バカと9人の女神と召喚獣 バカテス×ラブライブ!   作:星震

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お待たせしました!!

GWは執筆ができなかったのでこれからモチベをあげていきます!!


新たに高評価をくださった
ヤマト・カンザキさんありがとうございました!!

今回もお楽しみいただけると嬉しいです!!


僕と先輩と信じる気持ち

「なぁ…明久…………

 お前いつもこんな部屋で部活してんのか?」

 

「うん…………………」

 

「学校にこんな部屋があったとはのぅ…」

 

結局あのあと部室に押し掛けてきた皆様方。

 

「勝手に見ないでくれる?」

 

「そうは言ってもこんなに部屋にグッズ

 が散乱していたら………ね…」

 

買ったばかりのグッズやら先輩が家から持ってきたものやらがダンボールに入っていたりそのまま机に置いてあったりしているので見るなと言われても嫌でも目に入ってくるんだよね…「」

だから普段から片付けておけって言ってるのにな…

 

「こ……これは…!?」

 

小泉さんが棚に置いてあった物を手に取った。

それに目を付けるとはお客さんお目が高いね~…

…………セールスっぽいからやめよ…

 

「伝説のアイドル伝説DVDBOX!!

 持ってる方に初めて会いました!!」

 

「そう………?」

 

「凄いです!!」

 

「ま…まぁね…」

 

「ちょっと先輩?

 それ手に入れたの僕ですよね?

 僕の苦労忘れられてません?」

 

次の日授業中居眠りしてしまい鉄人に

チョークを喰らったのを忘れた日はない。

次の日先輩が目を輝かせて喜んでいたから許したけど。

ちなみに当の先輩はというと手に入れられなかったそうです。

 

「そんなに凄いの?」

 

「そりゃもう!!

 手に入れるのに掛かった時間はおよそ

 28時間!!

 つまり一日と4時間追加!!

 何も食べずにコーヒーだけを飲み続け

 朝から晩まで通販サイトを見逃す

 ことなく過ごしたあの日を忘れは

 しないよ!」

 

「……地獄のような生活ですね。

 典型的な駄目人間の鏡です…」

 

あれ?

僕の努力伝わってない?

それどころか僕の評価にマイナスがついた気が…

 

「確か通販でも瞬殺だったこれを

 2セットも持ってるなんて……

 尊敬します!!」

 

「家にもう1セットあるけどね。」

 

「本当ですか!?」

 

「あの先輩!?

 3セットってどういうことですか!?

 それ僕の混ざってますよね!?」

 

「アンタのはあそこにあるやつよ。」

 

「人の物を保存用として部室に

 置かないでくれませんかね!?」

 

 

「アンタ一度見たらずっと見ない口

 でしょ!?

 それに部室に置いておいてもそれで

 見られるじゃない。」

 

PCを指す先輩。

確かに見られないことはないけど…

 

「家で見れないってことですよね?

 それ………」

 

「何か二人面白いにゃ~。」

 

「お前ら毎日こんなことやってんのか?

 疲れないモンだな…

 コントか何かか?」

 

「「違う(よ)!!」」

 

「………俺はどんな反応すりゃいいんだ…」

 

反応に困る雄二。

僕とタイミングが合ったのが余程嫌だったのか先輩はこっちを睨んでいる。

 

「むぅ…………」

 

「あ…あれ?

 どうして園田さんは怒ってるのかな…?」

 

「さぁ、何故でしょうね?

 当ててみてはどうですか?」

「うぅ…………何でこんなことに…

 嫌われるようなことしたかな……?」

 

「大丈夫だよ~。

 海未ちゃんは明久君に構って

 貰えなくて寂しいだけだよね?」

 

「ほ…穂乃果!!

 貴方はどうしてそんなに口が軽いん

 ですか!!」

 

「いひゃいひょ!ふひひゃん!!」

 

高坂さんのほっぺを引っ張る園田さん。

あのほっぺ凄く柔らかそうだな………

 

「ったく本当にすげぇ部屋だな…

 お?何のサインだこれ…」

 

雄二は何を思ったのか部屋に飾ってあったサイン入りの色紙を手に取った。

 

「あ、ちょっと!!そこの赤ゴリラ!!

 勝手に触るんじゃないわよ!!」

 

「赤ゴリラ……」

 

「だ…駄目だよ坂本君!!

 勝手に触ったら!!

 ほら!早く戻さないと!!」

 

「うおっ!?」

 

雄二が持っていたサイン色紙を南さんが取り上げる。

そして元あった場所に戻した。

急いでいるように見えるのは何故だろう…

 

「アンタそれ手に入れるのにどれだけ

 時間掛かったと思ってるのよ!?

 あのアキバのカリスマメイドの

 サインよ!?」

 

「カリスマメイドだぁ?」

 

「アンタ…知らないわけ?

 あのミナリンスキーさんを!?」

 

「知るか。

 俺はアイドルオタクじゃねぇっての。

 金輪際知らんでもいい。」

 

「そ…そうだよ坂本君!!

 何があっても絶対、ぜーったいに

 この人を調べちゃ駄目だからね!?」

 

「ど…どうした南…

 何でそんな本気になってんだ…」

 

「何でもないんだよ!!

 けど絶対駄目だからね!?」

 

「お…おう………」

 

「で!結局何しに来たのよアンタたちは!」

 

遂に先輩の堪忍袋の尾が切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アイドル研究部さん!!」

 

「…………にこよ」

 

「にこ先輩!!

 私たち、スクールアイドルを

 やってまして…」

 

「知ってる。

 どうせ生徒会に部活にしたいなら話

 付けて来いとか言われたんでしょ。」

 

「おー!

 話が早い!!」

 

「お断りよ。」

 

「え?」

 

 

「あの…

 私たちは部として活動する場が欲しい

 だけで別にこの部を廃部にしてほしい

 とかいうわけでは…」

 

「お断りって言ってんの!!」

 

先輩が机をドンと叩いて言う。

突然のことに全員が驚く。

 

「言ったでしょ!

 アンタたちがやってることは

 アイドルへの冒涜だって!

 格好だけアイドルやってても駄目

 なのよ!」

 

「けど私たちだって必死に

 頑張ってるつもりです!!

 歌もダンスも…!!」

 

「こやつらの努力はワシも保証するぞい。

 ワシの練習を真剣についてきたのは

 こやつらが初めてじゃ。」

 

「そういうことじゃない。」

 

「え?」

 

秀吉の言葉を遮るようにして先輩が

告げる。

 

「アンタたち………

 ちゃんとキャラ作りしてるの?」

 

「キャラ…ですか?」

 

園田さんが先輩に聞き返す。

他のメンバーもなんのことかとポカンとしている。

けど……

キャラといったらこの先輩がやろうとすることは皆さんも分かっているだろう。

 

「せ…先輩?

 ここでアレをやるのはどうかと

 思いますよ?」

 

「何言ってるのよ。

 この子たちに本物のアイドルのキャラ

 ってのを教えなきゃ駄目よ!!

 いい!?見てなさいよ?」

 

「な…何が始まるってんだ……?

 なぁ明久!!

 何か嫌な寒気がするんだが!!」

 

雄二が危険を予知し始める。

恐らくあの鍋事件のときの感じと同じ

だからだろう。

そしてその勘は当たることとなる。

 

「にっこにっこにー!

 笑顔届ける矢澤にこにこ!!

 にこにーって呼んでらぶにこっ!」

 

『…………………………………』

 

その場にいた全員が黙る。

雄二に関しては何か怖いことを思い出したかのように震えだした。

 

「どう?」

 

いや…ドヤ顔で言われましても……ね…

 

「これは…キャラなんでしょうか…?」

 

「なるほど…!!

 これがキャラ!!勉強になります!」

 

「私、無理………」

 

「ちょっと寒くないかにゃ~…」

 

あっ!先輩の前でそれは………

 

「アンタ…今寒いって……」

 

「いや!!

 すっごく可愛いかったです!!

 最高です!!」

 

「いや、もう無理があるよ……

 凛ちゃんは悪くないよ…

 実際これは寒……」

 

「ふん!!」

 

「痛ぁぁぁぁぁぁ!!!!

 手が!!手がぁぁぁぁぁ!!」

 

噛んだ!!

この先輩噛みついてきたよ!!

猛犬注意!!

ん?犬じゃないか。

猛にこ注意!!

 

「くっ…

 何で受けが悪いのよ…!!

 アンタのときは上手くいった筈…」

 

「はい?

 上手くいったって何のことです?」

 

「スーパーで会ったときよ!!

 あのとき私のにこにースマイルで

 アンタはイチコロだったのに……」

 

「あぁ、あれですか。

 あれならただ単に何をやってんだ

 この幼女はと思っただけですよ?」

 

「…………え?」

 

「え?」

 

部屋にしばらくの沈黙が訪れる。

最初に沈黙を破ったのは園田さんであった。

 

「で…ですがお客様を喜ばせる努力は

 大事ですよ!!

 お客様を楽しませるためにここまで

 出来るなんて流石は先輩です!」

 

「……………」

 

先輩は黙ったままである。

 

「せ…先輩?

 大丈夫ですか?」

 

「…………出てって。」

 

「え?」

 

「出てってよ!ばかぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「部長さん!

 待って下さい!!部長さぁぁん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良かったんですか?

 あんな追い出し方して…」

 

「………うるさい」

 

「勿体ない……

 あの話を進められれば先輩も

 スクールアイドルになれたかも

 しれないのに…」

 

「………いいのよ。

 別に…興味ないし………」

 

「嘘ですね。」

「え…?」

 

「興味がなかったらあれだけ高坂さん

 たちに真剣になってケチつけない

 でしょ?」

 

「何言ってるのよ…

 ケチつけることなんて興味が

 なくたってできるでしょ。」

 

「けど先輩の場合は違いますよ。

 貴方はやると決めたことには一直線

 ですがやりたくないことは絶対に

 やらない。

 貴方はそういう人じゃないですか。」

 

「バカにしてるのアンタ。」

 

「滅相も。」

 

僕なりに言葉を選んだつもりだが

気に入らなかったらしい。

けど先輩にはちゃんとやりたいことを

やって欲しい。

やりたいという気持ちを押し殺すなんてことはさせたくなかった。

 

「やめてよ…

 私はもうスクールアイドルはやらない

 って決めたの………」

 

「もう……?

 先輩もしかして………」

 

「そうよ…

 昔やってたのよ。

 まぁ、皆着いてこれないって言って

 辞めて行っちゃったけどね…」

 

今までこの部は設立したときの部員が

何故今までいないのだろうと思っていたがやっと分かった。

さっきも言ったが先輩はやると決めたら一直線な人だ。

他の部員は先輩の目指す場所へ着いて

いけなくなってしまったのだろう。

 

「仮にあの子たちとやったとして

 着いてきてくれるの?

 あの子たちは………」

 

「それは……

 僕には分かりませんけど……」

 

「もう嫌なのよ…

 誰かに裏切られるのは……

 アンタには分からないわよ…」

 

「………」

 

先輩は信じていたのだろう。

その部員の人たちを。

高坂さんたちを見て僕は部活を作るということがどれだけ大変なのか知っている。

だからこそやっとできた部活が崩壊するということはとても辛いことなのだろう。

もう一度同じことになるのではないか。

その思いが今の先輩にはあるのだろう。

 

「あの…先輩………」

 

「ごめん、今は放っておいて……」

 

「あ…」

 

言わないと…

僕が言える精一杯の気持ちを。

 

「えっ…ちょっと……何よ?」

 

珍しく先輩の隣に腰かけて言葉を紡ぐ。

うまく伝えられないかもしれない。

けど僕の今の気持ちを言おう。

 

「先輩。

 僕は何があっても先輩を裏切りません

 から!!」

 

「は……はぁ?」

 

いきなり先輩を何を言ってるんだとでも言いたげな顔にさせてしまう。

 

「そりゃあ先輩の過去に何があったか

 なんて分かりませんよ…

 けど、僕は先輩に着いていくと

 決めたからこの部に入ったんです。

 先輩のお陰で僕はアイドルの大変さ

 や素晴らしさを知ることができました。

 先輩が元の部員の人たちと一緒に思い

 描いていた部活とは違うと思います

 。

 悔しいけど僕には先輩が思い描く

 部活を先輩にさせてあげられません。

 僕はアイドルになれませんからね…」

 

「アンタ………」

 

「けど僕はもっと先輩に教えて欲しいん

 です。

 アイドルの素晴らしさとか、先輩に

 とってのアイドルって何なのかとか。」

 

「私にとって……?

 そんなこと知って何になるの?」

 

「もっと先輩のことを知ることが

 出来るじゃないですか。

 きっと信じられる人ってそういうこと

 から始まるんじゃないですか?」

 

「!!」

 

「それでいつか先輩にも僕のことも

 知って貰って先輩に本当に信じて

 貰える人になります。

 今の言葉も信じて貰えるか分かりま

 せんけどね…はは……」

 

「ふふ…何よそれ……

 今までの言葉台無しじゃない…」

 

「ですよね………」

 

「けど…ありがと。」

 

「え…?

 何がですか?」

 

「さぁ。何だと思う?」

 

「分かりませんってば…」

 

「けど、さっき言ってたこと。

 本当よね?」

 

「そりゃあ勿論!

 今更嘘なんて言ってどうするんですか。」

 

「そうね…ふふっ……」

 

「おふ……」

 

「な…何よ?」

 

「いや…

 今、初めて先輩が少し可愛いと

 思いまして…」

 

「なっ!?

 っていうか少しってどういうこと!?」

 

「あっ!!

 えっとそれは……………」

 

「もう……まぁいいわ。

 それと………」

 

「?」

 

先輩が椅子から立ち上がる。

 

「私にとってのアイドルってのはね…」

 

「………(ごくり)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が今一番やりたいことよ!」

 

先輩は満面の笑みでそう教えてくれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの先輩……

 これ隠れる必要ないですよね?」

 

「いや…でも……ね…」

 

またこれだよ……

μ'sの皆様を再び監視するという…

 

「先輩もしかしてあれですか?

 恥ずかしくて言いたいこと言えずに

 ツンツンしちゃってたまにデレる

 っていう伝説のあれですか?」

 

「ふん!!」

 

「痛いです………」

 

爪先を潰されました。

凄く痛いです。

 

「皆のところに行って自分もアイドル

 やりたいって言うんでしょう?」

「わ…分かってるけど…

 って移動してるじゃない!!」

 

「あぁもう………

 こりゃ大変だ…………」

 

僕たちは移動するμ'sを追いかける。

 

「ってここ部室じゃない。

 何でここに来てるの…?」

 

「チャンスですよ先輩!!

 早く行かないと…」

 

「ちょっと待って!!

 なんか皆部室に入ってるんだけど!?」

 

「えぇ!?

 どこから部室の鍵を!?

 鍵は僕が持ってるのに……」

 

「もう!!

 何やってんのよ!!」

 

「あ!先輩!!」

 

先輩は凄い剣幕で部室に入る。

すると部屋の照明が急に点いた。

するとそこには……

 

『お疲れ様です!!』

 

「え…?」

 

そこにはμ'sの皆様がいた。

ご丁寧に皆座って。

康太に秀吉もいた。

 

「なるほど、康太がピッキングで

 鍵を開けた訳だね。」

 

「………ご名答」

 

「少し犯罪臭がしておるがのう……」

 

「それで皆どうしてここに……」

 

「まぁ見ておれ。

 これが高坂のやり方じゃ。」

 

「お茶です!部長!!」

 

「ぶ…部長!?」

 

先輩にお茶を出す高坂さん。

一体これはどういう状況なんだろう…?

 

「今月の予算表になります部長!」

 

「部長!

 ここに置いてあったグッズ棚に移動

 しておきました!」

 

「ちょっと何勝手に移動してんのよ!」

 

「参考に少し貸して。

 部長のおすすめの曲。」

 

「なら迷わずこれを!!」

 

「あぁ!!だから勝手に私の!」

 

「だからそれ僕のですからね…?」

 

伝説のアイドルDVDを見せる小泉さん。

 

「ところで次の曲の相談をしたい

 のですが部長!!」

 

「やはり次は更にアイドルを意識した

 曲がいいと思いまして…」

 

「それと振り付けも何かいいのが

 あったら…」

 

「歌のパート分けも宜しくお願いします!」

 

「…………これは何よ。」

 

先輩が少し怒ったような声で言う。

 

「私はただ相談してるだけですよ!

 音ノ木坂アイドル研究部所属のμ's

 の7人が歌う次の曲の。」

 

「な…7人………?」

 

「にこ先輩!!μ'sに入っ………」

 

「ちょ…ちょっと待って!!」

 

「え…?」

 

高坂さんが言おうとしていたことを先輩が止める。

 

「そこから先は私から言わせて。

 ちゃんと自分の言葉で。」

 

「はい…」

 

先輩は深呼吸をしてから自分の言葉で

はっきり伝える。

 

「私、矢澤にこをμ'sのメンバーに

 してください!」

 

「はい!!

 こちらこそ宜しくお願いします!

 にこ先輩!!」

 

「そ…即答!?」

 

すぐに先輩の手を握る高坂さん。

流石の先輩もこれにはびっくりしている。

 

「良かったですね先輩…

 やっと……やっと………」

 

「な…何泣いてんのよアンタ……

 泣くほどのことじゃ……ひっぐ…

 ない……でしょ……」

 

「先輩も泣いてるじゃないですか!

 もう………」

 

「もう…

 泣いてる暇なんてないわよ!!

 ほら!!早くそれ点けて明久!!」

 

「え?

 何かに使うんですか?」

 

高坂さんが先輩に言う。

 

「これ、見るんでしょ?

 私のおすすめの曲、教えるわよ。」

 

「本当ですか!?」

 

「かよちんいつになく喜んでるにゃー!」

 

「振り付けはどうしますか部長!」

 

「それも見せるわよ。

 ほら早くして明久~。」

 

「だからそれ僕のですからぁぁぁぁぁ!!」

 

「お主も災難じゃの…」

 

「…………ん?」

 

「どうしたのじゃ康太?」

 

「…………先輩、今明久って…」

 

「………あ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[その日の帰り]

 

「先輩。

 普通に僕がマネージャー銘記で

 部員に入ってる件について。」

 

「言ったじゃない。

 二つの部が一つになるって。」

 

「そうですけど………」

 

二つの部が一つになった結果、

僕、秀吉、康太はマネージャーとなった。

秀吉はセンターにするべきじゃないのか!?

 

「アンタのその口閉じるわよ」

 

「あれ?

 口に出てました?」

 

口を閉じるって何か意味深なんだけど…

 

「あと……これ。」

 

「え?

 これは……お菓子ですか?」

 

「その…色々忙しくて渡せなかった

 から………」

 

「これ…先輩の手作りですか?」

 

「そ…そうよ!悪い?」

 

「いや…先輩って料理できたんですね…」

 

「この!!

 その口閉じてやる!!

 貸しなさい!!」

 

「ちょっ…先輩何す……むぐっ!?」

 

強引に先輩にお菓子を口に押し込まれる。

口の中に仄かな甘さとほんの少し苦さが広がる。

 

「ちょっと焦げちゃったけど……

 我慢して。」

 

「いえ…

 凄くって程は感じませんし…

 おいしいです……」

 

「そう……良かった…」

 

胸に手を当て、一息付く先輩。

 

「あれ?

 先輩…手、怪我して………」

 

「あっ…これは……何でもないから!」

 

あまりお菓子作りに慣れていないのに

作ってくれたんだ…

手に怪我までして………

 

「先輩。」

 

「な…何よ?」

 

「僕、やっぱり先輩に着いてきて

 良かったです。」

 

「も…もう!!

 今そういうこと言うなバカ久!!」

 

「バ…バカ久…………

 ん?あれ?

 先輩、僕のこと名前で呼ぶように

 したんですね。」

 

「ほ…他に呼び方がないだけよ!!

 それともバカ久のままがいいの!?」

 

「いえ……

 それでいいです………」

 

「うん!明久♪」

 

先輩の笑顔が前よりも見られるようになった気がする。




次回やっと絵里が出せる…
当分出せなかったからなぁ………
あと妹'sを再登場させたい……



今回もありがとうございました!!

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