バカと9人の女神と召喚獣 バカテス×ラブライブ!   作:星震

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秀吉×真姫回です。
そして作者インフルエンザになってしまったという…
給料大丈夫だろうか……
どうせなら続き書き貯めちゃうもんね~。
しかし…以前にもメッセージで苦情を送りつけるのは止めて下さいとあれほど言った筈なのに……

そんな中、新たに高評価をくださった
K.Fさん、komui25さん、
@ファイブズさん、969さん、
Takeshi@なろさん、
ぼっちの神クラウディオさん、
ほうでん亭センマイさん
ありがとうございます!!

遅くなりましたが同じく高評価を頂いていた
イルゼさん、連次さん
ありがとうございます!!

お陰さまで書く気が失せませんでした。
感謝いたします。





では、どうぞ!!


私と才能とはじまりの曲

 

「むぅ…鉄人め…………

 放課後早々姉上に会いに行かせるとは…」

 

廊下でむくれながら歩く少女…

ではなく少年、秀吉。

 

秀吉は不幸にも近いうちに文月学園と

合同で行う企画の会議に出席させられた。

生徒会の仕事の一貫でもあったので

秀吉はあっさりと承諾した。

ここまでは良かったのだが…

 

「なぜ姉上が文月学園の生徒会長を

 やっておったのじゃ…!?

 また強がって引き受けたのじゃろうに……」

 

そう。

なんと会議には彼の姉、木下優子がいたのだ。

そして彼女は文月学園の生徒会長として会議に出席していたものだから立場としては彼女が上司。

そしてそれより下である秀吉は姉に

散々こき使われたのだ…

 

「相変わらず容赦というものを

 知らないのかのぅ…

 明久は何故あのような者とも

 付き合えるものじゃ…」

 

明久は秀吉の姉、優子と面識があるのだがその話は別の機会に話すとしよう。

自分の姉の文句を言いながら歩く秀吉は突然歩く足を止めた。

 

『~~♪~~~~♪』

 

彼が足を止めた場所は音楽室。

そこから流れてくるピアノの音を耳にした秀吉はいつぞやのピアノを弾いていた少女を思い出した。

 

秀吉が帰ろうと思ったそのときだった。

 

「なっ!!

 何見てるんですか!?」

 

「む?」

 

秀吉は聴くのに集中していて気づかなかったがピアノを弾いている彼女から

ドアの小窓越しに見られていた。

そしてそこには秀吉の予想通りいつぞやのピアノの少女がいた。

 

「いや見ていたのではなく聴いていたのじゃ。

 悪気があったわけではないぞい。」

 

「盗み聞きは止めて下さい!

 なんで貴方がまた…………」

 

「廊下を歩いていたらたまたま

 良いピアノの音が聞こえたのでな。

 立ち寄って聴いていただけじゃ。

 なに、今帰るぞい。」

 

「えっ…?帰るんですか?」

 

「うむ。

 あまりここに居てもお主の邪魔に

 なるからの。」

 

「はぁ!?

 べ…別に邪魔とかそんなこと………」

 

そのときだった。

 

「失礼しま~す!

 あ、いたいた西木野さん!」

 

「ヴェェ!?」

 

明るい声と共に一人の少女が入ってきた。

 

「お主は…高坂……」

 

「あれ、秀吉君?

 なんでここに………?」

 

明久と関わる二人は面識が出来ていた。

試験召喚戦争のとき以来明久の周りと

穂乃果の周りはお互いよく関わるようになっていた。

 

「ワシはたまたまピアノの音が

 聞こえたから立ち寄ってみただけじゃが…

 お主はなぜ…」

 

秀吉が問おうとしたそのときだった。

 

「また貴方ですか。

 もう何度もお断りした筈です!」

 

「でもでも!

 やっぱり曲は西木野さんにお願い

 したくて…」

 

「それに私、ああいう曲聴かないんです。

 聴くのはクラシックとかジャズとか

 そのくらいで…」

 

「どうして?」

 

「軽いからよ…

 ただ歌えばいいっていうか……」

 

「……………」

 

その話を黙って聞いていた秀吉は

彼女にかつての自分の姿を重ねた。

演劇以外の芸術を知らずに聞かず嫌いをしていた自分を。

 

「私も最初はそう思ってた。

 ただお祭りみたいにバァ~っと

 やればいいっていうか………」

 

「だったらどうして…」

 

「ねぇ、腕立て伏せ……できる?」

 

「どうしてそんなこと…」

 

「出来ないんだぁ~?」

 

「っ!

 できます!!」

 

彼女は言われたとおりに腕立て伏せをした。

 

「凄い!私より出来てる!」

 

「あたりまえでしょ…!

 こう見えても私は……」

 

「じゃあそのまま笑顔を作って

 やってみて!」

 

「え…?

 こ…こう………?」

 

「そう。それでやってみて!」

 

彼女はもう一度言われた通りにするが…

 

「あっ!?」

 

あまり長続きしなかったようだった…

 

「ね?大変でしょ?」

 

「これと曲のなんの関係が……」

 

「アイドルっていつもこんな練習

 するんだって!

 海未ちゃんが言ってた!」

 

「……」

 

「今回も断られたらきっぱり諦める。

 だからもう一度考えてみて!」

 

「考えが変わるとは思いませんけど…?」

 

「うん。

 そのときは諦めるよ。

 あ、毎日朝と放課後神社の階段で

 練習やってるから遊びにきてみてね!」

 

「えっ…ちょっと……」

 

穂乃果はそれだけ言うと音楽室を出ていった。

 

「作曲ならお主の得意分野じゃろう?

 この間聞いた曲だって……」

 

「そうですけど………」

 

「ワシもお主のピアノを聴くまでは

 演劇以外のことに気を留めなかった

 じゃろう。

 ひょんなきっかけで考えが変わる

 こともあるぞい。」

 

「ひょんなことって…?」

 

「そうじゃの…

 例えばさっき誘われた場所に行って

 みるのもいいじゃろう。

 ただ…一番もったいないのは何も

 知らぬまま終わることじゃ。

 その芸術が持つ美しさに目を留めよ

 うともしないまま終わることじゃ。」

 

「アイドルの持つ美しさ…ですか?」

 

「うむ。

 ワシが言えた立場ではないが

 どんなものにも美しさはある。

 それを見つけられるか…

 あるいは目に入れぬかはお主次第

 じゃがな。」

 

「私は……」

 

「その才能を利用できる場所は多い

 じゃろう。

 お主のやりたいことに使えることを

 祈っておるからの。」

 

「ちょっと先輩…」

 

秀吉はそう告げたあと部屋を出ていった。

 

「イミワカンナイ………」

 

彼女の声が音楽室に聴こえた。

 

「ワシのつまらん才能はここでは

 活かせんかったからの…

 この先の道はお主が決めるのじゃ…」

 

秀吉は悲しげな顔で文月から持ってきた資料と共に生徒会室に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う~ん……

 もう朝ぁ~?」

 

歪んだ意識の中で起きる穂乃果。

 

「あっ!?遅刻だ!!

 海未ちゃんに怒られるぅ~!!」

 

穂乃果は急いで制服に着替える。

そして朝食を物凄い速さで食べ終えると玄関を出た。

 

「お姉ちゃ~ん!!」

 

だが玄関を出た穂乃果を穂乃果の妹が

止めた。

 

「雪穂!

 今急いでるから…!」

 

「何かポストに入ってるよ?

 お姉ちゃんの名前書いてあるけど…」

 

「私に?」

 

雪穂はポストに入ってた物を穂乃果に

渡した。

 

「これって………!!」

 

それは穂乃果がピアノの少女に渡した

歌詞とCDだった。

 

「穂乃果!

 早くしてください!

 遅刻ですよ!!」

 

どうやら穂乃果が遅れていたので

海未は迎えにきたようだった。

 

「う…海未ちゃぁぁぁぁん!!」

 

「ほ…穂乃果!?」

 

「これ!!

 あの子が!!」

 

その手には彼女たちの始まりとなる曲のCDがしっかりと握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで…

 ワシはどうしてここに呼ばれたのじゃ?」

 

秀吉は音楽室で言った。

 

「盗み聞きされるよりはマシですから。

 どうせならそこで堂々と聴いてて下さい。」

 

「喜ぶべきなのかそうでないのか

 さっぱりじゃの…

 それとも一人では寂しいかの?」

 

「べ…別にそんなんじゃないです!

 ただ盗み聞きされるのが嫌なだけで…

 貴方に聴いてほしいとかそういうの

でも…」

 

「相変わらず遠回りな性格じゃな…

 生徒会が終わったあとはやることも

 ないからの。

 お主の演奏を聞かせてもらうこと

 にするぞい。」

 

最近秀吉は音楽に興味を持ちはじめていた。

演劇以外のことに興味を持つなど過去の自分なら考えられなかったことだろう。

 

「西木野 真姫です…」

 

「何じゃ?」

 

「何度も言わないわよ!

 名前位覚えて下さい!!」

 

「ほいほい、分かったぞい。

 西木野。」

 

「じゃあ…

 ちゃんと聴いてて下さい…」

 

「うむ。」

 

 

 

その日から秀吉は生徒会の仕事が終わると音楽室に通うようになった。

 

そしてその日から真姫のピアノの音は

前よりもいきいきとしているようだった。




次回は雄二×ことり回ですね。
あと少し明久登場。
明久sideでストーリーは展開するつもりです。
しかし…今週中に書けるかな……?
いや書く……書け!!←誰に言ってんだ


今回もありがとうございました!!

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