インフィニットミッション   作:のんびり日和

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3話

イチカside

「ラムゼイ、お前には政府から専用機が渡されることになった。」

 

教室に戻って来て早々言われた。専用機?学園にはもうISは持っていることは伝えているはずだが?

 

「専用機!いいなぁ~。」

 

「ほんとよね~、私もいつか持ちたいな~。」

 

「先生、自分はすでに専用機を持っていることは学園側に伝えているはずです。」

 

「あぁ報告は受けている。SR社が製造したものらしいな。だがそれは返納して政府が用意したものを使え。わざわざ私が掛け合ったんだからな。有難く思え。」

 

はぁ?こいつふざけてるのか。

 

「企業に許可の電話をしているんですか?もし、独断で行っているのなら企業に連絡して正式に抗議させていただきますので。」

 

「許可はもらった。ISは「兄さん、今社長に電話して聞いてみたけどそんな話は知らないって。」・・・・。」

 

「どうやら、あなたの独断のようですね。後日正式に抗議の方を入れるように社長に連絡させていただきます。」

 

そう言ったら織斑先生はしかめっ面になりながら教卓に戻っていった。どうせ刀1本のピーキーな機体だろうな。

 

そして休み時間。

 

「どうやら専用機をお持ちだったのですね。」

 

そう言って近づいてきたのはドリル野郎ことセシリア・オルコットだった。

 

「それがどうかしたのか?要件がそれだけならさっさと失せろ。」

 

「な!ま、まぁいいでしょう。それよりあなたISに乗るのはあまり慣れていないでしょ。いまこ「おい、ライミ―。兄さんは失せろと言ったんだ。さっさと失せないと(バラ)すぞ。」ひっ!?」

 

マドカ殺気を出しながらナイフをドリル野郎に向けるんじゃありません。周りの子たちみんな顔面蒼白になってきてるぞ。ドリル野郎はそそくさと自分の席に戻っていった。膝はガクガク震えてたけどな。

 

~放課後~

 

「兄さん、帰ろ。」

 

「そうだな。」

 

はぁ、やっと終わった。こんなのが3年も続くとか本当に鬱になりそうなんだが。

 

「あ、ラムゼイ君、ミューゼルさんちょっと待っていただけますか?」

 

呼ばれた方向を見ると教室の入り口に山田先生がいた。何の用なんだろう?

 

「何の用でしょうか、山田先生。これから兄さんと帰るところなんですが。」

 

「実はお二人にお客さんが来られてまして。こちらにご案内したのです。」

 

お客?いったい誰だ?

 

「はぁ~い、マドカ、イチカ元気にしてたかしら?」

 

そこにいたのは、スコールさんだった。デカめの旅行カバンが二つほど持っていた。

 

「お母さん?どうしてここにいるの?もしかして迎えにきてくれたの?」

 

「いいえ違うわ。実は今日から二人には寮に入ってもらおうと荷物を持ってきたのよ。」

 

え?寮に入る?けどここの寮って確か・・・。

 

「お母さん、私はいいけど兄さんはどうするの?兄さんは男だから女子寮には入れないよ。」

 

そうだ。ここは元々は女学園だ。男が通うことなんてことは想定されていない。だから俺が入れるような部屋はない。

 

「そのことなんだけど、実はこの学園の寮の隣に男子(イチカのみ)用の寮を建造しといたのよ。警備は万全で、出入り口は特殊なカードキーだし、巡回として警備用のガードロボットとかいろいろ備えられているから侵入とかされることはないわ。」

 

そう言って渡されたのは男子寮の部屋用と寮の出入り口用と書かれたカードキーだった。

 

「そうですか。それはよかったです。」

 

マドカはなんか面白くなさそうな顔をしていた。だってあからさまに頬をふくまらしているのだから。

 

「マドカにはこれを渡しておくわね。」

 

そう言ってマドカに渡されたのは男子寮出入り口用カードキーだった。

 

「え?もしかしてこれがあれば兄さんの部屋に行けるの?」

 

そう言われたスコールさんは若干苦笑いで

 

「行けるのは部屋の前までなの。さすがに兄妹でも部屋の中にまで入れるのはまずいと思うからね。」

 

シュン「...そうなんだ。」

 

「マドカ、俺が部屋にいたら入れてやるからそれで我慢してくれ。」

 

「わかった、それで我慢する。」

 

そう言って俺はマドカの頭を撫でてやった。マドカは目を細めて笑顔になっていた。

 

「本当に仲がいいんですね。やっぱり兄妹がいるのは羨ましいです。」

 

「ふふふ、長い間離れ離れになっていたからね。もしこれを引き裂こうとする輩がいたら私自ら八つ裂きにしてやるつもりですしね。」

 

そう言ってスコールさんはジッと向こうの廊下の柱に視線を送っていた。なんかいるのか?

 

「え、えっとスコールさん?」

 

「あら、ごめんなさい。それじゃ、これが二人の荷物だから。着替えの服と娯楽品と訓練用のナイフとか入れておいたからあとで確かめておいてね。」

 

スコールさんに渡された旅行バッグには確かに着替えなどが入っていた。

 

「あ、それとこれも渡しておくわ。」

 

そう言って、渡されたのは厳重な鞄だ。これは俺が頼んでおいたものだ。

 

「ありがとうございます。」

 

「一応学園には許可は取ってあるけど、自分の命もしくは他人の命が危険と判断された場合のみ発砲するのよ。」

 

そう、この中には銃が入っていることになっている。実際は空だ。だって俺がよく使う武器とかはブリザイアの拡張領域に入っているのだから。どうしてこの茶番をしたか、それは俺の立ち位置は現在非常に厄介なところにあるのだ。世界でたった一人のISの男性操縦者だから命を狙ってくる可能性がある。だから俺は銃を携帯し、俺の命もしくは俺の周りの人の命を狙えば容赦なく発砲するぞと抑止力的な意味でこの茶番をしているのだ。

 

「それじゃ、確かに渡したわよ。私はこれから日本支部に顔を出さないといけないから。それじゃ休みの日になったら偶には帰ってきてね。」

 

そう言ってスコールさんは手を振りながら帰っていった。

 

「それでは私も職員会議がありますので失礼しますね。くれぐれも道草をせず真っ直ぐ帰るんですよ。」

 

山田先生、どこに道草するんですか。まだ初日でどこに何があるのかわからないのに。

 

「それじゃ、兄さん寮まで一緒に帰ろ?」

 

「おう、いいぞ。」

 

そう言って俺は手を差し出した。マドカは驚いた顔でこちらを見てきた。

 

「に、兄さんさすがにこの年で手を繋ぐのは恥ずかしいからその、ごめん。」

 

「そうか。」

 

マドカは顔を赤くしながら一緒に歩き始め、昇降口に着いた時、

 

「まて、一夏!!」

 

はぁ~、メンドクサイやつがまた来たよ。

 

「何の用だ篠ノ之。」

 

「決闘するらしいじゃないか。道場に来い!そこで鍛えてやる!」

 

「いらん。お前なんかと訓練するならマドカとやっていた方がためになる。」

 

「な、貴様ぁ!!」

 

はぁ~。こいつ学習能力ゼロじゃねの?マドカももうキレそうだし。さて無視して帰るか。

 

「ねぇ、君もしかして噂の子?」

 

うん?今度は誰だ?ネクタイから上級生のようだが。

 

「噂が何かは大体予想は尽きますが、たぶんそうだと思います。」

 

「やっぱりね、君ISの搭乗時間どのくらいなの?」

 

「さぁ?訓練時間とかはっきり覚えてないんですがたぶん80時間くらいだと思いますよ。」

 

まぁ、ヴァンツァーの搭乗時間とか含めたら1000時間以上だと思うけど。

 

「それじゃ、あの代表候補生は倒せないかもしれないわよ。彼女、今年の1年の首席らしいから。」

 

「そうなんですか。」(あの態度で主席って、イギリスはあんなドリル野郎位にしか候補生にするほど人員不足なのか?)

 

「それでね、よかったら私が訓練見てあげようか?」

 

「いいえ、わ「お誘い有難いのですが、妹と一緒にやる予定なので大丈夫です。」!?」

 

「けど、妹さんはどこかの代表とかじゃないんでしょ?」

 

「いえ、私は亡国機業に所属しているので兄さんより訓練をしていますし、私は兄さんがクラス代表になるのだったら副代表になる予定なのでぜひ勝ってもらいたいから大丈夫です。」

 

「え、そうなの!それじゃあきらめるわ。もし困ったことがあったら相談してね。それじゃ。」

 

そう言って先輩はどこかに去って行った。このご時世あんな風に女尊男卑に染まっていない人は貴重だな。

 

「それじゃマドカ、訓練の内容とか決めたいし後で食堂集合でいいか?」

 

「うん、それでいいですよ。」

 

「ま、まて一夏!?そんな屑な「おい。」!?」

 

俺は今こいつが言った言葉にキレた。マドカが屑だと?

 

「お前、人の妹をバカにするとはいい度胸じゃねぇか。いいだろ、道場で相手になってやる。だがもし俺が勝ったら二度と話しかけてくんな。」

 

「い、いいだろう。」

 

そして、俺たちは道場にきた。

 

「一夏、なぜ防具を着ない!」

 

「邪魔、動きづらい、以上。」

 

俺は竹刀の短い物を構えた。だってナイフくらいのものが有ったらよかったんだが、小太刀くらいの物しかないらしいから仕方がない。

いつの間に道場にはギャラリーがいっぱいいた。まぁ、昇降口あたりであんな風にしゃべってたらそりゃ目立つわな。

 

「では1本勝負、はじめ!」

 

「はぁぁぁぁぁー!」

 

真っ直ぐ突っ込んでくるとかイノシシかコイツ?

 

「おそい。」

 

俺はすかさず避けて、モップに思いっきり胴を決め込んだ。

 

「ぐふっ!」

 

モップは両膝をついた。

 

「胴あり、勝者イチカ・ラムゼイ。」

 

「じゃあな、もう着きまとんなよ。」

 

「ま、まてもう「いい加減にしたら、それ以上するつもりなら私が相手するよ。」な、き、きさまぁ!」

 

「マドカ、ほっとけ。そいつと一緒にいると友達なくすぞ。」

 

「はぁ~い。」

 

背後から何か聞こえるが俺たちはそのまま部屋に戻り、その後食堂でどういった訓練をするか決めそのまま別れ部屋で明日の準備をして寝た。

 

イチカside end

 

本音side

放課後になってから私は生徒会室に向かった。お昼に聞いたことをかんちゃんたちに伝えに行くためにだ。

 

「おねぇ~ちゃ~ん、かいちょ~、かんちゃ~ん聞いてき「本音、いつも扉を開けるときはノックしなさいって言ってるでしょ。」あぅぅ、ごめんなさ~い。」

 

今注意してきたのが、私のお姉ちゃんの布仏虚だ。しっかり者だけど、料理がお菓子作り以外全くダメなんだ~。

 

「それで、本音ちゃんどうだった彼?あの時の一夏君だった?」

 

この人がこの学園の生徒会長で私たち布仏が仕える家の当主の更識楯無さまだ。お嬢様と呼ばれることにちょっと抵抗があるから会長って呼んでるんだ~。

 

「一夏、私たちのこと忘れてなかった?」

 

最後に話しかけてきたのがかんちゃんこと更識簪で、私の主で幼馴染なのだ~。ヒーローなどの特撮物が大好きでよく一緒にアニ○イトに買いに付き添っている。

 

「うん、忘れてなかったよ~。けど名前はよく覚えてないのか私の名前を聞いても気がづかなかったんだ~。ちょっとショック~。」

 

「しかたないでしょ、あれからもう何年たってると思ってるの?たぶんこの部屋にいる全員名前を言っても分からないと思いますからね。」

 

「そうよね~。」

 

「あ、本音。一夏は私たちの約束は覚えていた?」

 

「おぉ~~、すっかり忘れてたよ。大丈夫だったよ、一夏は私たちの約束忘れてなかったよ~。」

 

「そう、よかった。」

 

そう言ったかんちゃんはほんの少し赤くなっていた。もしかして昔のあれを思い出したのかな?

 

「あら、簪ちゃん赤くなっちゃってどうしたの?あ、もしかしてあの時のこと思い出したの?」

 

「!?そ、そんなんじゃ」

 

「大丈夫ですよ、簪お嬢様。私も少し思い出したせいか赤くなってしまいましたから。」

 

確かにお姉ちゃんも赤くなってる。そりゃそうだよね、イッチーは覚えてなかったようだけどあの時、別れ際にみんなのファーストキスをイッチーにプレゼントしたんだもんね。

 

「さて、イチカ・ラムゼイ君は織斑一夏君だったということが分かり、私たちにとって大切な人であることは確認できたんだけど、本音ちゃん、実はちょっとこんな噂を聞いたんだけど聞いてもいいかな?」

 

噂?あ、もしかしてあれのことなのかな~。

 

「もしかして、セッシーとイッチーの決闘のこと~?」

 

「そうそれ。私たちの大切な旦那様にケンカを売るとはその子いい度胸してるじゃない。」

 

おぉお、かいちょーから凄まじい炎がみえるよ。それにお姉ちゃんからも見えてるや。

 

「お姉ちゃん、もしそいつ倒しに行くなら私もいく。」

 

お、かんちゃんも出陣するきなんだ~。実は私もあの時、ものすごく腹が立ったんだよね~。けど、

 

「イッチーがコテンパンにするみたいだし下手に手を出さなくてもいいと思いますよ~。」

 

「そうね、イチカ君がどうにかするみたいだけど、大丈夫なの?私彼が負けるところ見たくないんだけど。」

 

「大丈夫だと思いますよ~、マドマドは亡国機業に所属してるって言ってたし、訓練はマドマドとやるって言ってたから~。」

 

「あらそうなの。それじゃ、その試合が終わった後に勧誘しましょうか。」

 

勧誘?もしかして・・・。

 

「おねえちゃん、もしかして・・。」

 

「そう、イチカ君をわが生徒会に勧誘するの。ついでに、どっきりとして私たちのことも教える。」

 

そしてかいちょーが開いた扇子には『ドッキリ大作戦!!』と書かれてた。おお、それおもしろそ~。

 

「それでしたらこのたまっている仕事をすべて終わらしてしまいましょう。」

 

「え、う、虚ちゃん?」

 

お、お姉ちゃんがものすごく燃えてる。これは普段よりさらにやる気を出している状態だ~。

 

「か、簪ちゃん、助けてーーー!」

 

「私これから打鉄弐式の開発があるからそろそろ帰るね。」

 

あ、かいちょーが絶望の顔になった。私も巻き込まれる前に「本音も手伝いなさい。」逃げられなかったよ~。うわ~~ん。

 

本音side end

 

 

イチカside

朝、目が覚めるとアリスから束姉さんからメールが来ていることを聞いた。メールを開くと内容があの女が独断で政府に依頼したISのせいで日本の代表候補生のISの製造が凍結されたとのことだ。

それでその代表候補生に連絡しようとしたんだが、こっちとあっちでは時間が違うから俺がその候補生に会い、SR社のテストパイロットにならないかと誘ってみてほしいとのことだった。

あの糞女、どれだけ周りに迷惑をかければ気が済むんだよ。

とにかくその候補生に会わないとな、えっとその子の名前は更識簪か。クラスはどこなんだろう?

 

イチカside end




はい、ヒロイン組全員登場。

紹介

更識楯無(更識刀奈)
ヒロインの一人。原作と同じだが妹とは仲がいい。いたずら好きだが恥ずかしいいたずらをすると後から顔を赤くする。
小さい頃、初めて会ったときはイチカに姉妹の仲を持ってくれたことに感謝すると同時に胸のときめきを感じたが何かはわからなかったが、別れるときに恋心と気づきお別れの日にファーストキスと告白をした。

更識簪
ヒロインの一人。原作と同じだが姉とは仲がいい。大人しく内気だが、いざっというときはやる。
小さい頃、姉と同じようにイチカには姉妹の仲を持ってくれたことに感謝していたし胸のときめきを感じていた。ある時、野良犬に吠えられて腰が抜けて動けなくなった時にイチカに助けてもらったときに恋心に気づき、お別れの日にファーストキスと告白をした。

布仏虚
ヒロインの一人。本音の姉でしっかり者。料理はお菓子作りは上手だがそれ以外は壊滅的にダメ。お菓子作りが得意なのはイチカと別れた日から、またイチカに会った時に喜んでもらおうと一生懸命練習した。普通の料理ができないのは謎である。(お菓子作りでは特に問題なくできるが、なぜかそれ以外だと包丁やフライパンが飛ぶ。)
小さい頃、イチカのおかげで更識姉妹の仲を持ってくれたことに感謝している。みんなのお姉さん的存在だっため、イチカも甘えられてきて弟とはこういう感じなのかと感銘していた。
本音がイチカに手作りのお菓子をあげようと母親と一緒に作っているときに自分も渡したいと一生懸命作って出来の良かった物をイチカにあげたら喜んでもらったときに、自分の中にあった弟という感情から恋心に変わったことに気づき、お別れの日にファーストキスと告白をした。



ヒロイン紹介終了

なんかいろいろ書いてるけど気にしないでください。
頭の中で書いていたイメージを文章で表すのはなかなか難しいことが今になって分かった。

誤字等ありましたら報告お願いします。

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