりなの?」

 

「どうするって…そりゃあ……」

 

そういや、なんでだ…?

別に俺が手を降す必要はねぇ…

その気になれば放っておくことだってできる筈だ…

なのに…なんで………

 

「なんでこんなにもイライラするん

 だろうな…

 別に俺に被害が来るわけでもねぇのに」

 

「何か大切なことでもなきゃこんな

 面倒事に首を突っ込もうなんて

 思わないでしょ?

 雄二はどうしてこの計画を止めよう

 とするの?」

 

こいつの言ってることは確かにそうだ。

何でそんなことをしたいのか、自分でもそれは分からねぇけど俺がやる行動は変わらねぇ。

 

「正直、こんなことはどうでもいい。

 けど、モヤモヤしたまま放っておく

 のは嫌いなもんでな」

 

「ほう、ならばお主はどうするのか

 意見を聞かせてもらおうではないか」

 

普段は見せない真剣な顔で言う秀吉。

明久、康太も俺の方を見て来る。

コイツらは真剣な理由でこの計画を止めるみたいだな…

なら俺は俺のやり方で正面から俺の理由を言ってやろうじゃねぇか…!

 

「俺はなんで自分がこんな行動に

 出ようとしているのか分からねぇ。

 下手したらまた昔みたいに周りに迷惑

 かけて終わるだけかもしれねぇ。

 けど、俺は何か理由があってあの

 バカ共を止めるわけじゃない。

 実行した理由を見つけるために

 俺はやるんだ。

 この一件が全部終わった後に

 あぁ、俺はこの為にやり遂げたんだな

 って胸を張って言えるようにな。」

 

「雄二………」

 

流石にこんな曖昧じゃ納得して貰えないか…

駄目なら裏方で俺一人だけでも…

 

「なら、ワシらからは何も言うことは

 ない。

 戦おうではないか、雄二」

 

「え?納得してくれんの?」

 

今の俺は相当すっとぼけた顔をしていることだろう。

あぁ…見たくねぇ……

 

「いや、僕は嬉しいよ雄二…

 きっと雄二のことだからあの計画に

 参加して願わくば桃源郷をその目に

 焼き付けようとしていたのかと

 思っていたよ。」

 

「人を勝手に変態扱いしてんじゃねぇよ…」

 

「……変態は男の宿命。

 当然のことであり罪ではない」

 

「これ、康太。

 話をややこしくするでない」

 

茶化す康太を止める秀吉。

 

「さて、お主を試すのもこれくらいで

 いいじゃろう。

 さて、では作戦を立てるとするかのぅ」

 

「ちょっと待て秀吉。

 俺が理由を言ったんだ。お前の理由も教えろ」

 

「いいじゃろう。それはじゃの………

 ただ単に奴等の覗きの対象にワシが

 入っておることに腹がたったからじゃ」

 

「しょうもねぇな…………お前らは?」

 

「……こんな堂々と覗きをすることに腹がたった。

 覗きを語るにはまだまだ早い。」

 

「やり方が良けりゃあ許しちまうのか!?

 ちゃんと行為自体を否定してくれ!!」

 

「僕は先輩や高坂さん、周りの皆が

 傷つくのは絶対に嫌だからやるつもり

 なんだけど……」

 

「クソッ!!

 明久が一番まともに見える日が来る

 なんて!!

 明日は槍でも降るのか!?」

 

「おい!それって僕がまともじゃない

 って言ってるな!!」

 

「「「え………?」」」

 

「何で三人揃ってそんな顔してるの!?ねぇ!?」

 

はぁ………

こんな奴等だが頼りになるから困る。

まぁ、つーわけで頼りにしてるぜ?

お前ら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえばいい忘れていたことが

 あるんだけど…」

 

「なんだ明久?」

 

鍋の肉団子を食しながら明久が言い出した。

 

「この送られてきた手紙、書いた日付が

 一週間前みたいなんだ」

 

「ふむ、それがどうかしたのか?」

 

「いや、だからさ…

 そうなると当然合宿までの時間も

 短くなるわけで……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「学力合同強化合宿って明日みたいだよ」

 

「「「………………は?」」」

 

前言を撤回したい。

やっぱりコイツだけは頼りにならんかもしれん。

 




次回は遂にμ'sの中で明久と唯一接点が少なかったあの子が動き始めます!!
勿論その子のためだけではありませんがこれから数話は独壇場といってもいいでしょう。

では、私は夜食(お米)を食べてきます!!
今回もありがとうございました!!

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